女子ゴルフのメジャー選手権とは、LPGAツアーにおける最高峰のタイトルを争う主要大会を指す。2026年現在、LPGAがメジャーとして位置づけている大会は次の5つだ。
1. シェブロン選手権(The Chevron Championship)
2. 全米女子オープン(U.S. Women's Open)
3. KPMG全米女子プロゴルフ選手権(KPMG Women's PGA Championship)
4. アムンディ・エビアン選手権(The Amundi Evian Championship)
5. AIG女子オープン(AIG Women's Open)
通常のLPGAツアー競技と大きく異なるのは、タイトルの歴史的価値と競技の注目度だ。世界ランキング上位者や各国のトップ選手が集まり、優勝すれば選手のキャリアを代表する実績として長く記録に残る。
開催地も特徴的で、5大会のうち3大会は米国、1大会はフランス、1大会は英国で行われる。米国中心のツアーでありながら、欧州の歴史あるコースも舞台になるため、コース環境や気象条件の違いも見どころになる。
なお、メジャーだからといって毎年同じコースで開催されるわけではない。大会ごとに開催コースが変わることも多く、距離、ラフの長さ、グリーンの硬さなどによって求められる技術が変化する。
【2026年最新】女子ゴルフメジャー大会一覧と優勝者・大会結果
2026年の女子ゴルフメジャーは、ネリー・コルダ、リュウ・ヘラン、桑木志帆の3人がタイトルを分け合った。
特に注目されたのは、ネリー・コルダとリュウ・ヘランがそれぞれ2大会を制したことだ。日本勢では桑木志帆がAIG女子オープンで優勝し、世界のトップ選手と競い合う日本女子ゴルフ界に新たなメジャー実績を加えた。
2026年・2025年・2024年のメジャー優勝者一覧以下はLPGAの公式大会記録をもとに整理した、直近3シーズンの優勝者一覧だ。
出典:LPGA公式のメジャー選手権記録、各大会の公式結果。スコアは2026年の優勝スコア。
ネリー・コルダ:シェブロンと全米女子オープンの2冠
米国のネリー・コルダは、4月のシェブロン選手権で通算18アンダーの270を記録。2位に5打差をつける優勝を果たした。
続く6月の全米女子オープンでも通算8アンダーの276で優勝。最終18番で重要なパーパットを沈め、シャーレイ・ハルとガビー・ロペスに1打差をつけた。
これにより、キャリア通算メジャー優勝数は4勝に到達した。
リュウ・ヘラン:KPMGとエビアンの連続優勝
韓国のリュウ・ヘランは、6月のKPMG全米女子プロゴルフ選手権で通算13アンダーを記録し、メジャー初優勝を達成した。
さらに7月のエビアン選手権でも優勝。ブルック・ヘンダーソンとのプレーオフを制し、2大会連続のメジャータイトルを手にした。
エビアンでは第3ラウンドに60を記録。男女を通じてメジャー大会で初めて60ストロークを達成した選手としても歴史に名を刻んだ。
桑木志帆:AIG女子オープンでメジャー初制覇
2026年8月のAIG女子オープンでは、日本の桑木志帆が通算5アンダーの279でフィニッシュ。
ドイツのエスター・ヘンセライトと並んだ後、プレーオフを制して優勝した。桑木にとってLPGAツアー初優勝であり、メジャー初タイトルでもある。
2025年の山下美夢有に続き、日本勢がAIG女子オープンを2年連続で制したことも大きな話題となった。
【女子ゴルフメジャー大会の歴史】8つの大会から現在の5大会へ
女子ゴルフのメジャー制度は、最初から現在の5大会で固定されていたわけではない。
大会の新設や統合、スポンサー変更、メジャーとしての認定時期の変更によって、時代ごとに対象となる大会が変わってきた。
LPGAの歴史を振り返ると、過去にメジャーとして扱われた大会は現在の5大会を含めて8種類ある。
女子メジャー大会の主な歴史年表1930年:女子ウェスタン・オープン
女子ゴルフの初期の主要タイトルとして位置づけられた大会。後に歴代最多メジャー優勝記録を持つパティ・バーグらが活躍した時代の重要な競技だった。
1937年:タイトルホルダーズ選手権
女子ゴルフの歴史を代表する大会の一つ。1966年まで開催され、1972年にも復活開催された。パティ・バーグが7度優勝している。
