小川氏の現在の評判を整理すると、次のような構図になっている。
- 政策面の評価: 学校給食費の無償化など、子育て世帯の経済的負担を軽減する施策を進めた点が評価されている。
- 政治姿勢への批判: ホテル面会問題によって、市長としての自覚や公私の区別、説明責任が問われた。
- 選挙面の評価: 2026年1月の出直し選挙で再選し、引き続き市政を担う民意を得た。
- 現在の課題: 市議会との合意形成、財源の確保、失われた信頼の回復が問われている。
特に注意したいのは、再選したことと、ホテル面会問題への批判が解消したことは同じではないという点だ。
選挙では小川氏の市政実績を支持する有権者が一定数いた一方、対立候補にも5万人を超える票が集まった。小川氏への評価は、単純な人気・不人気では整理できない。
【2026年1月の選挙結果】小川晶氏が再選できた理由と丸山彬氏との比較

2026年1月12日に実施された前橋市長選挙は、ホテル面会問題による辞職を受けた出直し選挙だった。
小川氏は無所属の前職として立候補し、弁護士の丸山彬氏ら4人の新人候補と争った。
選挙結果は約1万票差前橋市が公表した2026年2月号の広報資料によると、小川氏は62,893.536票を獲得。次点の丸山氏は52,706.463票だった。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 投票日 | 2026年1月12日 |
| 当選者 | 小川晶氏 |
| 小川氏の得票 | 62,893.536票 |
| 丸山彬氏の得票 | 52,706.463票 |
| 次点との差 | 約10,187票 |
| 投票率 | 47.32% |
| 前回投票率 | 39.39% |
| 立候補者 | 5人 |
投票率は前回から7.93ポイント上昇した。小川氏の得票率は約49.8%で、対立候補との競争が最後まで注目された選挙だった。市の公式広報には開票結果と投票率が掲載されている。
小川氏が再選を果たした3つの背景1.市長在任中の政策実績
小川氏は2024年2月の初当選から約1年9カ月、市長として市政を運営してきた。
選挙戦では、学校給食費の無償化など、子育て世帯に関係する施策を実績として訴えた。
ホテル面会問題への批判があっても、政策面では引き続き小川氏に期待する有権者がいたと考えられる。
2.街頭活動と謝罪を重ねた選挙戦
毎日新聞の選挙報道によると、小川氏は街頭で謝罪を繰り返し、中心市街地や駅前などで有権者の質問にも応じた。
問題を避けて政策だけを訴えるのではなく、批判を受け止める姿勢を見せたことが、草の根の支持拡大につながったと報じられている。
3.対立候補との知名度や政治基盤の違い
丸山彬氏は40歳の弁護士で、新人候補として出馬した。
自民党の正式な推薦とは異なるものの、自民系の市議会2会派や地元の国会議員らが支援した。市政刷新を訴え、ホテル面会問題による市のイメージ悪化を争点にした。
一方、小川氏は現職経験と知名度を持っていた。選挙戦では、これまでの政策実績と草の根の支持を前面に出した。
結果として丸山氏は52,706票を獲得したものの、小川氏には届かなかった。選挙報道では、丸山氏の知名度不足も要因として指摘されている。
小川晶氏と丸山彬氏の比較| 比較項目 | 小川晶氏 | 丸山彬氏 |
|---|---|---|
| 年齢(選挙時) | 43歳 | 40歳 |
| 立場 | 前職・現職経験者 | 新人 |
| 職業・経歴 | 弁護士、元群馬県議 | 弁護士 |
| 選挙での主な訴え | 謝罪と市政実績、子育て政策 | 市政刷新、信頼回復 |
| 主な支援基盤 | 立憲民主・国民民主系の市議ら | 自民系市議会2会派など |
| 得票数 | 62,893.536票 | 52,706.463票 |
| 結果 | 当選 | 落選 |
選挙結果から読み取れるのは、小川氏への支持が残っていたことと、市政刷新を求める有権者も相当数存在したことだ。
