2026年11月現在、女子マラソンの日本記録は、天満屋所属の前田穂南選手が2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで樹立した2時間18分59秒です。2005年に野口みずき選手が記録した2時間19分12秒を13秒更新し、19年間破られなかった日本記録を塗り替えました。日本陸上競技連盟(日本陸連)の公表記録でも、前田選手が女子マラソンの日本記録保持者として掲載されています。
さらに2026年1月には、矢田みくに選手が大阪国際女子マラソンで2時間19分57秒をマーク。初マラソンで日本歴代6位に入り、日本記録まで58秒に迫りました。野口みずき選手、新谷仁美選手、高橋尚子選手らが築いてきた歴代記録に、2026年の新たな記録が加わっています。
【2026年最新】女子マラソン日本記録は前田穂南の2時間18分59秒

女子マラソンの日本記録は、2時間18分59秒です。保持者は岡山県を拠点とする実業団チーム・天満屋の前田穂南選手。2024年1月28日に開催された第43回大阪国際女子マラソンで達成しました。
日本陸連の公式選手プロフィールにも、この記録は日本記録・アジア記録として掲載されています。日本記録の認定情報でも、前田選手の2時間18分59秒が女子マラソンの日本記録として確認できます。
前田穂南の日本記録の基本データ- 選手名:前田穂南(まえだ・ほなみ)
- 所属:天満屋
- 生年月日:1996年7月17日
- 日本記録:2時間18分59秒
- 達成日:2024年1月28日
- 大会:第43回大阪国際女子マラソン
- 大会順位:2位、日本人1位
- 記録の位置づけ:日本記録・アジア記録
注目したいのは、前田選手が大会の優勝者ではなかったという点です。優勝したのはエチオピアのウォルケネシュ・エデサ選手で、記録は2時間18分51秒。前田選手はわずか8秒差の2位でフィニッシュしました。
つまり、世界の強豪と競り合うレースのなかで、日本選手として歴史的な記録を達成したのです。順位だけでは測れない価値が、この2時間18分59秒にはあります。
なお、日本陸連の公表する日本記録一覧では、マラソン(女子単独)の記録として前田選手のタイムが掲載されています。個人の自己ベスト、大会記録、世界記録とは区別して確認することが大切です。
【記録更新の経緯】2024年大阪国際女子マラソンで何が起きたのか
2024年1月28日、大阪市のヤンマースタジアム長居を発着点として開催された第43回大阪国際女子マラソン。国内の有力選手がパリ五輪の代表選考を意識して集まったこの大会で、前田穂南選手が日本陸上界の歴史を動かしました。
19年間続いた野口みずきの記録を13秒更新それまでの日本記録は、2005年9月25日のベルリンマラソンで野口みずき選手が樹立した2時間19分12秒でした。
野口選手はアテネ五輪の女子マラソン金メダリスト。五輪での実績とともに、長年にわたり日本女子マラソンを代表する存在でした。その記録は、国内のトップランナーにとっても高い壁として残り続けていました。
前田選手は2024年の大阪で2時間18分59秒を記録し、野口選手のタイムを13秒短縮。2005年から続いた日本記録を19年ぶりに更新しました。
20km過ぎのスパートが記録への転機に日本陸連が大会後に公開した前田選手のコメントによると、レースでは15km付近まで我慢し、その後、自分の身体が動くタイミングでペースを上げる意識を持っていました。
本人は20kmを過ぎてからのスパートについて、次のように振り返っています。
「日本記録を出したい思いがあったので、身体が動いたら行こうと決めていました」
記録を狙う明確な意思と、当日の身体の状態を見極める判断が重なった場面でした。
レース終盤には風が強まり、雨も降る厳しい状況になりました。前田選手自身も足が止まりそうな感覚があったと明かしています。それでも、積み重ねてきた練習を信じ、最後まで走り抜きました。
高地トレーニングと継続的な練習が土台に前田選手の記録更新を支えた背景には、準備段階でのトレーニングがあります。
本人は、高地合宿で速いペースの距離走や変化走に取り組んだことが自信につながったと説明しています。練習を継続できたことも、自己ベスト更新の大きな要因として挙げました。
武冨豊監督も、従来の練習より設定タイムを引き上げ、15kmまでは我慢して、その後は選手自身が動けるタイミングでペースを変えるというレースプランを採用したことを明かしています。
さらに監督は、野口みずき選手が取り組んでいたトレーニングを参考にし、高地で40km走や30kmの変化走を実施したことにも触れています。
歴代日本記録保持者のトレーニングを研究しながら、現代の選手に合わせた練習へと発展させた点も興味深いところです。
大阪陸上競技協会と日本陸連の大会報告でも、前田選手の記録は日本記録・アジア記録の更新として扱われました。記録だけでなく、その達成までの準備とレース判断にも注目が集まった大会でした。
【日本歴代記録ランキング】野口みずき・新谷仁美・矢田みくにの順位は?
