2025年に戦力外通告を受けた選手と現役引退を決めた選手について、NPBが2026年4月27日に発表した調査は、引退後の実態を知るうえで重要な資料です。
対象は169人。外国人選手と、同じ球団で育成選手として再契約した選手は含まれていません。
特に注目したいのは、野球関係の仕事を続ける人が全体の約85%を占める一方、一般企業への就職や独立を選ぶ人も一定数いることです。
2025年引退・戦力外選手の進路内訳| 進路 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| NPB関係 | 90人 | 53.25% |
| その他の野球関係 | 54人 | 31.95% |
| 野球関係以外 | 17人 | 10.06% |
| 未定・不明 | 8人 | 4.73% |
| 合計 | 169人 | 100% |
NPB関係90人の内訳は、選手10人、育成選手48人、監督・コーチ3人、球団職員・チームスタッフ29人です。
その他の野球関係54人には、社会人野球18人、海外チーム17人、独立リーグ8人、ファーム参加球団6人、野球解説者・評論家3人などが含まれます。
野球関係以外では、一般企業への就職が14人、自営・起業が3人でした。
データから見える3つの特徴1.球団に残る道が依然として大きい
NPB関係への進路が最も多く、特に育成選手やチームスタッフへの移行が目立ちます。選手としての契約を終えても、球団との関係を維持し、野球界で働き続けるケースがあります。
2.社会人野球・海外リーグという選択肢が広がっている
2025年は海外チームへの移籍が17人で、前年の3人から増加しました。社会人野球も16人から18人に増えています。
ただし、海外チームへの移籍は、必ずしも長期的なキャリアの安定を意味しません。契約期間や待遇、競技環境などを考慮する必要があります。
3.野球以外の仕事を選ぶ人もいる
一般企業への就職は14人。自営業や起業を含めると17人です。
野球で培った知名度や人脈を営業活動に生かす人もいれば、競技とは直接関係のない分野で専門性を身につける人もいます。
なお、この調査は特定条件に該当する169人の進路調査であり、すべての元プロ野球選手の進路を網羅した統計ではありません。
【仕事一覧】元野球選手が引退後に就く代表的な7つの職業
元野球選手の引退後の仕事は、大きく分けると野球界に残る仕事と、一般社会で新たなキャリアを築く仕事があります。
1.監督・コーチ・野球指導者野球経験を直接生かせる代表的な職業です。
プロ球団の監督やコーチ、二軍・ファームの指導スタッフ、独立リーグの指導者など、活躍する場所はさまざまです。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 選手の技術指導や練習メニューの作成
- 試合中の戦術や選手起用の判断
- 若手選手の育成と能力評価
- コンディショニングやメンタル面のサポート
- チーム全体の運営やマネジメント
ただし、プロで活躍した実績があれば自動的に指導者になれるわけではありません。
選手を育てる能力、コミュニケーション力、指導方針を伝える力などが大切です。
高校・大学野球で指導したい場合には、さらに制度上の条件があります。
2026年度も、元プロ野球関係者が学生野球を指導するための資格回復研修が実施されています。NPBプロ研修と学生野球研修を修了し、日本学生野球協会の適性審査で認定される必要があります。
2.野球解説者・評論家・スポーツメディア関係テレビ、ラジオ、新聞、インターネット配信などで野球を解説する仕事です。
現役時代の経験を生かして、試合展開や選手の特徴、監督の采配などを専門的に説明します。
特に、次のような経験は解説業務に役立ちます。
- 一軍での出場経験
- 豊富な国際大会やポストシーズンの経験
- 特定ポジションに関する専門知識
- 野球理論や戦術への理解
- 視聴者に伝わる話し方
一方、知名度が高いことと、安定して解説の仕事を得られることは別問題です。
NPBの2025年進路調査では、野球解説者・評論家として分類された人は3人でした。
テレビで目にする元選手が多い印象とは異なり、解説者は引退後の進路全体から見ると限られた職種です。
3.球団職員・チームスタッフ選手として所属していた球団や別の球団で、運営側の仕事を担当する道です。
