新潟四区(新潟県第4区)は、新潟県中越地域を中心とする衆議院の小選挙区です。長岡市・柏崎市・小千谷市・見附市に加え、三島郡と刈羽郡を対象地域としています。2026年2月8日に投開票された第51回衆議院議員総選挙では、自由民主党の鷲尾英一郎氏が107,128票を獲得して当選しました。
今回の選挙には鷲尾氏、米山隆一氏、野村泰暉氏、大矢寿乃氏の4人が立候補。2024年の衆院選で勝利した米山氏から議席が移り、現行の区割りでは2回目となる選挙で当選者が交代しました。得票数や得票率、投票率、前回との違いを確認すると、新潟4区の選挙情勢が見えてきます。
【区割りを解説】新潟四区の対象地域は長岡市・柏崎市など6市町村
新潟4区の区域は、新潟県選挙管理委員会が公表している衆議院小選挙区の区割り一覧で確認できます。対象となるのは、次の4市と2つの郡です。
新潟県第4区に含まれる地域- 長岡市
- 柏崎市
- 小千谷市
- 見附市
- 三島郡
- 刈羽郡
郡については、現在の自治体名に置き換えると、三島郡は出雲崎町、刈羽郡は刈羽村に該当します。そのため、テレビ局の開票速報などでは「長岡市・柏崎市・小千谷市・見附市・出雲崎町・刈羽村」という表記も使われています。
新潟4区の選挙区地図を見る際には、郡名と自治体名の違いに注意してください。法律上の区域表示では三島郡・刈羽郡、実際の地域を示す場合には出雲崎町・刈羽村という表現になります。
2022年の区割り変更で新潟県の選挙区は5区に現在の新潟4区を理解するうえで欠かせないのが、2022年に実施された衆議院小選挙区の区割り改定です。
一票の格差を是正するため、公職選挙法が改正され、新潟県の小選挙区数は従来の6選挙区から5選挙区へ1減となりました。改正法は2022年12月28日に施行され、その後初めて公示される衆議院議員総選挙から新しい区割りが適用されています。
現在の区割りが適用された最初の衆院選は、2024年10月27日の第50回衆議院議員総選挙です。つまり、2024年と2026年の新潟4区は同じ区域を対象とした選挙ですが、それ以前の同じ「4区」という名称の選挙結果は、区割りが異なる場合があります。
新潟県選挙管理委員会の公表する区割り地図と区域一覧を基準に確認すると、過去の選挙結果を混同しにくくなります。
【2026年2月8日の衆院選結果】新潟4区で当選したのは鷲尾英一郎氏
2026年2月8日に行われた第51回衆議院議員総選挙の新潟4区では、4人が小選挙区の1議席を争いました。
新潟県選挙管理委員会が公表した確定開票結果によると、当選したのは自由民主党の鷲尾英一郎氏です。獲得票数は107,128票で、2位の米山隆一氏に44,682票差をつけました。
2026年・新潟4区の候補者別開票結果- 鷲尾英一郎(自由民主党):107,128票・当選
- 米山隆一(中道改革連合):62,446票・落選
- 野村泰暉(国民民主党):15,842票・落選
- 大矢寿乃(参政党):14,613票・落選
候補者4人の得票数を合計すると200,029票です。得票率はこの得票合計を基準に計算すると、鷲尾氏が53.56%、米山氏が31.22%、野村氏が7.92%、大矢氏が7.31%となります。
鷲尾氏は有効票の過半数に相当する得票を確保し、2位以下を大きく引き離しました。小選挙区の議席は1人だけに与えられるため、今回の結果によって新潟4区の議席は自民党の鷲尾氏に移りました。
【候補者4人を比較】得票数・得票率と2024年選挙との関係
今回の選挙を詳しく見るには、候補者それぞれの立場と前回選挙での実績を比較することが有効です。特に注目されるのは、2024年に当選した米山氏と、2026年に議席を獲得した鷲尾氏の対決です。
2026年の候補者・得票データ一覧| 候補者 | 政党 | 2026年得票数 | 得票率 | 2024年の結果 |
|---|---|---|---|---|
| 鷲尾英一郎 | 自由民主党 | 107,128票 | 53.56% | 71,672票・2位 |
| 米山隆一 | 中道改革連合 | 62,446票 | 31.22% | 93,764票・当選 |
| 野村泰暉 | 国民民主党 | 15,842票 | 7.92% | 2026年新人 |
| 大矢寿乃 | 参政党 | 14,613票 | 7.31% | 2026年新人 |
