この研究の正式な論文情報は次のとおりだ。
- 論文名: クマによる顔面外傷13症例の検討
- 英語タイトル: Thirteen cases of bear-inflicted injuries
- 発表年: 2018年
- 掲載誌: 『頭頸部外科』28巻2号、183~190ページ
- 研究機関: 秋田大学大学院医学系研究科
- 対象期間: 1995年~2017年
- 対象人数: 13人
- DOI: 10.5106/jjshns.28.183
研究を担当したのは、鈴木真輔氏、辻正博氏、椎名和弘氏、小谷野博正氏、小泉洸氏、川嵜洋平氏、佐藤輝幸氏、山田武千代氏の8人である。
主に耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座が診療を担当し、皮膚科学・形成外科学講座も研究に参加している。頭頸部外科と形成外科の専門性が組み合わさった研究である点も特徴だ。
研究対象となった患者の特徴13人の内訳は男性9人、女性4人。受傷時の平均年齢は68.6歳で、年齢範囲は47~84歳だった。
対象者は全員、秋田県内でクマに襲われたと推定される患者である。秋田県はツキノワグマの生息域に含まれるため、研究では13例すべてがツキノワグマによる被害と推測されている。
なお、この研究は1995年から2017年までに秋田大学の診療科で経験した症例を後ろ向きに分析したものだ。全国のクマ被害者全体を対象にした疫学調査ではない。
それでも、22年間にわたる臨床経験を整理し、顔面損傷の特徴から治療方法まで具体的に検討した点に医学的価値がある。
【2】13症例の損傷実態を徹底分析!顔面骨折・失明・出血性ショックの数字

この研究で最も注目すべきなのは、13例という比較的小規模な症例群のなかに、生命や視機能に関わる重篤な損傷が複数含まれていたことだ。
13症例の主な医学的所見| 調査項目 | 症例数・結果 | 医学的な意味 |
|---|---|---|
| 顔面外傷 | 13例 | 全患者に顔面損傷 |
| 顔面骨骨折 | 10例 | 骨格にも重大な損傷 |
| 頭蓋底骨折 | 1例 | 頭蓋内合併症を伴う重症例 |
| 片眼の失明 | 4例 | 眼球破裂・脱落など |
| 出血性ショック | 3例 | 大量出血による循環不全 |
| 上肢・体幹などの外傷 | 10例 | 顔面以外にも損傷が広がる |
| 四肢・体幹の骨折 | 3例 | 多発外傷への対応が必要 |
| 顔面・頭部の皮膚欠損 | 4例 | 外科的な組織再建が必要 |
| 死亡 | 0例 | 13例全員が救命された |
※各項目は重複している。例えば顔面骨折と出血性ショックを同時に認めた患者もいる。
顔面骨骨折は10例、鼻骨骨折が最多顔面骨骨折は13例中10例で確認された。
骨折部位の内訳は次のとおりだ。
- 鼻骨骨折:6例
- 頬骨骨折:3例
- 上顎骨骨折:1例
- 下顎骨骨折:2例
複数部位を同時に骨折した症例があるため、各部位の症例数を単純に合計することはできない。
特に鼻骨骨折の6例では、いずれも鼻腔に通じる開放性の裂創を伴っていた。
これは単なる打撲や皮膚表面の傷ではなく、骨と軟部組織が同時に損傷する複雑な外傷だったことを示している。
眼球損傷による片眼失明は4例見逃せないのが眼の損傷だ。
10例で眼瞼の裂創や脱落が認められ、そのうち4例では眼球の脱落または破裂によって片眼の視機能を失っていた。
顔面外傷では、皮膚や骨の損傷だけでなく、眼球、眼窩、眼瞼、視機能まで評価する必要がある。
外見上の傷の大きさだけで、損傷の深刻さを判断することはできない。
頭蓋底骨折・硬膜下血腫を伴った症例も13例のうち1例では、頭蓋底骨折に加えて髄液漏と硬膜下血腫が認められた。
頭蓋底骨折は、頭蓋骨の底部に生じる骨折であり、脳や周囲の組織にも影響する可能性がある。
このような症例では、顔面の創傷処置だけでは不十分だ。脳神経外科などとの連携を含めた治療が必要になる。
