阪神タイガースの西純矢は、2019年ドラフト1位で入団した本格派右腕から、外野手として新たな野球人生を歩んでいる。2025年2月の右肘手術を経て、同年オフに投手から野手への転向を決断。2026年は育成選手として背番号120を背負い、ファームで実戦経験を積んだ。
注目したいのは、野手転向1年目となった2026年の成績だ。NPB公式記録によると、ファーム公式戦では61試合に出場し、打率.228、37安打、10打点を記録。3月には8試合連続安打を達成する一方、外野守備では課題も残した。秋季キャンプで話題になったブルペンを使った投球練習や138キロという数字についても、投手復帰と外野手の送球強化を区別して考える必要がある。
【2026年最新】阪神・西純矢の現在は?育成外野手として歩む再出発

2026年11月5日現在、西純矢は阪神タイガースの育成外野手としてプレーしている。投手としてプロ入りした当時の背番号15から、育成選手の背番号120へ変更。登録上のポジションも投手から外野手へ変わった。
2001年9月13日生まれの25歳。2019年ドラフト1位という経歴を持つ選手が、20代半ばで大きなポジション変更に踏み切ったことは、阪神ファンにとっても印象的な出来事だった。
2026年ファーム成績は61試合、打率.228日本野球機構(NPB)が公表した2026年度ファーム・リーグ西地区の個人打撃成績では、西純矢の数字は次のとおりだ。
- 出場試合数:61試合
- 打席数:174打席
- 打数:162打数
- 安打:37本
- 二塁打:7本
- 本塁打:0本
- 打点:10打点
- 打率:.228
- 出塁率:.270
- 長打率:.272
- 三振:52個
まず評価したいのは、野手転向1年目から61試合に出場したことだ。投手から野手への転向では、打撃フォームの構築だけでなく、守備位置の理解や走塁判断など、身につけるべき技術が一気に増える。
そのなかでシーズンを通じて一定の出場機会を確保したことは、育成段階の選手として前向きな材料になる。
一方、打率.228は打撃面で大きく伸ばす余地がある数字だ。37安打を記録したものの、本塁打は0本。長打率も.272にとどまっており、高校時代から期待されてきた長打力をプロの実戦で発揮することは、次の課題となった。
さらに162打数で52三振という数字にも注目したい。単純計算で三振率は約32.1%。速球への対応、変化球の見極め、追い込まれてからのコンタクト能力を磨く必要がある。
つまり、2026年は「打てる外野手として完成したシーズン」ではない。しかし、野手としての出場機会を積み重ね、改善すべきポイントが具体的になったシーズンだった。
【野手転向の理由】西純矢はなぜ投手を辞めた?右肘手術からの経緯
西純矢の野手転向を理解するには、2025年の右肘手術と、その後の復帰過程を振り返る必要がある。
2025年2月28日に右肘の手術2025年春季キャンプ中、西純矢は右肘に違和感を発症した。報道によると、同年2月28日に右肘関節鏡視下関節鼠摘出術を受けている。
関節鼠とは、関節内に生じた骨や軟骨の遊離片を指す。関節鏡視下手術は、小さな切開部から内視鏡を挿入して患部を確認しながら処置する方法だ。
ここで注意したいのは、この手術をトミー・ジョン手術と混同しないことだ。報道された手術名は関節鼠摘出術であり、靱帯再建術とは異なる。
手術後は投手としての復活を目指したものの、2025年中の実戦復帰は実現しなかった。
2019年ドラフト1位で入団し、150キロを超える直球を武器にしてきた右腕にとって、投手としてのキャリアを見直す大きな転機だった。
投手としての構想から外れ、打撃力を生かす決断へ2025年10月には、投手としての来季構想から外れる見通しと野手転向の可能性が報じられた。
背景には、右肘手術後に実戦復帰できなかったことに加え、投手としてのパフォーマンスが低迷していた事情がある。
一方、西純矢には以前から打撃の才能があった。
創志学園高校時代は高校通算25本塁打。U18ワールドカップでも本塁打を放つなど、投手だけでなく打者としての能力も評価されていた。
プロ入り後も2022年5月18日のヤクルト戦でプロ初本塁打を記録。投手として登板しながら打席でも結果を残した経験がある。
2025年10月10日には、阪神球団の竹内孝行球団副本部長が野手転向について説明したと日刊スポーツが報道。来季の育成契約を前提とした野手としての再出発が明らかになった。
野手転向は、単なるポジション変更ではない。投手として積み上げたキャリアを手放し、打撃と守備を一から習得する選択だった。