したがって、再選を全面的な信頼回復と解釈するのは早い。ホテル問題に対する評価と、今後の市政運営への期待を分けて見る必要がある。
【ホテル面会問題の経緯】辞職に至った理由と何が問題だったのか
小川晶氏の評判を考えるうえで避けられないのが、2025年9月に発覚した市職員とのホテル面会問題だ。
この問題は単なる私生活上の話題ではなく、市長と部下という公的な関係、公用車の使用、行政組織への影響、市民への説明責任という複数の論点を含んでいた。
2025年9月24日:臨時記者会見でホテル面会を認める2025年9月24日、小川氏は報道を受けて臨時記者会見を開いた。
相手は既婚の男性市職員で、小川氏は男性と複数回ホテルで会っていたことを認めた。
TBS NEWS DIGなどの報道によると、面会は2025年2月から9月までの間に10回以上に及び、公用車を利用したケースもあった。
小川氏は、男性とは相談や打ち合わせをしていたと説明し、男女関係については否定した。
ホテルを利用した理由については、ほかの職員には話せない悩みがあり、周囲を気にせず話せる場所を求めたという趣旨の説明をしている。
しかし、市のトップと部下がホテルで繰り返し面会するという行動そのものが、市民から疑問視された。
2025年10月:続投の意向を示す小川氏は当初、辞職ではなく続投する意向を示していた。
自身の市長報酬を50%減額する案も提示し、反省したうえで職務を続ける考えを明らかにした。
しかし、市議会では説明責任や市長としての適格性を問う声が強まり、議会との関係も厳しくなっていった。
2025年11月27日:市長を辞職2025年11月25日、小川氏は市議会議長に退職願を提出した。
そして11月27日に辞職。これによって、2026年1月の出直し市長選挙が実施されることになった。
2025年12月:男性職員にも懲戒処分共同通信の報道によると、前橋市は2025年12月9日、面会していた男性職員を停職6カ月の懲戒処分とした。
男性職員は同年12月末で依願退職することになった。
市側は、問題発覚後の市長公務の中止や電話対応など、市の通常業務にも影響が及んだと説明している。市への問い合わせは12月1日午前までに1万2,000件を超えていた。
ホテル面会問題の時系列まとめ| 時期 | 出来事 | 意味・影響 |
|---|---|---|
| 2025年2月~9月 | 男性職員とのホテル面会 | 10回以上と説明 |
| 2025年9月24日 | 臨時記者会見 | 面会を認め、男女関係は否定 |
| 2025年10月 | 報酬半減案などを提示 | 当初は続投を目指す |
| 2025年11月25日 | 退職願を提出 | 市議会議長が受理 |
| 2025年11月27日 | 市長を辞職 | 出直し選挙へ |
| 2025年12月9日 | 男性職員を停職6カ月処分 | 職員も年末に依願退職 |
| 2026年1月12日 | 出直し市長選挙 | 小川氏が再選 |
この問題で特に重要なのは、男女関係の有無だけが争点ではなかったことだ。
市長には、市民の税金を預かり、行政組織を統率する立場として、行動の透明性が求められる。面会の目的について説明しても、場所の選択や公用車の利用、部下との距離感について疑問が残れば、行政への信頼に影響する。
小川氏自身が男女関係を否定していることと、面会方法が市長として適切だったかどうかは、別々に考えるべき問題である。
【市政運営の評価】学校給食無償化と子育て政策の実績
小川市政への評価を考えるとき、ホテル面会問題だけに注目すると、実際の政策運営を見落としてしまう。
小川氏が市長として進めてきた施策のなかでも、特に市民生活に直結するのが教育と子育て支援だ。
学校給食費の無償化は実現したのかこれは小川市政の代表的な実績の一つだ。
前橋市の公式発表によると、市立中学校では2024年6月から、市立小学校では2025年4月から学校給食費を無償化している。
対象は市立小・中学校と特別支援学校に在籍する児童・生徒だ。
