渋谷凪咲の魅力を語る際、欠かせないのが幼少期から続くお笑いへの強い関心だ。
現在の彼女は、アイドル出身のタレントの中でも、独特の発想や大喜利のセンスを持つ人物として知られている。しかし、そのルーツはNMB48加入後ではなく、子どもの頃にまでさかのぼる。
幼少期から『兵動・小籔のおしゃべり一本勝負』に親しむ渋谷は幼い頃から、お笑い番組や芸人のトークを好んで見ていた。
2021年のWEBザテレビジョンのインタビューでは、母親がお笑い好きだったことを明かしている。家庭では、兵動大樹の『おしゃべり大好き。』や、兵動と小籔千豊による『兵動・小籔のおしゃべり一本勝負』のDVDが流れていたという。
また、BS日テレの『epoch TV square』も視聴していた。
大阪に住んでいたこともあり、京橋花月までお笑いライブを見に行くほどだった。中学生になる頃には、吉本総合芸能学院(NSC)に入学して芸人になろうと考えていたという。
このエピソードから分かるのは、彼女にとってお笑いが単なるテレビの娯楽ではなかったということだ。
芸人の話術や間の取り方を身近に感じながら育った経験は、後のバラエティ番組での対応力にもつながっている。
2017年のR-1ぐらんぷり挑戦で味わった大失敗渋谷の芸人志望という一面を象徴する出来事が、2017年の『R-1ぐらんぷり』出場だ。
当時20歳だった渋谷は、ピン芸人日本一を決める大会に挑戦。フリップを使ったネタを披露し、3回戦まで進出した。
ただし、準々決勝への進出はならなかった。
2017年1月29日の3回戦では、緊張から頭が真っ白になったと語っている。2回戦についても、一度は通過できなかったものの、追加合格で3回戦に進んだ経緯があった。
さらに2022年に出演したテレビ東京系『あちこちオードリー』では、当時の苦い経験を振り返っている。
3回戦でフリップを舞台に置いた際、すべて倒れてしまい、その後も思うように笑いが起きなかったという。
ネタそのものも作家やスタッフが作成したもので、自分の力だけで笑いを取れなかった悔しさも残った。
しかし、この失敗は芸能活動に対する考え方を変える契機になった。
渋谷はこの経験を経て、これからは自分の力でバラエティの世界で戦っていこうという覚悟が生まれたと説明している。
R-1の失敗は現在のバラエティ力にどうつながったのか興味深いのは、R-1での経験が、その後のタレント活動における重要な転換点になっていることだ。
一般的に、アイドルには歌やダンス、ビジュアル面での魅力が求められる。一方、バラエティで一人の出演者として評価されるには、予想外の質問に答える力や、共演者との会話を成立させる能力が必要だ。
渋谷の場合、芸人を目指した過去があったからこそ、笑いに対する関心が強く、失敗を経験してもバラエティへの挑戦を続けられた。
R-1で優勝したわけではない。しかし、結果以上に、舞台で自分の実力と向き合った経験に意味があった。
芸人になれなかったからタレントになったのではなく、お笑いへの憧れを別の形で実現している。
この視点が、渋谷凪咲というタレントを理解するうえで重要だ。
【NMB48卒業後】女優としての飛躍と2026年の出演作品
NMB48卒業後の渋谷凪咲は、女優としてのキャリアを本格化させている。
特に大きな転換点となったのが、2024年公開の映画『あのコはだぁれ?』だ。
映画初主演『あのコはだぁれ?』で演技力を評価される2024年7月19日に公開された『あのコはだぁれ?』は、清水崇監督による学園ホラー作品。
渋谷が演じたのは、主人公の臨時教師・君島ほのかだ。
夏休みの補習授業を担当することになった教師が、生徒たちとともに不可解な出来事に巻き込まれていく物語である。
それまでの渋谷といえば、笑顔や柔らかい話し方、バラエティ番組での自然体な受け答えが印象的だった。
しかし、この作品では恐怖や戸惑い、緊迫した状況に置かれる人物を演じ、従来のイメージとは異なる一面を見せた。
そして2025年1月21日、第48回日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞が公式に発表された。
映画初主演作での受賞は、俳優としてのキャリアにおける大きな実績となった。
2023年から2025年までの主な出演作品女優としての歩みを把握するため、映画やドラマの代表的な出演歴を整理した。
| 年 | 作品名 | 役名・内容 |
|---|---|---|
| 2023年 | だが、情熱はある | 丸山花鈴役 |
