NHK版『大奥』は、2023年に放送された全21回の連続ドラマです。前半の10回とSeason2の11回で構成され、江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代から幕末の江戸城無血開城までを描いています。
放送スケジュールは次のとおりです。
- 第1シリーズ: 2023年1月10日~3月14日(全10回)
- Season2: 2023年10月3日~12月12日(全11回)
- Season2・医療編: 第11回~第15回
- Season2・幕末編: 第16回~第21回
制作はNHK、原作は白泉社の漫画『大奥』、脚本は森下佳子です。
第1シリーズでは、家光・綱吉・吉宗の3つの時代を中心に、男女逆転の社会がどのように成立し、変化していったのかが描かれます。
一方、Season2は吉宗の遺志を引き継ぐ医師たちの挑戦から始まり、最終的には幕末の政治的混乱と大奥の終焉にたどり着きます。
NHKグループの公式作品情報でも、Season2が医療編と幕末編の2部構成であること、全21回のうち後半11回を収録していることが確認できます。
【家光・綱吉・吉宗編】主要キャストと役名を徹底紹介

第1シリーズの見どころは、将軍ごとに異なる人間関係と、大奥をめぐる権力争いです。
同じ男女逆転の世界でも、家光編は愛と再生、綱吉編は権力と孤独、吉宗編は政治改革と歴史の解明という異なるテーマが際立っています。
1.三代将軍・徳川家光編
徳川家光/千恵:堀田真由
本来の家光が赤面疱瘡によって亡くなった後、家光の名を継ぐことになる千恵を演じます。複雑な生い立ちから心を閉ざしていた人物が、有功との出会いによって変化していく姿が物語の中心です。
万里小路有功:福士蒼汰
公家出身の僧侶。春日局の策略によって還俗させられ、大奥へ入ります。家光との関係を通じて大奥総取締となり、組織の基盤を築いていく重要人物です。
春日局:斉藤由貴
家光の乳母で、幕府と徳川家の存続を第一に考える人物。強い政治力と判断力で大奥を動かします。有功を大奥へ迎える策略も、物語を大きく動かす要因です。
家光編の見どころは、単純な恋愛物語ではないところにあります。
千恵は将軍としての役割を背負い、有功は僧侶としての立場を失いながらも彼女を支えます。春日局は個人の幸福よりも徳川家の存続を優先するため、3人の思惑が複雑に交差します。
2.五代将軍・徳川綱吉編
徳川綱吉:仲里依紗
美貌と教養を備え、政治にも積極的な五代将軍。将軍としての権威を高めようとする一方、徳川家の後継者を残すという重圧にも苦しみます。
右衛門佐:山本耕史
京の公家出身で、知性と野心を持つ人物。有功以来、空席となっていた大奥総取締に就任します。綱吉と政治的にも精神的にも深く関わっていきます。
桂昌院:竜雷太
綱吉の父にあたる人物。将軍家の内部に強い影響力を持ち、綱吉の生き方や政治判断にも関わります。
綱吉編では、将軍としての能力と、一人の人間としての幸福が必ずしも一致しないことが描かれます。
仲里依紗の綱吉と山本耕史の右衛門佐は、互いの知性や野心を理解しながら関係を深めていく存在です。
とりわけ右衛門佐が大奥総取締として権力を握る過程は、家光編の有功とは異なる形で、大奥の政治的な側面を浮き彫りにします。
3.八代将軍・徳川吉宗編
徳川吉宗:冨永愛
八代将軍として財政再建や改革に取り組む人物。過去の記録を調べ、男女逆転の社会が生まれた理由と赤面疱瘡の謎を解き明かそうとします。
水野祐之進:中島裕翔
貧しい旗本の息子。幼なじみのお信への思いを断ち切ることと家計を助けることを考え、大奥へ入ります。吉宗に見初められることで物語が動き出します。
杉下:風間俊介
大奥に長く仕える人物。水野を支える先輩的存在で、物語の中では男性たちの共同生活や組織内の人間関係を伝える役割を担います。
