ラウンドガールとは、ボクシングやキックボクシングなどの格闘技興行で、試合のラウンド間に次のラウンド数を記したボードを掲げ、観客に知らせる女性のことです。華やかな衣装でリングを歩く姿が印象的ですが、実際には大会の演出や選手のサポート、イベントのPRなどにも関わっています。
「ラウンドガール」と「リングガール」は何が違うのか、海外でも同じ呼び方をするのか、どのような仕事をしているのか。2026年の国内格闘技イベントの公式発表や募集情報を踏まえ、言葉の由来から仕事内容、歴史、仕事の実態まで詳しく解説します。
【基本知識】ラウンドガールとは?意味と和製英語としての由来

ラウンドガールは、ボクシングなどの格闘技イベントで、各ラウンドの終了後にリングへ登場し、次に始まるラウンドの数字を記したボードを掲げる出演者です。
小学館の『デジタル大辞泉』では、「round+girl」という和製英語として説明され、ボクシングなどのラウンド間に次のラウンド数を観客に知らせる役目の女性と定義されています。
つまり、ラウンドガールの基本的な役割は、試合の進行状況を視覚的に伝えることです。
テレビ中継では画面にラウンド数が表示されますが、会場では観客がリング上のボードを見ることで、現在の試合が何ラウンド目なのかを把握できます。
ラウンドガールは和製英語?語源を解説「ラウンドガール」は、英語のround(ラウンド)とgirl(女性・女の子)を組み合わせた日本独自の表現です。
英語圏で一般的に使用されるのは、次のような呼び方です。
- Ring Girl(リングガール)
- Ring Card Girl(リングカードガール)
- Card Girl(カードガール)
特にRing Card Girlは、ラウンド数を記したカードを掲げる役割を具体的に表した呼称です。
ここで押さえておきたいのは、ラウンドガールという言葉自体が間違いというわけではないことです。日本国内では広く定着しており、格闘技団体の公式発表やオーディション募集でも一般的に使われています。
一方、海外の格闘技ニュースや大会情報を調べる場合は、Ring GirlやRing Card Girlで検索すると、より多くの関連情報を見つけられます。
リングガールという呼び方が使われる理由英語のringは、ボクシングや格闘技で選手が戦う競技スペースを指します。
そのリングに登場してラウンドカードを掲げる女性という意味で、Ring Girlという表現が定着しています。
日本でも、海外のボクシング文化を意識して、あえてリングガールという名称を採用する興行や関係者がいます。
【仕事内容】ラウンドガールの役割はボードを掲げるだけではない
ラウンドガールの仕事は、試合の合間に数字を表示することだけではありません。
大会の規模や主催団体、出演契約によって異なりますが、会場演出や広報活動など、複数の業務を担当するケースがあります。
1. ラウンドボードを掲げて観客に知らせる最も基本的な仕事です。
試合が終了すると、ラウンド間のインターバルに合わせてリングへ登場し、次のラウンド数が書かれたボードを掲げます。
観客席のさまざまな位置から数字が見えるように、ボードを高く持ち、リングの周囲を歩くのが基本的なスタイルです。
ボクシングでは、男子のプロ試合は通常3分間のラウンドと1分間のインターバルで構成されます。
日本ボクシングコミッション(JBC)の基礎知識でも、女子の公認プロボクシングは1ラウンド2分、インターバル1分と説明されています。
この限られた時間内に登場して役割を終えるため、進行スタッフやレフェリーとの連携が欠かせません。
2. 大会の雰囲気を盛り上げるラウンドガールは、試合の緊張感と大会の華やかさをつなぐ存在でもあります。
格闘技では選手同士の激しい攻防が続きます。その合間に登場することで、会場の雰囲気に変化を与え、観客の視線を集める演出上の役割を担っています。
衣装や登場時の演出は大会ごとに異なり、団体のイメージカラーやスポンサーの意向が反映される場合もあります。
3. 選手や大会関係者のサポート大会によっては、勝利インタビューや記念撮影で選手をエスコートすることもあります。
フジボクシングに関係するリングガールの天野麻菜さんは、2023年に公開したコラムで、ラウンドカードの掲示以外にも、勝利インタビューや写真撮影のエスコート、トラブル時に備えた準備などがあると紹介しています。
ただし、こうした業務はすべての大会で共通するわけではありません。
4. SNSや動画配信を通じたPR活動2026年の格闘技興行では、会場での出演に加え、SNSや動画配信を通じた情報発信も活動の一部になっています。
