2026年11月現在、北海道最賃(北海道最低賃金)は、2026年10月1日から時給1,131円に改定されています。2025年度の1,075円から56円の引き上げとなり、北海道で働くパート、アルバイト、学生、契約社員など、幅広い労働者の賃金に関係する変更です。
今回の改定で気になるのは、時給1,131円が月収にするといくらになるのか、パートやアルバイトにも必ず適用されるのかという点でしょう。加えて、2026年12月1日には北海道の一部産業で特定最低賃金も改定されます。地域別最低賃金との違いや、給与が最低賃金を下回っている場合の相談先まで、北海道労働局と厚生労働省の公表情報をもとに整理します。
【2026年最新】北海道最賃は1,131円!56円引き上げの内容と発効日

2026年度の北海道最低賃金は、時間額1,131円です。発効日は2026年10月1日であり、同日以降に北海道内の事業場で働いた労働時間について、新しい最低賃金が適用されています。
前年の最低賃金は1,075円でした。今回の改定では56円引き上げられ、上昇率は約5.2%です。単純に時給だけを見ると56円の違いですが、月間の勤務時間が長い人ほど、年間で受け取る賃金への影響も大きくなります。
2025年と2026年の北海道最低賃金を比較改定前後の金額を比較すると、次のとおりです。
- 2025年度:時給1,075円
- 2026年度:時給1,131円
- 引き上げ額:56円
- 改定後の発効日:2026年10月1日
- 引き上げ率:約5.2%
2026年9月30日までは1,075円が適用され、10月1日から1,131円に切り替わりました。求人票や雇用契約書に以前の時給が記載されていても、10月1日以降の労働については改定後の最低賃金を満たす必要があります。
北海道労働局による決定までの経緯今回の引き上げは、北海道地方最低賃金審議会での審議を経て決定されました。
北海道労働局の公表資料によると、2026年7月1日に改正の諮問が行われ、8月4日には専門部会が時給1,131円への56円引き上げを全会一致で決定しました。
その後、8月5日に答申書が北海道労働局長へ手交され、8月21日の異議申出に関する審議を経て、9月1日に官報で正式に公示されています。
厚生労働省が発表した2026年度の全国改定状況では、地域別最低賃金の全国加重平均額も1,177円となりました。全国平均で56円の引き上げとなり、北海道の改定も全国的な賃金引き上げの動きの一つです。
【パート・アルバイトも対象】北海道最低賃金が適用される人と注意点
北海道最低賃金は、正社員だけを対象にした制度ではありません。北海道内の事業場で働く労働者に対して、雇用形態や働く時間の長さにかかわらず、原則として適用されます。
そのため、普段の勤務が週数時間だけの人や、学校に通いながら働いている学生も対象です。
最低賃金が適用される主な労働者- 正社員・正規雇用の従業員
- パートタイム労働者
- アルバイト・学生アルバイト
- 契約社員・嘱託社員
- 臨時的に雇用される労働者
- 派遣労働者
- 試用期間中の労働者
例えば、札幌市内の飲食店で働く学生アルバイトが時給1,100円で契約していた場合、2026年10月1日以降の勤務については、原則として最低賃金を下回ります。学生であることや、勤務時間が短いことを理由に1,100円のまま雇用することは認められません。
また、試用期間や研修期間中だからという理由だけで最低賃金を下回る時給を設定することもできません。個別に法令上の減額特例許可を受けている場合などは別ですが、通常の採用・研修では1,131円以上が必要です。
派遣社員は派遣元ではなく派遣先の最低賃金を確認派遣労働者の場合、適用される最低賃金は派遣元企業の所在地ではなく、実際に働く派遣先の事業場がある地域のものです。
例えば、派遣会社が道外にあっても、勤務先が北海道内であれば、北海道の最低賃金が適用されます。派遣会社との契約時には、派遣先の所在地と適用される最低賃金を確認しておくと安心です。
最低賃金が適用されないケースはある?最低賃金制度には、法律上の適用除外や、都道府県労働局長の許可を受けた場合の減額特例があります。
例えば、同居の親族のみを使用する事業などでは、労働者に該当するかどうかが問題になる場合があります。また、一定の条件に該当する労働者について、個別の減額特例許可が認められる制度もあります。
ただし、会社が独自に「学生だから」「新人だから」「仕事を覚えていないから」と判断して最低賃金を引き下げられるわけではありません。