| 項目 | 実施時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 中学校給食費 | 2024年6月 | 無償化 |
| 小学校給食費 | 2025年4月 | 無償化 |
| 対象 | 市立小・中学校、特別支援学校 | 給食費の保護者負担を軽減 |
| 手続き | 原則不要 | 毎月の給食費請求なし |
この施策のメリットは、所得制限による対象者の選別を基本的に行わず、対象となる児童・生徒の保護者に広く経済的支援を届けられる点だ。
物価上昇が続くなか、毎月の給食費が不要になることは、子育て家庭にとって継続的な負担軽減につながる。
ただし、給食無償化には毎年度の財源が必要になる。食材費や人件費が上昇すれば、市の負担も変化する。
したがって、実績を評価する際は、無償化を実施した事実だけでなく、将来にわたって安定的に継続できるかも重要になる。
0~2歳の第1子保育料半額公約はどうなった?もう一つの注目政策が、0~2歳児の第1子保育料の軽減だ。
小川氏は第1子の保育料半額を公約に掲げ、2026年3月の市議会に関連する条例改正案を提出した。
ところが、3月26日の採決では反対多数で否決された。
反対した議員側からは、恒久的な財源確保や政策の効果が不明確であることなどが問題視された。
小川氏はその後、制度の見直しを進めた。
そして2026年9月25日、修正した条例改正案が市議会で賛成25、反対11で可決された。
見直し後の内容は次のとおりだ。
- 対象:0~2歳児クラスの第1子
- 軽減率:第2子と同じ原則60%軽減
- 軽減額の上限:月額15,000円
- 実施予定:2027年4月
前橋市の2026年10月13日更新の案内でも、2027年4月からの第1子保育料軽減が示されている。なお、実施には2027年度当初予算案の市議会での議決が必要となる。
ここは検索ユーザーが誤解しやすいポイントだ。
当初の公約は半額だったが、最終的に成立した制度は原則60%軽減・月額15,000円上限という内容に変更されている。
つまり、当初の公約どおりの半額制度がそのまま実現したわけではない。一方で、議会との協議を経て、別の形で保育料軽減が前進したことも事実だ。
子育て政策の評価はどこで判断すべきか小川市政の子育て政策を評価する際は、次の3点を見ると分かりやすい。
1. 給食無償化など、すでに実施されている施策
2. 保育料軽減など、議会の議決を経て実施予定となっている施策
3. 施策を継続するための財源と、ほかの行政サービスとのバランス
子育て支援は、利用する家庭には大きなメリットがある。一方、税金を使う以上、子育て世帯以外の市民にも納得できる財政運営が求められる。
このバランスをどう取るかが、今後の市政評価を左右する。
【市議会との関係】小川市政は議会と対立しているのか
小川氏の市政運営を考えるうえで、見逃せないのが市議会との関係だ。
ホテル面会問題では、市長の説明責任をめぐって議会との緊張が高まった。2026年には保育料軽減策をめぐって条例改正案が否決されるなど、政策面でも意見の違いが表面化した。
ただし、これを単純に「市長と市議会が全面対立している」と捉えるのは正確ではない。
3月の否決と9月の可決が示したもの2026年3月の第1子保育料半額案は、財源の継続性などを理由に否決された。
一方、小川氏側は提案を取り下げて終わらせるのではなく、軽減率と上限額を見直して再提案した。
9月には賛成25、反対11で可決されている。
この経緯は、議会が市長の公約をそのまま追認するのではなく、財政負担や制度設計を検討し、修正を求めたことを示している。
また、小川市政側にも、議会との協議を通じて政策を成立させる必要があることが明らかになった。
市長に求められるのは議会との合意形成市長は選挙で選ばれる一方、予算や条例などの重要事項には議会の議決が必要になる。
そのため、選挙で公約を掲げても、実現には議員との協議や財源の説明が欠かせない。
今回の保育料軽減策は、その典型例といえる。