具体的には次のような職種があります。
- 編成・スカウト
- 広報・宣伝
- 営業・スポンサー担当
- ファーム運営
- 選手育成やチームサポート
- アカデミーや野球振興事業
選手時代に築いた人脈や、プロの現場を知っている経験が強みになります。
ただし、球団職員は選手とは異なる専門性が必要です。営業なら顧客との関係構築、広報なら情報発信、編成なら選手評価や組織運営の知識が大切です。
2025年のNPB調査では、球団職員・チームスタッフへの転身は29人でした。指導者としての採用だけでなく、競技を支える仕事も重要な進路になっています。
4.一般企業への就職・営業職野球とは直接関係のない一般企業に転職するケースです。
主な就職先として考えられる分野には、次のようなものがあります。
- 不動産・住宅関連
- 建設・製造業
- 営業・販売
- スポーツ用品・スポーツ関連企業
- 教育・人材サービス
- 広告・イベント関連
特に営業職は、コミュニケーション能力や目標達成への意識を生かしやすい仕事です。
ただし、野球で培った体力や精神力だけで業務をこなせるわけではありません。パソコン操作、資料作成、顧客対応、業界知識など、新たに学ぶことも多くあります。
5.会社経営・起業・自営業飲食店、スポーツ施設、農業、トレーニング事業など、自分で事業を立ち上げる道です。
2025年の若手選手アンケートでは、引退後にやってみたい仕事として会社経営者が19.6%で1位になりました。
自分の裁量で仕事を進められる一方、資金調達、経営計画、顧客獲得、人材管理など、競技とは異なる能力が必要です。
6.独立リーグ・社会人野球・海外チームプロ野球を離れても、現役選手としてプレーを続ける進路です。
NPBでの契約終了後、独立リーグや社会人野球に移る選手もいます。
また、海外の球団でプレーする選択肢もあります。
ただし、所属先によって契約条件、給与、競技環境は異なります。NPBに在籍していたときと同じ待遇を期待するのは現実的ではありません。
7.公務員・教員・進学など野球以外の専門分野を学び直し、資格取得や進学を経て新しい仕事に就く人もいます。
特に教員や学生野球の指導者を目指す場合は、必要な資格や採用条件を確認することが欠かせません。
引退は職業人生の終わりではなく、新しい専門性を身につけるタイミングにもなります。
【実例】元プロ野球選手のセカンドキャリア成功事例4人
2026年3月17日、NPBはキャリアサポートマガジン「NEW BALL 2026」のインタビュー記事を公開しました。
そこでは、引退後に一般企業で働く人、農業を始めた人、会社経営者になった人など、異なる道を歩む元選手が紹介されています。
特に参考になる4人の事例を紹介します。
東明大貴:オリックスから不動産会社の営業職へ元オリックス・バファローズ/城北不動産株式会社
東明大貴さんは、2013年ドラフト2位でオリックスに入団した元投手です。
2014年に一軍登板を果たし、2015年には10勝を記録しました。しかし、その後は故障に苦しみ、2020年秋に戦力外通告を受けて現役引退を決断しました。
引退直後に就職を急ぐのではなく、まずは家族との時間を確保。その後、求人サイトなどを通じて仕事を探し、2022年から城北不動産で働いています。
現在の仕事は、不動産業者とのやり取りや戸建て用地の仕入れを担当する営業職です。
元プロ野球選手という経歴が、顧客との会話や人間関係を築くきっかけになっていると紹介されています。
また、仕事をしながら宅地建物取引士の資格取得にも挑戦しています。
この事例から分かるのは、現役時代の知名度だけでなく、転職後に専門知識を身につける努力が欠かせないということです。
三ツ間卓也:中日ドラゴンズからイチゴ農園の経営者へ元中日ドラゴンズ/三ツ間農園
三ツ間卓也さんは、2015年の育成ドラフト3位で中日に入団した元投手です。
2017年には一軍で35試合に登板しましたが、2021年に戦力外通告を受け、トライアウト参加後に現役引退を決断しました。
その後、趣味だったイチゴ栽培を本格的な仕事にする道を選びます。
農業の専門知識を身につけるため、かながわ農業アカデミーで1年間学び、認定新規就農者となりました。
そして、2024年1月に横浜市内で三ツ間農園をオープン。
2026年版のNPBインタビューによると、農園では11品種のイチゴを栽培し、イチゴ狩りや百貨店での販売を展開。翌年には2号店も開設しています。
