将棋のルールを覚えたい初心者や、子どもに将棋を楽しんでほしい家庭から注目されてきたのが、Nintendo Switch用ソフト『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』です。2020年3月5日に発売された本作は、将棋界を代表する棋士・藤井聡太が監修を務め、株式会社ゲームスタジオが開発した日本将棋連盟公認の将棋ゲーム。略称は「将トレ」です。
キャッチコピーは「キミをみちびく『やさしい本格派』」。単にコンピューターと対局するだけではなく、駒の動かし方から戦法、定跡、詰将棋まで段階的に学べる仕組みが用意されています。当初想定されていた子どもだけでなく、母親をはじめとする大人にも関心が広がった背景には、学習とゲームの楽しさを両立させた独自の設計がありました。
【作品の正体】棋士・藤井聡太の将棋トレーニングとは?将トレの基本情報

『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』は、プロ棋士の藤井聡太が監修した、初心者から中級者を主な対象とする将棋学習ゲームです。
開発・販売を担当したのは株式会社ゲームスタジオ。日本将棋連盟公認のNintendo Switch用ソフトとして発売されました。藤井聡太の知名度を生かしたキャラクター商品にとどまらず、実際に将棋の知識と技術を身につけられることを重視している点が特徴です。
作品のキャッチコピーである「キミをみちびく『やさしい本格派』」には、将棋の経験がない人でも無理なく始められ、上達してからも継続して楽しめるゲームにしたいというコンセプトが表れています。
2020年3月5日に発売されたSwitch専用ソフト発売日は2020年3月5日。パッケージ版とダウンロード版の2種類が用意され、希望小売価格は発売当時4,500円(税別)でした。
プレイ人数は1~2人。Nintendo SwitchのTVモード、テーブルモード、携帯モードに対応しており、家庭のテレビ画面でも、手元の本体画面でも将棋を楽しめます。CEROレーティングはA(全年齢対象)です。
発売当時は、藤井聡太が初めて監修を務める将棋ゲームとしても話題になりました。任天堂の発売紹介でも、日本将棋連盟公認であることや、初心者から経験者まで楽しめる作品であることが紹介されています。
藤井聡太はどのように作品に関わっている?藤井聡太の関わりは、名前を貸すだけの広告出演ではありません。監修に加え、音声・映像の提供や、ゲームに収録する詰将棋問題の考案などにも協力しています。
特に注目したいのが、藤井自身が考案したオリジナル詰将棋12問です。詰将棋解答選手権で実績を重ねてきた棋士ならではの問題に挑戦できるため、藤井ファンにとっても魅力的な収録内容となっています。
ゲーム内では藤井聡太が「聡太先生」としてプレイヤーを導きます。初心者が間違えたときにも、対局の結果を振り返りながら次の一手を学べる設計です。
【作品の特徴】将トレは何がすごい?初心者を上達させる5つの仕組み
将トレの本質は、将棋の対局と学習を一つのゲームにまとめていることです。対戦相手に勝つことだけを目的にせず、なぜその手が良かったのか、どこで間違えたのかを振り返る仕組みが用意されています。
1.将棋プラネットで基本ルールから学べる初心者が最初に取り組みたいのが、ストーリーモードに用意された「将棋プラネット」です。
4つのワールドに分かれたゲームの世界を進みながら、問題を解いたり、コンピューターとの対局に挑戦したりすることで、将棋の基礎を身につけていきます。
駒の動かし方や基本的なルールを知らない人でも、ストーリーを進めること自体が学習につながるため、最初から専門的な将棋用語を理解している必要はありません。
2.自分の実力に合わせたAIと対局できる将トレでは、プレイヤーの棋力に応じて対戦相手となるAIの強さが調整されています。
初心者が極端に強い相手に負け続けるのではなく、自分の実力に近い相手と対局できることがポイントです。
「レーティング戦」では、対局結果に応じてポイントが増減し、一定のポイントに到達すると昇級・昇段します。ゲーム独自の段級位制度によって、上達の過程を目に見える形で確認できます。
3.棋譜検討で自分のミスを復習できる将トレの中でも、学習効果を考えるうえで重要なのが「棋譜検討」です。
対局で指した手をAIが分析し、良かった手や疑問のある手、見逃していた詰みなどを確認できます。加えて、AIがおすすめする指し手を参考にしながら、次の対局に向けた改善点を学べます。
