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【2026年の夏の気温は歴代5位】平年差と過去の記録を比較

星野 匠 星野 匠 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

2026年夏の暑さを理解するうえで、最初に押さえたいのが「平年差」と「歴代順位」だ。

気象庁が発表した日本の夏の平均気温偏差は、次のようになっている。


日本の夏の平均気温・高温記録ランキング


1位・2025年

+2.36℃

今年の夏の気温


歴代最高



2位・2023年、2024年

+1.76℃



同率2位



4位・2010年

+1.08℃





5位・2026年

+1.02℃



歴代5位

出典:気象庁「日本の季節平均気温」。1991~2020年の30年平均値を基準とした偏差。

平年差+1.02℃は何を意味する?

ここで注意したいのは、+1.02℃が日本の夏の実際の平均気温そのものではないという点だ。

これは1991~2020年の30年間の平均値と比較した数値である。つまり、2026年の夏は、比較対象となる通常の気候より全国平均で約1℃高かったことを示している。

わずか1℃と思うかもしれないが、全国規模で3か月間にわたり平均気温が上昇することは、暑さの影響を受ける地域や人口が広範囲に及ぶことを意味する。

加えて、気象庁が公表する長期的な傾向では、日本の夏の平均気温は100年当たり1.41℃の割合で上昇している。

年ごとの変動はあるものの、長期的には日本の夏が暑くなっていることが観測データから読み取れる。

2025年より涼しかったのか?

全国平均の平年差だけを比較すれば、2026年は2025年より暑さが弱かった。

2025年は+2.36℃という過去最高の記録を更新。2026年は+1.02℃となり、前年差は1.34℃だった。

しかし、これをもって2026年は安全な夏だったと判断するのは早計だ。

2026年には40℃以上を記録した地点が延べ36地点に達し、2010年以降で最多となった。全国平均の順位と、特定地域で発生した極端な高温は、別々に評価する必要がある。

【北日本・東日本・西日本の気温比較】地域別に見る2026年の猛暑

2026年夏は、日本全国が同じように暑かったわけではない。

気象庁の地域平均気候表では、北日本と西日本の平均気温が平年よりかなり高く、東日本も平年を上回った。一方、沖縄・奄美は平年並みだった。

地域別の平均気温平年差
地域 平年差 気温の評価
北日本 +1.2℃ かなり高い
東日本 +0.8℃ 高い
西日本 +1.2℃ かなり高い
沖縄・奄美 0.0℃ 平年並み

この比較で興味深いのは、北日本と西日本が同じ+1.2℃でも、暑さの現れ方が違ったことだ。

北日本:北海道・東北でも高温傾向

北日本では、北海道の平均気温平年差が+1.4℃、東北が+0.9℃だった。

特に7月は北日本の平均気温が平年差+1.7℃となり、北日本の7月中旬は1946年の統計開始以降、1955年と並ぶ1位タイの高温となった。

北海道でも札幌の真夏日が夏の期間で14日、旭川では19日となっている。北海道だから本州ほど暑くならないという従来の感覚だけでは、夏の気温を判断しにくくなっている。

