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果糖ぶどう糖液糖とは?原料・作り方・砂糖との違いと健康への影響を2026年最新解説

小野 隼人 小野 隼人 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
目次

清涼飲料水やスポーツドリンク、菓子、調味料などの原材料表示で見かける「果糖ぶどう糖液糖」。名前は知っていても、何から作られているのか、砂糖と何が違うのか、毎日摂取しても問題ないのかまで理解している人は多くありません。

果糖ぶどう糖液糖とは、とうもろこしやばれいしょ、さつまいもなどのでん粉を原料に、酵素の働きでぶどう糖と果糖を作り出した液状の甘味料です。日本農林規格(JAS)では、糖のうち果糖が占める割合が50%以上90%未満のものと定義されています。2026年現在も、JAS 0208:2024がその分類と品質の基準となっています。

健康面では、果糖ぶどう糖液糖そのものを特別な毒性のある物質と考えるのは適切ではありません。一方、砂糖などと同じく糖類の摂取源であり、甘い飲料などから大量に摂取する習慣には注意が必要です。製造の仕組みから食品表示の読み方、健康への影響、摂取量の考え方まで、2026年の公的資料と研究結果をもとに整理します。

【基本知識】果糖ぶどう糖液糖とは?果糖含有率50%以上90%未満の異性化糖

果糖ぶどう糖液糖

果糖ぶどう糖液糖は、異性化糖と呼ばれる甘味料の一種です。主成分は果糖(フルクトース)とぶどう糖(グルコース)で、常温では液体として取り扱われます。

日本では、日本農林規格(JAS)によって異性化液糖の分類が定められています。分類を決める基準は、液糖に含まれる糖全体に対して果糖がどれくらいの割合を占めるかという「果糖含有率」です。

果糖含有率によって3種類に分類される

異性化糖は、果糖含有率によって次の3種類に区分されます。

  • ぶどう糖果糖液糖:果糖含有率50%未満
  • 果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率50%以上90%未満
  • 高果糖液糖:果糖含有率90%以上

ここで注意したいのは、50%や90%という数字が、液糖全体の重量に対する割合ではないことです。JASにおける果糖含有率は、糖のうち果糖が占める割合を指します。

例えば、果糖含有率55%の異性化糖であれば、含まれる糖の構成において果糖が55%を占めるという意味です。水分を含めた製品全体の55%が果糖という意味ではありません。

なぜ果糖ぶどう糖液糖が使われるのか

大きな理由は、液体ならではの扱いやすさと甘味の特性にあります。

砂糖は結晶状のため、飲料などに使用する場合は溶かす工程が必要です。一方、果糖ぶどう糖液糖は最初から液体なので、製造工程に直接投入しやすく、大量生産にも適しています。

加えて、果糖は低温になるほど甘味を感じやすい性質があります。冷やして飲む清涼飲料水や冷菓との相性がよく、すっきりした甘味を設計しやすいことも採用される理由です。

農林水産省の2023年6月公表資料でも、異性化糖は低温で甘味度が高くなることや、液状であることを特徴として紹介しています。単に砂糖を安く置き換えるためだけではなく、製品の味や製造効率に合わせて利用されている甘味料です。

【原料・製造方法】果糖ぶどう糖液糖は何から作られる?異性化糖の仕組み

果糖ぶどう糖液糖の原料は、植物に蓄えられているでん粉です。

代表的な原料には、とうもろこし、ばれいしょ(じゃがいも)、かんしょ(さつまいも)などがあります。日本では輸入とうもろこしを原料とするコーンスターチが中心ですが、北海道産のばれいしょや鹿児島県産のかんしょなど、国内産のでん粉も使用されています。

製造工程は3つの段階に分かれる

果糖ぶどう糖液糖の製造では、でん粉をそのまま甘味料として使うわけではありません。複数の酵素を利用し、段階的に糖の構造を変えていきます。

第1段階:でん粉を分解する

最初に、でん粉にアミラーゼなどの加水分解酵素を作用させます。でん粉は多数のぶどう糖分子がつながった構造をしているため、酵素によって結合を切り、糖化しやすい状態にします。

