2026年11月現在、北朝鮮代表は2026年FIFAワールドカップに出場していません。アジア最終予選のグループAでイラン、ウズベキスタン、UAEなどと対戦しましたが、10試合を終えて0勝3分け7敗、勝ち点3の最下位に終わりました。2025年3月25日のUAE戦で1-2と敗れたことが、予選敗退を決定づける大きな転機となりました。
一方、北朝鮮には1966年イングランド大会でベスト8に進出した歴史があります。2010年南アフリカ大会にも出場しており、FIFAの公式記録ではワールドカップ本大会への出場回数は通算2回です。2026年大会に出られなかった理由、日本戦で起きた没収試合の経緯、イランとの対戦結果、そして2027年アジアカップに向けた現在の代表チームの状況まで整理します。
【結論】北朝鮮代表は2026年ワールドカップに出場していない
北朝鮮代表は、2026年6月に開幕したFIFAワールドカップの本大会に出場していません。
出場できなかった直接的な理由は、2024年9月から2025年6月にかけて行われたアジア最終予選で結果を残せなかったことです。
北朝鮮が所属したのは、AFCアジア最終予選のグループAでした。
対戦相手は以下の5か国です。
- イラン
- ウズベキスタン
- アラブ首長国連邦(UAE)
- カタール
- キルギス
2026年大会では、アジアの出場枠が拡大され、最終予選の各グループ上位2チームが本大会に直接進出する仕組みになりました。また、3位と4位のチームにも、4次予選へ進む機会が用意されていました。
しかし、北朝鮮はこの4次予選進出圏にも届きませんでした。
FIFAとAFCの大会記録によれば、グループAの最終順位は6位。イランとウズベキスタンが本大会への直接出場を決め、UAEとカタールが次の予選段階へ進みました。
つまり、北朝鮮は本大会への直接出場を逃しただけではなく、アジアの追加出場枠を争う段階にも進めなかったのです。
【予選敗退の経緯】北朝鮮はグループAでなぜ最下位になったのか
北朝鮮代表の2026年ワールドカップ予選を振り返ると、最大の問題は勝ち切れない試合が続いたことです。
最終予選は全10試合のホーム&アウェー方式で実施されました。北朝鮮はイランやウズベキスタンといった強豪だけでなく、UAEやキルギスとの試合でも十分な勝ち点を獲得できませんでした。
2024年から2025年までの主な試合序盤から北朝鮮は苦戦しました。
2024年9月の初戦ではウズベキスタンに0-1で敗戦。続くカタール戦では2-2と引き分けました。
その後のUAE戦でも1-1の引き分けに終わり、勝利を挙げられないまま予選が進行します。
2024年11月にはイランとの対戦で2-3と惜敗。さらにウズベキスタンにも0-1で敗れました。
2025年3月20日のカタール戦では1-5という大差で敗れ、チームの苦境が鮮明になります。
敗退を決定づけた2025年3月25日のUAE戦2025年3月25日、北朝鮮はUAEと対戦しました。
試合はUAEがファビオ・リマのゴールで先制。北朝鮮は前半43分、キム・ユソンのゴールで同点に追いつきました。
しかし、後半アディショナルタイムにUAEのスルタン・アディルが決勝ゴールを決め、試合は1-2で終了します。
FIFAの試合レポートは、この終了間際の得点によって北朝鮮のワールドカップ出場への望みが絶たれたと伝えています。
その後、北朝鮮は6月5日のキルギス戦で2-2と引き分け、6月10日の最終戦ではイランに0-3で敗れました。
グループAの最終成績2026年W杯アジア最終予選・グループA
| 項目 | 北朝鮮の成績 |
|---|---|
| 最終順位 | 6位 |
| 試合数 | 10試合 |
| 勝利 | 0 |
| 引き分け | 3 |
| 敗戦 | 7 |
| 得点 | 9 |
| 失点 | 21 |
| 得失点差 | -12 |
| 勝ち点 | 3 |
10試合で一度も勝てなかったことが、今回の敗退を象徴しています。
特に得点9に対して失点21という数字は、攻撃面だけでなく守備面にも改善の余地が大きかったことを示しています。
UAE戦の敗北は象徴的な出来事でしたが、敗退の原因は一試合だけではありません。予選全体を通じて勝利を積み重ねられなかったことが、最終的な最下位という結果につながりました。
【日本戦・イラン戦】ワールドカップ予選で何が起きた?