東日本:高温と記録的な大雨が同時に発生

東日本の平均気温平年差は+0.8℃。北日本や西日本より上昇幅は小さかったものの、平年より高い夏だった。

ただし、東日本の特徴は気温だけでは説明できない。

太平洋側では台風や前線の影響を受け、8月には千葉県で豪雨が発生。気象庁によると、千葉では日降水量の観測記録が更新された。

つまり、2026年の東日本は、猛暑だけでなく大雨への警戒も必要な夏だった。

西日本:高温と少雨が深刻化

西日本は2026年夏の特徴が最も明確に表れた地域の一つだ。

夏の平均気温は1946年以降で3番目の高さ。特に7月中旬、7月下旬、8月下旬には、西日本の平均気温がそれぞれ統計開始以降の高い記録となった。

また、梅雨明け以降は雨の少ない状態が続き、8月の九州北部地方の降水量は1946年以降で最少となった。

高温と少雨が重なると、農業や水資源、屋外での作業にも影響が及ぶ。単純に気温が高いというだけではなく、降水量との組み合わせも2026年夏の重要な特徴だった。

気温・気象現象・原因の関係を整理
対象 2026年の観測・特徴 気象上の関係
北日本 平年差+1.2℃ 偏西風の北偏と暖気の流入
東日本 平年差+0.8℃ 高温に加え、台風や豪雨の影響
西日本 平年差+1.2℃ 高気圧による晴天、下降気流、高温・少雨
沖縄・奄美 平年差0.0℃ 台風や湿った空気の影響を受けやすい
偏西風 平年より北に偏りやすい 日本付近の気圧配置を変化させる
チベット高気圧 西日本付近に張り出す 背の高い高気圧と下降気流に関係
エルニーニョ 顕著な現象が発生 偏東風波動の活発化や台風発生数に関係
地球温暖化 長期的な気温上昇 高温が発生しやすい背景となる

【40℃以上の酷暑日が延べ36地点】2026年の猛暑日・真夏日の実態

2026年の夏を象徴する出来事が、最高気温40℃以上を記録する酷暑日の多発だった。

気象庁は2026年4月17日、最高気温40℃以上の日の名称を正式に「酷暑日」と決定した。それまでは40℃以上の日を表す名称が統一されていなかったが、顕著な高温への警戒を呼びかけるため、新たな名称が採用された。

酷暑日は何地点で観測された?

気象庁の2026年9月1日公表資料によると、6月から8月までの期間に40℃以上を観測したのは、気象官署とアメダスを合わせた914地点のうち、22地点で延べ36回だった。

ここでいう延べ36地点という表現は、同じ観測地点で複数日に40℃以上を記録した場合も、それぞれ1回として数えるものだ。22の異なる観測地点と36回の観測を区別しておきたい。

2026年に40℃以上を記録した主な地点


41.1℃


2026年夏の最高気温

7月23日・静岡県浜松市天竜区・佐久間

主な酷暑日の観測記録

日付 観測地点 気温
7月21日 岐阜県・多治見 40.3℃
7月22日 三重県・桑名 40.6℃
7月23日 静岡県・佐久間 41.1℃
7月23日 愛知県・豊田 40.8℃
7月25日 岐阜県・美濃 40.8℃
8月2日 高知県・江川崎 40.8℃
8月3日 福岡県・久留米 40.4℃
8月26日 福岡県・博多 40.4℃

出典:気象庁「2026年夏に酷暑日を観測した地点」。表は主な記録の抜粋。

7月21日から25日にかけては、東海地方を中心に40℃以上の観測が相次いだ。8月に入ってからも四国や九州で酷暑日が発生し、8月26日には福岡県の博多でも40℃を超えた。

特定の日だけの異常な暑さではなく、複数の地域で繰り返し発生した点が特徴的だ。

猛暑日・真夏日の日数はどれくらい?

気象庁が使用する気温区分は以下のとおり。

呼び方 最高気温
真夏日 30℃以上
猛暑日 35℃以上
酷暑日 40℃以上

猛暑日や真夏日は、観測地点ごとに日数を集計するため、同じ都市でも年によって大きく異なる。

2026年の主な観測地点の記録を見ると、次のようになっている。

観測地点 猛暑日 真夏日
東京 12日 47日
熊谷 22日 49日
前橋 18日 48日
札幌 0日 14日
秋田 1日 37日

この表からも分かるように、関東内陸部では猛暑日が多く、北海道では猛暑日が観測されなかった地点もある。

なお、2025年は全国のアメダス地点で猛暑日を記録した延べ地点数が9,385地点に達し、2010年以降で最多だった。2026年の全国の暑さを考える際には、地点別の日数と全国の延べ地点数を混同しないことも大切だ。