| 泉田裕彦 | 無所属 | 立候補なし | ― | 43,396票・3位 |
※2026年の得票率は候補者の得票合計200,029票を分母として算出し、小数点第3位を四捨五入しています。2024年の結果は同年の新潟県選挙管理委員会の確定開票結果に基づきます。
鷲尾英一郎氏:会計士出身で通算7回目の当選鷲尾英一郎氏は1977年1月3日生まれ、新潟市出身の政治家です。東京大学経済学部を卒業し、新日本監査法人での勤務を経て、公認会計士・税理士・行政書士として活動しました。
2005年の第44回衆議院議員総選挙で初当選。その後、農林水産大臣政務官、菅義偉内閣の外務副大臣、衆議院環境委員長などを務めています。
衆議院の公式議員プロフィールでは、第44回から第49回、そして第51回の選挙で当選したことが記録されています。2026年の勝利は通算7回目の衆議院議員当選です。
なお、通算7回という数字は過去の選挙区や比例代表での当選歴も含むものであり、現在の新潟4区で7回当選したという意味ではありません。
米山隆一氏:前新潟県知事で医師・弁護士の経歴米山隆一氏は1967年9月8日生まれ、新潟県北魚沼郡湯之谷村(現在の魚沼市)出身です。東京大学医学部を卒業し、医師・研究者として活動した後、弁護士としても経験を積みました。
2016年には新潟県知事に就任。2018年に知事を辞職した後、2021年の衆議院議員総選挙で新潟5区から初当選しました。
2024年には立憲民主党の候補として新潟4区に立候補し、93,764票を獲得して当選しています。2026年1月には中道改革連合に参加し、同党から再選を目指しましたが、今回は鷲尾氏に敗れました。
野村泰暉氏・大矢寿乃氏:新しい選択肢として立候補野村泰暉氏は2026年の選挙時点で27歳。国民民主党から立候補し、IT会社社長や政党役員などの肩書で候補者情報に掲載されました。獲得票数は15,842票です。
大矢寿乃氏は46歳で、参政党から立候補しました。候補者情報では高齢者介護・介護分野に関わる経歴が紹介されています。得票数は14,613票でした。
両氏は今回の新潟4区で、鷲尾氏と米山氏に続く票を獲得しました。既存の有力候補2人だけでなく、異なる政党の新人候補にも一定の票が集まったことは、今回の選挙の特徴の一つです。
【2024年と2026年を比較】当選者の逆転と投票率の変化
今回の新潟4区で最も大きな変化は、2024年に勝利した米山氏と、2026年に勝利した鷲尾氏の順位が入れ替わったことです。
2024年10月27日の選挙結果第50回衆議院議員総選挙では、3人が立候補しました。
- 米山隆一氏(立憲民主党):93,764票・44.9%
- 鷲尾英一郎氏(自由民主党):71,672票・34.3%
- 泉田裕彦氏(無所属):43,396票・20.8%
米山氏と鷲尾氏の票差は22,092票でした。米山氏が選挙区のトップとなり、鷲尾氏は2位で議席を逃しています。
ところが、2026年には状況が逆転しました。鷲尾氏は107,128票を獲得し、米山氏との差を44,682票まで広げています。
2年間で何が変わったのか両候補の得票数を単純比較すると、鷲尾氏は2024年の71,672票から35,456票増加しました。一方、米山氏は93,764票から62,446票へと31,318票減少しています。
ただし、候補者の構成も変わっています。2024年に立候補した泉田裕彦氏は2026年には出馬せず、代わって野村氏と大矢氏が新人候補として加わりました。また、米山氏の所属政党も立憲民主党から中道改革連合へと変わっています。
そのため、単純に前回の候補者の票が別の候補者へ移ったと判断することはできません。候補者構成、政党の組み合わせ、選挙時の政治状況などを合わせて見る必要があります。
新潟4区の投票率は60.30%から58.44%へ投票率にも変化が見られました。
- 2024年:60.30%
- 2026年:58.44%
- 前回との差:マイナス1.86ポイント
新潟県選挙管理委員会によると、2024年の選挙当日有権者数は352,778人、投票者数は212,711人でした。2026年は有権者数347,604人、投票者数203,155人です。