出血性ショックは3例、死亡例はなかった13例中3例が出血性ショックを合併していた。
出血性ショックとは、大量の血液を失うことで全身の臓器に十分な血液を供給できなくなる状態である。
研究では、輸血や昇圧剤などによる処置が行われ、3例はいずれも救命された。
この結果は、クマ外傷では顔面の裂創に対する処置と同時に、全身の循環状態を管理することが重要であると示している。
【3】なぜクマ外傷は顔面に集中する?受傷時期・場所・身体的特徴を検証
クマ外傷の特徴を理解するには、単に傷の種類を調べるだけでは足りない。どのような状況で被害が発生し、人体のどの部分が損傷しやすいのかを考える必要がある。
受傷は夏から秋に集中2018年の研究で報告された月別の受傷件数は次のとおりだ。
- 8月:5例
- 9月:3例
- 5月:2例
- 10月:2例
- 11月:1例
8月が最多で、夏から秋にかけて受傷が集中していた。
時間帯については、日の出から日没までに発生しており、朝7例、昼3例、夕方3例だった。
特に朝の時間帯に多かったことが特徴的だ。
山菜採りや農作業など、人間の屋外活動とクマの活動が重なることが背景の一つとして考えられる。
山林だけではない。住宅地や生活圏でも被害が発生この研究で重要なのは、クマとの遭遇が山林のなかだけで起きていたわけではないことだ。
受傷状況には次のようなものが含まれていた。
- 自宅敷地内や自宅に隣接する畑での作業
- 養鶏場での仕事
- 犬の散歩
- 山菜採り
- 林業作業
- 渓流釣り
研究の結果欄では、住宅地近辺などの生活圏での受傷が8例、山林での受傷が5例と分類されている。
この数字は、クマが生息する山に人間が入ることで発生する事故だけでなく、人間の生活圏にクマが出没することによる危険も存在することを示している。
なぜ顔面や頭頸部が重傷になりやすいのか論文では、クマが攻撃時に立ち上がり、相手の頭頸部を攻撃することが、顔面や頭部の損傷が多い理由の一つとして紹介されている。
クマの爪や牙による損傷は、単純な切り傷とは異なる。
皮膚の裂傷、筋肉や皮下組織の損傷、骨折、眼球損傷などが複合的に発生する可能性がある。
加えて、頭頸部は血管や気道、神経など重要な器官が集中している。
そのため、外傷の範囲が広い場合には、出血だけでなく呼吸や神経機能にも注意しなければならない。
顔面以外にも上肢・体幹の外傷が多い13例中10例では、頭頸部以外にも四肢や体幹の裂創などが確認された。
特に上肢の損傷が多く、鎖骨骨折、肘関節の開放骨折、肋骨骨折なども認められた。
研究で紹介された症例では、肩にできた直径約1cmの傷が、皮下でつながっていた。
また、体表に明らかな傷が見当たらないにもかかわらず、肋骨骨折と血気胸が見つかった患者もいた。
ここから導かれる医学的な教訓は明確だ。
クマ外傷では、目に見える傷の範囲と実際の組織損傷の範囲が一致するとは限らない。
顔面だけを診察して治療を終えるのではなく、頭部、胸部、腹部、上肢、下肢まで全身を確認する必要がある。
【4】クマ外傷の治療と初期対応!止血・気道確保から皮弁再建術まで
クマ外傷の治療では、救命を優先する初期対応と、損傷した組織の機能・形態を回復させる再建治療を区別して考える必要がある。
初期対応で優先されるのは生命維持クマ外傷では、顔面からの大量出血、気道閉塞、頭蓋内損傷、胸部外傷などが同時に発生する可能性がある。
そのため、医療機関では次のような観点から全身状態を評価する。
1. 気道が確保されているか
2. 呼吸状態に問題がないか
3. 大量出血や循環不全がないか
4. 意識状態や神経学的異常がないか
5. 胸部・腹部・四肢に隠れた外傷がないか
研究では、気道管理のために気管切開が実施された症例も報告されている。
これは、顔面の損傷や出血によって気道が狭くなる危険があったためだ。
出血性ショックを合併した3例については、輸血や昇圧剤などによる全身管理が行われた。
重要なのは、顔面の創傷を縫合することだけを治療の目標にしない点である。