女子マラソンの日本歴代記録を見ると、2000年代から2020年代にかけて、国内トップランナーが少しずつ記録を引き上げてきたことが分かります。
2026年の記録を含む日本歴代上位10人を、記録達成日と大会名とともに整理しました。記録の比較には、月刊陸上競技のランキング資料などを参考にしています。
女子マラソン日本歴代トップ10| 順位 | 選手名 | 記録 | 達成大会・年月日 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 前田穂南 | 2:18:59 | 大阪国際女子・2024年1月28日 |
| 2位 | 野口みずき | 2:19:12 | ベルリン・2005年9月25日 |
| 3位 | 新谷仁美 | 2:19:24 | ヒューストン・2023年1月15日 |
| 4位 | 渋井陽子 | 2:19:41 | ベルリン・2004年9月26日 |
| 5位 | 高橋尚子 | 2:19:46 | ベルリン・2001年9月30日 |
| 6位 | 矢田みくに | 2:19:57 | 大阪国際女子・2026年1月25日 |
| 7位 | 一山麻緒 | 2:20:29 | 名古屋ウィメンズ・2020年3月8日 |
| 8位 | 細田あい | 2:20:31 | ベルリン・2024年9月29日 |
| 9位 | 松田瑞生 | 2:20:42 | ベルリン・2024年9月29日 |
| 10位 | 佐藤早也伽 | 2:20:59 | 名古屋ウィメンズ・2025年3月9日 |
出典:月刊陸上競技「2026日本最新ランキング」、日本歴代パフォーマンス資料。2026年の大会結果を反映したランキング。記録は時・分・秒表記。
歴代記録を動かした4人の選手高橋尚子:2時間19分46秒
高橋尚子選手は2001年9月のベルリンマラソンで2時間19分46秒を記録しました。シドニー五輪女子マラソン金メダリストとして知られ、日本女子マラソンの国際的な評価を高めた代表的な選手です。
渋井陽子:2時間19分41秒
渋井陽子選手は2004年9月のベルリンマラソンで2時間19分41秒をマーク。高橋選手の記録を5秒更新し、日本女子マラソンのトップレベルがさらに上がったことを示しました。
野口みずき:2時間19分12秒
野口みずき選手は2005年9月のベルリンマラソンで2時間19分12秒を記録しました。高橋選手、渋井選手に続く記録更新で、女子マラソンの日本記録をさらに29秒短縮。その後、2024年まで19年間にわたって保持しました。
2004年のアテネ五輪では金メダルを獲得。記録と国際大会での実績の両面で、日本女子マラソン史に残る存在です。
新谷仁美:2時間19分24秒
新谷仁美選手は2023年1月15日のヒューストンマラソンで2時間19分24秒を記録しました。野口選手の日本記録には12秒届きませんでしたが、日本歴代3位に入る好記録です。
この記録が生まれたのは2023年。前田選手が日本記録を更新する前年であり、国内女子マラソンの競技水準が再び高まっていた時期でもありました。
こうして振り返ると、日本記録の更新は一人の選手だけで成し遂げられたものではありません。高橋選手、渋井選手、野口選手、新谷選手らが築いた水準が、次の世代の挑戦を後押ししてきたのです。
【2026年最新ランキング】矢田みくにが日本歴代6位に浮上
2026年の女子マラソンで最も大きな話題となったのが、矢田みくに選手の2時間19分57秒です。
2026年1月25日の第45回大阪国際女子マラソンで、初マラソンながら日本人トップの4位に入り、日本歴代6位の記録を達成しました。日本記録の2時間18分59秒との差は58秒です。
矢田みくには初マラソンで2時間19分台矢田選手はエディオン所属。2025年の東京世界選手権では1万メートルの日本代表として出場した実績を持ちます。
大阪国際女子マラソンでは、終盤まで海外の強豪選手と競り合い、初めての42.195kmを2時間19分57秒で走り切りました。
大会ではウガンダのステラ・チェサン選手が2時間19分31秒で優勝。矢田選手は全体4位でしたが、日本人選手として最上位となりました。
特に注目すべきなのは、初マラソンで日本歴代6位に入ったことです。トラック競技で培ってきたスピードを、長距離ロードレースに生かせる可能性を示した結果でもあります。