例えば、KNOCK OUTの公式サイトでは、KNOCK OUTガールズについて、会場演出だけでなくYouTubeやSNSでも活動し、ファンと大会をつなぐ役割を担うと紹介しています。
こうした取り組みは、ラウンドガールの活動がリング上だけにとどまらなくなっていることを示しています。
【徹底比較】ラウンドガールとリングガールの違いは?意味・呼び方一覧
ラウンドガールとリングガールは、格闘技の文脈では基本的に同じ役割を指します。
違いは主に呼び方にあり、日本ではラウンドガールという名称が広く使われ、英語圏ではリングガールやリングカードガールが一般的です。
一方、日本語のリングガールには結婚式で指輪を運ぶ女児という別の意味もあります。
| 比較項目 | ラウンドガール | リングガール | リングカードガール |
|---|---|---|---|
| 言葉の性質 | 和製英語 | 英語由来 | 英語 |
| 主な意味 | 格闘技のラウンド数を表示する女性 | 格闘技のリングに登場する女性 | ラウンドカードを掲げる女性 |
| 使用される地域 | 主に日本 | 海外・日本 | 主に英語圏 |
| 主な活動場所 | ボクシング・キックボクシングなど | 格闘技イベント | ボクシング・MMAなど |
| 主な仕事 | 次のラウンド数の表示 | 大会演出や関連業務 | ラウンドカードの掲示 |
| 注意点 | 日本で定着した名称 | 日本語では結婚式の役割も指す | 仕事内容がより具体的 |
結婚式で使われるリングガールは、格闘技のリングガールとは異なります。
こちらは結婚指輪を祭壇まで運ぶ役割を担う女児を指す、日本語での呼び方です。
英語では一般にRing Bearerと呼ばれ、性別を限定しない表現としても使われます。
したがって、リングガールという言葉を見かけたときは、格闘技の話なのか、結婚式の話なのかを文脈から判断する必要があります。
【歴史と由来】ラウンドガールはいつから始まった?アメリカ発祥の背景
ラスベガスのボクシング興行が起源とされるラウンドガールの歴史を語る際、よく紹介されるのがアメリカ・ネバダ州ラスベガスのボクシング興行です。
格闘技関連の歴史解説によると、興行主ビル・ミラーが、試合の合間に女性がラウンドカードを掲げてリングを歩く演出を取り入れたことが普及のきっかけになったとされています。
ボクシングの激しい試合にエンターテインメント性を加え、観客を楽しませるという狙いがありました。
1965年の『The Ring』誌が普及の転機歴史上の重要な節目として挙げられるのが、1965年5月号の『The Ring』誌です。
同誌にラスベガスの興行でラウンドカードを掲げる女性の写真が掲載されたことで、リングガールの存在が広く知られるようになったとされています。
その後、アメリカ各地のボクシング興行にも取り入れられ、格闘技イベントを彩る演出として定着していきました。
ただし、これは現在知られている普及の経緯であり、世界で最初に登場した女性や正確な開始日まで確定させるものではありません。
なぜラウンドガールが格闘技に定着したのか背景には、スポーツとエンターテインメントが結びついた興行の構造があります。
格闘技イベントは、試合そのものだけでなく、選手の入場、音楽、照明、スポンサー演出、休憩時間の進行など、複数の要素で構成されています。
ラウンドガールは、こうした演出の一部として観客の視線を集める役割を担ってきました。
一方、現在では単純な華やかさだけでなく、大会のブランドイメージやファンとのコミュニケーションも重視されるようになっています。
【2026年最新情報】ボクシング・キックボクシング・MMAのラウンドガール事情
ラウンドガールは、ボクシングだけの存在ではありません。
キックボクシングや総合格闘技(MMA)でも採用されており、大会によってチーム編成や活動内容が異なります。
ボクシングのラウンドガールボクシングでは、ラウンド間に次のラウンド数を掲示する伝統的な役割が中心です。
特に世界タイトルマッチなどの大規模興行では、テレビやインターネット配信を通じて多くの視聴者に姿が届けられます。
ただし、ラウンドガールは競技の審判や公式計時を担当する存在ではありません。試合時間の管理やゴングの運用は、競技運営側の担当者が行います。
キックボクシングのラウンドガールキックボクシングでは、各団体が独自の名称や衣装、演出を採用する傾向があります。
2026年の代表例が、キックボクシングイベント「KNOCK OUT」の公式ラウンドガールチームです。