創部の洗浄・デブリードマンと感染対策クマによる裂傷や咬傷では、土壌や動物由来の細菌などによる汚染にも注意が必要になる。
研究で行われた感染対策には、次のようなものが含まれていた。
- 創部の十分な洗浄
- デブリードマン(損傷・壊死した組織の除去)
- 抗菌薬の投与
- 破傷風トキソイドの投与
- 抗破傷風ヒト免疫グロブリンの投与
野生動物による外傷では、表面を閉じることだけでなく、内部の汚染や壊死組織を適切に処置する必要がある。
なお、具体的な抗菌薬や予防処置は、患者の状態、創傷の汚染度、既往歴などを踏まえて医師が判断する。
顔面皮膚欠損には皮弁再建術・植皮術この研究で特に注目されるのが、顔面や頭部の皮膚欠損に対する再建治療だ。
13例中4例では、顔面または頭部に広範囲な皮膚欠損が生じていた。
そのうち3例では局所皮弁による再建術、1例では腹部から採取した全層植皮が行われた。
皮弁再建術とは、血流を維持した皮膚や皮下組織などを移動させ、欠損した部分を覆う手術である。
一方、植皮術は身体の別の部位から皮膚を採取し、欠損部分に移植する方法だ。
どちらを選択するかは、欠損範囲、深さ、血流、周囲の組織の状態などによって異なる。
顔面の場合は、傷を覆うだけでなく、口や目の機能、表情、顔貌の維持も考慮しなければならない。
症例12:下顎骨と下口唇の欠損を局所皮弁で再建論文で紹介された症例12は、84歳の男性だった。
10月の朝、自宅のリンゴ畑でクマに襲われ、約4時間後に秋田大学の医療機関へ搬送された。
来院時には右下顎部から頸部にかけて重度の損傷があり、下顎骨の一部と下口唇、下顎部の皮膚が欠損していた。
加えて、肋骨骨折と血気胸も確認された。
救急部で胸腔ドレナージを受けた後、入院当日に全身麻酔下で緊急手術が行われた。
初期治療では、損傷部の組織が激しく挫滅していたため、まず可能な範囲で創部を処置・閉鎖した。
しかし、下口唇が欠損していたため、口を閉じることができず、経口摂取にも支障が生じていた。
そこで受傷から約2か月後、顔面の局所皮弁による下口唇再建が行われた。
その結果、口腔を閉じられるようになり、経口摂取が可能になった。
この症例は、クマ外傷の治療が救命だけで終わらないことを示している。
食事や会話といった日常生活の基本機能を取り戻すためにも、再建手術が大きな意味を持つ。
入院期間は平均50日。複数回の手術も必要13症例の入院期間は平均50日で、最短2日、最長185日だった。
また、7例では創部の処置や欠損部の形成などのため、退院までに複数回の手術を受けている。
平均手術回数は2回だった。
クマ外傷は初回の緊急手術で治療が完了するとは限らない。感染対策、組織の状態の確認、皮膚欠損の再建、機能回復など、段階的な治療が必要になる場合がある。
【5】2018年の研究から2026年へ。クマによる人身被害と医学研究の進展
2018年の臨床研究は、秋田県内で経験した13症例をまとめたものだが、クマによる人身被害そのものは、その後も社会的な課題となっている。
環境省の統計に見る人身被害の推移環境省の公表資料によると、2025年度のクマ類による人身被害は216件、被害者238人、死亡者13人だった。
また、2026年度は9月末までの速報値で64件、被害者68人、死亡者6人となっている。
| 年度・期間 | 人身被害件数 | 被害者数 | 死亡者数 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 198件 | 219人 | 6人 |
| 2024年度 | 82件 | 85人 | 3人 |
| 2025年度 | 216件 | 238人 | 13人 |
| 2026年度(9月末まで) | 64件 | 68人 | 6人 |
※2025年度は環境省公表の年度集計、2026年度は2026年10月14日更新の速報値。2026年度の数値は暫定値であり、今後変更される可能性がある。
