2026年の第110回日本陸上競技選手権大会では、男女5000mで注目の優勝争いが繰り広げられた。男子はHondaの森凪也が13分22秒41で初優勝。女子は積水化学の山本有真が14分59秒89を記録し、田中希実との接戦を制して日本一に輝いた。大会は2026年6月12日から14日まで、愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開催された。
女子では、2022年から2025年まで5000mを4連覇していた田中希実が5連覇に挑戦したものの、山本有真に敗れて2位。男子では森凪也が最後の1周で抜け出し、同僚の中野翔太、旭化成の井川龍人を抑えた。さらに今大会は愛知・名古屋2026アジア競技大会の日本代表選考競技会でもあり、優勝争いだけでなく、その後の国際大会につながる重要な一戦となった。
【2026年最新結果】第110回日本選手権5000mの開催日程と会場
2026年の日本選手権は、名古屋で開催された第110回大会。日本陸上競技連盟が主催し、愛知・名古屋2026アジア競技大会の日本代表選手選考競技会を兼ねて実施された。
5000mは男女で決勝日が異なり、女子は大会初日の6月12日、男子は最終日の6月14日に行われた。女子は先に代表争いを終え、男子は大会最終日のトラック種目の注目競技として決勝を迎えた。
第110回日本選手権の大会概要- 大会名:第110回日本陸上競技選手権大会
- 開催期間:2026年6月12日(金)~14日(日)
- 開催地:愛知県名古屋市
- 会場:パロマ瑞穂スタジアム
- 女子5000m決勝:6月12日(金)
- 男子5000m決勝:6月14日(日)
- 大会の位置付け:愛知・名古屋2026アジア競技大会日本代表選考競技会
会場となったパロマ瑞穂スタジアムは、名古屋市瑞穂公園内にある陸上競技場。日本陸上競技連盟の大会要項にも、今大会の正式会場として記載されている。
名古屋での日本選手権開催は10年ぶり。地元開催のアジア大会を控え、日本代表候補の走りを国内で確認できる大会としても注目を集めた。
なお、競技日程や会場の正式情報は日本陸上競技連盟の第110回大会公式資料に掲載されている。
【男子5000m決勝】森凪也が13分22秒41で初優勝!Hondaがワンツー
男子5000m決勝の主役となったのは、Honda所属の森凪也だった。
森は13分22秒41でフィニッシュし、日本選手権男子5000mで初優勝。日本陸上競技連盟の公式大会レポートによると、勝負を決めたのは最後の1周だった。森が終盤に抜け出し、そのままリードを守り切る展開となった。
男子5000m決勝の上位結果- 1位:森凪也(Honda)13分22秒41
- 2位:中野翔太(Honda)13分22秒56
- 3位:井川龍人(旭化成)13分22秒97
- 4位:鈴木琉胤(早稲田大学)13分24秒60
- 5位:青木瑠郁(住友電工)13分25秒62
特筆すべきは、優勝した森と2位の中野のタイム差がわずか0.15秒だったことだ。3位の井川も13分22秒97と13分23秒を切っており、上位3人が非常に高い水準で競り合った。
Honda勢が1位と2位を独占したことも、このレースの大きなポイントである。森が勝ち切った一方で、中野も自己記録に迫る好走を見せ、チームとしての選手層の厚さを示した。
森凪也の優勝が持つ意味森の勝利は、単なる国内タイトル獲得にとどまらない。今大会はアジア大会の代表選考を兼ねており、優勝によって国際舞台への道を大きく前進させた。
Honda陸上競技部の大会結果でも、森の13分22秒41とアジア競技大会の代表内定が確認できる。
また、2位の中野との差が0.15秒だったことは、5000mにおけるラストスパートの重要性を示している。長い距離を安定して走る持久力だけでなく、最後の局面でどれだけ速度を引き上げられるかが、日本一を左右した。
【女子5000m決勝】山本有真が14分59秒89!田中希実の5連覇を阻止
女子5000mは、山本有真と田中希実による優勝争いが最大の見どころとなった。
優勝したのは積水化学所属の山本有真。記録は14分59秒89で、15分を切る好タイムだった。2位には豊田自動織機所属の田中希実が15分00秒93で入り、3位はパナソニックの齋藤みうが15分11秒30で続いた。
女子5000m決勝の上位結果- 1位:山本有真(積水化学)14分59秒89
- 2位:田中希実(豊田自動織機)15分00秒93
- 3位:齋藤みう(パナソニック)15分11秒30
- 4位:楠莉奈(積水化学)15分14秒01
- 5位:水本佳菜(エディオン)15分14秒25
- 6位:伊澤菜々花(スターツ)15分14秒29
山本と田中の差は1.04秒。山本が最後まで勝負を制し、国内トップレベルの選手が集まる日本選手権でタイトルを獲得した。