農業経営では、栽培だけでなく、売上管理、肥料の発注、従業員への指示、SNSでの情報発信なども担当しています。
これは、元野球選手の起業・独立の具体例です。
競技で身につけた目標設定や継続力を、まったく異なる事業に転用したケースとして注目できます。
鈴木裕太:ヤクルトからYKK APの営業職へ元東京ヤクルトスワローズ/YKK AP株式会社
鈴木裕太さんは、2018年ドラフト6位でヤクルトに入団した元投手です。
故障や育成契約を経験し、2023年に現役を引退。その後、建築用工業製品メーカーのYKK APに入社しました。
現在は営業職として働きながら、通信制大学「ネットの大学 managara」で学んでいます。
興味深いのは、就職後にパソコン操作や資料作成で苦労したことです。
現役時代には当たり前ではなかった業務を、会社の研修プログラムや周囲のサポートを受けながら一つずつ習得していきました。
加えて、就職先の選択肢を増やすために大学卒業資格の取得にも取り組んでいます。
野球選手としての実績に頼るのではなく、社会人としての能力を新しく身につけている事例です。
松谷竜二郎:元巨人投手から企業グループの代表取締役へ元読売ジャイアンツ・近鉄バファローズ/スチールエンジホールディングス
松谷竜二郎さんは、1988年ドラフト2位で巨人に入団した元投手です。
近鉄への移籍も経験しましたが、右肩の故障などから1997年に戦力外通告を受け、現役を引退しました。
その後、建設会社で働き始め、営業や現場で経験を積みました。
2003年に社長へ就任し、2024年にはスチールエンジホールディングス株式会社を設立。
2026年版のNPBインタビューでは、不動産、飲食、介護、保険など幅広い事業を展開する経営者として紹介されています。
プロ野球選手から企業経営者への転身は、競技実績だけでは実現しません。
現場で仕事を覚え、経営経験を積み重ねてきたことが現在のキャリアにつながっています。
これら4人の事例に共通するのは、引退後の進路が一つではないことです。
不動産営業、農業、メーカー営業、企業経営。それぞれ異なる分野で、競技生活とは別の専門性を築いています。
【プロとアマの違い】元社会人野球選手の引退後はどうなる?
元プロ野球選手と元社会人野球選手では、引退後の生活や就職先に大きな違いがあります。
最も重要なのは、競技と雇用契約の関係です。
プロ野球選手の場合プロ野球選手は、球団との選手契約に基づいて活動します。
契約が終了すると、選手としての収入や所属先を失う可能性があります。
そのため、次のような進路を自分で選ぶ必要があります。
- 他球団への移籍
- 独立リーグや海外チームへの移籍
- 指導者・解説者への転身
- 球団職員への転職
- 一般企業への就職
- 起業・独立
引退後の収入を安定させるためには、現役時代から資金管理やキャリア形成を意識することが大切です。
社会人野球選手の場合社会人野球には、会社が運営する企業チームと、クラブチームなどがあります。
企業チームでは、選手が会社の社員や契約・嘱託社員として働きながら競技を続ける形態があります。
日本野球連盟の社会人野球チーム運営資料でも、選手の雇用形態や企業との関係が説明されています。
競技を引退した後も雇用契約が継続すれば、一般社員として社業に移る道があります。
一方、契約社員や競技活動を前提とした雇用の場合、引退後の処遇は会社によって異なります。
また、クラブチームは企業チームと同じ雇用構造ではありません。
したがって、社会人野球選手なら誰でも引退後に会社へ残れるわけではありません。
プロ野球と社会人野球の比較| 比較項目 | プロ野球 | 社会人野球 |
|---|---|---|
| 所属形態 | 球団との選手契約 | 企業チーム・クラブチームなど |
| 主な活動 | 野球競技が中心 | 競技と社業を両立する形態がある |
| 引退後 | 転職・指導者・球団職員など | 社員として社業に移る可能性 |
| 収入の変化 | 選手契約終了で変化しやすい | 雇用継続の有無による |
| 注意点 | 次の就職先や収入源の確保 | 雇用契約と引退後の配属条件 |
元社会人野球選手のセカンドキャリアでは、野球を引退した後に会社のどの部署で働くのか、給与体系がどうなるのかを事前に確認が必要です。
【収入と生活】元野球選手の引退後は年収がどう変わる?