2026年の女子マラソン日本選手ランキング上位10人2026年のシーズンランキングは、選手の自己ベストを並べた歴代ランキングとは異なり、その年に記録したタイムを比較するものです。
月刊陸上競技の2026年最新ランキング掲載値では、次の選手が上位に入っています。
- 1位:矢田みくに 2時間19分57秒(1月25日)
- 2位:佐藤早也伽 2時間21分56秒(3月8日)
- 3位:加世田梨花 2時間22分53秒(3月8日)
- 4位:上杉真穂 2時間23分07秒(1月25日)
- 5位:赤﨑優花 2時間23分18秒(10月11日)
- 6位:細田あい 2時間23分39秒(3月1日)
- 7位:大森菜月 2時間23分45秒(3月8日)
- 8位:新谷仁美 2時間24分14秒(8月30日)
- 9位:川内理江 2時間24分16秒(1月25日)
- 10位:信櫻空 2時間24分34秒(3月8日)
このランキングから分かるのは、2026年の日本女子マラソンが矢田選手だけに依存しているわけではないということです。
佐藤選手、加世田選手、上杉選手など、2時間20分台前半から2時間23分台の選手が複数存在しています。加えて、2026年の記録を更新した選手がシーズン後半にも登場しており、年間を通じて競争が続いています。
日本記録更新に最も近い選手は誰か現時点で、日本記録に最も近い自己ベストを持つ現役世代の注目選手は矢田みくに選手です。
2時間19分57秒は、前田選手の記録との差が58秒。42.195kmを平均して考えると、1kmあたり約1.4秒の短縮に相当します。
ただし、記録を更新するには、単に速いペースを維持するだけでは足りません。気象条件、コース、レース展開、ペースメーカーとの関係、終盤のエネルギー管理など、複数の要素がかみ合う必要があります。
佐藤選手や加世田選手も2026年に安定した記録を残しており、今後の国内主要大会での走りが注目されます。
【世界記録との比較】日本女子マラソンは世界のどこにいる?
前田穂南選手の2時間18分59秒は日本女子マラソンの最高記録ですが、世界のトップレベルと比較すると、まだ記録を縮める余地があります。
ただし、女子マラソンには男女混合レースの世界記録と、女子選手だけで競うレースの世界記録があります。この2つは別のカテゴリーとして扱う必要があります。
女子マラソンの世界記録は2時間09分56秒男女混合レースでの女子マラソン世界記録は、ケニアのルース・チェプンゲティッチ選手が2024年10月13日のシカゴマラソンで樹立した2時間09分56秒です。
一方、女子選手だけが出場するレースの世界記録は、エチオピアのティギスト・アセファ選手が2026年4月26日のロンドンマラソンで記録した2時間15分41秒です。2025年に自身が樹立した2時間15分50秒をさらに9秒更新しました。
日本記録と世界記録のタイム差- 日本記録:2時間18分59秒(前田穂南)
- 女子単独レース世界記録:2時間15分41秒(ティギスト・アセファ)
- 男女混合レース世界記録:2時間09分56秒(ルース・チェプンゲティッチ)
日本記録と女子単独レースの世界記録との差は3分18秒です。
世界記録との差を考える際に大切なのは、同じ条件の記録を比較することです。男女混合レースでは男性ペースメーカーの活用など、女子単独レースとは異なる競技環境があります。そのため、日本記録と男女混合世界記録の差だけで競技力を評価するのは適切ではありません。
女子単独レースの世界記録と比較すれば、前田選手の2時間18分59秒が世界トップクラスに近い水準にあることが分かります。同時に、世界では2時間15分台まで記録が進んでいるという事実も見逃せません。
【日本陸連の公認記録とは】日本記録と自己ベストを間違えないための基準
女子マラソンのランキングを見る際には、日本記録、自己ベスト、シーズンランキング、大会記録という4つの言葉を区別する必要があります。
日本記録と自己ベストは何が違う?日本記録とは、日本陸上競技連盟などの定める認定条件を満たした記録のうち、日本の最高記録として認められたものです。
自己ベストは、選手本人がこれまでに出した最速タイムです。必ずしも日本記録である必要はありません。
シーズンランキングは、その年に出した記録を比較した順位です。過去の自己ベストより遅いタイムでも、当年のランキングには掲載されます。
大会記録は、特定の大会で過去に出された最速タイムです。大会記録と日本記録が同じとは限りません。