第2段階:ぶどう糖を作る

続いて、グルコアミラーゼなどの糖化酵素を働かせ、でん粉由来の糖を主としてぶどう糖に変えます。ここで得られる糖液が異性化糖の基本原料です。

第3段階:ぶどう糖の一部を果糖に変える

最後に、グルコースイソメラーゼ(異性化酵素)などを利用し、ぶどう糖の一部を果糖に変換します。この反応が「異性化」です。

ぶどう糖と果糖は、どちらも同じ分子式を持つ単糖類ですが、分子の構造が異なります。異性化は分子の原子数を増減させず、分子内の構造を変える反応です。

こうして得られた液糖について、果糖の割合を調整することで、ぶどう糖果糖液糖や果糖ぶどう糖液糖などに分類されます。

日本で開発された異性化糖の製造技術

異性化糖には、日本の研究開発が関係した歴史があります。

農林水産省の資料によると、現在の製造技術の重要な要素であるグルコースイソメラーゼを利用した技術は、1960年代に当時の工業技術院(現・産業技術総合研究所の前身組織)で開発されました。

この技術は、ぶどう糖から果糖を効率的に製造する道を開き、異性化糖の工業的な普及を支えました。現在では飲料をはじめ、さまざまな加工食品に使われています。

なお、「高果糖コーンシロップ(HFCS)」という海外で一般的な名称も異性化糖と関連しています。ただし、日本の異性化糖はとうもろこしだけでなく、ばれいしょやかんしょのでん粉からも作られるため、すべてがコーンスターチ由来とは限りません。

【徹底比較】果糖ぶどう糖液糖と砂糖・ぶどう糖果糖液糖は何が違う?

果糖ぶどう糖液糖について調べると、砂糖やぶどう糖果糖液糖、高果糖液糖といった似た名前が出てきます。

これらは甘味料という点では共通していますが、糖の構造や果糖の割合、原料の形状などに違いがあります。

異性化糖と砂糖の関係を比較
種類 糖の構成・果糖含有率 主な特徴
果糖ぶどう糖液糖 果糖50%以上90%未満 果糖がぶどう糖より多い液状の糖
ぶどう糖果糖液糖 果糖50%未満 ぶどう糖が果糖より多い液状の糖
高果糖液糖 果糖90%以上 果糖の割合が非常に高い液状の糖
砂糖(ショ糖) ぶどう糖と果糖が1対1で結合 さとうきびやてん菜などから作られる二糖類
砂糖混合果糖ぶどう糖液糖 果糖ぶどう糖液糖に砂糖を加えたもの 異性化糖と砂糖を組み合わせた甘味料

この比較で押さえておきたいのは、果糖ぶどう糖液糖とぶどう糖果糖液糖の違いです。

名前の順番を見ると、どちらの糖が多いかを判断できます。果糖が多い場合は「果糖ぶどう糖液糖」、ぶどう糖が多い場合は「ぶどう糖果糖液糖」です。

果糖ぶどう糖液糖と砂糖の化学的な違い

砂糖の主成分であるショ糖は、ぶどう糖と果糖が1分子ずつ結合した二糖類です。体内に入ると消化酵素によって分解され、それぞれの単糖として吸収されます。

一方、果糖ぶどう糖液糖は、果糖とぶどう糖が混合した液状の糖です。砂糖のように2つの糖が結合した構造ではありません。

ただし、最終的に体内に取り込まれる糖の種類には共通点があります。砂糖も果糖ぶどう糖液糖も、果糖とぶどう糖を摂取することになるため、砂糖だけを健康的な糖、異性化糖だけを危険な糖と単純に区別することはできません。

甘さや使い道にも違いがある

果糖は砂糖より甘味度が高く、特に低温で甘味を感じやすい特徴があります。ぶどう糖は砂糖より甘味度が低い傾向があります。

そのため、果糖の割合を調整することで、飲料や食品に合わせた甘味を設計できます。

砂糖は菓子、パン、家庭料理など幅広い用途に使われます。一方、異性化糖は液体であることから、清涼飲料水や乳製品、調味料など液状の食品と相性がよい甘味料です。

つまり、両者の違いは健康面だけではなく、原料、化学構造、製造工程、加工時の使いやすさにもあります。

【食品表示の見分け方】果糖ぶどう糖液糖はどこに書いてある?