元野球選手の引退後の収入は、多くの読者が気になるポイントです。
ただし、引退後の平均年収については、NPBの進路調査から一律の金額を算出することはできません。
転職先、役職、勤務形態、事業規模、指導者としての契約条件などによって大きく変わるためです。
現役時代の収入と引退後の違い2025年にNPBが実施した若手選手270人へのセカンドキャリアアンケートでは、回答者の平均年俸は940万円、中央値は650万円でした。
この数字は現役選手の調査結果であり、引退後の年収ではありません。
一方、引退後の生活に不安を感じている選手は116人で、全体の43.0%でした。
不安の内容として挙げられたのは次の項目です。
| 不安の内容 | 人数 |
|---|---|
| 収入面 | 88人 |
| 引退後の進路 | 82人 |
複数回答のため、人数は重複します。
現役選手にとって、収入と進路は引退後の大きな課題になっていることが分かります。
引退後の収入を左右する主な要素1.就職先と雇用形態
一般企業に正社員として就職するのか、契約社員として働くのかによって、給与や福利厚生、雇用の安定性が変わります。
2.指導者としての実績
監督やコーチは、所属するチームや契約内容、指導経験などによって待遇が異なります。
3.知名度と専門性
知名度が営業活動やメディア出演につながる場合があります。ただし、知名度だけで継続的な収入が保証されるわけではありません。
4.起業・自営業の経営状況
事業を成功させれば収入の拡大も期待できますが、初期投資や運営費、売上の変動などのリスクがあります。
プロ野球選手の引退後の生活で変わること現役時代は、練習や試合、遠征、コンディショニングなどを中心に生活が組み立てられます。
引退後は、一般企業で働く場合、勤務時間や休日が決まった生活へ移行することもあります。
また、競技中心だった人間関係が、職場の同僚や取引先、顧客などへ広がります。
特に異業種へ転職した場合は、社会人としての基本的な業務を一から覚えることも珍しくありません。
NPBの2026年版インタビューに登場した鈴木裕太さんも、営業資料の作成やパソコン操作に苦労しながら、会社の研修を通じて業務を習得しています。
引退後の生活は、単に収入が変わるだけではありません。毎日の時間の使い方や仕事上の責任、人間関係まで大きく変化します。
【2026年最新動向】野球選手のセカンドキャリア支援はどう変わる?
2026年は、元野球選手のセカンドキャリアを支える取り組みにも動きが見られます。
NPBが「NEW BALL 2026」を公開2026年3月17日、NPBはキャリアサポートマガジン「NEW BALL 2026」のインタビュー記事を公開しました。
今回紹介されたのは、一般企業で働く元選手、農業経営に挑戦する元選手、仕事と学業を両立する元選手、企業のトップとして活躍する元選手などです。
現役引退後の就職先を具体的に紹介することで、現役選手が将来の選択肢を知る機会を提供しています。
日本プロ野球選手会のファントモプロジェクト日本プロ野球選手会のファントモプロジェクトも、セカンドキャリア支援に取り組んでいます。
主な施策として掲げられているのは次の内容です。
- PDM(Player Development Manager)によるメンター制度
- 現役選手やOB向けのキャリア研修
- 学習機会や奨学金制度の整備
- 賛同企業と選手をつなぐ就業支援
現役時代からキャリアに関する情報に触れられる環境をつくり、引退後の転職や就職活動を支えることが狙いです。
2026年度の学生野球資格回復制度野球指導者を目指す元プロ野球選手にとって、重要なのが学生野球資格回復制度です。
2026年10月15日、NPB、日本プロ野球OBクラブ、日本プロ野球選手会は、2026年度の研修会開催を発表しました。
今回もeラーニング形式で実施されます。
- NPBプロ研修:2026年12月9日~15日
- 学生野球研修:2027年1月1日~19日
- その後、日本学生野球協会の適性審査を経て資格を取得
この制度によって、元プロ野球関係者が高校・大学野球の指導者を目指す道が整備されています。
現役選手が希望するセカンドキャリアにも変化2025年10月に開催された第22回みやざきフェニックス・リーグに参加した270人へのアンケートでは、引退後にやってみたい仕事として会社経営者が19.6%で1位でした。
続いて海外球団での現役続行が17.8%、高校野球の指導者が15.9%となっています。
注目したいのは、一般企業への就職を希望する回答もある一方で、経営者や海外での現役続行など、従来のイメージに収まらない進路も人気を集めていることです。
