流行語大賞に対する批判は、単に受賞語の好みが合わないという話ではない。選考の仕組みと、一般の人が考える「流行語」の意味に根本的な違いがある。
主な理由は次の5つだ。
1. 実際に使われた言葉と選ばれる言葉が違う最も大きな問題は、「よく使われた言葉」と「社会的に注目された言葉」が同じではないことだ。
例えば「物価高」「裏金問題」「AI暴走」といった言葉は、ニュースで頻繁に取り上げられれば多くの人が認識する。しかし、日常会話で積極的に使うかどうかは別問題である。
流行語大賞では、日常会話の使用頻度だけでなく、ニュース、政治、経済、スポーツ、エンタメなど幅広い分野の話題性も評価対象になる。
そのため、一般の人が「一度も使ったことがない」と感じる言葉が候補に入ることもある。
2. 選考委員の感覚と一般の人の感覚が一致しない2026年の選考委員は5人。漫画家、コラムニスト、芸人、俳優、出版編集者という顔ぶれだ。
それぞれ異なる専門性や文化的背景を持っている一方、全国民を代表する無作為抽出の投票者ではない。
例えば、漫画やテレビ番組に詳しい人と、スポーツや経済ニュースを中心に情報を得る人では、印象に残る言葉が違う。
選考委員の議論で高く評価された言葉が、特定の年代や職業の人にはまったく響かない可能性もある。
3. SNSの流行とテレビ・新聞の話題が一致しない以前はテレビ、新聞、雑誌などのマスメディアが共通の話題を作りやすかった。
現在は、TikTok、YouTube、Instagram、Xなど、情報を得る場所が細分化している。
例えば、ある言葉が若年層のSNSで大流行していても、テレビを中心に情報を得る人には知られていないことがある。逆に、ニュースで連日報じられた言葉でも、若い世代の日常会話には登場しない場合がある。
つまり、現在の「流行」は全国民に均等に広がるものではなく、特定のコミュニティーで爆発的に広がるケースが増えている。
4. 話題になった言葉と、長く使われる言葉を混同しやすい流行語には大きく分けて2種類ある。
- 一時的なニュースや事件によって注目された言葉
- 日常会話やネット文化に定着して長く使われる言葉
この2つは性質が違う。
例えば「3密」は2020年の新型コロナウイルス感染拡大という社会状況を象徴した言葉だった。一方、「今でしょ!」は日常的な会話や広告などにも応用しやすい表現だった。
同じ賞で扱われていても、社会的な記録としての価値と、言葉としての定着度は別々に評価する必要がある。
5. 大賞という名称がランキングだと誤解されやすい「流行語大賞」という名称から、全国で最も使われた言葉を選ぶランキングを想像する人は多い。
しかし、実際にはノミネート語の使用回数を集計して1位を決める仕組みではない。
選考委員による審議を経て、年間を象徴する言葉が選ばれる。
ここに、名称から想像される期待と実際の選考方法とのギャップがある。
つまり、流行語大賞がおかしいと感じられる最大の原因は、賞が評価する「世相を象徴する言葉」と、読者が期待する「みんなが実際に使った言葉」が一致していないことだ。
【誰が決める?】新語・流行語大賞の選考基準と仕組み
新語・流行語大賞は、自由国民社が発行する『現代用語の基礎知識』を基盤とした賞である。
1984年に創設され、時代を反映する言葉と、その言葉に深く関わった人物・団体を顕彰してきた。
選考基準は「多くの人の目・口・耳をにぎわせた言葉」選考対象について、賞の説明では次のような考え方が示されている。
「軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語」
ここで注目したいのは、「使用回数が多い言葉」だけを選ぶとは定められていないことだ。
社会的なインパクト、ニュースでの注目度、文化的な広がり、新しい表現としての面白さなどが評価につながる。
また、前年12月から当年11月までの出来事が主な選考対象となる。
選考方法は3段階実際の選考について、2025年12月の文春オンラインによる『現代用語の基礎知識』編集長・大塚陽子氏への取材では、具体的な手順が明かされている。
第1段階:候補語の抽出
『現代用語の基礎知識』に収録された言葉をベースに、編集部が候補をピックアップする。目安として約100語が選考委員会に提示される。
第2段階:ノミネート30語の選定
選考委員も候補の絞り込みに参加する。事前に用語を採点するだけでなく、それぞれの専門分野や関心に基づいた意見交換が行われる。
第3段階:トップテンと年間大賞の決定
事前の採点結果を共有したうえで、選考会で議論する。単純な得点の合計だけで機械的に決まるわけではない。