有権者数は5,174人減少し、投票者数も9,556人減りました。投票率の低下だけでなく、選挙区全体の有権者数そのものが減っている点にも注目する必要があります。
市町村別の得票結果にも表れた変化BSNの開票所別データを見ると、2024年には米山氏が長岡市・柏崎市・小千谷市・見附市の4市で鷲尾氏を上回りました。一方、出雲崎町と刈羽村では鷲尾氏が米山氏を上回っています。
これに対して2026年は、鷲尾氏が6市町村すべてで米山氏を上回りました。特に有権者数の多い長岡市では、鷲尾氏が65,253票、米山氏が38,027票を獲得しています。
選挙区全体の勝敗だけでなく、市町村単位で結果を比較することによって、支持の広がり方が変化したことを確認できます。
【地域政治の重要論点】柏崎刈羽原発と新潟4区のこれから
新潟4区は、単一の都市だけで構成された選挙区ではありません。県内有数の都市である長岡市、沿岸部の柏崎市、周辺の小千谷市・見附市、さらに出雲崎町と刈羽村を含みます。
地域ごとに産業構造や生活環境が異なるため、国政選挙で注目される政策も一つではありません。地域経済、農業、医療・介護、交通、防災、エネルギー政策などを総合的に見る必要があります。
柏崎刈羽原発の再稼働問題特に重要な地域課題の一つが、柏崎刈羽原子力発電所をめぐる問題です。
新潟県の公式発表によると、2025年11月21日、県知事は国からの再稼働に関する理解要請について、県が示した7項目への国の対応を確認したうえで了解する考えを表明しました。同年12月22日には、県議会が再稼働関連の補正予算などに関する附帯決議を可決しています。
2026年2月8日の衆院選は、こうした動きの後に実施されました。加えて、柏崎刈羽原発6号機の起動工程に伴う県の監視強化は2026年1月20日から4月16日まで行われています。
県の公表資料によると、4月16日に総合負荷性能検査が終了し、営業運転までの検査がすべて終了しました。2026年10月14日時点の県の運転状況資料では、6号機は運転中、7号機は定期事業者検査中とされています。
原発の安全性、避難計画、地域経済、電力の安定供給は、柏崎市や刈羽村だけでなく、新潟県全体に関わる問題です。新潟4区の選挙結果を理解する際にも、こうした地域固有の政策課題を切り離すことはできません。
地域の違いを踏まえた政治活動が必要長岡市のような大きな都市と、出雲崎町・刈羽村のような比較的小規模な自治体では、住民が抱える課題や行政サービスへの要望も異なります。
例えば、医療機関へのアクセス、公共交通、冬季の道路確保、地域産業の維持、農業の担い手不足などは、地域の暮らしに直結する論点です。
新潟4区の議員には、選挙で獲得した票数だけでなく、こうした地域ごとの課題を国政に反映させる役割が大切です。今後は鷲尾氏が、広い選挙区の各自治体に対してどのような政策を具体化するのかが焦点になります。
【歴代当選者】新潟4区の議席は米山隆一氏から鷲尾英一郎氏へ
新潟4区の歴代当選者を調べる場合、2022年の区割り改定を基準に整理することが大切です。同じ「新潟4区」という名称でも、改定前と改定後では対象地域が異なるためです。
現行の区割りにおける当選者の変遷- 2024年10月27日・第50回衆院選:米山隆一氏(立憲民主党)が93,764票で当選。
- 2026年2月8日・第51回衆院選:鷲尾英一郎氏(自由民主党)が107,128票で当選。
現行区割りで見ると、2024年は米山氏、2026年は鷲尾氏という順番になります。わずか2回の選挙で当選者が交代したことは、新潟4区の政治情勢を考えるうえで要点です。
昔の新潟4区の当選者と混同しないインターネット上には、1990年代や2000年代の新潟4区の歴代当選者をまとめた情報もあります。しかし、現在の新潟4区とは区割りが異なる時期があるため、古い選挙結果をそのまま現在の選挙区の歴史として扱うことはできません。
歴代当選者を正確に調べるには、選挙が実施された年と当時の公職選挙法上の区域を照合する必要があります。
また、鷲尾氏の通算当選回数が7回であることと、現在の新潟4区での当選回数は別の数字です。2026年時点で現行の新潟4区における当選は1回となります。
【新潟四区に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:新潟4区の対象地域はどこですか?