【比較表】地域別最低賃金と特定最低賃金の違い!12月1日の改定にも注目
北海道の最低賃金を確認するとき、特に注意したいのが「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の違いです。
一般的に北海道最賃として知られている1,131円は、地域別最低賃金です。一方、特定最低賃金は、特定の産業に従事する基幹的労働者などを対象に、産業ごとに設定される最低賃金です。
2種類の最低賃金は何が違う?両者の大きな違いは、適用される範囲です。
地域別最低賃金は、都道府県内の事業場で働く労働者全般を対象としています。特定最低賃金は、特定の産業と対象となる労働者に限定して適用されます。
両方が適用される場合には、原則として金額の高い方を支払わなければなりません。したがって、特定最低賃金が地域別最低賃金より高い場合は、産業別の金額が基準になります。
2026年12月1日から北海道の特定最低賃金も改定北海道労働局は、2026年12月1日から4つの産業分野における特定最低賃金を改定すると公表しています。
改定後の金額は次のとおりです。
| 最低賃金の区分・産業 | 適用対象 | 発効日 | 改定後の時給 |
|---|---|---|---|
| 北海道の地域別最低賃金 | 北海道内の事業場で働く労働者全般 | 2026年10月1日 | 1,131円 |
| 処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業 | 対象産業の基幹的労働者など | 2026年12月1日 | 1,160円 |
| 鉄鋼業 | 対象産業の基幹的労働者など | 2026年12月1日 | 1,221円 |
| 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 | 対象産業の基幹的労働者など | 2026年12月1日 | 1,174円 |
| 船舶製造・修理業、船体ブロック製造業 | 対象産業の基幹的労働者など | 2026年12月1日 | 1,162円 |
特定最低賃金の引き上げ額は、乳製品などの製造業が47円、鉄鋼業が56円、電子部品などの製造業が58円、船舶製造・修理業などが57円です。
特に鉄鋼業の1,221円は、地域別最低賃金の1,131円より90円高い水準です。
12月1日以降は全員が1,221円になるわけではないここで誤解しやすいのが、特定最低賃金の対象となる事業所で働いていれば、全従業員に産業別の金額が適用されるというわけではない点です。
特定最低賃金は、対象となる産業の基幹的労働者などに適用されます。年齢や担当業務、雇用後の期間などによって適用除外が設けられている場合もあります。
そのため、勤務先の業種だけで判断するのではなく、自分の仕事内容が特定最低賃金の対象に該当するかを確認する必要があります。
対象外であれば、基本的には地域別最低賃金の1,131円が基準です。対象者であれば、地域別最低賃金と特定最低賃金を比較し、高い方が適用されます。
【月収はいくら?】北海道最低賃金1,131円を月給換算してみた
時給1,131円と聞いても、実際の生活にどの程度影響するのかは分かりにくいものです。そこで、北海道最低賃金をもとに、勤務時間別の月収目安を計算します。
週20時間・30時間・40時間で計算した月収週ごとの勤務時間が一定で、年間52週働くと仮定した場合、月平均の労働時間は次のように計算できます。
月収目安=時給1,131円×週の労働時間×52週÷12か月
- 週20時間勤務:月収約98,020円
- 週30時間勤務:月収約147,030円
- 週40時間勤務:月収約196,040円
これは税金や社会保険料を差し引く前の概算額です。実際の月収は勤務日数、シフト、休暇、所定労働時間などによって変わります。
2025年と比べて月収はどのくらい増える?前年の時給1,075円と比較すると、1時間当たり56円の増加です。週の勤務時間が同じであれば、月収の増加額は次のようになります。
- 週20時間:月額約4,853円増
- 週30時間:月額約7,280円増
- 週40時間:月額約9,707円増
週40時間勤務の場合、年間では約116,480円の増収に相当します。ただし、これは勤務時間が変わらず、すべての労働時間に56円の引き上げが反映されると仮定した計算です。
月給制の正社員はどうやって最低賃金を確認する?最低賃金は時給で公表されていますが、月給制の従業員にも適用されます。月給制の場合は、毎月の賃金を月平均所定労働時間で割り、時間額に換算して比較します。