特筆すべきなのは、対局中のミスをもとに復習問題が自動生成されることです。同じような局面で再び間違えないよう、実際の自分の対局を教材として利用できます。
4.聡太レッスンと今日の戦法で学習を継続「聡太レッスン」では、ゲームの進行状況や現在の段級位、対局内容に合わせた課題が出題されます。
また、「今日の戦法」では、1日1回、おみくじ形式で運勢やアドバイス、おすすめの戦法を確認できます。普段は使わない戦法を試すきっかけにもなり、将棋の知識を広げる楽しみがあります。
5.盤や駒、BGMまでカスタマイズできる将棋の勉強だけでは飽きてしまう人に向けて、ゲームとしての収集・カスタマイズ要素も搭載されています。
ゲーム内で獲得した将棋コインを使って、盤、駒、駒台、背景、BGMなどを購入できます。好みの組み合わせに変更できるため、自分だけの対局環境を作る楽しさもあります。
このように、将トレは「学ぶ」「対局する」「振り返る」「自分好みに整える」という複数の楽しみを一つの作品にまとめています。
【関係性・基本データ】藤井聡太、ゲームスタジオ、日本将棋連盟の役割を整理
将トレを正しく理解するには、棋士、開発会社、競技団体、ゲーム内の学習機能をそれぞれ区別することが大切です。特に、藤井聡太が監修者であることと、株式会社ゲームスタジオが開発・販売を担当していることは押さえておきたいポイントです。
| 名称・項目 | 役割・内容 | 作品との関係 |
|---|---|---|
| 藤井聡太 | プロ棋士・監修者 | 音声・映像の提供、オリジナル詰将棋12問の考案などに協力 |
| 株式会社ゲームスタジオ | 開発元・販売元 | ゲームの企画・開発と製品の提供を担当 |
| 日本将棋連盟 | 将棋の競技団体 | 本作は日本将棋連盟公認の将棋ソフト |
| Nintendo Switch | 対応ゲーム機 | TV・テーブル・携帯の各モードに対応 |
| 将棋プラネット | ストーリーモード | 初心者が物語を楽しみながら将棋の基礎を学ぶ |
| レーティング戦・棋譜検討 | 対局・分析機能 | 実力に合わせた対局とAIによる復習を実現 |
2019年12月には発売予定が発表され、藤井聡太が初めて監修するNintendo Switch用将棋ソフトとして紹介されました。その後、2020年3月5日に正式発売されています。
発売後も改善が続き、2020年3月19日配信の更新データVer.1.0.2では、4級から四段までのコンピューターの強さや、棋譜検討における問題生成の精度などが調整されました。
加えて、2020年12月には追加コンテンツ「名将たちの詰め将棋」の定期配信が告知されました。藤井聡太のタイトル獲得など、棋士としての節目に合わせたアップデートも実施されていたことが、ゲームスタジオの発表資料から確認できます。
【人気の理由】将トレが子どもだけでなく母親にも支持された背景
将トレの特徴として興味深いのは、当初想定されていた子ども層だけでなく、母親にも人気が広がったという点です。
将棋ゲームと聞くと、対局に慣れた経験者や、将棋好きの男性を主な購入者として想像する可能性があります。しかし、本作は将棋の知識がない人にも入口を用意し、家庭内で一緒に楽しめるゲームとして設計されていました。
理由1.藤井聡太という存在が将棋への入口になった将トレの大きな特徴は、藤井聡太という棋士の存在が、将棋を知らない人にも興味を持つきっかけを与えていることです。
藤井聡太の対局やニュースをテレビで見て、将棋に興味を持ったものの、実際のルールは知らないという人もいます。将トレなら、藤井聡太が監修したゲームを通して、将棋の世界に少しずつ触れられます。
つまり、従来からの将棋ファンだけでなく、いわゆる「観る将」から実際に将棋を指してみたい人への橋渡しにもなっているのです。
理由2.子どもが一人でも学びやすい構成子ども向けの将棋ゲームとして評価される理由は、最初から対局の勝ち負けだけを求めないことです。
将棋プラネットではストーリーを進めながら基本を学べるため、保護者が常に横についてルールを説明しなくても、ゲームを通じて理解を深められます。
また、画面上の文字に読み仮名が付いている点も、子どもが自分で読み進めるうえで役立つ要素です。2025年のビックカメラの購入者レビューでも、子どもの練習用に購入し、読み仮名があるため取り組みやすかったという感想が掲載されています。