北朝鮮代表の予選を語る際、特に注目されるのが日本戦とイラン戦です。
ただし、日本戦については、実際に試合が行われたケースと、没収試合になったケースを区別する必要があります。
北朝鮮対日本戦はなぜ開催されなかったのか2024年3月26日、北朝鮮と日本はワールドカップ2026アジア2次予選で対戦する予定でした。
試合会場は平壌が予定されていましたが、3月20日に北朝鮮サッカー協会から、予定どおりの開催が難しいとの連絡がありました。
AFCはFIFAなど関係者と協議し、代替会場での開催を調整することになりました。
しかし、代替会場が確保できず、日程上の問題もあったため、FIFAは3月26日の試合を延期・再設定しないと決定しました。
そして2024年4月2日、FIFA規律委員会はこの試合を北朝鮮の0-3の没収試合とする決定を発表しました。加えて、北朝鮮サッカー協会には1万スイスフランの罰金が科されました。
ここで重要なのは、この日本戦が2026年大会の2次予選における試合だったことです。
北朝鮮はその後も予選を戦い、3次予選への進出を果たしています。したがって、日本戦の没収試合だけを2026年大会の最終的な敗退理由とするのは正確ではありません。
北朝鮮対イラン戦の結果イランとの対戦も、北朝鮮にとって厳しい結果となりました。
2024年11月14日の対戦では、北朝鮮はイランに2-3で敗れています。
この試合ではイランが先行し、北朝鮮も反撃しましたが、勝ち点を獲得するには至りませんでした。
そして2025年6月10日、最終節で再びイランと対戦。
結果は0-3でした。
この敗戦によって、北朝鮮は勝利のないまま最終予選を終えました。FIFAの公式試合結果にも、両チームの対戦結果が記録されています。
日本戦の没収試合、イラン戦の連敗、UAE戦での終了間際の失点。これらを時系列で整理すると、北朝鮮代表が置かれていた厳しい状況が見えてきます。
【歴代成績】北朝鮮のワールドカップ出場回数と1966年ベスト8の快挙
北朝鮮サッカーの歴史を語るうえで、欠かせないのが1966年イングランド大会です。
FIFAの北朝鮮サッカー協会公式プロフィールによれば、男子代表のワールドカップ本大会出場は通算2回。1966年と2010年で、最高成績は1966年の準々決勝進出です。
北朝鮮代表のワールドカップ歴代記録| 年・大会 | 成績・結果 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 1966年イングランド大会 | ベスト8 | イタリアを1-0で破り準々決勝進出 |
| 2010年南アフリカ大会 | グループリーグ敗退 | ブラジル、ポルトガル、コートジボワールと対戦 |
| 2014年ブラジル大会 | 出場なし | 本大会出場を逃す |
| 2018年ロシア大会 | 出場なし | 本大会出場を逃す |
| 2022年カタール大会 | 出場なし | 予選から撤退 |
| 2026年北米大会 | 出場なし | アジア最終予選グループAで6位 |
北朝鮮代表が初めてワールドカップに出場したのは1966年です。
グループリーグではソ連に0-3で敗れたものの、チリと1-1で引き分け、最終戦で強豪イタリアを1-0で破りました。
この勝利によって北朝鮮は決勝トーナメントに進出。アジア勢として初めてワールドカップの準々決勝に進んだチームとなりました。
イタリア戦で決勝ゴールを決めたのはパク・ドゥイクです。
準々決勝ではポルトガルと対戦。北朝鮮は前半25分までに3-0とリードする驚異的な展開を見せました。
しかし、ポルトガルのエウゼビオが4得点を挙げる活躍を見せ、最終的には3-5で逆転負けとなりました。
FIFAの歴史記事でも、この試合は1966年大会を代表する名勝負の一つとして紹介されています。
2010年南アフリカ大会:44年ぶりの本大会復帰2010年、北朝鮮は44年ぶりにワールドカップ本大会へ戻ってきました。
グループGの対戦相手は、ブラジル、ポルトガル、コートジボワールという強豪国です。
結果は次のとおりでした。
- ブラジル戦:1-2で敗戦
- ポルトガル戦:0-7で敗戦
- コートジボワール戦:0-3で敗戦
ブラジル戦ではチ・ユンナムがゴールを決め、優勝候補相手に1点差まで迫りました。
しかし、ポルトガル戦では7失点を喫し、最終戦も敗北。3試合全敗でグループリーグ敗退となりました。
ドイツサッカー連盟の大会記録にも、これら3試合の結果が掲載されています。
1966年のベスト8と2010年のグループリーグ敗退。この2大会を比較すると、北朝鮮代表のワールドカップでの実績が決して一様ではないことが分かります。
【出場できない理由】北朝鮮はFIFAから出場禁止されているのか?