1946年:全米女子オープン創設
現在も続く最も歴史の長い女子メジャー大会が始まった。主催は全米ゴルフ協会(USGA)で、2026年には第81回大会が開催された。
1955年:女子PGA選手権創設
現在のKPMG全米女子プロゴルフ選手権につながる大会。創設当初はLPGA Championshipという名称だった。
1979年:デュモーリエ・クラシックがメジャーに
カナダで開催された大会で、2000年までメジャーとして扱われた。2001年からは全英女子オープンがその位置を引き継ぐ形になった。
1983年:シェブロン選手権がメジャーに昇格
大会自体は1972年に始まっており、1983年にメジャーとして認定された。ナビスコ・ダイナ・ショア、クラフト・ナビスコ選手権、ANAインスピレーションなど、スポンサーに伴って名称が変化している。
2001年:全英女子オープンがメジャーに昇格
現在のAIG女子オープンにつながる大会。米国以外で開催されるメジャーとして存在感を高めた。
2013年:エビアン選手権が5番目のメジャーに
フランスで開催されるエビアン選手権がメジャーに昇格。これによって現在の年間5大会体制が確立した。
なぜメジャー大会の数が変わったのか背景には女子プロゴルフの競技規模の拡大がある。
メジャー大会は、単に賞金の高い大会を指すものではない。長い歴史、国際的な競技レベル、主催団体の位置づけ、選手やゴルフ界におけるタイトルの価値など、複数の要素が関係する。
かつては2大会から4大会程度だった時代もあり、現在の5大会体制は女子ゴルフの国際化を反映したものといえる。
また、過去にメジャーだった大会が現在も同じ扱いで開催されているとは限らない。この点が歴代優勝者の集計を複雑にしている理由の一つだ。
【歴代優勝者と日本勢の足跡】女子メジャーを制した日本人選手
日本女子ゴルフ界にとって、海外メジャー制覇は長年の大きな目標だった。
その歴史を振り返ると、最初の大きな転換点は1977年に訪れている。
日本人初のメジャー制覇は樋口久子日本人選手として最初に女子メジャーを制したのは、樋口久子だ。
1977年のLPGA Championshipで優勝し、日本女子ゴルフの国際的な存在感を高めた。
当時は現在ほど日本人選手が海外ツアーに参戦する環境が整っていなかった。その時代に海外のトップ選手を相手にメジャータイトルを獲得したことは、歴史的な実績として評価されている。
2019年以降、日本勢のメジャー優勝が相次ぐ樋口久子の優勝から42年後、渋野日向子が2019年のAIG女子オープンで優勝した。
LPGA公式プロフィールでは、渋野は樋口に続く日本人のメジャー優勝者として紹介されている。海外メジャー初出場での優勝という点でも印象的な出来事だった。
その後の日本勢の主なメジャー優勝を整理すると、次のようになる。
- 1977年・樋口久子:LPGA Championship優勝。
- 2019年・渋野日向子:AIG女子オープン優勝。
- 2021年・笹生優花:全米女子オープン優勝。
- 2024年・笹生優花:全米女子オープンで2度目の優勝。
- 2024年・古江彩佳:エビアン選手権優勝。
- 2025年・西郷真央:シェブロン選手権優勝。
- 2025年・山下美夢有:AIG女子オープン優勝。
- 2026年・桑木志帆:AIG女子オープン優勝。
特に注目したいのが、2024年から2026年にかけての活躍だ。
笹生優花は全米女子オープンで2度の優勝を達成。古江彩佳もエビアン選手権を制し、米国と欧州の異なる舞台で日本勢が結果を残した。
2025年には西郷真央がシェブロン選手権を制覇。5人によるプレーオフを勝ち抜き、メジャー初タイトルを獲得した。
同年のAIG女子オープンでは山下美夢有が優勝。翌2026年には桑木志帆が同大会を制した。
このように、日本勢のメジャー優勝は単発の快挙から、複数の選手が異なる大会で結果を残す時代へと変化している。
なお、LPGAのメジャー優勝とJLPGA国内公式競技の優勝は別の記録として扱われる。日本国内でのメジャー実績と海外LPGAメジャーの実績を比較するときには、この区別が欠かせない。
【女子ゴルフメジャー優勝回数ランキング】歴代最多記録を持つ選手は誰?
