2026年3月、京都府南丹市で小学5年生の安達結希(あだち・ゆき)さん(当時11歳)が行方不明となった事件は、約3週間後の4月13日に山林で遺体が発見されるという痛ましい結末を迎えた。その後、京都府警は養父の安達優季被告を逮捕。京都地検は5月28日、殺人罪と死体遺棄罪で起訴した。事件は現在、京都地裁で刑事裁判に向けた準備が進められている。
注目されたのは、3月23日の登校時に何が起きたのか、黄色い通学用リュックと靴がなぜ別々の場所で発見されたのか、そして遺体の発見から逮捕・起訴に至るまで、京都府警がどのように捜査を進めたのかという点だ。2026年11月5日時点の公表情報をもとに、安達結希さんの行方不明から現在の公判前整理手続までを時系列で整理する。
【事件の概要】京都府南丹市で何が起きた?安達結希さんと関係者

事件の舞台となったのは、京都府南丹市にある南丹市立園部小学校だ。
安達結希さんは、事件発生当時小学5年生の11歳。2026年3月23日、卒業式に出席するため学校へ向かったが、その後、登校したことが確認されなかった。
当初、家族から学校に送り届けられたと説明されていたこともあり、学校周辺や山林などで大規模な捜索が行われた。しかし、3月29日に通学用リュックが見つかり、4月12日には靴、翌13日には子どもとみられる遺体が発見された。
4月14日、京都府警はDNA型鑑定などによって遺体が安達結希さんであると確認した。
その後の捜査で、結希さんを車で学校へ送ったと説明していた養父の安達優季被告が事件に関与した疑いが浮上。死体遺棄容疑での逮捕、殺人容疑での再逮捕を経て、京都地検による正式な起訴に至った。
事件の主要人物・関係機関安達結希さん
事件の被害者。南丹市立園部小学校に通っていた11歳の男児。行方不明当時は小学5年生で、4月の進級後は小学6年生となる時期だった。
安達優季被告
結希さんの養父。2025年に結希さんの母親と結婚し、養父となった。2026年5月28日、殺人罪と死体遺棄罪で京都地検に起訴された。
南丹市立園部小学校
結希さんが通っていた小学校。3月23日に登校が確認されなかったことが、事件発覚のきっかけとなった。
京都府警
行方不明者の捜索から遺体発見後の事件捜査まで担当。安達被告の逮捕・再逮捕を行った。
京都地検・京都地裁
京都地検は5月28日に安達被告を起訴。京都地裁では8月31日に第1回公判前整理手続が行われた。
【2026年時系列】安達結希さんの登校から遺体発見・養父の起訴まで
事件の経過を理解するうえで重要なのは、3月23日の登校時、3月29日のリュック発見、4月12日の靴発見、4月13日の遺体発見という4つの節目だ。
2026年3月23日:登校したはずの児童が行方不明に3月23日は月曜日。安達結希さんは卒業式に出席するため、養父が運転する車で南丹市立園部小学校へ向かった。
報道によると、養父は学校敷地内の駐車場まで送り届けたと説明していた。しかし、校内の防犯カメラには結希さんの姿が映っておらず、実際に登校したことも確認されなかった。
午前11時45分ごろ、卒業式終了後に担任が欠席について保護者へ連絡。これをきっかけに行方不明が判明した。
その後、養父から警察への110番通報があり、捜索が始まった。
3月29日:黄色いリュックが山中で発見される行方不明から6日後の3月29日午前、南丹市園部町内の山中で、結希さんの親族が黄色い通学用リュックを発見した。
警察が確認した結果、リュックは結希さんのものと判明した。
発見場所は小学校から約3キロ離れた峠道付近。前日まで周辺の捜索が行われていたにもかかわらず、発見に至っていなかったことも注目された。
4月12日:黒いスニーカーが発見される4月12日、捜索活動が続く南丹市内の山中で、結希さんが履いていたものとみられる黒地に白色のスニーカーが発見された。
テレビ朝日の報道によると、靴は3月29日にリュックが発見された場所から約6キロ離れた地点にあった。
左右両方の靴が発見されたことも報じられ、警察は周辺で鑑識活動を進めた。
4月13日:山林で子どもとみられる遺体を発見4月13日午後4時45分ごろ、捜索中の警察官が南丹市内の山林で子どもとみられる遺体を発見した。
遺体は濃紺のフリースとベージュ色の長ズボンを身に着けており、靴は履いていなかった。
翌14日、京都府警はDNA型鑑定などの結果、遺体が安達結希さんであると発表した。
4月16日:養父を死体遺棄容疑で逮捕京都府警は安達優季被告を死体遺棄容疑で逮捕した。
捜査ではスマートフォンなどの行動履歴が分析され、遺体や靴の発見につながる捜索範囲の絞り込みが行われたと報じられている。