実際に果糖ぶどう糖液糖を避けたい、あるいは摂取量を把握したい場合は、食品パッケージの原材料名と栄養成分表示を確認することが基本です。

原材料名に記載される代表的な名称

加工食品の原材料名には、使用された甘味料の種類に応じて、次のような名称が記載されます。

  • 果糖ぶどう糖液糖
  • ぶどう糖果糖液糖
  • 高果糖液糖
  • 砂糖混合果糖ぶどう糖液糖
  • 異性化液糖
  • 砂糖・果糖ぶどう糖液糖

食品表示基準では、異性化液糖を個別の名称で表示するほか、「異性化液糖」という名称で表示できる場合も定められています。

したがって、商品に「果糖ぶどう糖液糖」という文字がなくても、別の名称で異性化糖が使われている可能性があります。

原材料名は表示順にも注目する

加工食品の原材料名は、原則として使用した重量の割合が高いものから順番に表示されます。

例えば、原材料名の最初に果糖ぶどう糖液糖が記載されている場合、その食品では比較的多く使用されている可能性があります。

ただし、表示順だけでは実際に何グラム入っているかまでは分かりません。正確な使用量を知るには、メーカーの公表情報なども確認する必要があります。

栄養成分表示では炭水化物を確認する

果糖ぶどう糖液糖が使用されている飲料を選ぶときは、栄養成分表示の「炭水化物」に注目してください。

消費者庁によると、一般用加工食品の栄養成分表示では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)の表示が義務付けられています。一方、「糖質」や「糖類」の表示は任意です。

つまり、糖類の具体的な数値が書かれていなくても、炭水化物の量を確認することで糖類の摂取量を考える手掛かりになります。

清涼飲料水では食物繊維などを多く含む特殊な商品を除き、炭水化物の大部分が糖類であることも少なくありません。

「国内製造」は原料が国産という意味ではない

もう一つ見落としやすいのが、原材料名の後ろに記載される「国内製造」という表示です。

これは原料として使用された加工原材料が国内で製造されたことを示すものであり、必ずしも、原料となったとうもろこしやいもが国内産であることを意味しません。

例えば、輸入とうもろこしから作られたでん粉を国内工場で加工した異性化糖についても、国内製造と表示される場合があります。

農畜産業振興機構が2026年6月に公表した食品表示に関する解説でも、異性化糖の表示と原料原産地表示は区別して整理されています。原料の産地まで知りたい場合は、国内製造という表示だけで判断しないことが大切です。

【危険性を検証】果糖ぶどう糖液糖は体に悪い?健康への影響を科学的に解説

果糖ぶどう糖液糖について、インターネット上では「体に悪い」「毒性がある」「砂糖より危険」といった情報を見かけることがあります。

しかし、健康への影響を正しく判断するには、甘味料の名称だけでなく、摂取量、摂取頻度、食生活全体を考える必要があります。

果糖ぶどう糖液糖そのものに特別な毒性があるのか

果糖ぶどう糖液糖は、でん粉を原料に酵素で加工して作られる糖類です。通常の食品用途で使用されることを前提とした甘味料であり、食品添加物のように特別な毒性を持つ危険物質という位置付けではありません。

ただし、食品として利用できることと、好きなだけ摂取してよいことは別問題です。

果糖やぶどう糖はエネルギー源になる一方、必要量を超えて摂取すれば、総エネルギー摂取量の増加につながります。日常的に甘い飲料を大量に飲む習慣は、体重管理や代謝の面で問題になり得ます。

果糖の過剰摂取と肝臓への影響

果糖は吸収された後、主に肝臓で代謝されます。摂取量が多く、エネルギーの摂りすぎが続くと、肝臓で中性脂肪が合成され、脂肪肝などの健康問題につながる可能性があります。

特に注意したいのは、果糖を含む甘い飲料を食事に追加するような摂取習慣です。

2026年の脂肪性肝疾患に関する診療ガイドラインでも、果糖を含む甘味飲料や加工食品の摂取と、エネルギー過剰の問題が取り上げられています。果糖の代謝特性だけでなく、食事全体のエネルギーバランスを考えることが重要です。