【経歴・年表】創志学園から阪神ドラフト1位、背番号120までの転換点
西純矢のキャリアには、投手としての飛躍、右肘の故障、そして野手への転向という大きな節目がある。関係する人物や出来事を時系列で整理すると、現在の立ち位置が見えてくる。
| 時期 | 関係する人物・組織 | 出来事・関係性 | 意味・評価 |
|---|---|---|---|
| 2018年 | 創志学園高校 | 夏の甲子園で16奪三振の完封勝利 | 全国的に注目される本格派右腕に成長 |
| 2019年10月 | 阪神タイガース | ドラフト1位で指名 | 将来の先発候補として期待される |
| 2022年 | 阪神・ヤクルト | プロ初完投勝利、プロ初本塁打 | 投打両面で才能を示す |
| 2023年 | 阪神タイガース | 5勝2敗、防御率3.86 | 先発投手として存在感を示す |
| 2025年2月 | 阪神・医療機関 | 右肘関節鏡視下関節鼠摘出術 | 投手復帰を目指すリハビリ期間へ |
| 2025年10月 | 阪神球団 | 野手転向と育成契約の方針が明らかに | 新しいポジションで再出発 |
| 2025年秋季キャンプ | 平田勝男ファーム監督 | 外野守備や打撃の基礎練習に取り組む | 野手としての技術を一から習得 |
| 2026年3月 | オリックス戦 | 8試合連続安打、3試合連続打点 | 打撃面で好調な時期を経験 |
| 2026年7月 | 平田勝男ファーム監督 | 地元倉敷で適時打を記録する一方、右翼守備で落球 | 打撃と守備の両面で課題が明確に |
| 2026年10月 | フェニックス・リーグ | 楽天戦で右翼手として出場 | 外野手として実戦経験を継続 |
この年表で重要なのは、野手転向が2025年10月に突然決まったように見えても、実際には投手としての復帰が難しくなったことと、以前からの打撃能力が重なった結果だという点だ。
また、阪神球団の2019年ドラフト発表資料では、西純矢は創志学園高校出身の右投右打の投手として紹介されていた。プロ入り当初の評価と、現在の外野手としての役割は大きく異なっている。
【外野手としての評価】西純矢の打撃力・守備力はどこまで成長した?
西純矢の野手転向後を評価する場合、打撃だけでなく守備、送球、実戦での判断力を分けて考える必要がある。
打撃面:長打力は魅力だが、確実性が課題西純矢の魅力は、投手時代から評価されていた強いスイングと身体能力だ。
2026年3月26日のファーム・リーグ西地区のオリックス戦では、4番DHで出場。4回2死三塁の場面で、オリックスの投手が投じた146キロの直球を左前へ運び、適時打を記録した。
この時点で8試合連続安打、3試合連続タイムリー。野手転向後の早い段階で、連続安打を記録するほど打撃の状態を上げていた。
また、3月17日のオリックス戦では、左翼越えを思わせる大きな打球を放っている。結果はファウルだったが、長打を狙えるスイングの強さを感じさせる場面だった。
ただし、2026年の最終成績では本塁打0本。打率.228、長打率.272という数字からも、持ち味のパワーを試合で安定して発揮することが次の課題だ。
守備面:強肩を生かす一方、外野手としての経験が必要外野手として重要なのは、肩の強さだけではない。
- 打球の落下地点を正確に予測する能力
- 一歩目の反応と守備範囲
- フェンスや風を考慮した打球判断
- 中継プレーやカットマンへの送球判断
- 捕球から送球までの動作の正確性
西純矢の場合、投手として培った肩の強さは外野守備に生かせる可能性がある。しかし、投手の送球と外野手の守備は必要な技術が同じではない。
2026年7月14日のソフトバンク戦では、地元・倉敷のマスカットスタジアムで野手転向後初めてプレーした。初回には適時打を放った一方、四回の右翼守備では飛球を落球している。
試合後、西純矢は守備のミスを反省したとデイリースポーツが報じた。
「やってはいけないエラー。投手に迷惑をかけた」
打撃で結果を残すだけでは、外野手としての評価は完成しない。失点につながるミスを減らし、安定した守備を身につけられるかが重要だ。
なお、2026年10月27日のフェニックス・リーグ楽天戦でも右翼手として出場しており、シーズン終了後も外野手としての実戦経験を積み重ねている。
【秋季キャンプ・ブルペン入り】138キロの意味は?投手復帰との関係を検証
西純矢をめぐる検索で気になるのが、野手転向後の秋季キャンプとブルペン入り、そして138キロという球速情報だ。