| 2024年 | アイドル失格 | 目黒カンナ役 |
| 2024年 | 離婚弁護士 スパイダー | 伊原麻衣香役 |
| 2024年 | あのコはだぁれ? | 主演・君島ほのか役 |
| 2025年 | 私の知らない私 | 中谷莉奈役 |
| 2025年 | 地獄の果てまで連れていく | 花井麗奈役 |
| 2025年 | 花のれん | おしの役 |
これらの作品は、所属事務所の公式プロフィールにも掲載されている。
2026年の注目作品は映画・Prime Video・地上波ドラマ2026年は、映像作品への出演がさらに広がった。
映画『時給三〇〇円の死神』
2026年10月2日公開の映画で、渋谷は朝月静香役を担当した。
朝月静香は、物語の主人公・佐倉真司のサッカー部時代のマネージャーであり、元恋人という役どころ。作品の人間関係を描くうえで重要な人物だ。
Prime Video『M.I.S.S.I.O.N. 歌劇な潜入捜査官』
2026年9月14日から配信された作品で、主演は道枝駿佑。
渋谷が演じるのは、主人公の秘密を知り、捜査に協力する小熊莉子だ。
久保史緒里、石井杏奈らと共演し、ミュージカルと潜入捜査を組み合わせたストーリーに参加している。
日本テレビ系『十六夜膳房』
2026年10月12日にスタートしたドラマDEEP『十六夜膳房』では、白猫・白無常の声を担当している。
舞台となるのは、亡くなった人々が訪れる黄泉の世界の食堂。中村蒼が演じる料理人・孟婆を中心に、人生の後悔や未練を描くファンタジー作品だ。
渋谷が演じる白無常は、関西弁で話す食堂のしっかり者。人間の役ではなく、声によってキャラクターに命を吹き込む仕事である点も興味深い。
女優としての評価は今後どう変わる?渋谷の女優活動で注目したいのは、作品ごとに異なる役柄に挑戦している点だ。
ホラー映画の主演、ドラマでの人物演技、配信作品での共演、アニメーションのような表現を伴うキャラクターの声の仕事まで、表現方法は一つではない。
バラエティで培った瞬発力や表情の豊かさは、俳優業にも生かせる資質だろう。
一方、俳優として長期的な評価を得るには、本人のキャラクターを超えた役作りや、作品ごとに異なる人物像を表現する力が必要になる。
新人俳優賞はキャリアのゴールではなく、今後の演技の幅を広げるための出発点と捉えるのが自然だ。
【モデル・バラエティ】andGIRLのレギュラーモデルと現在の仕事
渋谷凪咲のもう一つの顔が、ファッションモデルだ。
NMB48時代からファッション関連の仕事を経験していたが、2023年には女性向けファッションメディア『andGIRL』のレギュラーモデルに就任した。
andGIRLのレギュラーモデルに選ばれた理由2023年9月7日発売の秋号からレギュラーモデルとして活動を開始。
同誌の編集・発行元であるDONUTSの公式発表では、春号で初めて誌面に登場した際、読者から好評を得たことも紹介されている。
同号では通常版の表紙も担当した。
2025年3月発売の春号では、宮田聡子、岡崎紗絵、鈴木ゆうかとともにレギュラーモデル4人で通常版の表紙を飾った。
出典:andGIRL公式誌面・DONUTS公式発表
この仕事で注目したいのは、アイドル時代の明るい印象だけでなく、大人の女性としてのファッションや美容を表現する機会を得ていることだ。
『andGIRL』が扱うファッションやライフスタイルの世界観と、渋谷の親しみやすいキャラクターには相性のよい部分がある。
現在のバラエティ出演とラジオ活動もちろん、バラエティの仕事も現在の活動の大きな柱だ。
2026年10月後半の公式スケジュールでは、次のような番組への出演が確認できる。
| 番組 | 放送局・媒体 | 内容 |
|---|---|---|
| よ〜いドン! | 関西テレビ | 火曜日の出演 |
| 大阪ほんわかテレビ | 読売テレビ | 関西の情報・バラエティ |
| かまいたちの机上の空論城 | 関西テレビ | バラエティ |
| DayDay. | 日本テレビ | 情報番組 |
| テレビ×ミセス | TBS | テレビ番組 |
| 星の見える町で | Hulu・日本テレビ | 恋愛番組のスタジオ出演 |
| 渋谷凪咲と雨やどりラジオ | TBSラジオ | ラジオパーソナリティ |
特に『星の見える町で』では、内田有紀、劇団ひとりとともにスタジオの見届け人を担当している。