理由3.母親が子どもの学習環境として選びやすい将トレが母親にも関心を持たれた背景には、単なる娯楽ではなく、将棋を学ぶためのソフトとして説明しやすい点があります。
将棋は、先の展開を考えることや、相手の手を予測することが求められるゲームです。将トレでは、こうした将棋の特徴を、ストーリーや練習問題を通して体験できます。
発売前後のプロモーションにも家庭を意識した工夫がありました。公式サイトでは「お母さん編」というプロモーション動画が公開され、発売直前の記者発表会でも紹介されています。
また、同発表会に登壇した俳優の石田純一は、将棋を通じて家族間のコミュニケーションが取れた経験に触れ、子どもが遊ぶゲームとして将棋を勧める趣旨のコメントをしています。
こうした家庭での利用イメージと、初心者にも理解しやすい学習機能が、母親を含む保護者層にとっての魅力につながったと考えられます。
理由4.親子で対局する楽しみもある将トレは1人でAIと対局するだけでなく、プレイヤー同士の対局にも対応しています。
そのため、子どもがゲームで覚えたルールを、親子で実際に試すこともできます。将棋盤や駒を用意しなくてもNintendo Switch本体で対局できるため、家族で将棋を始める際のハードルを下げてくれます。
母親に人気が広がった理由を考えるとき、藤井聡太の知名度だけでなく、子どもの学びと家族のコミュニケーションを両立させる設計にも注目する必要があります。
【将トレの評判】実際のレビューから見えるメリットと気になる点
将トレの評判を確認する際には、販売店に掲載された購入者レビューが参考になります。ただし、レビューは利用者全体を代表する統計ではありません。評価の数字だけでなく、具体的にどのような点が支持され、どこに課題があるのかを見ることが大切です。
高く評価されているのは初心者への丁寧なサポートビックカメラのレビュー掲載ページでは、27件のレビューに対して総合評価4.6となっています。内訳は星5が67%、星4が22%、星3が11%で、星2と星1は0%です。
購入者の感想では、駒の動かし方から教えてくれることや、初心者でも段階的に取り組めることが評価されています。
楽天市場のレビューにも、小学2年生の子どもが一人で遊びながら将棋のルールや戦法を理解していったという購入者の感想があります。2023年のレビューでは、進級制度や藤井聡太からアドバイスを受けられることが好評でした。
これらの評価から見えてくるのは、将トレが単なる将棋対戦ソフトではなく、将棋を覚えるための教材として利用されていることです。
気になる点は難易度の上昇と操作への慣れ一方で、すべての子どもや初心者が最後まで飽きずに遊べるわけではありません。
ビックカメラの2024年5月の購入者レビューには、小学3年生の子どもが途中までは楽しんでいたものの、対局で勝てなくなってから飽きてしまったという感想もあります。
また、2021年の購入者レビューでは、高齢の父親の頭の体操として購入したところ、ゲーム自体は楽しめているものの、操作や設定に慣れるまで難しさがあったという声も掲載されています。
この2つの感想は、将トレの特徴を理解するうえで重要です。学習機能が充実していても、将棋の難しさそのものがなくなるわけではありません。段級位が上がれば、相手も強くなり、考える場面が増えていきます。
レビューから整理する評価のポイント実際の購入者の声を整理すると、次のようになります。
- 初心者:駒の動かし方や基本ルールから学べる点が好評。
- 子ども:ストーリーや進級制度によって、学習をゲーム感覚で進められる。
- 藤井聡太ファン:本人の監修や音声、オリジナル詰将棋を楽しめる。
- 経験者:棋譜検討やレーティング戦を利用して対局を振り返れる。
- 注意点:対局の難易度が上がると、初心者や子どもには負担になる場合がある。
なお、ビックカメラの4.6という評価は同店の27件を対象としたものです。楽天市場など別の販売店ではレビュー件数や評価が異なるため、これを市場全体の人気ランキングと混同しないようにしたいところです。
【購入前の判断基準】将トレが向いている人・おすすめできない人
将トレは、すべての将棋ファンに同じ価値を提供するソフトではありません。特に、初心者向けの学習機能を重視するか、上級者向けの対局環境を重視するかによって評価が分かれます。
将トレがおすすめできる人- 将棋の駒の動かし方から覚えたい人。
- 藤井聡太のファンで、監修したゲームを楽しみたい人。
- 子どもに将棋を始めさせたい保護者。