田中希実の5連覇への挑戦はどうなった?田中希実は2022年から2025年まで日本選手権女子5000mを4年連続で制していた。2020年にも優勝経験があり、女子中長距離を代表する選手として、この種目で高い実績を積み重ねてきた。
2026年大会では、2022年から続く5連覇を目指して出場。しかし、山本との終盤の競り合いに敗れ、2位となった。
日本陸上競技連盟の公式ギャラリーには、優勝した山本と、その勝利を称える田中の姿が掲載されている。勝者と敗者という結果だけでは語れない、トップ選手同士の競争を象徴する場面だった。
山本有真の14分台が示したもの山本の14分59秒89は、自己新記録を伴う優勝だった。積水化学の大会結果でも自己新記録として紹介されている。
特に注目したいのは、田中が持つ大会記録14分59秒02に0.87秒まで迫った点だ。大会記録の更新には届かなかったものの、日本選手権の女子5000mとして非常に高い水準の走りだった。
山本は田中の連覇を止めただけでなく、同年のアジア大会日本代表にも選出された。2026年は国内タイトルと国際大会への挑戦が結び付いた重要なシーズンとなった。
【男女順位一覧】日本選手権5000mの2026年決勝全結果
ここでは男子5000mと女子5000mの決勝結果をまとめる。男子は18人、女子は29人がフィニッシュした。女子の本間香は欠場(DNS)となっている。
順位と記録は大会結果資料を基に整理した。上位だけでなく、中位以降の選手にも注目すると、実業団、大学、高校など異なる所属の選手が同じ舞台で競い合ったことが分かる。
男子・女子5000m決勝順位表| 順位 | 男子5000m・選手名 | 男子記録 | 女子5000m・選手名 | 女子記録 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 森凪也 | 13:22.41 | 山本有真 | 14:59.89 |
| 2位 | 中野翔太 | 13:22.56 | 田中希実 | 15:00.93 |
| 3位 | 井川龍人 | 13:22.97 | 齋藤みう | 15:11.30 |
| 4位 | 鈴木琉胤 | 13:24.60 | 楠莉奈 | 15:14.01 |
| 5位 | 青木瑠郁 | 13:25.62 | 水本佳菜 | 15:14.25 |
| 6位 | 荻久保寛也 | 13:26.74 | 伊澤菜々花 | 15:14.29 |
| 7位 | 増子陽太 | 13:27.08 | 川口桃佳 | 15:15.00 |
| 8位 | 今江勇人 | 13:27.72 | 山﨑りさ | 15:15.24 |
| 9位 | 塩尻和也 | 13:31.60 | 矢田みくに | 15:25.63 |
| 10位 | 楠岡由浩 | 13:32.14 | 道下美槻 | 15:27.91 |
| 11位 | 西川雄一朗 | 13:32.52 | 吉川侑美 | 15:30.22 |
| 12位 | 藤田大智 | 13:33.27 | 下田平渚 | 15:33.70 |
| 13位 | 山口竣平 | 13:35.33 | 大森菜月 | 15:33.96 |
| 14位 | 池田耀平 | 13:35.77 | 兼友良夏 | 15:34.58 |
| 15位 | 岡田開成 | 13:37.76 | 中後心晴 | 15:35.51 |
| 16位 | 遠藤日向 | 13:44.15 | 真柴愛里 | 15:35.82 |
| 17位 | 小池莉希 | 13:45.45 | 小暮真緒 | 15:36.72 |
| 18位 | 柴田侑 | 13:59.12 | 樺沢和佳奈 | 15:38.52 |
| 19位 | — | — | 安藤友香 | 15:39.51 |
| 20位 | — | — | 尾方唯莉 | 15:40.84 |
| 21位 | — | — | 菅田雅香 | 15:49.54 |
| 22位 | — | — | 吉田彩心 | 16:04.80 |
| 23位 | — | — | 永長里緒 | 16:06.35 |
| 24位 | — | — | 男乕結衣 | 16:10.79 |
| 25位 | — | — | 尾崎光 | 16:14.31 |
| 26位 | — | — | 谷本七星 | 16:16.45 |
| 27位 | — | — | 出水田眞紀 | 16:21.97 |
| 28位 | — | — | 中島紗弥 | 16:26.87 |
| 29位 | — | — | 清水里名 | 16:36.36 |
男子は森凪也から3位の井川龍人まで13分22秒台。上位争いの密度が非常に高かったことが分かる。
女子は山本と田中が15分を挟む接戦を展開し、3位以下には11秒以上の差を付けた。特に4位の楠莉奈と8位の山﨑りさも積水化学所属であり、同チームの選手層の厚さも際立った。