【2026年の猛暑の原因と理由】偏西風・高気圧・エルニーニョを分析

なぜ2026年は、北日本や西日本を中心に厳しい暑さになったのか。

気象庁が2026年9月1日に公表した異常気象分析検討会の資料では、偏西風の蛇行、高気圧の配置、地球温暖化などが重要な要因として挙げられている。

① 偏西風の北偏によって暖かい空気が流入

偏西風は、地球の中緯度地域の上空を西から東へ吹く風だ。

日本付近で偏西風が大きく蛇行すると、通常とは異なる気圧配置が形成される。

2026年夏は、偏西風が平年より北側を流れやすく、日本列島が暖かい空気に覆われる時期があった。

この大気の流れによって、北日本や西日本では高気圧に覆われて晴れる日が多くなり、気温が上がりやすくなった。

② チベット高気圧と太平洋高気圧の影響

2026年の西日本の高温を理解するうえで欠かせないのが、チベット高気圧と太平洋高気圧だ。

チベット高気圧は上空の高いところに広がる高気圧で、太平洋高気圧は日本の南側を中心に張り出す高気圧だ。

2026年7月下旬から8月初めにかけては、偏西風の北への蛇行によって西日本付近に上層のチベット高気圧が張り出し、地上付近まで背の高い高気圧に覆われた。

このとき、重要になるのが下降気流である。

高気圧の内部では空気が下降することがあり、下降した空気は周囲の気圧が高くなるにつれて圧縮され、温度が上昇する。これを断熱昇温という。

2026年は強い日射に加えて、この下降気流による昇温が高温を強めた。

加えて、下層の太平洋高気圧の縁を回る暖かい空気の流入も気温上昇に寄与したと気象庁は分析している。

③ 2026年のエルニーニョ現象はどう影響した?

2026年の気象を語るうえで、エルニーニョ現象も注目されている。

エルニーニョ現象とは、赤道付近の太平洋東部から中部にかけて海面水温が平年より高くなる現象だ。大気の循環や世界各地の天候に影響を及ぼすことがある。

気象庁の分析によると、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられ、7月の太平洋赤道域東部の監視海域では、海面水温の基準値との差が+2.5℃となった。

これは1997年と並び、7月として過去最大級の顕著な値だった。

ただし、エルニーニョ現象が日本の猛暑を単独で引き起こしたという説明は正確ではない。

気象庁が指摘しているのは、今回のエルニーニョ現象が偏東風波動の活動を活発化させ、夏の台風発生数の増加に影響した可能性だ。

2026年夏の台風発生数は17個で、平年の11.0個を大きく上回り、1951年の統計開始以降で3位タイの多さとなった。

④ 地球温暖化が猛暑の背景にある

もう一つ見逃せないのが、地球温暖化による長期的な気温上昇だ。

2026年の猛暑は、偏西風や高気圧の配置といった自然の気象変動だけで説明できるものではない。

気象庁の分析では、イベント・アトリビューションという手法による研究結果も紹介されている。

この分析では、2026年7月中旬から8月上旬にかけての西日本の高温は、地球温暖化がなかったと仮定した場合、ほぼ発生し得なかったと示された。

これは、地球温暖化が今回の高温に影響したことを示す重要な知見だ。

つまり、偏西風の蛇行や高気圧の配置が猛暑の直接的な気象条件を形成し、地球温暖化による気温の底上げが、その暑さをさらに強めたという構図である。

【熱中症対策と高温への備え】猛暑から身を守るために

気温が40℃を超える日だけが危険なのではない。30℃台の気温が長く続いたり、夜間も気温が下がらなかったりする場合にも、熱中症の危険性は高まる。

2026年の経験を踏まえ、次の夏に向けて備えておきたい対策を整理する。

室内ではエアコンを適切に使用する

室内にいるからといって熱中症を防げるわけではない。

特に高齢者や子どもは、暑さや脱水の影響を受けやすい。室温や湿度を確認し、エアコンを適切に使って涼しい環境を保つことが大切だ。

水分と塩分を補給する

汗をかくと水分だけでなく塩分も失われる。

- のどが渇く前から水分を補給する。
- 大量に汗をかいた場合は塩分も補給する。
- 屋外では日陰や冷房のある場所で休憩する。
- 体調に異変を感じたら無理をしない。