女子ゴルフのメジャー優勝回数を語るうえで、最初に名前が挙がるのがパティ・バーグだ。
歴代通算15勝という記録を持ち、長年にわたって女子メジャーの最多優勝者として知られている。
歴代メジャー優勝回数の上位選手2026年シーズンの記録を踏まえた、代表的な上位選手は次のとおりだ。
1. パティ・バーグ:15勝
2. ミッキー・ライト:13勝
3. ルイーズ・サグス:11勝
4. アニカ・ソレンスタム:10勝
4. ベーブ・ザハリアス:10勝
6. ベッツィ・ロールズ:8勝
7. ジュリー・インクスター:7勝
7. カリー・ウェブ:7勝
7. 朴仁妃(パク・インビ):7勝
10. パット・ブラッドリー:6勝
10. ベッツィ・キング:6勝
10. パティ・シーハン:6勝
10. キャシー・ウィットワース:6勝
このほか、エイミー・オルコット、セリ・パク、ヤニ・ツェンは5勝を記録。ネリー・コルダも2026年の全米女子オープン優勝によって通算4勝に到達している。
パティ・バーグが15勝を記録できた理由15勝
LPGAメジャー通算最多優勝記録
1937年から1958年にかけてメジャータイトルを獲得。タイトルホルダーズ選手権7勝、女子ウェスタン・オープン7勝、全米女子オープン1勝を記録した。
パティ・バーグの15勝には、現在は開催されていない大会の優勝も含まれる。
LPGA公式プロフィールによると、通算60勝のうち22勝は1950年のLPGA創設以前に挙げたものであり、メジャー15勝のうち8勝も同じ時代の実績だ。
つまり、歴代最多記録を理解するには、現在の5大会だけを比較するのではなく、過去にメジャーとして認定されていた大会も含める必要がある。
女子ゴルフのメジャー優勝回数を見るときの注意点歴代記録には、主に2つの見方がある。
- 歴史的な通算メジャー優勝数:過去にメジャーとして認定された大会も含めて数える。
- 現在の5大会での優勝数:シェブロン、全米女子オープン、KPMG、エビアン、AIGに限定して数える。
この違いを理解せずに数字だけを比較すると、選手の実績を誤って評価することになる。
たとえば、パティ・バーグの15勝と、現在の5大会体制で活躍する選手の優勝数は、競技環境も対象大会も同じではない。
アニカ・ソレンスタムや朴仁妃のように、異なる時代の大会で結果を残した選手についても、単純な勝利数だけでなく、どの大会で優勝したかを見ることが大切だ。
【プロの結論】女子ゴルフメジャーを理解するための3つの判断基準
女子メジャーの記録を正しく理解するには、優勝者の名前や回数だけでなく、大会の位置づけまで確認する必要がある。
特に押さえておきたいのは次の3点だ。
1.LPGAの海外メジャーとJLPGAの国内メジャーを区別する日本の女子ゴルフには、海外LPGAとは別に、JLPGAが定める国内の公式競技がある。
2026年現在、JLPGAの国内4大公式競技は次のとおりだ。
- ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ
- ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会
- 日本女子オープンゴルフ選手権
- JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ
JLPGA公式は、これら4大会をメジャー大会として位置づけている。
したがって「女子ゴルフのメジャーは何大会か」という質問には、海外LPGAを指すのか、日本国内のJLPGAを指すのかによって答えが変わる。
2.優勝回数だけでなく大会の歴史を確認する全米女子オープンとシェブロン選手権では、開催年数や大会の成り立ちが異なる。
また、かつてメジャーだったデュモーリエ・クラシックやタイトルホルダーズ選手権の優勝記録も、歴代通算ランキングに影響する。
そのため、記録を比較するときは、対象大会と集計期間を必ず確認したい。
3.最新の優勝者と歴代の名選手を両方見る2026年の女子メジャーでは、ネリー・コルダとリュウ・ヘランがそれぞれ2勝を挙げ、桑木志帆も世界最高峰のタイトルを獲得した。
一方、歴代記録ではパティ・バーグ、ミッキー・ライト、アニカ・ソレンスタム、朴仁妃らが女子ゴルフの歴史を築いている。
過去の偉大な記録と現在の選手の活躍を並べて見ることで、女子メジャーの競技レベルや国際的な広がりがより明確になる。
【女子ゴルフのメジャー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:女子ゴルフのメジャー大会は年間何大会ありますか?
A1:海外のLPGAツアーでは、2026年現在、年間5大会が開催されています。シェブロン選手権、全米女子オープン、KPMG全米女子プロ、エビアン選手権、AIG女子オープンです。なお、日本国内のJLPGAには別に4つの公式競技があります。
Q2:女子ゴルフのメジャー最多優勝者は誰ですか?
A2:歴代最多は米国のパティ・バーグで、通算15勝です。ミッキー・ライトが13勝、ルイーズ・サグスが11勝で続きます。現在は開催されていない過去のメジャー大会の優勝も集計に含まれています。
Q3:女子ゴルフのメジャーで優勝した日本人選手は誰ですか?
A3:代表的な優勝者は樋口久子、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西郷真央、山下美夢有、桑木志帆です。笹生優花は全米女子オープンで2度優勝しています。2026年には桑木志帆がAIG女子オープンを制しました。
女子ゴルフのメジャー選手権は、長い歴史の中で大会数や構成を変えながら発展してきた。2026年現在のLPGAメジャーは年間5大会で、米国、フランス、英国を舞台に世界最高峰の選手たちが競い合っている。
歴代優勝者ではパティ・バーグの15勝が最多記録。日本勢では樋口久子を起点に、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西郷真央、山下美夢有、桑木志帆らが世界の舞台でタイトルを獲得してきた。
2026年はネリー・コルダとリュウ・ヘランの複数メジャー制覇、そして桑木志帆の初優勝が大きなトピックとなった。今後の女子ゴルフを見る際には、単年の大会結果だけでなく、歴代優勝者、通算優勝回数、各大会の歴史、日本勢の実績を合わせて確認すると、競技の奥深さがよりよく理解できる。
女子メジャーの魅力は、1つの優勝が選手のキャリアだけでなく、女子ゴルフそのものの歴史に刻まれることにある。2027年以降も、新たなメジャーチャンピオンの誕生と記録更新に注目したい。