北朝鮮のワールドカップ出場について、しばしば疑問になるのが「政治的な理由でFIFAから出場を禁止されているのではないか」という点です。
しかし、2026年大会に関しては、その理解は正しくありません。
北朝鮮は2026年大会の予選に正式に参加し、アジア2次予選を突破して3次予選まで進出しています。
つまり、FIFAから一律に出場資格を剥奪されていたわけではありません。
出場できなかった直接的な原因は競技成績今回の敗退につながった要素は、大きく3つあります。
1.最終予選で勝利を挙げられなかったこと
10試合で0勝という結果は、他の参加国との実力差を埋められなかったことを示しています。
2.強豪国との対戦で失点が重なったこと
イランやウズベキスタン、カタールなどとの試合で勝ち点を積み上げられず、得失点差もマイナス12となりました。
3.中位チームとの競争でも勝ち切れなかったこと
UAEやキルギスとの試合で引き分けや敗戦が続き、順位を上げる機会を逃しました。
こうした結果を踏まえると、今回の敗退を政治的な出場禁止と結びつけるのは適切ではありません。
なお、2024年の日本戦のように、開催地の調整や試合運営をめぐる問題が生じたことは事実です。ただし、それとFIFAによる大会全体への出場禁止は別の問題です。
【現在の状況と今後】北朝鮮代表は2027年アジアカップで復活できるのか
2026年11月現在、北朝鮮代表にとって次の大きな目標となっているのが、2027年AFCアジアカップです。
AFCは2026年10月30日、北朝鮮代表の大会紹介記事を公開しました。
それによると、北朝鮮は2019年以来となるアジアカップへの復帰を予定しています。
2027年大会ではグループBに入り、以下の3チームと対戦します。
- ウズベキスタン
- バーレーン
- ヨルダン
AFCは、北朝鮮が1980年大会で4位に入った実績にも触れています。
FIFAランキングから見る現在地FIFAの男子ランキング履歴では、北朝鮮代表は2026年7月20日更新時点で120位となっています。
過去には57位まで上昇した実績がある一方、現在は世界の上位国との差を縮める必要がある状況です。
ただし、ランキングだけでチームの実力を判断することはできません。
国際試合の経験、選手の継続的な招集、強豪国との対戦機会なども、代表チームの成長に大きく関係します。
今後の注目要点は3つ① 2027年アジアカップでの結果
まずはウズベキスタン、バーレーン、ヨルダンとの対戦が重要です。ワールドカップ予選で敗れたウズベキスタンとの再戦は、チームの成長を測る機会にもなります。
② 国際試合の経験を積めるか
強豪国との試合だけでなく、実力が近いチームとの対戦で勝ち切れるかが課題です。2026年予選のように引き分けが続く展開を改善する必要があります。
③ 若い選手を継続的に育成できるか
1966年のベスト8という実績は大きな財産ですが、現在の国際サッカーは戦術、フィジカル、選手育成のすべてで進化しています。
過去の成功を再現するためには、若い選手の経験を積み重ね、代表チームとして継続的に強化していくことが欠かせません。
【プロの結論】北朝鮮サッカーの実力を判断する3つの視点
北朝鮮代表を評価するとき、1966年のベスト8だけを基準にするのは十分ではありません。
また、2026年の予選敗退だけを見て、北朝鮮サッカー全体の実力が低下したと断定することもできません。
重要なのは、次の3つを分けて考えることです。
- 歴史的な実績: 1966年のベスト8は、アジアサッカー史に残る快挙。
- 現在の男子代表: 2026年予選では勝ち点3、グループA最下位という厳しい結果。
- 今後の競争力: 2027年アジアカップでの成績が、次の成長を判断する材料になる。
加えて、北朝鮮では女子代表や年代別代表も国際大会に参加しています。男子A代表と女子・ユース代表は別のチームであり、それぞれの大会成績を混同しないことも大切です。
北朝鮮サッカーの今後を占ううえで注目すべきなのは、過去の栄光よりも、現在の代表が国際舞台でどのような結果を積み上げられるかという点です。
北朝鮮のワールドカップに関するよくある質問(FAQ)
Q1:北朝鮮は2026年ワールドカップに出場しましたか?
A1:出場していません。アジア最終予選のグループAで10試合を戦い、0勝3分け7敗、勝ち点3の6位で敗退しました。
Q2:北朝鮮のワールドカップ出場回数は何回ですか?
A2:FIFA公式記録では通算2回です。1966年イングランド大会と2010年南アフリカ大会に出場しています。最高成績は1966年のベスト8です。
Q3:北朝鮮が2026年大会に出場できなかったのは政治的な理由ですか?
A3:今回の直接的な理由は予選での成績です。北朝鮮は予選に参加し、3次予選まで進出しましたが、グループAで最下位となりました。
Q4:北朝鮮と日本の2026年ワールドカップ予選は開催されましたか?
A4:2024年3月26日に予定されていた2次予選の試合は開催されませんでした。FIFAは北朝鮮の0-3の没収試合と決定しています。
Q5:北朝鮮代表の次の国際大会は何ですか?
A5:2027年AFCアジアカップです。北朝鮮は2019年以来の出場となり、グループBでウズベキスタン、バーレーン、ヨルダンと対戦する予定です。
2026年ワールドカップに北朝鮮代表は出場していません。
敗退の直接的な原因は、アジア最終予選グループAで10試合を戦い、0勝3分け7敗という成績に終わったことです。2025年3月のUAE戦での敗北が大きな転機となり、6月の最終戦でイランにも敗れました。
一方、北朝鮮には1966年大会のベスト8という輝かしい歴史があります。2010年大会にも出場しており、FIFA公式記録に残る本大会出場回数は2回です。
そして2026年10月には、2027年アジアカップに向けたAFCの代表紹介も公開されました。
今後の注目点は、アジアカップでどこまで勝ち進めるか、そして2026年予選で露呈した得点力や守備の課題を改善できるかという部分です。
1966年のベスト8は過去の実績、2026年の予選敗退は現在の課題、2027年アジアカップは次の挑戦です。 この3つを分けて見ることが、北朝鮮サッカーの現在と未来を理解するうえで重要になります。