つまり、選考委員は年間大賞を決める最終段階だけでなく、ノミネート30語の選定にも関わっている。
一般投票で決まる賞ではないここは誤解されやすいポイントだ。
現在の新語・流行語大賞は、全国民による人気投票ではない。
かつては『現代用語の基礎知識』の読者アンケートなどを参考にしていた時期もあったが、現在は同書の収録語をベースに選考委員会が決める仕組みになっている。
そのため、ネット上で圧倒的な支持を集めた言葉が、必ずしもノミネートされるわけではない。
【2026年最新】ノミネート30語と選考委員5人を総チェック
2026年の「現代用語の基礎知識 選 2026 T&D保険グループ新語・流行語大賞」では、11月5日にノミネート30語が発表された。
今年の候補には、スポーツ、エンタメ、政治、経済、AI、社会問題など、幅広い分野の言葉が並んでいる。
2026年ノミネート30語一覧以下は発表された候補30語。掲載順は50音順であり、人気ランキングや選考順位ではない。
社会・経済・政治・テクノロジー関連
1. 青切符
2. AI暴走
3. キオクシア
4. 警戒レベル5
5. 声の権利
6. 酷暑日
7. 消費税1%
8. スマホ農場
9. データセンター
10. ナフサ
11. NISA貧乏
12. フィジカルAI
13. setlog(セットログ)
14. 言語化
エンタメ・SNS・カルチャー関連
15. あかり、信じてるからな
16. ギルティ
17. 好きすぎて滅!
18. スクイーズ
19. だけ弁当
20. ちいかわ(現象)
21. ドパガキ
22. なんとかなれーッ
23. パンチくん
24. ピックルボール
25. フレネミー
26. ホビ垢
27. ボンボンドロップシール(ボンドロ)
28. モナキ
29. 夜の踊り子
30. りくりゅう
りくりゅう
フィギュアスケートの三浦璃来選手と木原龍一選手のペアの愛称。2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪での金メダル獲得を背景に、スポーツ分野の象徴的な候補となった。
ちいかわ(現象)
作品やキャラクターを中心に広がる人気を表す候補。単語そのものの使用頻度というより、コンテンツ文化の広がりを象徴する選出として見ることができる。
AI暴走
AIの自律的な行動やサイバーセキュリティー上のリスクなどをめぐる社会的関心を反映した言葉。AI技術の急速な進展が、2026年の世相に大きく関係していることを示す。
ボンボンドロップシール(ボンドロ)
シール収集やデコレーション文化を背景にした候補。SNSでの共有や趣味のコミュニティーを通じた流行を考えるうえで興味深い。
この4語を比較すると、2026年の選考が単純な流行ランキングではないことがよく分かる。
「りくりゅう」はスポーツの実績、「ちいかわ」はキャラクター文化、「AI暴走」は技術と社会問題、「ボンドロ」は消費・趣味文化を反映している。
一つの尺度では測れない異なる種類の話題が、同じ候補リストに並んでいるのだ。
2026年の選考委員は誰?2026年の選考委員は次の5人だ。
{#each [{n:"やくみつる",r:"漫画家",d:"漫画や世相への鋭い観察を持つ選考委員。"},{n:"辛酸なめ子",r:"漫画家・コラムニスト",d:"サブカルチャーや消費文化など幅広い視点を持つ。"},{n:"パトリック・ハーラン",r:"お笑い芸人",d:"社会や言葉を異なる文化的視点から捉える。"},{n:"室井滋",r:"俳優・エッセイスト",d:"芸能・文化・日常生活に根差した視点を持つ。"},{n:"大塚陽子",r:"『現代用語の基礎知識』編集長",d:"出版・編集の立場から選考に関わる。"}] as p,i}
{p.n}
{p.d}
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{/each}
なお、2025年には講談師の神田伯山氏が加わり、6人体制だった。2026年は伯山氏が選考委員を1年で卒業し、前年から1人減った5人体制となっている。
この変更も、2026年の選考体制を確認するうえで押さえておきたい事実だ。
2026年の大賞発表はいつ?2026年11月5日時点では、ノミネート30語が発表された段階であり、年間大賞はまだ決まっていない。
- ノミネート30語発表:2026年11月5日
- トップテン発表:2026年12月1日午後2時
- 発表・表彰式:2026年12月1日
12月1日にどの言葉が年間大賞に選ばれるのかが、次の注目点となる。
【歴代大賞と比較】流行語大賞は昔から世論とズレていた?