ただし、塩分制限などが必要な人は、医師の指示に従った補給方法を選びたい。

WBGT(暑さ指数)を確認する

気温だけでは、人間が感じる暑さや熱中症リスクを十分に判断できない。

そこで参考になるのが、暑さ指数(WBGT)だ。

WBGTは気温だけでなく、湿度、日射や周囲の熱環境などを考慮した指標で、屋外活動や運動時の熱中症対策に活用されている。

特に湿度が高い日は、気温が同じでも汗が蒸発しにくく、体温調節が難しくなる。

環境省と気象庁が発表する熱中症警戒アラートや暑さ指数を確認し、危険度が高い場合は屋外での運動や作業を控える判断も必要だ。

2026年度の熱中症警戒情報について

環境省によると、2026年度の暑さ指数や熱中症警戒アラートの運用は、10月21日に終了した。

2027年の次年度運用開始は4月下旬の予定とされている。来夏に備える際は、運用再開後の情報を確認しておきたい。

【今年の夏の気温】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年の日本の夏の平均気温は平年より何度高かった?

A1:気象庁によると、2026年6~8月の全国平均気温の平年差は+1.02℃だった。平年の基準は1991~2020年の30年間の平均値である。

Q2:2026年の夏は観測史上何番目に暑かった?

A2:1898年の統計開始以降、5番目に高い夏だった。1位は2025年の+2.36℃、2位は2023年と2024年の+1.76℃、4位は2010年の+1.08℃となっている。

Q3:2026年に40℃以上を記録した場所はどこ?

A3:気象庁によると、全国22地点で延べ36回の酷暑日が観測された。最高は7月23日の静岡県浜松市天竜区・佐久間で41.1℃。岐阜県多治見市、愛知県豊田市、三重県桑名市、福岡県久留米市などでも40℃以上を記録した。

Q4:2026年の猛暑はエルニーニョ現象が原因だった?

A4:エルニーニョ現象だけが原因ではない。偏西風の北偏、チベット高気圧や太平洋高気圧の配置、下降気流、地球温暖化などが複合的に関係した。エルニーニョ現象については、特に台風発生数への影響が指摘されている。

Q5:2026年と2025年では、どちらの夏が暑かった?

A5:全国平均気温の平年差では2025年の方が高かった。2025年は+2.36℃、2026年は+1.02℃だった。ただし、40℃以上の酷暑日の延べ観測地点数は2026年の方が多く、局地的な極端な暑さは2026年にも発生している。

2026年の日本の夏は、全国平均の平年差が+1.02℃となり、1898年以降で5番目に暑い夏となった。

特に北日本と西日本では平均気温が平年よりかなり高く、西日本では1946年以降3番目の高温を記録。最高気温40℃以上の酷暑日は、22地点で延べ36回観測された。

今回の暑さを理解するうえで重要なのは、次の3点だ。

1. 気象条件の影響: 偏西風の北偏やチベット高気圧、太平洋高気圧によって高温になりやすい環境が形成された。
2. 温暖化の影響: 地球温暖化による大気全体の気温上昇が、西日本を中心とした猛暑をさらに強めた。
3. 地域差への対応: 全国平均だけでは危険な暑さを把握できず、地域ごとの気温、湿度、WBGTを確認する必要がある。

【プロの結論】

2026年夏のデータから読み取れる最大の教訓は、全国平均の順位だけで、その年の暑さの危険度を判断してはいけないということだ。

2025年より全国平均の高温偏差が小さかった2026年でも、40℃以上の観測回数は過去最多となった。平均値が下がっても、局地的な極端高温がなくなるわけではない。

今後の夏を考える際には、気象庁の季節平均気温だけでなく、地域別の高温記録、猛暑日・酷暑日の発生状況、熱中症警戒アラートを総合的に確認することが大切だ。

日本の夏は長期的な気温上昇という課題に直面している。気象の変化を正しく理解し、住まい、仕事、通学、屋外活動のそれぞれで暑さへの備えを進めることが、これからの夏を安全に過ごすための現実的な判断基準になる。

主な参考資料

- 気象庁「日本の季節平均気温」
- 気象庁「2026年夏(6月~8月)の天候」
- 気象庁「令和8年夏を対象とした異常気象分析検討会の結果について」
- 気象庁「2026年夏に酷暑日を観測した地点」
- 気象庁「2026年の猛暑日・真夏日などの日数」
- 環境省「熱中症予防情報サイト」

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