頭痛で会社を休むとき、症状そのものと同じくらい悩みやすいのが、職場への連絡です。
「頭痛くらいで休むと言ってよいのか」「詳しい症状まで説明しなければならないのか」「仮病だと思われないか」と心配する人もいるでしょう。
基本的には、体調不良の事実、勤務が難しい理由、休む意思、必要な業務連絡を簡潔に伝えれば十分です。
頭痛で休む理由の伝え方会社への連絡では、医学的な説明を長々とする必要はありません。
次のような表現が使えます。
- 「頭痛が強く、通常どおりの勤務が難しいため」
- 「頭痛に加えて吐き気があり、通勤が困難なため」
- 「片頭痛の症状が出ており、安静にする必要があるため」
- 「体調が回復せず、業務に支障が出る可能性があるため」
「頭が痛いので休みます」だけでも体調不良の連絡としては伝わりますが、業務への影響を一言添えると、休む理由がより明確になります。
上司に送るメール・チャットの例文
当日の欠勤を伝える場合
おはようございます。
本日、強い頭痛があり、通常どおりの勤務が難しい状態です。
大変申し訳ありませんが、本日はお休みをいただけますでしょうか。
急ぎの業務については、必要な引き継ぎ事項を別途共有いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
症状を具体的に説明する場合
おはようございます。
本日、頭痛と吐き気が強く、通勤および通常業務を行うことが難しい状態です。
体調の回復を優先するため、本日はお休みをいただきたく、ご連絡いたしました。
必要に応じて改めて状況をご報告いたします。
よろしくお願いいたします。
電話であれば、次の3点を伝えるとスムーズです。
1. 頭痛などの体調不良があること。
2. 通勤や業務の継続が難しいこと。
3. 本日の欠勤と、必要な引き継ぎについて。
始業前に連絡するなど、会社の就業規則に定められた方法とタイミングに従いましょう。
また、頭痛が頻繁に起こる人は、毎回詳しい説明をするよりも、事前に上司や人事担当者へ相談しておくと、急な欠勤時の心理的負担を減らせます。
頭痛で休む頻度が多い場合、毎回謝る必要はある?頭痛による欠勤が月に何度も続くと、「また休んでしまった」「周囲に迷惑をかけている」と罪悪感を抱きがちです。
しかし、休む頻度だけで甘えかどうかは判断できません。
同じような頭痛が繰り返されるなら、症状を我慢するのではなく、治療によって発作の回数や程度を減らせる可能性を検討してください。
特に、次のような場合は医療機関への相談をおすすめします。
- 頭痛で仕事を休むことが繰り返されている。
- 市販薬を使っても十分に改善しない。
- 頭痛の頻度や痛みが以前より増している。
- 頭痛によって仕事以外の予定も取りやめることがある。
- 痛みがない日でも次の発作が不安で生活に影響が出ている。
欠勤を減らすために必要なのは、無理をして出勤することではなく、頭痛の原因や種類を把握し、適切な治療につなげることです。
【受診の目安】頭痛で病院に行くべき症状と専門外来の選び方
頭痛を理由に仕事を休んだ場合、もう一つ考えたいのが医療機関への受診です。
一時的な頭痛であれば休養によって改善することもありますが、繰り返す頭痛や症状の変化がある場合は、専門的な診察を受けることが役立ちます。
すぐに受診を検討すべき危険な頭痛日本頭痛学会や日本神経学会は、突然発症した激しい頭痛や、神経症状を伴う頭痛などに注意を促しています。
特に次の症状がある場合は、一般的な片頭痛だと自己判断してはいけません。
緊急性に注意したい症状
- 突然起こり、短時間でピークに達する激しい頭痛
- 今まで経験したことがないほど強い頭痛
- 発熱や首の硬直を伴う頭痛
- 手足の麻痺、しびれ、力の入りにくさ
- 言葉が出にくい、意識がおかしい、けいれんがある
- 視覚や感覚に突然の異常が現れる
このような症状では119番を含めた緊急対応を検討してください。 自分で運転して受診するのは避けましょう。
くも膜下出血や髄膜炎など、迅速な診断・治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
また、数週間にわたって頭痛が悪化している場合も、早めの診察が必要です。
繰り返す頭痛は脳神経内科や頭痛専門外来へ頭痛が何度も起こる場合は、脳神経内科や頭痛専門外来への相談が選択肢になります。
特に、片頭痛の疑いがある場合は、頭痛を専門に診療する医師に相談すると、症状に応じた診断や治療を検討できます。
医療機関では、主に次のような点を確認します。
- 頭痛が始まった時期
- 痛む場所と痛み方
- 発作の持続時間
- 月に何日くらい頭痛があるか
- 吐き気や光・音過敏の有無
- 使用している薬とその効果
- 仕事や日常生活への影響
片頭痛の治療には、発作が起きたときに症状を抑える急性期治療と、発作の頻度や程度を減らす予防療法があります。
頭痛の回数や生活への影響などを踏まえ、医師が治療方針を判断します。
診察を受ける前に頭痛の記録をつける頭痛の診断では、症状がどのように変化しているかが重要な情報になります。