「最近の流行語大賞はおかしい」という意見は多い。しかし、歴代の受賞語を振り返ると、賞の性格は時代とともに変化してきたことが分かる。
最初に、1984年の創設当初は新語部門と流行語部門の金賞などを選ぶ形式だった。1991年から年間大賞が設けられたため、1984~1990年と1991年以降では制度が異なる。
歴代の代表的な年間大賞一覧※代表的な年間大賞を掲載。複数語が同時に選ばれた年度は併記。1984~1990年は部門別の金賞制度。
2013年は「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返しだ!」という4語が年間大賞に選ばれた。
林修氏の決めぜりふ、東京五輪招致プレゼンテーション、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』、TBSドラマ『半沢直樹』と、異なる分野から広く知られた表現が集まった年だった。
このように、複数のジャンルで実際に人々の会話やメディアに登場した言葉が並ぶと、受賞への納得感も得やすい。
2017年「インスタ映え」「忖度」は社会の変化を象徴2017年は「インスタ映え」と「忖度」が同時に年間大賞を受賞した。
前者はSNSを通じた写真共有や消費文化、後者は政治や組織内の人間関係を象徴する言葉だった。
両者は意味も使われる場面も違うが、その年の日本社会を別々の角度から表現していた。
2020~2023年はスポーツと社会現象が中心2020年の「3密」は感染症対策のために社会全体で共有された言葉だった。
2021年は大谷翔平選手の「リアル二刀流/ショータイム」、2022年は村上宗隆選手の「村神様」、2023年は阪神タイガースの「アレ(A.R.E.)」が年間大賞となった。
この時期はスポーツ関連の言葉が続いたが、実際の競技成績や報道、社会的な盛り上がりと結びついていた。
2024年「ふてほど」から批判が強まった理由2024年の年間大賞は、TBSドラマ『不適切にもほどがある!』の略称「ふてほど」だった。
ドラマそのものは話題になった一方、略称が一般にどれほど使われていたのかについて疑問が相次いだ。
授賞式では主演の阿部サダヲさんが、正直なところ「ふてほど」と自分たちで言ったことはなかったという趣旨の発言をして話題になった。
この受賞が象徴しているのは、作品の知名度と略称の流行度が必ずしも一致しないという問題だ。
作品が人気だったからといって、その略称まで全国的に使われていたとは限らない。
2025年「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」はなぜ選ばれた?2025年の年間大賞は、高市早苗首相に関係する「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」だった。
この言葉は政治的な発言として注目され、働き方やワークライフバランスをめぐる議論にもつながった。
一方、日常会話で使われた頻度と、ニュースでの注目度は異なる。
この受賞を単純に「みんなが口にしていたから選ばれた」と理解するのは適切ではない。政治的な影響力や社会的な議論を含めた象徴性が評価されたと見るべきだ。
【評判と批判の真相】流行っていないという声はデータにも表れている?