日本陸連の公認日本記録を確認するメリットインターネット上には、選手の自己ベストをまとめたランキングや、特定の大会だけを対象にした記録一覧が数多くあります。
しかし、日本記録を正確に知りたい場合には、日本陸連の公式記録一覧を確認するのが基本です。選手プロフィールには、自己ベストや記録達成大会、代表歴なども掲載されています。
特に女子マラソンでは、女子単独レースと男女混合レースの区分が比較に影響するため、記録の認定条件を確認することが大切です。
今後の日本記録更新に向けて注目したいポイント今後、日本記録の更新を期待するうえで注目したい要点は3つあります。
- 30km以降の持久力:マラソンでは終盤の失速をどれだけ抑えられるかが重要です。
- 高地トレーニングとスピード持久力:前田選手の実績からも、長距離を速いペースで走る練習や変化走の重要性がうかがえます。
- レース環境:気温、風、雨、コースの起伏、ペースメーカーの設定などが記録に影響します。
前田選手の日本記録は、本人の能力だけでなく、継続的な練習、監督のレース設計、当日の状況判断が重なって生まれました。次の日本記録保持者が現れるかどうかを考える際にも、こうした複数の要素を見ていく必要があります。
【女子マラソン日本記録】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:女子マラソンの日本記録は現在何時間何分ですか?
A1:2026年11月現在、前田穂南選手の2時間18分59秒です。2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで達成されました。
Q2:女子マラソンの日本記録を持っている選手は誰ですか?
A2:天満屋所属の前田穂南選手です。2024年に野口みずき選手が19年間保持していた2時間19分12秒を13秒更新しました。
Q3:矢田みくに選手の日本歴代順位は何位ですか?
A3:2026年1月25日の大阪国際女子マラソンで2時間19分57秒を記録し、日本歴代6位に入りました。初マラソンでの記録としても日本最高です。
Q4:女子マラソンの世界記録は何時間何分ですか?
A4:男女混合レースではルース・チェプンゲティッチ選手の2時間09分56秒、女子単独レースではティギスト・アセファ選手の2時間15分41秒です。比較する際にはレースの区分に注意してください。
Q5:野口みずき選手の日本記録は何時間何分でしたか?
A5:2時間19分12秒です。2005年9月25日のベルリンマラソンで樹立され、2024年1月に前田穂南選手が更新するまで19年間、日本記録として残っていました。
Q6:新谷仁美選手の女子マラソン自己ベストは何時間何分ですか?
A6:2時間19分24秒です。2023年1月15日のヒューストンマラソンで記録し、日本歴代3位に位置しています。
2026年11月現在、女子マラソンの日本記録は前田穂南選手の2時間18分59秒です。2024年1月の大阪国際女子マラソンで、野口みずき選手が2005年から守ってきた記録を19年ぶりに更新しました。
その後、2026年1月には矢田みくに選手が2時間19分57秒をマークし、日本歴代6位に浮上。初マラソンで日本記録まで58秒に迫る走りを見せました。
日本女子マラソンの歴史を振り返れば、高橋尚子選手、渋井陽子選手、野口みずき選手、新谷仁美選手、前田穂南選手と、世代を超えて記録を積み重ねてきた選手たちがいます。
2026年は矢田選手を筆頭に、佐藤早也伽選手、加世田梨花選手、細田あい選手らも好記録を残しています。次の日本記録更新が誰の手によって実現するのか、今後の大阪国際女子マラソンや名古屋ウィメンズマラソンなど、主要大会での競争から目が離せません。
日本記録だけを見るのではなく、歴代順位、シーズンベスト、女子単独レースの世界記録を合わせて確認すること。それが、女子マラソンの進化を正しく理解するためのポイントです。
主な事実確認資料
- 日本陸上競技連盟:日本記録一覧・前田穂南選手公式プロフィール
- 日本陸上競技連盟:2024年大阪国際女子マラソン後の前田選手・武冨監督コメント
- 大阪国際女子マラソン:2024年・2026年大会公式記録
- 月刊陸上競技:2026年日本最新ランキング・女子マラソン日本歴代記録
- 日本オリンピック委員会:2026年1月25日、矢田みくに選手の大会結果
- World Athletics:女子マラソン世界記録・2026年最新記録資料