恋愛と移住をテーマにした番組で、出演者の人間関係や選択を見守る役割だ。自分自身が恋愛の当事者になるのではなく、第三者としてコメントする立場も、彼女のトーク力が生きる仕事といえる。
【プロの結論】渋谷凪咲の最大の強みは複数の専門性を持つこと渋谷の現在の活動を分析すると、芸能人としての強みは大きく3つに分けられる。
1. バラエティでの対応力
お笑い好きとして育った経験があり、共演者との会話や予想外の展開に対応できる。アイドル時代から培った知名度だけではなく、本人の言葉や発想で番組に参加できることが強みだ。
2. 女優としての新しい評価軸
『あのコはだぁれ?』での映画初主演と日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞によって、タレントとしての評価とは別に、俳優としての実績が生まれた。
3. モデルとしてのビジュアル表現
QueentetやandGIRLでの経験は、ファッション分野での活動につながっている。バラエティでの親しみやすい印象とは異なる魅力を発信できる。
この3つを同時に持っていることが、渋谷凪咲の芸能活動における大きな特徴だ。
一つのジャンルに絞らず、それぞれの仕事で異なる魅力を見せられることは、出演するメディアや作品の選択肢を広げる。
ただし、俳優としての評価をさらに高めるには、今後も多様な役柄に挑戦し、演技そのものによって観客を納得させることが重要になる。
【渋谷凪咲の現在・経歴】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:渋谷凪咲は2026年現在、何をしている?
A1:N-Riseに所属し、タレント・女優・モデルとして活動している。映画『時給三〇〇円の死神』、Prime Video『M.I.S.S.I.O.N. 歌劇な潜入捜査官』、日本テレビ系『十六夜膳房』など、2026年も映像作品への出演が続いている。
Q2:渋谷凪咲はNMB48をいつ卒業した?
A2:2023年12月に卒業した。12月16日・17日に卒業コンサート、12月27日にNMB48劇場で卒業公演を行った。
Q3:渋谷凪咲はAKB48にも所属していた?
A3:AKB48チーム4との兼任メンバーだった。2014年に兼任が始まり、2018年に解除されている。NMB48のメンバーとしての活動が基本で、AKB48専属メンバーだったわけではない。
Q4:渋谷凪咲はQueentetのメンバーだった?
A4:そのとおり。吉田朱里、太田夢莉、村瀬紗英、植村梓らとともに、NMB48発のユニットQueentetに参加していた。
Q5:渋谷凪咲はNSCに入学していた?
A5:NSCに入学したという経歴はない。中学生の頃に入学を考えていたほどのお笑い好きで、2017年にはR-1ぐらんぷりにも出場している。
Q6:渋谷凪咲の代表的な女優活動は?
A6:2024年の映画『あのコはだぁれ?』で映画初主演を務めたことが大きな転換点だ。同作での演技が評価され、2025年に第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
渋谷凪咲の芸能活動を振り返ると、NMB48時代から現在まで、常に新しい分野に挑戦してきたことが分かる。
2012年のNMB48加入から、てんとうむChu!、AKB48兼任、Queentet、R-1ぐらんぷりへの挑戦。そして2023年の卒業を経て、女優・モデル・タレントとして個人のキャリアを築いてきた。
特に大きな転機は、2024年の映画『あのコはだぁれ?』での初主演と、2025年の日本アカデミー賞新人俳優賞受賞だろう。
2026年には映画、Prime Video、地上波ドラマへの出演が続き、テレビやラジオでも活躍している。
今後の渋谷凪咲を見るうえで注目したい要点は、次の3つだ。
- バラエティで培ったトーク力をどこまで発展させるか。
- 映画やドラマで、これまでの明るいイメージを超える役柄に挑戦できるか。
- 『andGIRL』などのモデル活動を通じて、ファッション分野でどのような存在感を示すか。
中学生の頃にはNSCを目指し、R-1ぐらんぷりでは厳しい舞台を経験した渋谷凪咲。お笑いへの憧れを捨てることなく、アイドル、タレント、そして俳優へと活動の幅を広げてきた。
NMB48卒業はキャリアの終着点ではなく、新しい表現者としてのスタートだった。
2026年以降、バラエティで培った個性と俳優としての実績をどのように融合させていくのか。今後の出演作品や新たな挑戦にも期待が集まる。