2026年2月5日、KNOCK OUTは「KNOCK OUTガールズ 2026」のメンバー14名を発表しました。
RED、BLACK、YELLOWの3チームカラーを採用し、それぞれの競技カテゴリーの世界観に合わせた体制を構築。2月15日の「MAROOMS presents KNOCK OUT.61」後楽園ホール大会から本格始動しました。
また、10月5日には公式サイトで髙橋七瀬さんの活動終了が発表されています。契約満了によるもので、大会や各種イベント、プロモーション活動を通じた貢献についても紹介されました。
このように、年度初めに発表されたメンバー構成が、そのまま一年間固定されるとは限りません。
総合格闘技(MMA)のラウンドガール総合格闘技でも、リングやケージの周囲でラウンドカードを掲げる出演者が登場します。
2026年には、プロフェッショナル修斗のラウンドガール募集も行われました。
募集を担当したScala株式会社の公式オーディション情報では、16歳から26歳まで、身長160cm以上、経験不問という応募条件が掲載されていました。
書類選考と面接を経て選考する形式で、格闘技に関わる仕事への入口が設けられていました。募集期間は2026年1月7日までです。
2026年の主な動向・関係者と活動の整理| 時期・団体 | 出来事・人物 | 内容・位置づけ |
|---|---|---|
| 1965年5月 | 米国『The Ring』誌 | ラスベガスのラウンドカードを掲げる女性を写真で紹介 |
| 2026年1月 | プロフェッショナル修斗 | 2026年度ラウンドガールの募集。経験不問で選考 |
| 2026年2月5日 | KNOCK OUT | 公式ラウンドガール14名の新体制を発表 |
| 2026年2月15日 | KNOCK OUT GIRLS 2026 | KNOCK OUT.61から本格始動 |
| 2026年9月12日 | K-1 WORLD MAX 2026 | ミクチャとの企画によるスペシャルラウンドガール出演 |
| 2026年10月5日 | 髙橋七瀬さん | 契約満了に伴うKNOCK OUTガールズの活動終了 |
2026年の特徴は、ラウンドガールが単発のリング出演だけでなく、チーム活動やSNS、動画配信、オーディション企画など、複数の形で大会に関わっていることです。
特にK-1とミクチャが実施した2026年のスペシャルラウンドガール企画は、通常のK-1ガールズの新メンバー募集とは別の企画として実施されました。
同企画では、試合前の記者会見、会場ビジョンでの紹介、勝利選手との記念撮影、公式YouTubeでのアーカイブ公開などが特典として案内されていました。
【実態と仕事の始め方】ラウンドガールになるには?応募条件や注意点
ラウンドガールを目指す場合、主な選出方法はオーディション、キャスティング、投票企画などです。
芸能事務所やモデル事務所に所属している人だけでなく、未経験者を対象に募集するケースもあります。
ラウンドガールの主な選考方法オーディション形式
主催者やキャスティング会社が応募者を募り、書類審査や面接などで出演者を決定します。
キャスティング形式
モデル事務所や芸能事務所などを通じて候補者を選び、興行主が出演者を指名します。
投票・配信企画形式
ライブ配信やSNSでの活動、投票ランキングなどを選考に取り入れる方法です。
2026年のK-1スペシャルラウンドガール企画では、ミクチャのライブ配信や動画投稿を活用したランキング方式が採用されました。
応募条件は大会ごとに違うラウンドガールの応募条件に、業界共通の統一基準はありません。
2026年の実例を比較すると、その違いが分かります。
- プロフェッショナル修斗: 16歳~26歳、身長160cm以上、経験不問。
- K-1スペシャルラウンドガール企画: 16歳~39歳、身長150cm以上。2026年9月の単発出演企画として募集。
同じ格闘技イベントのラウンドガールでも、応募資格や選考方法は大きく異なります。
年齢や身長だけでなく、出演可能な日程、事務所との契約関係、メディアへの顔出しの可否なども確認されます。
ギャラや収入はどのくらい?ラウンドガールの報酬は、団体、出演回数、契約形態、知名度、付随業務によって異なります。
そのため、一律の出演料や平均年収を示すことはできません。
特に注意したいのが、オーディション企画と通常の出演契約の違いです。
例えば、2026年のK-1スペシャルラウンドガール企画では、入賞特典以外の参加に対する交通費、宿泊費、出演費は支給されないと募集条件に明記されていました。