ここで押さえたいのは、ブルペンを使った練習と、投手としての復帰調整は同じではないという点である。
野手転向後の秋季キャンプでは外野守備を基礎から習得2025年11月の秋季キャンプは、西純矢にとって野手として本格的にスタートする重要な期間だった。
阪神タイガースの公式YouTubeチャンネルが公開した秋季キャンプの映像では、外野ノックや守備練習に取り組む姿が紹介されている。
球団公式の説明でも、来季から野手へ転向する西純矢が外野ノックをはじめ、基礎から学び直していることが伝えられた。シートノックでは、本塁への返球でも強肩を見せている。
この時期に重要だったのは、投手としての投球技術を維持することよりも、外野手として必要な動きと打撃の土台を作ることだった。
ブルペン入りは投手復帰を意味するのか秋季キャンプ関連の報道では、西純矢と福島圭音が並んでブルペンを使う練習も取り上げられた。
この練習について注目したいのは、投手として登板するための調整というより、外野手に必要な送球の強さを鍛えるトレーニングとして捉えられている点だ。
外野手は、走者の進塁を防ぐために長い距離を投げる場面が多い。捕球後に素早く送球し、正確な軌道で中継地点や本塁へ届ける能力が求められる。
ブルペンは投球動作を確認しながら送球を行える環境でもある。野手が送球の強さやフォームを確認する目的で使用すること自体は、投手への再転向を意味しない。
最速138キロは投手復帰の証拠なのか138キロという数字については、投手としての公式な最速記録と同一視できる根拠が確認できない。
仮にブルペンで球速が計測されていたとしても、野手としての送球練習で測った数値と、投手として実戦で投げる球速は評価基準が異なる。
投手復帰を判断するには、球速だけでなく、右肘の状態、投球動作の再現性、変化球の精度、連投への耐性などを総合的に見る必要がある。
2026年のNPB公式ファーム成績で西純矢は外野手として登録され、シーズン中も右翼手や指名打者として出場している。ブルペンでの練習だけを根拠に、投手復帰が決まったと判断するのは早計だ。
2026年11月1日から18日までは阪神の秋季キャンプが高知県安芸市で予定されている。今後の練習内容については、投手としての再始動なのか、外野手としての送球強化なのかを区別して見ることが大切になる。
【投手時代の成績】西純矢はなぜドラフト1位に選ばれたのか
野手としての現在地を評価するには、投手時代にどれほどの期待を背負っていたのかも知っておきたい。
創志学園高校で全国的な注目を集めた本格派右腕西純矢は広島県出身。岡山県の創志学園高校でプレーし、強い直球と多彩な変化球を武器に成長した。
2018年夏の甲子園では、創成館高校との初戦で16奪三振の完封勝利を記録。大舞台での投球能力を示し、ドラフト上位候補として注目を集めた。
2019年10月17日のドラフト会議では、阪神タイガースから1位指名を受けた。球団の選手紹介では、最速154キロのストレートを持つ本格派右腕として評価されていた。
2022年には6勝、2023年にも5勝を記録プロ入り後、投手として特に存在感を示したのが2022年と2023年だ。
2022年は14試合に登板して6勝3敗、防御率2.68。77回1/3を投げ、先発投手として結果を残した。
同年5月18日のヤクルト戦では、プロ初完投勝利を記録。打撃でもプロ初本塁打を放ち、投打にわたる活躍で注目された。
2023年も17試合に登板して5勝2敗、防御率3.86。2年連続で5勝以上を挙げ、若手先発候補として期待を集めた。
しかし、その後は投球フォームの乱れやパフォーマンスの低下に苦しみ、右肘の故障も重なった。
投手として通算12勝を挙げた実績は、現在の西純矢を理解するうえで欠かせない。単に投手として成功できなかった選手ではなく、プロの一軍で勝利を積み重ねた経験を持つ選手なのだ。
【プロの結論】西純矢の今後は?支配下登録と外野手としての成功条件
西純矢の2026年を総合的に評価すると、野手転向1年目として実戦経験を積めたことは収穫だが、一軍の戦力として定着するには、まだ複数の課題が残っている。
今後の評価を左右する3つのポイント1. 打率とコンタクト能力の改善
2026年の打率は.228。52三振という数字も踏まえると、速球への対応や変化球の見極めが重要になる。まずは打席での対応力を高め、安定して出塁できる打者を目指したい。
2. 長打力を実戦で発揮すること
高校通算25本塁打という実績は魅力だが、2026年のファーム公式戦では本塁打がなかった。強い打球を増やし、二塁打や本塁打につなげられるかが評価の分かれ目になる。