流行語大賞への批判が単なるネット上の一部の不満なのか、それとも実際に世論とのズレが存在するのか。
この疑問を考えるうえで参考になるのが、2025年に実施された応用社会心理学研究所(ASPECT)の調査だ。
2025年の調査では30語中9語しか半数以上が「流行った」と回答しなかった同研究所は2025年11月、2025年のノミネート30語について約1,000人を対象に調査を実施した。
結果は、流行語大賞の選考と一般の人の感覚の違いを考えるうえで興味深いものだった。
2025年ノミネート語に関する調査結果9語
30語中、半数以上が「流行った」と回答した言葉約35%
30語の半数以上を知らないと回答した人の割合90.0%
「物価高」を流行ったと感じた人の割合85.8%
「緊急銃猟/クマ被害」を流行ったと感じた人の割合
調査主体:応用社会心理学研究所。2025年11月実施、約1,000人対象。
つまり、ノミネートされた30語すべてが、同じ程度に世間で浸透していたわけではない。
特に「物価高」や「緊急銃猟/クマ被害」は、多くの人が流行を実感した言葉だった。
一方、特定の趣味やコミュニティーで話題になった言葉は、知名度があっても全国的な流行として認識されないことがある。
「知っている」と「流行った」は別物同調査で明らかになったもう一つの重要な点は、認知度、流行感、使用度の違いだ。
- 知名度と流行感に20ポイント以上の差がある言葉:8語
- 使用度と流行感に20ポイント以上の差がある言葉:13語
例えば「薬膳」は、知っていても流行したとは感じない人が多く、認知度と流行感のギャップは52ポイントだった。
また「エッホエッホ」は、流行したと感じる人がいても実際に使う人は少なく、流行感と使用度のギャップは40ポイントだった。
この結果から分かるのは、流行を測るには複数の尺度が必要だということだ。
言葉を知っている人が多くても、日常的に使う人が多いとは限らない。SNSで大きく盛り上がっていても、社会全体で流行しているとは限らない。
2024年「ふてほど」も大学生の調査で厳しい評価2024年の受賞結果についても、若年層とのズレを示す調査がある。
マーケティング関連企業RECCOOが大学1~4年生400人を対象に実施した調査では、「ふてほど」に対する納得感は14%にとどまり、86%が否定的な評価だった。
一方、「Bling-Bang-Bang-Born」は、調査対象となった言葉の中で、納得できるという回答が合計95%に達した。
ただし、これは大学生を対象とした調査であり、日本全国の全年代の意見を示す数字ではない。
それでも、若年層の実感と選考結果に大きな違いが生まれる可能性を示す事例ではある。
世代やSNSの違いによって「流行」の定義が変わっているASPECTの調査では、性別、世代、接触するメディアによって、流行ったと感じる言葉に違いが見られた。
研究所はこうした現象を、特定のコミュニティーで強く支持される「界隈的流行語」として整理している。
この視点は2026年の候補を考えるうえでも重要だ。
「ちいかわ」「ボンボンドロップシール」「好きすぎて滅!」などは、特定の趣味やファン層で強く認識される可能性がある。
一方、「青切符」「酷暑日」「消費税1%」などは、制度や社会問題を通じて広く認識される種類の言葉だ。
同じ「流行語」という枠に入っていても、言葉が広がる経路はまったく違う。
【プロの結論】流行語大賞は廃止すべき?本当の役割を考える
ここまでの選考方法、歴代受賞語、世論調査を踏まえると、流行語大賞の問題点と価値は分けて考える必要がある。
流行語大賞は「日本一使われた言葉ランキング」ではないまず理解しておきたいのは、この賞が全国民の使用頻度を調査したランキングではないことだ。
選考委員がニュース、政治、経済、スポーツ、エンタメ、ネット文化などを振り返り、その年を象徴する言葉を選ぶ編集的な賞である。