月給制の計算式:
最低賃金の対象となる月給額 ÷ 1か月平均所定労働時間 = 時間換算額
例えば、月平均所定労働時間が160時間の場合、北海道最低賃金1,131円を満たすために必要な月額は次のとおりです。
1,131円×160時間=180,960円
したがって、この条件で最低賃金の対象となる月給額が180,960円を下回っていれば、最低賃金を満たしていない可能性があります。
月平均所定労働時間が約173.33時間の場合は、必要な金額は約196,040円です。
注意したいのは、実際の月給額すべてを計算に含めるわけではないことです。厚生労働省の計算方法では、最低賃金の対象から除外される賃金を差し引いてから時間額に換算します。
最低賃金の計算に含まれない手当最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。以下の賃金は原則として計算から除外します。
- 通勤手当
- 家族手当
- 精皆勤手当
- 賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
- 結婚手当など臨時に支払われる賃金
- 時間外労働に対する割増賃金
- 休日労働に対する割増賃金
- 深夜労働の割増部分
例えば、基本給が17万円で通勤手当が1万円、残業代が2万円の場合、合計19万円をそのまま最低賃金の計算に使うことはできません。除外対象の手当を差し引き、所定労働時間に対応する賃金で比較する必要があります。
月給制の人は、給与明細だけで判断せず、雇用契約書や就業規則に記載された所定労働時間も確認しましょう。
【最低賃金を下回っている?】確認方法と北海道の相談先
2026年10月1日以降も時給1,131円未満で働いている場合は、給与明細や雇用契約書を確認してください。単純な表示ミスや給与計算の遅れではなく、実際に最低賃金を下回っている場合は、法律上の問題になる可能性があります。
最低賃金違反かどうかを確認する4つのポイント1.勤務先の所在地を確認する
最低賃金は原則として勤務先の事業場がある地域によって決まります。北海道内の事業場で働いているなら、北海道の地域別最低賃金を確認します。
2.実際の時給を確認する
給与明細を確認し、基本給や対象となる手当を所定労働時間で割ってください。通勤手当や残業代など、最低賃金の計算に含まれない金額を加算して判断しないことが大切です。
3.特定最低賃金の対象か確認する
勤務先が鉄鋼業や乳製品製造業などに該当する場合は、2026年12月1日から適用される特定最低賃金も確認しましょう。
4.発効日と勤務日を照合する
最低賃金の改定日が給与計算期間の途中にある場合でも、発効日以降の労働時間には新しい金額が適用されます。10月1日以降の勤務分について、旧時給のまま計算されていないか確認してください。
北海道最低賃金の違反を相談できる窓口給与が最低賃金を下回っている疑いがある場合、相談先として最も重要なのが北海道労働局と管轄の労働基準監督署です。
北海道労働局 労働基準部 賃金室
- 電話番号:011-709-2311
- 内線:3533
- 相談内容:北海道の最低賃金、改定額、適用対象、賃金計算など
また、実際の賃金未払いなど、個別の労働条件に関する問題は、勤務先を管轄する労働基準監督署でも相談できます。
例えば、札幌市内の一部地域を管轄する札幌中央労働基準監督署では、労働条件・解雇・賃金に関する相談を電話011-737-1191で受け付けています。管轄は事業場の所在地によって異なるため、最寄りの監督署を確認してください。
職場でのトラブルや労働条件の引き下げなど、総合的な労働相談については、北海道労働局総合労働相談コーナー(011-707-2700)も相談先になります。
相談前に準備しておきたい資料相談をスムーズに進めるためには、以下の資料を手元に用意しておくと便利です。
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 直近数か月分の給与明細
- タイムカードや出勤記録
- シフト表や勤務時間の記録
- 就業規則や賃金規程
最低賃金より低い賃金で契約していたとしても、労働者と使用者が合意していれば有効になるわけではありません。最低賃金に達しない部分の契約は法律上無効となり、最低賃金額と同じ定めをしたものとみなされます。
また、実際に最低賃金未満の賃金しか支払われていなかった場合、使用者には不足額を支払う義務があります。地域別最低賃金に違反した場合は、最低賃金法により50万円以下の罰金が定められています。