5月6日:殺人容疑で再逮捕京都府警は安達被告を殺人容疑で再逮捕した。
捜査関係者への取材では、被告が結希さんの首を両手で絞めたという趣旨の供述をしていたことも報じられた。
5月28日:殺人罪・死体遺棄罪で起訴京都地検は安達被告を殺人罪と死体遺棄罪で起訴した。
起訴状には、3月23日に南丹市内の公衆トイレで結希さんを殺害し、その後、遺体を車で複数の場所に移動させ、最終的に山林へ遺棄したという内容が記載されたと報じられている。
8月31日:京都地裁で公判前整理手続が始まる京都地裁で第1回公判前整理手続が実施された。
裁判官、検察側、弁護側が争点や証拠を整理する段階に入り、安達被告も出席した。
共同通信の報道によると、初公判期日はこの時点で未定だった。
【黄色いリュック・靴・遺体】発見場所と捜査上の意味を検証
事件で多くの関心を集めたのが、結希さんの所持品と遺体が異なる場所から発見された点だ。
単に山中で遺留品が見つかったというだけではなく、それぞれの発見時期や場所、遺体の状態が捜査の重要な要素となった。
黄色いリュックはなぜ別の場所にあったのか3月29日に発見された黄色いリュックは、小学校から約3キロ離れた山中にあった。
発見者は親族で、警察が本人の持ち物であることを確認した。
その後、4月13日に遺体が発見された場所は、小学校から南西に約2キロの山林だった。
つまり、リュックと遺体は同じ場所から発見されたわけではない。
この位置関係について、警察は遺留品が置かれた経緯などを捜査した。リュックが発見された意味や、誰がそこに置いたのかについては、裁判での証拠や事実認定が重要になる。
靴の発見場所はリュックから約6キロ離れていた4月12日に発見された靴も、事件の要点となった。
テレビ朝日の報道によれば、靴はリュックが発見された山中から約6キロ離れた場所にあった。
靴は黒地に白色のスニーカーで、結希さんが行方不明になった際に履いていたものと特徴が一致していた。
一方、4月13日に発見された遺体には靴がなかった。
京都府警はリュックと靴の発見場所について、別々の場所に存在した意味を報道陣から質問された際、捜査上の理由から回答を控えたとFNNが報じている。
したがって、所持品が意図的に置かれたのか、どのような目的があったのかは、単純に発見場所だけから判断できない。
遺体発見と司法解剖で判明したこと4月13日に見つかった遺体は、翌14日に安達結希さんと確認された。
京都府警が公表した司法解剖の結果について、テレビ朝日は次のように報じている。
- 身元:DNA型鑑定などで安達結希さんと確認
- 死亡時期:2026年3月下旬ごろ
- 死因:不詳
- 服装:濃紺のフリース、ベージュ色のズボン、84のロゴが入ったトレーナー
- 靴:履いていない状態
特に重要なのは、司法解剖で死因が特定されなかったことと、後に殺人罪で起訴されたことは別の問題だという点だ。
医学的な死因の特定と、捜査機関が収集した証拠に基づく刑事責任の判断は同じではない。
起訴状では首を絞めて窒息死させたとされているが、最終的な事実認定は裁判所が行うことになる。
【京都府警の捜査経緯】防犯カメラ・スマートフォン・車両の分析
この事件では、行方不明当日の状況を再構成するため、複数の証拠やデジタル情報が分析された。
防犯カメラで登校を確認できなかった3月23日、養父は結希さんを学校敷地内の駐車場まで送り届けたと説明していた。
しかし、学校の防犯カメラには結希さんの姿が記録されていなかった。
また、周辺の防犯カメラにも本人の姿が確認されず、電車やバスを利用した形跡も見つかっていないと報じられた。
こうした状況から、警察は学校周辺だけでなく、山林や道路沿いなどへ捜索範囲を広げていった。
スマートフォンの行動履歴が捜索の手掛かりに4月16日付の産経新聞報道を引用したITmediaの記事によると、京都府警は安達被告のスマートフォンなどの行動履歴を分析し、捜索範囲を絞り込んだ。
その結果、4月12日の靴の発見、翌13日の遺体発見につながったとされる。
また、テレビ朝日は4月20日、捜査関係者への取材として、被告のスマートフォンに3月23日ごろ、遺体の遺棄方法を検索した履歴があったと報じた。
ただし、スマートフォンの位置情報や検索履歴は、捜査上の証拠の一部であり、それだけで個々の行動や意図がすべて確定するわけではない。
車両のドライブレコーダーも分析対象にテレビ朝日の4月20日の報道では、安達被告の車のドライブレコーダーについても分析が進められていたことが伝えられた。
3月23日に学校方面へ向かう車両の映像が確認された一方、映像の一部が欠落していたという。