2025年度は前年度から人身被害が大きく増加し、死亡者も13人に達した。
2026年11月5日時点で環境省が掲載している人身被害速報は9月末までの集計である。したがって、2026年度の被害状況を通年の確定値として扱うことはできない。
2023年には新潟大学から別のクマ外傷研究も発表2018年の秋田大学の研究に続き、2023年には新潟大学形成・再建外科の医師らによる「クマ外傷10例の検討」が日本形成外科学会会誌に掲載された。
この研究では、2016年1月から2020年12月までの10症例を後ろ向きに調査している。
主な結果は次のとおりだ。
- 男性8人、女性2人
- 平均年齢73歳
- 10月の午前中に受傷した症例が多い
- 人の生活圏での受傷が目立った
- 顔面を受傷した患者の半数以上に顔面骨骨折を認めた
- 全例で軟部組織損傷があり、即日再建手術を実施
- 全例に予防的抗菌薬を投与し、感染例は認めなかった
秋田大学の13症例と新潟大学の10症例は、対象期間も医療機関も異なる独立した研究だ。
しかし、両研究に共通するのは、顔面を中心とした複雑な外傷が多く、骨や軟部組織を含めた総合的な治療が必要になるという点である。
特に新潟大学の研究は、初期治療と再建手術を連続した治療過程として捉えるうえで参考になる。
2026年のクマ対策と医療体制を考える環境省は2026年にもクマ対策に関する情報を更新し、被害防止や自治体の対応に関する施策を進めている。
2026年3月にはクマ被害対策ロードマップも公表された。
こうした社会的な対策と並んで、医療面では救急搬送体制、外傷外科、形成外科、眼科、脳神経外科などの連携が欠かせない。
クマ被害の発生場所が人間の生活圏にも及んでいる以上、山林での事故だけを想定した医療体制では十分とはいえない。
【6】【プロの結論】13症例から読み解く、クマ外傷の本当の重症度と医療上の課題
2018年の研究から得られる最も重要な知見は、クマ外傷を単なる顔面の裂傷として扱ってはいけないということだ。
13例すべてに顔面外傷があり、10例に顔面骨骨折、4例に片眼の失明、3例に出血性ショックが認められた。
しかも、10例では顔面以外にも損傷が及んでいた。
これらの数字は、クマ外傷が顔面の形成外科的な問題だけでなく、救急医学、外傷外科、頭頸部外科、眼科、脳神経外科、整形外科などが関わる多発外傷であることを示している。
医学的に押さえておきたい3つの判断基準第一に、顔面の傷だけで重症度を判断しないこと。
皮膚の傷が小さく見えても、深部に広範囲の損傷が存在する可能性がある。頭部や胸部、四肢まで含めた全身評価が必要だ。
第二に、救命と機能回復を分けずに考えること。
出血や呼吸の問題を解決する初期治療は最優先だが、その後の視機能、口腔機能、顔面神経、皮膚欠損などへの対応も重要になる。
第三に、専門診療科の連携を早期から考えること。
クマ外傷では一つの診療科だけで対応できない症例がある。頭頸部外科、形成外科、救急科、眼科、脳神経外科などが損傷部位に応じて連携する必要がある。
この研究を読む際に知っておきたい限界13症例の研究は、重症度や治療の実際を理解するための貴重な臨床資料だ。
一方、単一施設の後ろ向き研究であり、対象人数も13人に限られる。受傷時期も1995~2017年と長く、当時の医療環境と2026年の医療環境が同一ではない。
したがって、13例の結果を全国のクマ被害者すべてに当てはめたり、顔面骨折や出血性ショックの発生率を一般化したりすることはできない。
また、研究で死亡例がなかったことも、クマ外傷が生命に関わらないことを意味しない。実際に3例で出血性ショックが発生している。
この研究の価値は、発生率を全国規模で推定することではなく、実際の患者にどのような損傷が起き、どのような治療が必要になったのかを具体的に記録した点にある。
【よくある質問(FAQ)】クマによる顔面外傷13症例の検討について
Q1:クマによる顔面外傷13症例の検討は何年に発表された研究ですか?