加納久通:貫地谷しほり
吉宗を支える側近。将軍の政治的な判断を補佐し、吉宗の改革を支える重要人物です。
吉宗編の特徴は、恋愛や大奥内部の争いだけでなく、社会全体の仕組みに目を向ける点です。
吉宗は過去の記録を通して、なぜ女性が将軍となり、男性が大奥に集まる社会になったのかを探ります。この謎解きがSeason2の医療編につながっていきます。
【キャスト相関図・役名一覧】俳優と人物の関係を整理
主要人物を俳優名とともに整理すると、各編の関係性が理解しやすくなります。
以下は、NHKドラマ10『大奥』の主要キャストと人物関係をまとめた一覧です。
この一覧で注目したいのは、福士蒼汰の役柄です。
第1シリーズでは万里小路有功を演じていますが、Season2の幕末編では胤篤・天璋院を演じています。同じ俳優が別の時代の別人物を担当しているため、キャスト情報を調べる際には混同しないようにしたいところです。
また、ドラマの相関図は単純な恋愛関係ではありません。将軍、側近、大奥総取締、徳川家の親族という複数の立場が重なり合っており、政治的な利害関係まで理解すると各人物の行動が見えやすくなります。
【大奥 Season2のキャスト一覧】医療編・幕末編の出演者と役名
Season2は、第1シリーズの続きにあたります。
大きな特徴は、物語の中心が将軍と大奥の人間関係から、疫病の研究、医学の発展、そして幕府の政治的な終焉へと移っていくことです。
医療編のキャスト医療編では、赤面疱瘡の撲滅に挑む人物たちが中心になります。
| 役名 | 出演者 |
|---|---|
| 平賀源内 | 鈴木杏 |
| 黒木 | 玉置玲央 |
| 青沼 | 村雨辰剛 |
| 伊兵衛 | 岡本圭人 |
| 徳川家斉 | 中村蒼 |
| 御台・茂姫 | 蓮佛美沙子 |
| 松平定信 | 安達祐実 |
| 田沼意次 | 松下奈緒 |
| 一橋治済 | 仲間由紀恵 |
医療編で特に重要なのが、鈴木杏演じる平賀源内と村雨辰剛演じる青沼です。
平賀源内は赤面疱瘡の解明を目指す本草学者で、蘭学に詳しい青沼を大奥へ招きます。
玉置玲央演じる黒木は、当初は蘭学に否定的な立場ですが、青沼との関わりによって変化していきます。
また、松下奈緒演じる田沼意次は吉宗の遺志を引き継ぎ、医学の力で社会を変えようとする政治家です。
一方、仲間由紀恵演じる一橋治済は、権力をめぐる陰謀を動かす人物。医学の進歩だけでなく、政治的な対立も医療編の大きな見どころです。
そのほか、高田夏帆(徳川家治)、趙民和(五十宮)、前田公輝(松方)、佐津川愛美(お志賀の方)、佐藤江梨子(武女)、新名基浩(僖助)らも出演しています。
幕末編のキャスト幕末編では、江戸幕府の終焉と大奥の最後を描きます。
| 役名 | 出演者 |
|---|---|
| 瀧山 | 古川雄大 |
| 徳川家定 | 愛希れいか |
| 阿部正弘 | 瀧内公美 |
| 和宮 | 岸井ゆきの |
| 徳川家茂 | 志田彩良 |
| 胤篤・天璋院 | 福士蒼汰 |
この編で注目したいのは、古川雄大演じる瀧山です。
瀧山は最後の大奥総取締として、幕末の大奥をまとめる存在です。女性将軍を中心に構成されていた時代とは異なり、男性が再び大奥を支える社会へと変化した中で、組織の秩序を守ろうとします。
愛希れいか演じる徳川家定は十三代将軍。瀧内公美演じる阿部正弘は、政治の中枢で家定を支えます。
岸井ゆきの演じる和宮は、十四代将軍・家茂に嫁ぐ人物です。志田彩良演じる家茂との関係も幕末編の重要な軸となっています。
そして福士蒼汰は、胤篤・天璋院として再登場。家定の正室であり、後には家茂を支える立場となります。
開国、攘夷、大政奉還、江戸城無血開城という歴史の転換点を、大奥の内部から描く構成がSeason2の特徴です。
【原作と史実の違い】男女逆転の大奥は実際の江戸城に存在したのか?