なお、男子の結果は月刊陸上競技の大会結果資料、女子は大会結果資料と日本陸上競技連盟の公式発表でも確認できる。
【日本記録・大会記録】5000mの歴代優勝者と2026年の記録を比較
日本選手権の結果を正しく評価するには、優勝タイムだけでなく、日本記録や大会記録との比較が欠かせない。
5000mは陸上競技場の400mトラックを12周半走る種目。序盤から速いペースで押し切る展開もあれば、集団の中で体力を温存し、終盤のスパートで勝負する展開もある。日本選手権の優勝タイムと日本記録には、レース展開や競技環境の違いも反映される。
男子・女子5000mの主要記録男子5000m
- 日本記録:13分08秒40(大迫傑、2015年)
- 日本選手権大会記録:13分13秒56(伊藤達彦、2024年)
- 2026年優勝記録:13分22秒41(森凪也)
女子5000m
- 日本記録:14分29秒18(田中希実、2023年)
- 日本選手権大会記録:14分59秒02(田中希実、2025年)
- 2026年優勝記録:14分59秒89(山本有真)
男子の森は日本記録から14秒01、大会記録から8秒85差だった。女子の山本は日本記録から30秒71差、大会記録からはわずか0.87秒差まで迫った。
女子の優勝タイムは大会記録に迫る水準であり、記録面では山本の走りが特に印象的だった。なお、男子の大会記録は2024年に伊藤達彦が更新した13分13秒56で、1998年の旧記録13分14秒18ではない。
日本選手権5000mの歴代優勝者近年の男子5000mでは、遠藤日向、塩尻和也、伊藤達彦、井川龍人らが優勝者に名を連ねている。女子では田中希実を中心に、廣中璃梨佳らがタイトルを獲得してきた。
男子5000m・近年の優勝者
- 2026年:森凪也(13分22秒41)
- 2025年:井川龍人(13分37秒59)
- 2024年:伊藤達彦(13分13秒56)
- 2023年:塩尻和也(13分19秒85)
- 2022年:遠藤日向(13分22秒13)
- 2021年:遠藤日向(13分28秒67)
- 2020年:坂東悠汰(13分18秒49)
女子5000m・近年の優勝者
- 2026年:山本有真(14分59秒89)
- 2025年:田中希実(14分59秒02)
- 2024年:田中希実(15分23秒72)
- 2023年:田中希実(15分10秒63)
- 2022年:田中希実(15分05秒61)
- 2021年:廣中璃梨佳(15分05秒69)
- 2020年:田中希実(15分05秒65)
女子は田中希実が2022年から2025年まで4連覇を達成していたことが、歴代優勝者の記録から確認できる。2020年にも優勝しているが、2021年は廣中璃梨佳が優勝しているため、2022年からの連覇とは別に数える必要がある。
男子は複数の選手が優勝を経験する群雄割拠の状態が続いている。2026年に森凪也が新たな優勝者として加わったことも、男子長距離界の競争の激しさを示している。
【アジア大会日本代表選考】日本選手権の結果は国際舞台にどうつながった?
2026年の日本選手権5000mを語るうえで欠かせないのが、愛知・名古屋2026アジア競技大会との関係だ。
第110回大会はアジア大会の日本代表選考競技会として開催された。日本陸上競技連盟は6月16日に代表内定選手を公表し、5000mでは男女それぞれ2人が選ばれた。
アジア大会5000m日本代表男子
- 森凪也(Honda)
- 山口智規(SGホールディングス)
女子
- 山本有真(積水化学)
- 田中希実(豊田自動織機)
ここで注目したいのは、男子5000mの日本選手権2位だった中野翔太ではなく、山口智規が代表に選出されたことだ。一方、女子は日本選手権の1位と2位だった山本、田中の2人がそろって選ばれている。
つまり、日本選手権の順位だけで代表選考のすべてが決まるわけではない。日本陸連が定める選考要項や派遣設定記録、対象競技会での実績などを踏まえた判断が行われる。
2026年9月のアジア大会で日本代表はどう戦った?日本選手権後、代表選手たちは9月の愛知・名古屋2026アジア競技大会に臨んだ。その結果は、6月の日本選手権での順位とはまた異なる展開となった。
男子5000m決勝
- 山口智規:2位・13分31秒43(銀メダル)
- 森凪也:4位・13分35秒55
山口は終盤のロングスパートで銀メダルを獲得。1994年の広島大会以来、32年ぶりとなる日本勢の男子5000m表彰台入りを果たした。森も4位でフィニッシュし、1500mの銅メダルに続いて力を示した。
女子5000m決勝
- 田中希実:2位・15分11秒65(銀メダル)
- 山本有真:4位・15分17秒84