A1:2018年に日本頭頸部外科学会の学術誌『頭頸部外科』28巻2号に掲載された臨床研究です。秋田大学大学院医学系研究科の医師らが報告しました。
Q2:13症例のうち顔面骨骨折は何例ありましたか?
A2:13例中10例です。鼻骨骨折が6例、頬骨骨折が3例、上顎骨骨折が1例、下顎骨骨折が2例でした。複数部位の骨折を伴う症例があります。
Q3:クマ外傷による出血性ショックは何例でしたか?
A3:13例中3例です。輸血や昇圧剤などによる治療が行われ、研究対象の13例に死亡例はありませんでした。
Q4:皮弁再建術と植皮術はそれぞれ何例に実施されましたか?
A4:顔面・頭部に皮膚欠損があった4例のうち、3例に局所皮弁再建術、1例に腹部から採取した全層植皮が実施されました。
Q5:クマ外傷では顔面以外にも損傷が起きますか?
A5:起きます。研究では10例に頭頸部以外の損傷があり、特に上肢の外傷が多く確認されました。鎖骨骨折、肘関節の開放骨折、肋骨骨折なども報告されています。
Q6:クマに襲われた場合、最初に何をすべきですか?
A6:まず安全な場所へ避難し、直ちに119番へ通報してください。負傷している場合は、救急隊の到着を待ち、可能な範囲で出血を抑えながら呼吸や意識の状態を確認します。外見上の傷が小さくても、深部損傷や内出血の可能性があるため、医療機関での評価が必要です。
Q7:2023年にもクマ外傷に関する研究は発表されていますか?
A7:はい。新潟大学形成・再建外科の医師らが2023年に「クマ外傷10例の検討」を発表しています。2016~2020年の10症例を分析し、全例で軟部組織損傷があり、即日再建手術が実施されたことなどを報告しています。
「クマによる顔面外傷13症例の検討」は、2018年に秋田大学の医師らが発表した臨床研究であり、クマ外傷の重症度と治療の難しさを具体的に示した報告だ。
13例全員に顔面外傷があり、10例に顔面骨骨折、3例に出血性ショック、4例に片眼の失明が認められた。さらに4例では顔面・頭部の皮膚欠損に対する皮弁再建術や植皮術が必要になった。
特に重要なのは、顔面だけでなく、上肢や体幹、頭蓋内にまで損傷が及ぶ可能性があることだ。
2023年の新潟大学の研究も含め、複数の臨床報告からは、クマ外傷に対して迅速な救命処置と専門診療科の連携、そして長期的な機能・形態の再建が求められることが読み取れる。
2026年もクマによる人身被害は続いており、予防対策とともに、重症外傷に対応できる医療体制の整備が欠かせない。
この13症例の研究は、クマによる被害を単なる野生動物との遭遇事故として捉えるのではなく、救急医療と再建医療の両面から考える必要性を示す重要な臨床資料である。
主な参考資料
- 鈴木真輔ほか「クマによる顔面外傷13症例の検討」『頭頸部外科』2018年。
- 大滝真由子ほか「クマ外傷10例の検討」『日本形成外科学会会誌』2023年。
- 環境省「クマに関する各種情報・取組」「クマ類による人身被害について(速報値)」。
編集上の補足:記事中の研究結果は原著論文に基づき、2026年の被害統計は環境省の公表時点・集計期間を区別しています。