- 対局後に自分の間違いを振り返りたい初心者・中級者。
- 家族や友人とNintendo Switchで将棋を楽しみたい人。
- ゲーム感覚で少しずつ棋力を伸ばしたい人。
- オンライン対戦を中心に将棋を楽しみたい人。
- すでに高い棋力があり、専門的な研究環境を最優先する人。
- 将棋の基礎学習やストーリーに興味がない人。
- 短時間で簡単に勝てるゲームを求めている人。
特に注意したいのは、将トレが初心者向けだからといって、対局が最後まで簡単なわけではないことです。上達に合わせて相手も強くなるため、勝つことだけを目的にすると難しく感じる可能性があります。
一般的な将棋アプリと何が違う?将棋アプリや一般的な将棋ソフトには、オンライン対戦や強いAIとの勝負を主な目的とするものもあります。
それに対して将トレの特徴は、初心者向けストーリー、段級位制度、棋譜分析、復習問題、藤井聡太監修の詰将棋など、学習の導線が一つの作品にまとまっていることです。
そのため、将棋の腕前を競うことだけに重点を置く人よりも、これから将棋を覚えたい人や、対局を通じて基礎を固めたい人に適しています。
2026年に購入を検討する場合は、発売時の希望小売価格と現在の販売価格を区別し、パッケージ版・ダウンロード版の取り扱いや中古品の状態も確認するとよいでしょう。
【よくある質問】棋士・藤井聡太の将棋トレーニングに関するFAQ
Q1:棋士・藤井聡太の将棋トレーニングの略称は何ですか?
A1:一般的な略称は「将トレ」です。株式会社ゲームスタジオが開発・販売したNintendo Switch用の将棋ゲームで、2020年3月5日に発売されました。
Q2:将トレは将棋初心者や小学生でも遊べますか?
A2:はい。駒の動かし方から学べるストーリーモード「将棋プラネット」や、実力に合わせたAI対局、聡太レッスンなどが用意されています。CEROレーティングもA(全年齢対象)です。ただし、上達に伴って対局の難易度は上がるため、必要に応じて保護者がサポートするとよいでしょう。
Q3:藤井聡太本人がゲームを監修しているのですか?
A3:はい。藤井聡太は本作の監修を担当し、音声・映像の提供やオリジナル詰将棋12問の考案などにも協力しています。ゲーム内では「聡太先生」としてプレイヤーを導きます。
Q4:将トレの開発元と発売日はいつですか?
A4:開発元・販売元は株式会社ゲームスタジオです。発売日は2020年3月5日で、Nintendo Switch専用ソフトとしてパッケージ版とダウンロード版が展開されました。
Q5:将トレは母親や大人にもおすすめですか?
A5:おすすめできます。将棋を初めて学ぶ大人や、子どもと一緒に将棋を覚えたい保護者にも適した内容です。ストーリーで基本を学び、対局後には棋譜検討で振り返れるため、年齢を問わず将棋の入門・学び直しに活用できます。
『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』は、2020年3月5日に発売されたNintendo Switch用の将棋学習ゲームです。株式会社ゲームスタジオが開発し、藤井聡太が監修、日本将棋連盟が公認した作品で、略称は「将トレ」です。
人気を支えてきたのは、藤井聡太という棋士の知名度だけではありません。初心者がストーリーを楽しみながら将棋を学べること、AIによる棋譜検討で自分の弱点を把握できること、段級位制度やカスタマイズによって継続して遊べることが、作品としての大きな強みです。
子ども向けの将棋ゲームとしてだけでなく、将棋に興味を持った母親や大人の学び直しにも適している点は、将トレならではの特徴といえます。
一方、上級者向けの専門的な対局環境やオンライン対戦を最優先する人には、別の将棋ソフトのほうが適している場合もあります。購入を判断する際は、自分が求めているのが対戦なのか、学習なのかを明確にすることが大切です。
2026年にあらためて本作を見ると、その価値は単に藤井聡太の名前を冠したゲームというだけではありません。将棋を知らない人が最初の一手を踏み出し、自分で考え、対局し、失敗から学ぶ。その一連の体験を家庭用ゲーム機で実現したことこそ、将トレが長く関心を集めてきた理由です。
将棋を始めるきっかけを探している人や、子どもと一緒に新しい趣味を楽しみたい家庭にとって、今も検討する価値のある一作です。
主な根拠資料:任天堂公式発売紹介、将トレ公式サイト・学習機能説明、ゲームスタジオ公式発表、ビックカメラ・楽天市場の購入者レビュー。