【プロの結論】北海道最賃で本当に確認すべき3つの判断基準
2026年の北海道最低賃金改定で、働く人が押さえておくべき要点は、単に時給が56円上がったという事実だけではありません。
実際の賃金を正しく判断するには、地域、産業、労働時間という3つの視点が必要です。
判断基準1:勤務先の所在地で最低賃金を決める最低賃金は、原則として働く事業場の所在地を基準に確認します。北海道内で勤務する人は、北海道最低賃金1,131円を基本に考えます。
企業の本社が東京や大阪にあっても、北海道の事業場で働いていれば、北海道の地域別最低賃金が適用されます。
判断基準2:産業によっては1,131円以上が必要2026年12月1日以降は、特定最低賃金の対象となる産業で働く人は、さらに高い最低賃金が適用される場合があります。
特に鉄鋼業の1,221円など、地域別最低賃金との間に大きな差が生まれる業種もあります。勤務先の業種だけでなく、担当する仕事が対象に該当するかを確認してください。
判断基準3:月給ではなく時間額に換算して判断する月給が20万円あるから最低賃金を満たしている、あるいは月給が18万円だから違反しているといった判断は正確ではありません。
所定労働時間が何時間なのか、通勤手当や残業代などの除外賃金が含まれていないかを確認し、時間額に換算することが必要です。
働く側にとっては、給与明細を見て実際の時間換算額を確認することが、賃金の適正性を判断する最も確実な方法です。
一方、事業主側にとっても、最低賃金の改定に合わせて雇用契約書や給与規程、求人票を更新することが欠かせません。厚生労働省では、賃金引き上げに取り組む中小企業向けに業務改善助成金などの支援策も案内しています。
北海道最賃に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の北海道最低賃金はいくらですか?
A1:2026年10月1日から時給1,131円です。2025年度の1,075円から56円引き上げられました。
Q2:北海道の最低賃金1,131円は高校生や大学生のアルバイトにも適用されますか?
A2:原則として適用されます。高校生や大学生などの学生アルバイトも、北海道内の事業場で働く労働者であれば対象です。学生だからという理由で最低賃金を下回る時給にすることはできません。
Q3:北海道の最低賃金は月給にするといくらですか?
A3:月平均所定労働時間が160時間の場合、最低賃金の対象となる月給額は180,960円です。月平均所定労働時間が約173.33時間なら約196,040円となります。実際の基準額は勤務先の所定労働時間によって変わります。
Q4:北海道の特定最低賃金は2026年12月1日からどう変わりますか?
A4:4つの産業分野で改定されます。乳製品などの製造業は1,160円、鉄鋼業は1,221円、電子部品などの製造業は1,174円、船舶製造・修理業などは1,162円です。対象となる基幹的労働者などに適用されます。
Q5:最低賃金を下回る時給で働いていた場合はどうすればよいですか?
A5:まず給与明細や雇用契約書、勤務記録を確認してください。そのうえで、北海道労働局労働基準部賃金室(011-709-2311、内線3533)や管轄の労働基準監督署に相談できます。最低賃金未満の賃金しか支払われていない場合、使用者には不足額を支払う義務があります。
2026年11月現在、北海道最低賃金は10月1日から時給1,131円に改定されています。前年の1,075円から56円の引き上げとなり、北海道内で働くパートやアルバイト、学生、正社員など、原則として幅広い労働者が対象です。
加えて、2026年12月1日には北海道の4つの産業分野で特定最低賃金が改定されます。対象となる労働者は、地域別最低賃金より高い産業別の最低賃金を確認する必要があります。
月給制の人は、基本給や対象となる手当を月平均所定労働時間で割り、時間額に換算することが大切です。通勤手当や残業代などを含めて判断しないよう注意しましょう。
自分の時給が最低賃金を下回っている可能性がある場合は、給与明細と勤務記録を確認し、北海道労働局や労働基準監督署に相談してください。2026年度の改定を正しく理解し、適正な賃金が支払われているかを確認することが、安心して働くための第一歩です。
主な根拠資料: 北海道労働局の2026年度最低賃金公示・特定最低賃金改定資料、厚生労働省の地域別最低賃金全国一覧、最低賃金制度・月給換算方法・相談窓口の公式資料を参照しています。