A1:長岡市、柏崎市、小千谷市、見附市、三島郡、刈羽郡です。三島郡は出雲崎町、刈羽郡は刈羽村に該当するため、自治体名で表すと4市2町村ではなく、4市・1町・1村の計6市町村となります。
Q2:2026年の新潟4区の衆院選で当選したのは誰ですか?
A2:自由民主党の鷲尾英一郎氏です。107,128票を獲得し、得票率53.56%で当選しました。2位の米山隆一氏は62,446票でした。
Q3:2024年の新潟4区の選挙結果はどうなっていましたか?
A3:2024年10月27日の第50回衆院選では、立憲民主党の米山隆一氏が93,764票で当選しました。鷲尾英一郎氏は71,672票で2位、泉田裕彦氏は43,396票で3位でした。
Q4:2026年の新潟4区の投票率は何%でしたか?
A4:58.44%です。2024年の60.30%と比較すると、1.86ポイント低下しました。
Q5:新潟4区の歴代当選者は誰ですか?
A5:現在の区割りに限ると、2024年は米山隆一氏、2026年は鷲尾英一郎氏です。2022年の区割り改定以前は区域が異なるため、それ以前の当選者を比較する場合には注意が必要です。
新潟四区は、長岡市・柏崎市・小千谷市・見附市と、出雲崎町・刈羽村を含む新潟県の小選挙区です。2022年の区割り改定によって現在の区域が設定され、2024年以降はこの6市町村を対象に衆院選が行われています。
2026年2月8日の第51回衆議院議員総選挙では、鷲尾英一郎氏が107,128票、得票率53.56%で当選しました。2024年に当選した米山隆一氏は62,446票で敗れ、現行区割りでは初めて当選者が交代しています。
投票率は58.44%と前回を下回り、有権者数も減少しました。選挙結果を単なる候補者の勝敗として捉えるだけでなく、市町村別の得票状況や地域の政策課題まで確認が必要です。
今後の注目点は、鷲尾氏が柏崎刈羽原発の安全性や地域経済、医療・介護、交通、防災といった課題にどのように取り組むかです。新潟4区の政治を追う際には、最新の選挙結果と現行の区割りを基準に、国会活動や地域への政策還元を継続して確認することが判断のポイントになります。
主な事実確認資料
- 新潟県選挙管理委員会・2026年衆議院議員総選挙の確定開票結果と投票率。
- 新潟県選挙管理委員会・現行の小選挙区区域と2022年区割り改定。
- 新潟県選挙管理委員会・2024年衆議院議員総選挙の結果。
- BSN新潟放送・2024年、2026年の市町村別開票結果。
- 衆議院公式議員プロフィール、米山隆一氏公式プロフィール。
- 新潟県・柏崎刈羽原発の再稼働に関する経緯と2026年10月の運転状況。