警察はスマートフォンの位置情報、車両の記録、周辺の防犯カメラなどを組み合わせて行動を分析していた。
こうした複数のデジタル証拠を照合する捜査は、当日の移動経路や遺体が移動された経緯を明らかにするうえで重要な意味を持つ。
【安達優季被告の逮捕・起訴】殺人罪と死体遺棄罪の内容、動機の供述
事件の捜査が進むにつれ、養父である安達優季被告の関与が明らかになった。
4月16日の逮捕から5月28日の起訴まで安達被告は、まず4月16日に死体遺棄容疑で逮捕された。
その後、京都府警は殺害への関与についても捜査を進め、5月6日に殺人容疑で再逮捕した。
5月28日、京都地検は殺人罪と死体遺棄罪で起訴した。
起訴状によると、被告は3月23日、南丹市内の駐車場近くにある多目的トイレ内で、結希さんの首を両手で絞め、窒息させて殺害したとされる。
加えて、3月23日から24日にかけて、市内の山林や雑木林など複数の場所へ遺体を車で移動させ、最終的に3月29日に市内の山林へ遺棄したという内容だ。
これは検察側が起訴状で示した犯罪事実であり、裁判所による確定判決ではない。
安達被告が供述したと報じられた動機事件の動機をめぐっては、捜査関係者への取材に基づく報道が注目された。
2026年5月7日以降の報道では、安達被告が結希さんから、本当の父親ではないという趣旨の言葉を言われ、腹を立てて殺害したという趣旨の供述をしていたと伝えられている。
また、5月28日の起訴を伝えた朝日新聞の報道でも、被告が捜査段階でそのような説明をしていたとされる。
ただし、ここには重要な区別がある。
- 捜査段階の供述: 被告がどのような説明をしたと報じられたか。
- 起訴状の内容: 検察がどのような犯罪事実を主張しているか。
- 裁判所の認定: 公判で証拠を調べたうえで、裁判所が何を事実と認めるか。
京都地検は起訴時、被告の認否について公判への影響を理由に明らかにしなかった。
そのため、報道された動機の説明が、そのまま裁判で確定した事実になっているわけではない。
殺人罪と死体遺棄罪、それぞれの意味今回の起訴は、2つの犯罪について刑事責任を問うものだ。
殺人罪
検察側は、結希さんの首を両手で絞めて窒息死させた行為について、殺人罪が成立すると主張している。
死体遺棄罪
殺害後、遺体を車で複数の場所に移動させ、山林に遺棄したとされる行為について問われている。
殺害行為と遺体の移動・遺棄行為は、法律上それぞれ別の犯罪事実として審理される。
今後の公判では、事件当日の移動経路、殺害に至るまでの経緯、遺体を移動させた理由などについて、検察側と弁護側の主張や証拠が検討されることになる。
【事件のその後・現在】京都地裁の公判前整理手続と今後の争点
2026年11月5日時点で、事件は起訴後の刑事裁判に向けた準備段階にある。
大きな節目となったのは、8月31日に京都地裁で行われた第1回公判前整理手続だ。
8月31日に第1回公判前整理手続を実施共同通信の2026年8月31日の報道によると、京都地裁で安達被告の第1回公判前整理手続が非公開で実施された。
この手続には裁判官、検察側、弁護側が参加し、安達被告本人も出席した。
公判前整理手続は、正式な裁判を始める前に、検察側と弁護側が主張や証拠を整理し、審理の対象となる争点を明確にするための制度だ。
この段階では、事件の有罪・無罪を判断する判決は出ない。
共同通信は、初公判期日は未定と報じている。11月5日時点でも、公開情報から初公判の確定日程は確認できない。
今後の公判で注目される5つの争点1.3月23日の登校前後に何が起きたのか
結希さんが学校に到着したことを確認できなかった理由や、車での移動中に何があったのかが重要になる。
2.殺害に至った詳しい経緯
被告が供述したと報じられた動機と、検察側が提示する証拠との整合性が焦点となる。
3.遺体を複数の場所に移動させた理由
起訴状で示された遺体の移動経緯について、どのような意図や状況があったのかが検討される可能性がある。
4.黄色いリュックと靴が発見された経緯
それぞれの発見場所が離れていた理由や、誰がどのように関与したのかについて、証拠に基づく説明が求められる。
5.スマートフォンや車両記録などの証拠の評価
位置情報、検索履歴、ドライブレコーダー、防犯カメラなどが、被告の行動をどこまで裏付けるのかが重要となる。
これらは今後の審理で確認されるべき論点であり、すべてが裁判所によって争点として確定したという意味ではない。
学校と地域に残された課題この事件では、児童の登校確認と学校周辺の安全管理も社会的な論点となった。