これは特定の企画における条件であり、すべてのラウンドガールの仕事に当てはまるわけではありません。
応募する際は、出演料だけでなく、交通費や宿泊費、衣装、ヘアメイク、拘束時間、写真や動画の二次利用条件などを確認する必要があります。
ラウンドガールに向いている人の特徴この仕事では、華やかな見た目だけでなく、イベント出演者としての対応力も求められます。
特に適性を判断する要点は次のとおりです。
- 人前で落ち着いて振る舞える
- カメラや観客の前で自然な表情を作れる
- イベントの進行や時間を守れる
- スタッフや選手と円滑にコミュニケーションできる
- 格闘技やスポーツへの関心がある
- SNSやメディアでの発信に対応できる
反対に、露出を伴う衣装や撮影、SNSでの反応に強い抵抗がある場合は、契約内容や衣装の条件を慎重に確認したほうがよいでしょう。
また、出演者の安全や尊厳を守るためにも、撮影範囲、衣装の選択、画像の利用範囲、現場での相談窓口などを事前に確認することが大切です。
【プロの結論】ラウンドガールの本当の役割は格闘技と観客をつなぐこと
ラウンドガールは、単にリング上を歩いて華やかさを演出するだけの存在ではありません。
本来の仕事は、ラウンド数を観客に伝えることです。しかし、格闘技興行のエンターテインメント化や動画配信の普及によって、その役割は大会の広報、ファンとの交流、プロモーション活動へと広がっています。
ここで重要なのは、ラウンドガールと選手の役割を混同しないことです。
試合の主役は、競技に臨む選手です。ラウンドガールは、その競技を観客に届ける興行演出を支える出演者として位置づけられます。
また、ラウンドガールを評価する際には、衣装や外見だけでなく、仕事の正確さ、イベントへの貢献、選手や観客への配慮、プロモーション能力などにも目を向ける必要があります。
2026年のKNOCK OUTやK-1の事例からも、チーム制、単発出演、配信連動型オーディションなど、活動形態が多様化していることが分かります。
【ラウンドガール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ラウンドガールとは何をする人ですか?
A1:ボクシングやキックボクシングなどの格闘技イベントで、ラウンド間に次のラウンド数を記したボードを掲げ、観客に知らせる女性です。大会によっては、選手のエスコートやイベントのPR活動なども担当します。
Q2:ラウンドガールとリングガールは同じ意味ですか?
A2:格闘技の文脈では基本的に同じ意味です。ラウンドガールは和製英語で、海外ではRing GirlやRing Card Girlと呼ばれます。ただし、日本語のリングガールには結婚式で指輪を運ぶ女児という別の意味もあります。
Q3:ラウンドガールは英語で何と言いますか?
A3:一般的にはRing Girl、Ring Card Girl、Card Girlなどと表現します。Round Girlは日本で定着した和製英語です。
Q4:ラウンドガールはボクシング以外でも活動しますか?
A4:はい。キックボクシング、総合格闘技(MMA)などでも活動しています。KNOCK OUTやK-1、プロフェッショナル修斗など、国内の格闘技イベントでも公式メンバーや特別出演者が起用されています。
Q5:ラウンドガールになるにはどうすればよいですか?
A5:格闘技団体やキャスティング会社が実施するオーディションに応募する方法や、事務所を通じて出演者として選ばれる方法があります。応募年齢、身長、経験の有無などは募集ごとに異なります。
ラウンドガールとは、格闘技興行のラウンド間に次のラウンド数を観客へ知らせる女性のことです。
「ラウンドガール」は和製英語であり、海外では「リングガール」や「リングカードガール」という呼び方が一般的です。
その歴史は1960年代のアメリカ・ラスベガスのボクシング興行にさかのぼり、現在ではボクシングだけでなく、キックボクシングや総合格闘技にも広がっています。
2026年は、KNOCK OUTガールズのチーム制やK-1の配信連動型オーディションなど、従来のリング上の出演にとどまらない活動も見られます。
言葉の意味を知る際は、和製英語と英語圏の呼称を区別すること。仕事の実態を知る際は、ラウンドボードの掲示だけでなく、興行全体を支える演出や広報活動にも目を向けることが大切です。
格闘技をより深く楽しむためにも、選手だけでなく、大会を支えるさまざまな出演者やスタッフの役割を理解しておきたいところです。