この点を踏まえれば、自分が知らなかった言葉や、日常会話で使わなかった言葉が選ばれること自体は、必ずしも選考ミスとはいえない。
ただし、「流行語」という名称を掲げる以上、世間でどれほど知られ、使われていたのかを説明する透明性は求められる。
選考の透明性を高めるために必要な3つの改善点今後、流行語大賞への納得感を高めるなら、次の改善が考えられる。
1. 認知度と使用率を分けて公表する
ノミネート語について、知っている人の割合、実際に使った人の割合、流行したと感じる人の割合を別々に示す。
これにより、社会的な話題性と日常会話での浸透度を区別できる。
2. 年代やメディア別の調査を充実させる
若年層、働く世代、高齢層、SNS利用者、テレビ中心の利用者など、異なる層の評価を比較する。
全国的な流行と、特定コミュニティーでの流行を可視化すれば、選考結果への理解も深まる。
3. 年間大賞の選考理由を具体的に説明する
なぜその言葉が他の候補よりも評価されたのか。ニュース性なのか、社会への影響なのか、新しい表現としての価値なのか。
判断の根拠を説明すれば、結果に納得できない人にも選考側の考え方が伝わりやすくなる。
流行語大賞を楽しめる人・納得しにくい人| 読者のタイプ | 評価のポイント |
|---|---|
| 1年間のニュースを振り返りたい人 | 社会の出来事を整理する資料として楽しめる |
| テレビ・スポーツ・エンタメが好きな人 | その年の話題をまとめて振り返れる |
| SNSの流行を重視する人 | 自分のコミュニティーとのズレを感じやすい |
| 使用頻度ランキングを期待する人 | 選考方式との違いから不満が生まれやすい |
| 選考過程の透明性を重視する人 | 選考理由や調査データの公開を求めやすい |
大切なのは、受賞結果を絶対的な世論として受け取らないことだ。
流行語大賞は、社会のすべての人が同じ言葉を使っていた証明ではない。むしろ、その年に何が報道され、どんな文化が広がり、どのような社会問題が注目されたのかを振り返る一つの資料として活用するのが適切だ。
【流行語大賞がおかしいと言われるの理由】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:流行語大賞は誰が決めている?
A1:自由国民社が発行する『現代用語の基礎知識』に収録された言葉をベースに、選考委員会がノミネート語や受賞語を選ぶ。2026年は、やくみつる、辛酸なめ子、パトリック・ハーラン、室井滋、大塚陽子の5人が選考委員を務めている。
Q2:2026年の流行語大賞はもう決まった?
A2:2026年11月5日時点では、ノミネート30語が発表された段階。トップテンの発表は12月1日午後2時に予定されており、年間大賞もその日に発表される。
Q3:流行語大賞は本当に流行っていない言葉を選ぶことがある?
A3:ある。選考では日常会話の使用頻度だけでなく、ニュース性や社会的な影響、文化的な話題性も考慮されるためだ。2025年の調査でも、ノミネート30語のうち半数以上が流行ったと感じられた言葉は9語にとどまった。
「流行語大賞はおかしい」「こんな言葉は流行っていない」という批判には、実際の調査結果から見ても一定の根拠がある。2025年の調査では、ノミネート30語のうち半数以上が流行ったと感じられた言葉は9語だけだった。
一方、流行語大賞は全国民の使用回数を競うランキングではなく、その年の社会や文化を象徴する言葉を選ぶ賞として1984年から続いている。2026年も「りくりゅう」「ちいかわ」「AI暴走」など、異なる分野の話題を反映した30語が候補に選ばれた。
賞の価値を判断する際には、自分の周囲で使われていたかどうかだけでなく、社会的な話題性、世代間の認知度、実際の使用頻度を分けて考えることが大切だ。
12月1日のトップテンと年間大賞の発表では、どの言葉が選ばれるかだけでなく、その選考理由が世論の実感とどれほど一致するのかにも注目したい。