京都府教育委員会の2026年4月14日付資料によると、学校では新学期以降、警察や教育委員会などと連携した登下校の見守りが実施された。
また、スクールカウンセラーによる児童や教職員への心理的支援も行われた。
児童の所在を確認する仕組み、欠席時の保護者への迅速な連絡、学校敷地内での安全確認など、日常的な学校運営に関わる課題も改めて問われている。
【プロの結論】京都小5行方不明事件で事実を見極める3つの判断基準
この事件を正確に理解するためには、情報を単に時系列で並べるだけでなく、情報の法的な位置づけを区別する必要がある。
特に重要なのは、次の3点だ。
1.逮捕・起訴と有罪判決は同じではない安達優季被告は殺人罪と死体遺棄罪で起訴されている。しかし、起訴されたこと自体が有罪判決を意味するわけではない。
公判では、検察側が証拠を示し、弁護側にも主張する機会が与えられる。最終的な判断は裁判所が行う。
2.捜査関係者の証言と公式発表を区別する動機に関する報道の多くは、捜査関係者への取材に基づいている。
一方、遺体の身元や司法解剖の結果、起訴内容、公判前整理手続の実施などは、警察・検察・裁判所の発表や、それを伝えた報道によって確認できる。
情報の確度を判断する際は、誰が何を発表したのかを確認することが大切だ。
3.遺留品の発見場所だけで事件の全容を決めつけない黄色いリュック、黒いスニーカー、遺体は、それぞれ異なる場所から発見された。
しかし、発見場所だけを根拠に、遺留品を置いた人物や具体的な意図まで断定することはできない。
事件の全容を理解するには、鑑識結果、デジタル証拠、供述、裁判で調べられる証拠を総合的に見る必要がある。
【よくある質問】京都小5行方不明事件に関するFAQ
Q1:安達結希さんは現在どうなっていますか?
A1:安達結希さんは2026年4月13日に京都府南丹市の山林で遺体となって発見され、翌14日に本人と確認されました。京都府警の発表では、死亡時期は3月下旬ごろ、死因は不詳とされています。
Q2:黄色いリュックと靴はどこで発見されましたか?
A2:黄色いリュックは3月29日、南丹市園部町内の山中で親族によって発見されました。靴は4月12日、リュックの発見場所から約6キロ離れた山中で発見されています。
Q3:安達優季被告はなぜ逮捕されたのですか?
A3:京都府警は4月16日に死体遺棄容疑で逮捕し、5月6日に殺人容疑で再逮捕しました。京都地検は5月28日、殺人罪と死体遺棄罪で起訴しています。
Q4:安達優季被告の動機は明らかになっていますか?
A4:捜査関係者への取材報道では、結希さんから父親ではないという趣旨の言葉を言われ、腹を立てたという供述が伝えられています。ただし、これが裁判で確定した動機というわけではありません。
Q5:安達優季被告の裁判はいつ始まりますか?
A5:2026年8月31日に京都地裁で第1回公判前整理手続が行われました。同日の共同通信報道では初公判期日は未定でした。11月5日時点で、公開情報から確定した初公判日程は確認できません。
Q6:遺体の死因は判明していますか?
A6:京都府警が公表した司法解剖の結果では死因は不詳とされています。一方、検察側は起訴状で、被告が首を両手で絞めて窒息死させたと主張しています。医学的な死因の判定と刑事裁判における犯罪事実の認定は区別する必要があります。
2026年3月23日に京都府南丹市で発生した安達結希さんの行方不明事件は、3月29日の黄色いリュック発見、4月12日の靴の発見、4月13日の遺体発見を経て、養父の逮捕・起訴へと展開した。
京都地検は5月28日、安達優季被告を殺人罪と死体遺棄罪で起訴。8月31日には京都地裁で第1回公判前整理手続が実施され、刑事裁判に向けた準備が進んでいる。
今後の焦点は、3月23日に何が起きたのか、被告が供述したとされる動機はどのように評価されるのか、遺体や所持品の移動にはどのような経緯があったのかという点だ。
事件の全容を明らかにするためには、起訴状に記載された検察側の主張と、今後の公判で示される証拠、そして裁判所の判断をそれぞれ区別して追う必要がある。
何より、事件の中心にいるのは、突然命を奪われた11歳の児童と、その家族、学校関係者、地域の人々である。今後の刑事裁判では、適正な手続きのもとで事実関係が明らかにされ、社会が事件から学ぶべき課題についても検証が進むことが求められる。
主な情報根拠: 京都府教育委員会の報告資料、テレビ朝日、FNNプライムオンライン、朝日新聞、共同通信の2026年報道。特に登校状況と遺留品発見についてはテレビ朝日・FNN、起訴内容については朝日新聞、公判前整理手続については共同通信の報道を参照。