今後、小川市政の評価を左右するのは、選挙で掲げた政策をどれだけ実行できるかだけではない。異なる意見を持つ議員と協力し、持続可能な制度を作れるかどうかも重要だ。
【プロの結論】小川晶市長の評判を判断する5つの視点
ここまでの経緯を整理すると、小川晶氏に対する評価は、政治的信頼と政策実績という二つの軸で見る必要がある。
特に重要なのは、次の5つの判断基準だ。
1.ホテル面会問題への説明責任
男女関係の有無だけで判断するのではなく、市長として不適切と受け止められた行動にどう向き合い、説明責任を果たしてきたかを見る必要がある。
2.学校給食無償化の継続性
すでに実施されている給食費無償化について、財源を確保しながら継続できるかが重要だ。
3.保育料軽減の実行力
当初の半額公約が修正され、原則60%軽減という形で議会の可決に至った。2027年4月の実施に向けた予算措置と制度運用が次の評価ポイントになる。
4.市議会との協調姿勢
市長の政策を実現するには、議会との対話が不可欠だ。対立を続けるのではなく、意見の違いを制度の改善につなげられるかが問われる。
5.市民全体への政策効果
子育て支援だけでなく、高齢者福祉、地域経済、公共施設、防災、道路など、市民全体の暮らしを改善できているかも見るべきだ。
選挙で再選したという事実は、小川氏に一定の政治的信任が与えられたことを示す。しかし、それは市政運営に対するあらゆる批判が解消されたという意味ではない。
前橋市長の評判を判断するなら、ホテル面会問題だけで人物全体を評価することも、給食無償化だけで市政全体を高く評価することも避けたい。
政策の成果、行政の透明性、財政の持続可能性という複数の視点を持つことが重要だ。
前橋市長・小川晶氏の評判に関するよくある質問(FAQ)
Q1:小川晶氏は2026年の前橋市長選挙で再選した?
A1:はい。2026年1月12日の出直し市長選挙で再選した。62,893.536票を獲得し、次点の丸山彬氏に約1万187票差をつけた。投票率は47.32%だった。
Q2:小川晶氏のホテル面会問題では何があった?
A2:2025年9月、既婚の男性市職員と複数回ホテルで面会していたことが報道され、小川氏も10回以上の面会を認めた。男女関係は否定し、相談や打ち合わせが目的だったと説明した。その後、2025年11月27日に市長を辞職した。
Q3:学校給食費の無償化は実現している?
A3:実現している。前橋市では市立中学校が2024年6月から、市立小学校が2025年4月から給食費無償化の対象となっている。
Q4:0~2歳の第1子保育料は半額になった?
A4:当初の半額公約は、2026年3月に市議会で否決された。その後、原則60%軽減、月額15,000円上限という内容に修正され、9月25日に可決された。2027年4月からの実施予定で、2027年度当初予算の議決が条件となっている。
Q5:小川晶氏と丸山彬氏のどちらが2026年の市長選で勝った?
A5:小川晶氏が勝利した。丸山氏は52,706.463票を獲得したが、小川氏の62,893.536票には届かなかった。
2026年11月現在、前橋市長・小川晶氏は、2026年1月の出直し市長選で再選し、市政運営を続けている。
学校給食費の無償化という具体的な実績がある一方、2025年のホテル面会問題は、市長としての信頼や行政の透明性を問う出来事となった。
また、0~2歳の第1子保育料軽減では、当初の半額公約が議会で否決された後、制度を修正して可決に至った。この過程からは、政策を実現するための議会との調整や財源確保の難しさも見えてくる。
小川氏の再選は、市民が今後の市政運営を託した結果である。しかし、信頼回復は選挙に勝っただけで完了するものではない。
これからの評価を決めるのは、子育て政策をはじめとする公約の実行、財政運営の健全性、そして市民や議会に対する誠実な説明を継続できるかどうかだ。
前橋市長としての真価が問われるのは、まさにこれからである。
主な根拠資料: 前橋市公式サイト・広報まえばし、前橋市の定例記者会見資料、毎日新聞、共同通信、TBS NEWS DIG、テレビ朝日、群馬テレビの報道。