女子は田中が銀メダルを獲得し、山本は4位だった。日本選手権では山本が田中を上回ったが、アジア大会では田中が先着した。両選手の実力が接近していることに加え、国際大会では海外選手との駆け引きやレース展開が結果に大きく影響することが分かる。
国内選手権の優勝者が国際大会でも必ず優勝するわけではない。日本選手権は国内の頂点を決める大会であり、アジア大会は異なる競技環境の中で日本代表として戦う大会である。それぞれの結果を分けて評価することが大切だ。
【プロの結論】2026年の日本選手権5000mから読み取れる3つのポイント
2026年の男女5000mを振り返ると、単に優勝者とタイムを覚えるだけでは見えてこない競技上の特徴がある。
1. 男子はラスト1周の勝負強さが決め手になった森凪也の優勝は、最後の1周で勝負を決めた点に価値がある。5000mでは長時間にわたって一定のペースを保つ能力が必要だが、最後に順位を決めるのは瞬間的な加速力や競り合いへの対応力でもある。
2位の中野翔太との差は0.15秒。5000mを走り切った後のわずかな差が、日本一というタイトルを分けた。
2. 女子は山本有真が新しい勢力図を示した田中希実が長年築いてきた女子5000mの実績に対し、山本有真が正面から挑み、2026年大会でタイトルを獲得した。
山本は14分台で走り切り、大会記録にも迫った。田中も15分00秒93で2位に入っており、実力が落ちたという単純な見方は適切ではない。両選手の競争が女子5000mの水準を引き上げている点に注目したい。
3. 代表選考では順位・記録・国際経験を分けて考える日本選手権の順位は代表選考における重要な判断材料だが、順位だけで代表が決まるわけではない。派遣設定記録や選考要項、対象大会での成績なども関係する。
そのため、結果を確認する際は次の3点を分けて見ると理解しやすい。
- 国内順位:日本選手権で誰が日本一になったのか。
- 記録水準:日本記録や大会記録にどれほど近づいたのか。
- 国際大会の結果:代表選手がアジア大会などでどのような結果を残したのか。
この3つを合わせて見ることで、選手の現在地と今後の成長の方向性がより明確になる。
日本選手権5000mに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の日本選手権男子5000mの優勝者は誰ですか?
A1:Honda所属の森凪也です。2026年6月14日の決勝で13分22秒41を記録し、初優勝を果たしました。2位は中野翔太、3位は井川龍人でした。
Q2:2026年の日本選手権女子5000mの優勝者は誰ですか?
A2:積水化学所属の山本有真です。14分59秒89で優勝し、田中希実は15分00秒93で2位となりました。
Q3:田中希実の女子5000m日本選手権5連覇は達成されましたか?
A3:達成されていません。2022年から2025年まで4連覇していましたが、2026年は山本有真が優勝し、田中は2位でした。
Q4:2026年の日本選手権5000mはどこで開催されましたか?
A4:愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開催されました。大会期間は2026年6月12日から14日までです。
Q5:日本選手権5000mの日本記録と大会記録は何分ですか?
A5:男子の日本記録は大迫傑の13分08秒40、女子は田中希実の14分29秒18です。日本選手権大会記録は男子が伊藤達彦の13分13秒56、女子が田中希実の14分59秒02です。
Q6:2026年アジア大会の5000m日本代表には誰が選ばれましたか?
A6:男子は森凪也と山口智規、女子は山本有真と田中希実です。アジア大会では山口と田中がそれぞれ銀メダルを獲得しました。
2026年の第110回日本陸上競技選手権大会では、男子5000mで森凪也が13分22秒41、女子5000mで山本有真が14分59秒89を記録して優勝した。
男子はHonda勢のワンツーフィニッシュと森の初優勝、女子は山本が田中希実の5連覇を阻止したことが大きな話題となった。特に女子は大会記録まで0.87秒に迫る好記録で、山本の成長を印象付けるレースとなった。
加えて、アジア大会では男子の山口智規と女子の田中希実が銀メダルを獲得。日本選手権での順位とは異なる結果も生まれ、国内選手権と国際大会それぞれの難しさが浮き彫りになった。
今後の日本選手権5000mを追う際は、優勝者だけでなく、日本記録や大会記録への接近度、若手選手の台頭、代表選考との関係にも注目したい。2026年大会は、男女ともに次世代の競争が進んでいることを示す重要な大会だった。
主な事実確認資料: 日本陸上競技連盟の大会要項・公式決勝結果・代表内定発表・アジア大会公式結果、Honda陸上競技部、積水化学、月刊陸上競技。