なお、果糖が含まれているという理由だけで、果物まで同じように避ける必要はありません。丸ごとの果物には食物繊維や水分が含まれ、甘味飲料とは食品としての構成が異なります。

肥満や糖尿病との関係

果糖ぶどう糖液糖を含む食品を過剰に摂取すると、総エネルギー摂取量が増加し、体重増加につながる可能性があります。

肥満はインスリン抵抗性などの代謝異常と関連しており、長期的には2型糖尿病などの生活習慣病のリスクにも関係します。

ただし、果糖ぶどう糖液糖を一度摂取しただけで糖尿病になるわけではありません。また、糖尿病の発症を単一の甘味料だけで説明することもできません。

大切なのは、甘い飲料や菓子類を毎日の食生活にどれほど取り入れているかという点です。

砂糖より果糖ぶどう糖液糖の方が危険なのか

この疑問については、砂糖と異性化糖を直接比較した研究が参考になります。

2022年に学術誌「Frontiers in Nutrition」に掲載されたシステマティックレビュー・メタ解析では、高果糖コーンシロップ(HFCS)とショ糖の健康指標が比較されました。

研究では、体重、BMI、中性脂肪、血糖値、LDLコレステロールなど多くの指標について、両者の間に有意な差は確認されませんでした。一方、炎症マーカーであるCRPについてはHFCSの方が高いという結果が示されています。

ただし、研究対象となった試験の期間や条件には限界があり、この結果だけであらゆる健康影響を断定することはできません。また、米国のHFCSと日本の果糖ぶどう糖液糖が常に同じ組成であるわけでもありません。

この研究から読み取れるのは、異性化糖が砂糖より一律に危険だとする強い根拠は確立していない一方、糖類を過剰に摂取すること自体には注意が必要だということです。

WHOが示す糖類の摂取基準

糖類の摂取量を考える際に参考になるのが、世界保健機関(WHO)の遊離糖類に関する指針です。

WHOは、食品や飲料に加えられる糖類、はちみつ、シロップ、果汁などに含まれる遊離糖類について、1日の総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。さらに5%以下にすると、追加の健康上のメリットが期待できるとしています。

1日約2,000kcalを摂取する成人の場合、目安は次のとおりです。

  • 10%未満:遊離糖類50g未満
  • 5%以下:遊離糖類25g以下

この数字は果糖ぶどう糖液糖だけの上限ではありません。砂糖、果糖、ぶどう糖、シロップ、果汁など、ほかの食品や飲料から摂取する遊離糖類も含めた合計です。

なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、糖類について具体的な目標量は設定されていません。日本人の添加糖類・遊離糖類の摂取実態を正確に把握することが難しいことなどが背景にあります。

これは糖類を無制限に摂取してよいという意味ではありません。2026年11月時点の厚生労働省関連の健康情報でも、糖類の過剰摂取は肥満やむし歯の原因となることが説明されています。

【摂取量と対策】果糖ぶどう糖液糖を取りすぎないための食品選び

果糖ぶどう糖液糖を完全に排除することだけを目標にすると、日常の食事選びが必要以上に複雑になります。

重要なのは、どの食品から、どれくらいの糖類を摂取しているかを把握し、無意識のうちに摂取量が増える習慣を見直すことです。

特に注意したいのは清涼飲料水

果糖ぶどう糖液糖がよく使われる食品の代表例が清涼飲料水です。

炭酸飲料、果汁入り飲料、スポーツドリンク、甘い紅茶飲料などには、商品によって異性化糖が使用されています。

液体の糖類は、固形食品と比べて短時間で摂取しやすく、飲んだ量を意識しにくいという特徴があります。食事や間食とは別に甘い飲料を何本も飲んでしまうと、糖類の摂取量が増えやすくなります。

飲料の糖類を確認する簡単な方法

栄養成分表示が100ml当たりで記載されている場合、実際に飲む量に換算して考えます。

例えば、仮に炭水化物が100ml当たり10gと表示された飲料を500ml飲む場合、計算は次のようになります。

10g × 500ml ÷ 100ml = 50g

つまり、1本飲むと炭水化物を50g摂取する計算です。この飲料の炭水化物がほぼ糖類であれば、WHOの示す2,000kcal当たりの遊離糖類50gという目安に相当する量になります。