NHK版『大奥』を理解するうえで欠かせないのが、原作の創作設定と歴史的な事実を区別することです。
作品は実際の徳川将軍や歴史上の事件を登場させていますが、江戸時代の社会そのものを再現した歴史ドキュメンタリーではありません。
男女逆転の世界を生み出した赤面疱瘡とは?原作で重要な役割を担うのが、架空の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」です。
この病気は若い男性だけに感染し、感染すると短期間で命を落とすという設定です。
男性の人口が女性の約4分の1にまで減少した結果、社会の仕組みが大きく変わります。
- 女性が労働力の中心になる。
- 家督や職業の継承を女性が担う。
- 女性が政治や将軍職を引き継ぐ。
- 男性は希少な存在として扱われる。
- 大奥には将軍に仕える男性たちが集まる。
この設定によって、史実では男性だった徳川家光、綱吉、吉宗らが女性将軍として描かれます。
放送文化基金の作品紹介でも、赤面疱瘡によって男性人口が激減し、女性が社会を担う世界が成立したという作品の基本設定が説明されています。
実際の江戸城大奥は女性たちの生活空間だった史実における大奥は、江戸城本丸御殿の奥に設けられた空間です。
将軍の正室である御台所、側室、将軍生母、そして彼女たちに仕える奥女中などが生活していました。
つまり、NHK版のように男性が大奥に集まって将軍に仕えるという構造とは反対です。
東京都江戸東京博物館や東京国立博物館の歴史資料でも、大奥は徳川家の存続を支える世継ぎの養育と、将軍家の女性たちの生活を担う場所として紹介されています。
実際の大奥には、厳格な身分秩序や生活上の規則がありました。華やかな衣装や豪華な居住空間だけでなく、徳川家の後継者を生み育てるという大きな責任も伴っていたのです。
春日局は史実にも存在した人物
春日局(斎藤福)
徳川家光の乳母として実際に存在した歴史上の人物です。江戸城大奥の基盤を築いた人物として知られ、NHK版では斉藤由貴が演じています。
東京国立博物館の特別展資料によると、春日局は三代将軍家光の乳母として大奥で大きな影響力を持ち、徳川家の世継ぎを確保するための仕組みを整えるうえで重要な役割を果たしました。
ただし、ドラマにおける春日局の行動や人物関係は、男女逆転という原作の設定に合わせて再構成されています。
史実とドラマの違いを比較| 比較項目 | 実際の江戸時代 | NHKドラマ『大奥』 |
|---|---|---|
| 将軍 | 原則として男性 | 女性将軍が中心 |
| 大奥の居住者 | 御台所・側室・奥女中など | 将軍に仕える男性 |
| 世継ぎ | 将軍家の男子継承が基本 | 女性が家督を継ぐ社会 |
| 春日局 | 家光の乳母 | 斉藤由貴が演じる重要人物 |
| 赤面疱瘡 | 史実上の疫病ではない | 男女逆転を生む架空の疫病 |
| 大奥の役割 | 将軍家の生活・後継者養育 | 将軍の権威を象徴する男性の集団 |
ここで大切なのは、実際の歴史をそのまま男女逆転させただけの作品ではないということです。
よしながふみは、史実の人物や政治的な出来事を物語の骨格に取り込みながら、男女の立場が逆転した場合に社会がどう変化するかを描いています。
NHKの脚本家・森下佳子も、原作について、SF時代劇でありながら史実と結び付く部分を持つ作品として捉え、全21回に壮大な物語を再構成したことを制作インタビューで説明しています。
【作品をもっと楽しむポイント】配役・脚本・時代背景の読み解き方
NHK版『大奥』は、キャストの豪華さだけでなく、俳優が異なる時代の権力構造をどう表現するかにも見どころがあります。
福士蒼汰が有功と天璋院の2役を演じる意味福士蒼汰は、第1シリーズの万里小路有功とSeason2の胤篤・天璋院を演じています。
どちらも徳川家の重要人物と深く関わる役ですが、時代も立場も異なります。