3. 外野守備の安定と送球能力の活用
強肩は外野手として大きな武器になり得る。しかし、捕球や打球判断にミスがあれば、守備固めやスタメン起用の選択肢が狭まる。守備で信頼を得ることが必要だ。
投手から野手へ転向した成功例との比較プロ野球には、投手から野手に転向して成功した選手がいる。
代表例として知られるのが糸井嘉男だ。日本ハム時代に投手から野手へ転向し、その後は首位打者や盗塁王を獲得するほどの外野手に成長した。
また、石井琢朗や嶋重宣、高井雄平なども、投手から野手へ転向して実績を残した選手として知られている。
西純矢の場合、糸井嘉男のような身体能力と長打力を生かす方向性は考えられるものの、同じ成功過程をたどる保証はない。
特に、糸井は野手転向後に長い時間をかけて打撃技術と守備力を磨いた。西純矢も一軍での活躍を急ぐのではなく、ファームで必要な経験を積むことが先決だ。
育成契約から支配下登録へ進むために育成契約は、支配下選手として一軍登録できる通常の契約とは異なる。背番号120でプレーする西純矢が一軍の公式戦に出場するには、支配下登録を勝ち取る必要がある。
球団側が判断する要点は、単純な打率だけではない。
- 打撃で一軍投手に対応できる可能性があるか
- 外野守備で試合に出せる水準に達しているか
- 長打力や肩の強さなど、他の選手にない武器があるか
- 年間を通して安定してプレーできる状態か
2026年は、これらの評価基準を満たすための土台を作ったシーズンだった。
投手時代の実績と打撃センスを考えれば、野手としての可能性は残されている。ただし、元ドラフト1位という肩書きだけで支配下登録が約束されるわけではない。
今後は、打撃の確実性と外野守備の完成度を同時に高められるかが最大の焦点となる。
【西純矢に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:西純矢は2026年現在、投手ですか?外野手ですか?
A1:2026年現在は阪神タイガースの育成外野手です。投手から野手へ転向し、背番号120でプレーしています。
Q2:西純矢が野手転向した理由は何ですか?
A2:2025年2月28日に右肘の手術を受け、その後も投手としての実戦復帰ができなかったことが大きな背景です。高校時代から評価されていた打撃力を生かすため、野手として再出発しました。
Q3:西純矢の2026年ファーム成績は?
A3:NPB公式記録では61試合、37安打、打率.228、10打点です。本塁打は0本で、長打力の発揮と三振の減少が今後の課題です。
Q4:西純矢の背番号120は何を意味しますか?
A4:育成選手としての背番号です。支配下登録を勝ち取るまでは育成選手としてプレーします。
Q5:西純矢のブルペン入りや138キロは投手復帰を意味しますか?
A5:ブルペンを使った練習は、野手としての送球強化を目的としたものと区別する必要があります。138キロを投手としての公式最速記録とする確かな根拠は確認できず、投手復帰が決定したことを示す情報でもありません。
Q6:西純矢は一軍に復帰できますか?
A6:可能性は残されていますが、育成契約から支配下登録を勝ち取る必要があります。打撃の確実性、長打力、外野守備の安定が重要です。
Q7:西純矢は投手時代に何勝していますか?
A7:一軍では2022年に6勝、2023年に5勝を挙げ、通算12勝を記録しています。2022年は防御率2.68、2023年は防御率3.86でした。
阪神・西純矢は、2019年ドラフト1位で入団した本格派右腕から、育成契約の外野手へと大きく転身した。
2025年2月の右肘手術と実戦復帰の難しさを経て、野手転向を決断。2026年はファーム61試合で打率.228、10打点を記録し、野手としての第一歩を踏み出した。
3月の8試合連続安打や、地元倉敷での適時打など、打撃面で期待を感じさせる場面はあった。一方、本塁打0本、52三振、外野守備でのミスなど、改善すべき課題もはっきりしている。
ブルペンを使った送球練習や138キロという数字も、投手復帰の話と外野手としての能力向上を混同せずに見ることが重要だ。
西純矢の今後を判断する最大の基準は、投手時代の実績ではなく、野手としてどれだけ一軍の試合に貢献できるか。強い肩と打撃センスを持つ25歳が、外野手としてどこまで成長するのか。2027年シーズンに向けた取り組みと支配下登録への挑戦が、次の大きな注目ポイントになる。
主な根拠資料: 阪神タイガース公式発表・公式映像、NPB公式2026年度ファーム成績、日刊スポーツ、デイリースポーツの報道記録。