簡単な頭痛日記をつけておくと、診察時に状況を説明しやすくなります。
| 記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 発生日 | 11月5日 |
| 発症時刻 | 午前7時 |
| 痛む場所 | 右側のこめかみ |
| 痛みの程度 | かなり強い |
| その他の症状 | 吐き気、光過敏 |
| 持続時間 | 約6時間 |
| 仕事への影響 | 欠勤 |
| 使用した薬 | 薬の名称と服用時刻 |
| 改善の有無 | 午後から徐々に改善 |
※上記は記録方法の例であり、実際の診療記録や患者の体験談ではありません。
頭痛日記は、薬の使用頻度や発作の周期、仕事への影響を振り返る材料にもなります。
【2026年の制度】頭痛で休むときの有給休暇・病気休暇と両立支援
頭痛で仕事を休む場合、気になるのが休暇制度です。
日本では、年次有給休暇と会社独自の病気休暇は制度上の位置づけが異なります。加えて、2026年4月からは厚生労働省の「治療と就業の両立支援指針」が適用されています。
有給休暇は頭痛を理由に取得できる?年次有給休暇は、一定の要件を満たした労働者に付与される法定の休暇です。
厚生労働省によると、原則として、労働者は休暇の利用目的を問わず年次有給休暇を取得できます。
そのため、頭痛で体調が悪いときに有給休暇を利用することも可能です。
会社に対して、片頭痛であることや具体的な症状を詳しく説明しなければ有給休暇を利用できない、という制度ではありません。
ただし、年次有給休暇には時季変更権などの制度上のルールがあります。実際の申請方法は会社の規定も確認しましょう。
病気休暇は有給休暇と何が違う?病気休暇は、企業が独自に設ける法定外の休暇です。
有給休暇とは異なり、すべての会社に設置が義務付けられているわけではありません。
会社によって、取得条件、利用できる日数、賃金の支払いの有無などが異なります。
| 比較項目 | 年次有給休暇 | 病気休暇 |
|---|---|---|
| 制度の位置づけ | 法律に基づく制度 | 会社独自の制度 |
| 頭痛での利用 | 可能 | 会社の規定による |
| 賃金 | 有給 | 有給・無給など会社による |
| 取得条件 | 法定要件による | 就業規則などによる |
| 取得可能日数 | 勤続期間などで決まる | 会社ごとに異なる |
病気休暇がある会社なら、年次有給休暇を消費せずに休める場合もあります。
就業規則や社内ポータルで「病気休暇」「傷病休暇」「特別休暇」などの項目を確認してください。
2026年4月から適用された厚生労働省の新指針とは2026年の職場環境に関する大きなポイントが、厚生労働省による「治療と就業の両立支援指針」です。
同指針は2026年2月10日に告示され、2026年4月1日から適用されています。
背景には、治療を続けながら働く人が安心して就業を継続できるよう、企業側の支援体制を整備する必要性があります。
労働施策総合推進法の改正により、事業主には治療と仕事の両立支援に必要な措置を講じる努力義務が設けられました。
指針では、次のような取り組みが示されています。
1. 相談窓口の明確化
労働者が病気や治療について安心して相談できる窓口を整備し、相談内容の取り扱いを明確にすること。
2. 休暇制度の整備
時間単位の年次有給休暇や、傷病休暇・病気休暇などの活用を検討すること。
3. 勤務制度の柔軟化
時差出勤、短時間勤務、在宅勤務など、通勤や勤務による身体的負担を減らす制度を整えること。
4. 医療機関との連携
本人の同意を得たうえで、主治医や産業医などの意見を踏まえ、就業上の措置や治療への配慮を検討すること。
指針の対象は、雇用形態を問わず、医師が反復・継続した治療を必要と判断した疾病などです。したがって、一度だけ発生した頭痛による欠勤が、自動的にこの支援の対象になるわけではありません。
また、事業主の努力義務化は、すべての労働者に特定の日数の病気休暇や在宅勤務を無条件で保障するものではありません。実際の支援内容は、症状や業務内容、職場の制度などを踏まえて検討されます。
頭痛が頻繁に起こる人が会社に相談したいこと片頭痛による欠勤が繰り返される場合、毎回その場で休むかどうかを悩むより、職場とあらかじめ対応を相談しておく方法があります。
例えば、次のような配慮が考えられます。
- 発作が起きた場合の連絡方法を決めておく。
- 通勤が難しい場合に時差出勤を検討する。
- 業務内容に応じて在宅勤務を相談する。
- 通院時間を確保できるよう勤務時間を調整する。
- 強い光や音など、症状を悪化させる環境について相談する。
医師から就業上の配慮について助言を受けた場合は、必要に応じて診断書や医師の意見書などを利用する方法もあります。
重要なのは、欠勤を繰り返してしまうことを本人の責任だけにしないことです。治療と勤務を両立できる仕組みを整えることは、労働者と企業の双方にとって意味があります。
【頭痛で仕事を休むこと】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:頭痛で仕事を休むのは甘えですか?