これは現役選手が、引退後も自分の経験や能力を生かせる場所を幅広く考えていることを示しています。
【プロの結論】セカンドキャリアで成功するための判断基準元野球選手が引退後の仕事を選ぶ際には、次の4つの視点が重要です。
① 野球を続けたいのか、野球から離れたいのか
指導者や解説者を目指す場合と、一般企業へ転職する場合では、必要な準備が異なります。
最初に、自分が競技にどのような形で関わりたいのかを整理する必要があります。
② 自分の経験を仕事の能力に置き換えられるか
例えば、主将としてチームをまとめた経験は組織運営に、営業経験やスポンサーとの交流経験は顧客対応に生かせる可能性があります。
ただし、実績を職務能力として伝えるためには、具体的なエピソードや成果に置き換えることが重要です。
③ 新しい知識や資格を身につける意欲があるか
一般企業への就職では、パソコン、営業、経理、業界知識などを学ぶ必要があります。
指導者を目指すなら資格制度や研修内容を確認することも欠かせません。
④ 収入と生活の安定性を優先するか
起業や独立には大きな可能性がありますが、収入が不安定になるリスクもあります。
安定した雇用を求めるなら、雇用契約や給与体系、福利厚生などを比較して選ぶことが大切です。
元野球選手のセカンドキャリアは、野球界に残ることだけが成功ではありません。競技で培った経験を、別の分野でどのように役立てるかが、その後の仕事人生を左右します。
【よくある質問】元野球選手の現在と引退後の仕事(FAQ)
Q1:元野球選手は引退後、どんな仕事に就くことが多いですか?
A1:NPBの2025年進路調査では、169人中90人がNPB関係、54人がその他の野球関係へ進みました。監督・コーチ、球団職員、チームスタッフ、社会人野球、独立リーグ、海外チームなどが代表的です。一般企業への就職や起業を選ぶ人もいます。
Q2:元プロ野球選手は一般企業に転職できますか?
A2:可能です。東明大貴さんの不動産営業、鈴木裕太さんのメーカー営業など、実際に異業種へ転職した事例があります。ただし、野球の実績だけではなく、業務知識やパソコンスキル、コミュニケーション能力などを身につける必要があります。
Q3:元野球選手の引退後の平均年収はいくらですか?
A3:元野球選手全体の引退後の平均年収を示す統一的な公的データはありません。就職先や職種、役職、起業の有無によって収入は異なります。現役時代の年俸と引退後の給与を同じ基準で比較することもできません。
Q4:元プロ野球選手は高校野球の監督やコーチになれますか?
A4:なれます。ただし、学生野球の指導には学生野球資格が必要です。NPBプロ研修と学生野球研修を修了し、日本学生野球協会の適性審査で認定される必要があります。
Q5:社会人野球の選手は引退後も同じ会社で働けますか?
A5:企業チームの場合、社員として雇用されていれば、引退後も社業に移る道があります。ただし、契約形態や会社の人事制度によって異なります。クラブチームの場合は企業チームと雇用関係が異なるため、個別の確認が必要です。
Q6:引退後に起業した元野球選手はいますか?
A6:います。元中日ドラゴンズの三ツ間卓也さんは2024年に三ツ間農園を開設し、イチゴ栽培や販売を手がけています。また、元巨人・近鉄の松谷竜二郎さんは企業経営者として活動しています。
2026年現在、元野球選手の引退後の進路は、監督・コーチ、野球解説者、球団職員、社会人野球、海外チーム、一般企業への転職、起業など多様化しています。
NPBが2026年4月に公表した2025年の進路調査では、169人のうち90人がNPB関係、54人がその他の野球関係に進みました。一方、17人は一般企業への就職や自営・起業など、野球界以外の道を選んでいます。
東明大貴さんの不動産営業、三ツ間卓也さんの農業経営、鈴木裕太さんのメーカー営業、松谷竜二郎さんの企業経営は、それぞれ異なるキャリアの成功事例です。
重要なのは、現役時代の実績だけで将来を決めつけないことです。
野球で培った継続力、目標設定能力、チームワーク、責任感は、異業種でも役立つ可能性があります。しかし、それを仕事で発揮するには、新しい知識や技術を身につける努力が必要です。
NPBや日本プロ野球選手会による支援、学生野球資格回復制度なども整備されつつあります。
元野球選手のセカンドキャリアにおける本当の成功とは、野球選手としての過去にとどまらず、新しい環境で自分の価値を築き続けられることです。
今後も2026年以降の進路調査や就業支援制度の動向は、プロ・アマを問わず野球界の重要なテーマになっていきます。