これは計算例であり、すべての清涼飲料水が同じ糖類量という意味ではありません。商品ごとの栄養成分表示を確認してください。

果糖ぶどう糖液糖を控えたい人の判断基準

次のような人は、特に日々の糖類摂取量を意識するとよいでしょう。

  • 甘い炭酸飲料やジュースを毎日飲む人
  • 食事とは別に甘いカフェ飲料を頻繁に購入する人
  • 間食として菓子類や甘い加工食品をよく食べる人
  • 体重管理やエネルギー摂取量の調整をしたい人
  • 血糖値や中性脂肪、脂肪肝について医療機関から指導を受けている人

一方、原材料に果糖ぶどう糖液糖が含まれているという理由だけで、その食品をすべて避ける必要はありません。

食品全体の栄養バランス、食べる量、食べる頻度を考慮して選ぶことが現実的です。

日常生活でできる5つの工夫

1.普段の飲み物を水や無糖茶にする

甘い飲料を毎日飲んでいる場合、まずは水や無糖のお茶に置き換えることが取り組みやすい方法です。

2.飲料をまとめて飲まない

大容量のペットボトルを習慣的に飲み続けると、知らないうちに糖類の摂取量が増える可能性があります。内容量と栄養成分表示を確認しましょう。

3.原材料名と栄養成分表示をセットで確認する

原材料名は何が使われているかを知るための情報、栄養成分表示はどの程度の栄養素を摂取するかを知るための情報です。両方を確認することで、より具体的に判断できます。

4.果物はジュースではなく丸ごと食べる機会を増やす

果物そのものには食物繊維が含まれます。WHOも果物や野菜を十分に摂取することを勧める一方、果汁に含まれる遊離糖類は控えるよう案内しています。

5.極端な糖質制限に走らない

糖質は体に必要なエネルギー源です。甘味料を避けることと、炭水化物全体を極端に制限することは別の問題です。主食や野菜、果物などを含め、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。

【2026年最新情報】果糖ぶどう糖液糖をめぐる規格・健康情報の現状

2026年時点で押さえておきたいのは、果糖ぶどう糖液糖の分類基準と食品表示、健康に関する公的な考え方です。

JAS 0208:2024が現行の規格

農林水産省が定める「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖」の日本農林規格は、1980年に制定され、2024年9月18日に改正されました。

現行のJAS 0208:2024では、果糖含有率に応じた異性化液糖の定義に加え、品質基準や表示方法などが規定されています。

この規格は2026年現在も、果糖ぶどう糖液糖を理解するうえで重要な基準です。

2026年の食品表示で注目したいポイント

2026年6月、農畜産業振興機構は砂糖などの甘味料を例に、食品表示の役割と表示ルールについて解説した記事を公表しました。

その内容では、異性化糖の原材料名、原料原産地表示、栄養成分表示などが整理されています。

特に重要なのは、原材料名だけでは摂取量を判断できないという点です。甘味料の種類を知ることと、食品に含まれる糖類の量を知ることは、別々の情報として確認する必要があります。

健康面では摂取量を重視する考え方が基本

厚生労働省の2025年版食事摂取基準、WHOの健康的な食事に関する2026年の情報、国内の健康・栄養に関する公的資料を総合すると、糖類の過剰摂取を避け、食事全体の栄養バランスを整えることが基本的な考え方です。

果糖ぶどう糖液糖だけを特別視するのではなく、砂糖や果汁、はちみつなどを含めた糖類全体の摂取量を管理する視点が大切です。

食品の安全性や健康への影響を判断するときは、話題になっている甘味料の名称だけでなく、現行の規格、食品表示、医学的な研究結果を組み合わせて考えることが大切です。

【よくある質問】果糖ぶどう糖液糖に関するFAQ

Q1:果糖ぶどう糖液糖は毎日摂取しても大丈夫ですか?
A1:通常の食品に使用される果糖ぶどう糖液糖を、摂取しただけで直ちに健康被害が生じるわけではありません。ただし、毎日大量に摂取する習慣は、糖類やエネルギーの過剰摂取につながる可能性があります。飲料や菓子類を含めた1日の摂取量を意識しましょう。