A1:甘えとは限りません。強い痛み、吐き気、光過敏などによって通常業務や安全な通勤が難しい場合は、休養を選ぶ合理的な理由があります。痛みの程度と仕事への影響を基準に判断しましょう。
Q2:頭痛だけで会社を休んでも大丈夫ですか?
A2:問題ありません。頭痛によって業務に支障が出る場合は、体調不良として会社に連絡できます。有給休暇を利用する場合も、原則として利用目的は問われません。
Q3:片頭痛で仕事に行けないのは普通ですか?
A3:片頭痛は中等度から重度の痛みや吐き気、光・音過敏を伴うことがあり、仕事や日常生活に支障をきたす場合があります。発作の程度によっては欠勤が必要になることもあります。
Q4:頭痛で休む理由は上司にどう伝えればよいですか?
A4:「頭痛が強く、通常どおりの勤務が難しいため、本日はお休みをいただきたいです」と簡潔に伝えれば十分です。吐き気や通勤困難など、必要な場合は症状を補足しましょう。
Q5:頭痛で何度も会社を休むと評価が下がりますか?
A5:欠勤による評価への影響は、会社の就業規則や人事制度、雇用条件などによって異なります。ただし、病気による欠勤だけを理由に一律に判断できるものではありません。繰り返す頭痛については医師に相談し、必要に応じて会社にも勤務上の配慮を申し出ましょう。
Q6:頭痛が何日も続く場合は何科に行けばよいですか?
A6:脳神経内科や頭痛専門外来が選択肢になります。突然の激しい頭痛や麻痺、意識障害などがある場合は、通常の外来受診を待たず緊急対応が必要です。
Q7:頭痛で休む頻度が多い場合、毎回有給休暇を使うべきですか?
A7:必ずしも有給休暇だけを利用する必要はありません。会社に病気休暇や傷病休暇があれば、利用条件を確認しましょう。2026年の両立支援指針を踏まえ、時差出勤や在宅勤務なども相談できます。
頭痛で仕事を休むことは、決して一律に甘えと判断できるものではありません。
片頭痛の年間有病率は日本で8.4%とされ、強い痛みや吐き気、光・音過敏などによって仕事や日常生活に支障が出るケースもあります。発作が4~72時間続くこともあるため、1日休んでも十分に回復しない場合があります。
仕事を休むか迷ったときは、次の3点を意識してください。
- 勤務できる状態かを判断する: 痛みや吐き気、集中力の低下、通勤時の安全性を考慮する。
- 職場には簡潔に連絡する: 体調不良と勤務が難しい理由を伝え、会社の連絡ルールに従う。
- 繰り返す頭痛は治療につなげる: 頭痛日記をつけ、脳神経内科や頭痛専門外来への相談を検討する。
2026年4月からは、厚生労働省の治療と就業の両立支援指針も適用されています。有給休暇や病気休暇だけでなく、時差出勤や在宅勤務など、働き方を調整する選択肢も確認したいところです。
仕事への責任感を持つことと、体調不良を我慢することは同じではありません。頭痛を軽視せず、必要なときには休み、適切な治療を受けながら働き続けられる環境を整えることが、本人にとっても職場にとっても大切です。
主な参考資料:日本頭痛学会『頭痛の診療ガイドライン2021』・片頭痛解説、日本神経学会の頭痛解説、厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」(令和8年厚生労働省告示第28号)、厚生労働省の年次有給休暇に関する資料。 (出典: 頭痛 休む 甘え(Yahoo!ニュース))