有功は家光の側室となり、大奥の仕組みを築いていく人物。一方、胤篤は幕末の徳川家を支えるために送り込まれ、天璋院として家定や家茂と関わります。
俳優の再登場を単なる続投と捉えるのではなく、時代ごとに異なる人物を演じるキャスティングとして見ると、作品全体のつながりがより明確になります。
森下佳子の脚本が描く政治と人間ドラマ脚本を担当した森下佳子は、『JIN-仁-』『ごちそうさん』『おんな城主 直虎』などを手掛けてきた脚本家です。
NHK広報局の制作インタビューでは、原作全体の壮大な物語を全21回に収めるため、各回45分を基本とする放送尺との調整に取り組んだことが語られています。
そのため、ドラマでは膨大な原作エピソードをすべて同じ密度で描くのではなく、時代の転換点や主要人物の選択を中心に再構成しています。
どこから見ると理解しやすい?初めて見る人には、放送順に視聴する方法がおすすめです。
1. 第1シリーズの吉宗・水野編で男女逆転の社会を知る。
2. 家光・有功編で男女逆転が始まった背景を知る。
3. 綱吉・右衛門佐編で将軍家の権力と継承問題を理解する。
4. 吉宗編で歴史の謎と改革の意味を確認する。
5. Season2の医療編で赤面疱瘡の解明を追う。
6. Season2の幕末編で徳川幕府と大奥の終焉を見届ける。
特に、最初から最後まで一気に見たい人は、全21回を通して視聴すると、吉宗が追い求めた謎の意味や、幕末編で描かれる歴史の変化がつながります。
【NHKドラマ10『大奥』のキャスト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:NHKドラマ『大奥』で徳川家光を演じた女優は誰ですか?
A1:堀田真由です。徳川家光と千恵の役を演じています。福士蒼汰演じる万里小路有功との関係が家光編の中心です。
Q2:仲里依紗が演じた役は誰ですか?
A2:五代将軍・徳川綱吉です。山本耕史演じる右衛門佐との関係や、将軍としての権力と後継者問題が描かれます。
Q3:冨永愛が演じた役は誰ですか?
A3:八代将軍・徳川吉宗です。中島裕翔演じる水野祐之進や、貫地谷しほり演じる加納久通と関わりながら、赤面疱瘡の謎に迫ります。
Q4:Season2の医療編には誰が出演していますか?
A4:鈴木杏、玉置玲央、村雨辰剛、岡本圭人、中村蒼、蓮佛美沙子、安達祐実、松下奈緒、仲間由紀恵らが出演しています。
Q5:Season2の幕末編で福士蒼汰が演じた役は何ですか?
A5:胤篤・天璋院です。第1シリーズの万里小路有功とは別の役柄で、徳川家定の正室として登場します。
Q6:NHK版『大奥』は実話ですか?
A6:実際の徳川将軍や歴史上の出来事、大奥の制度を題材にしていますが、男女逆転や赤面疱瘡は原作独自の創作設定です。史実を参考にしたフィクションとして楽しむ作品です。
NHKドラマ10『大奥』は、堀田真由、福士蒼汰、仲里依紗、山本耕史、冨永愛、中島裕翔らの出演によって、よしながふみの壮大な男女逆転の世界を映像化した作品です。
第1シリーズでは家光・綱吉・吉宗の時代を描き、Season2では医療編と幕末編を通して、赤面疱瘡の克服から江戸幕府の終焉までを描いています。
特に押さえておきたい配役は、堀田真由が徳川家光、福士蒼汰が万里小路有功、斉藤由貴が春日局、仲里依紗が徳川綱吉、山本耕史が右衛門佐、冨永愛が徳川吉宗という組み合わせです。
そして、実際の江戸城大奥は将軍の妻や側室、奥女中たちが暮らした女性中心の空間でした。ドラマの男女逆転設定と史実を比較することで、作品が描こうとした権力、性別、家制度、政治の意味がより深く伝わってきます。
2026年に改めて視聴する場合も、キャストと役名を確認しながら全21回を追うことで、各時代の物語がどのようにつながり、大奥という組織がどのように終わりを迎えたのかを楽しめます。