Q2:果糖ぶどう糖液糖とぶどう糖果糖液糖はどちらが体に悪いですか?
A2:名称の違いは、主に果糖とぶどう糖の割合です。果糖ぶどう糖液糖は果糖50%以上90%未満、ぶどう糖果糖液糖は50%未満です。名称だけで健康への悪影響の大小を決めることはできません。どちらも糖類の摂取源なので、量や頻度を考えることが重要です。

Q3:果糖ぶどう糖液糖は砂糖より太りやすいですか?
A3:果糖ぶどう糖液糖だけが砂糖より必ず太りやすいとする明確な根拠は確立していません。両者ともエネルギーを持つ糖類です。体重増加には総エネルギー摂取量や身体活動量なども関係します。甘い飲料を大量に飲む習慣には注意が必要です。

Q4:果糖ぶどう糖液糖の原料はとうもろこしだけですか?
A4:いいえ。とうもろこし由来のコーンスターチが代表的ですが、ばれいしょやかんしょなどのいも類のでん粉も原料になります。日本では国内産いもでん粉を利用した製造も行われています。

Q5:果糖ぶどう糖液糖は食品添加物ですか?
A5:果糖ぶどう糖液糖は、でん粉を原料として製造される糖類であり、一般に食品の原材料として扱われます。食品添加物として使用される人工甘味料などとは区別して理解する必要があります。

Q6:果糖ぶどう糖液糖を含む食品を避けるべきですか?
A6:すべての食品から完全に排除する必要はありません。摂取量が増えやすい甘い飲料などを見直し、原材料名と栄養成分表示を確認しながら、食生活全体のバランスを整えることが現実的です。

果糖ぶどう糖液糖とは、とうもろこしやばれいしょ、さつまいもなどのでん粉を原料に、酵素の働きでぶどう糖の一部を果糖へ変換して作る異性化糖です。

日本農林規格(JAS)では、果糖含有率が50%以上90%未満のものを果糖ぶどう糖液糖と定義しています。50%未満のぶどう糖果糖液糖や、90%以上の高果糖液糖とは明確に区別されています。

砂糖との違いは、糖の化学構造や製造方法にあります。しかし、どちらも果糖とぶどう糖を摂取することになるため、果糖ぶどう糖液糖だけを特別に危険な食品として扱うのは科学的に適切ではありません。

健康面で本当に意識したいのは、甘い飲料や加工食品を通じた糖類の過剰摂取です。WHOが示す遊離糖類の摂取目安や、厚生労働省の栄養情報も参考にしながら、日常的な飲食習慣を見直すことが大切です。

【プロの結論】果糖ぶどう糖液糖を理解するうえで重要なのは、原材料名だけで善悪を決めないことです。果糖含有率、食品表示、実際の摂取量という3つの視点を持てば、必要以上に不安を抱かず、健康的な食品選びができます。

2026年以降も、食品表示や栄養に関する研究情報を確認しながら、特定の甘味料を極端に恐れるのではなく、糖類全体の摂取量を適切に管理することが、日々の健康を守るための現実的な選択です。

主な根拠資料・参考情報

- 農林水産省「日本農林規格 JAS 0208:2024」
- 農林水産省「異性化糖をめぐる状況について」(2023年6月)
- 農畜産業振興機構「甘味と食品表示の今後の新たな役割」(2026年6月)
- 消費者庁「栄養成分表示について」
- 厚生労働省・国立健康・栄養研究所「日本人の食事摂取基準(2025年版)」「炭水化物/糖質」
- WHO「Healthy diet」(2026年1月)
- Xiang Li et al., The effect of high-fructose corn syrup vs. sucrose on anthropometric and metabolic parameters: A systematic review and meta-analysis(2022年)

規格・原料・製造工程については農林水産省の資料、食品表示については消費者庁および農畜産業振興機構の資料が根拠となります。健康への影響については、厚生労働省、WHO、査読付き研究を参照しています。

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小野 隼人

映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイトの記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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