2026年11月現在、世界の離婚率を国別に比較すると、上位にはモルドバ、ベラルーシ、ジョージアなど東欧・旧ソ連圏の国々が並ぶ。総務省統計局の「世界の統計2026」と国連のDemographic Yearbookを確認すると、人口1,000人当たりの離婚件数を示す粗離婚率には、国によって大きな差があることが分かる。
一方、日本の離婚率は2024年の国際比較で人口1,000人当たり約1.6件。2025年の国内確定統計では1.50件まで低下している。ただし、離婚率には複数の計算方法があり、婚姻件数に対する離婚件数の割合と混同すると、国際比較の意味を取り違えてしまう。2026年時点で確認できる公的統計を基に、世界の上位国、日本の位置、離婚率が低い国、国別推移を整理する。
【2026年最新版】世界離婚率ランキング!上位国はどこ?

世界の離婚率ランキングを調べる際、まず基準にしたいのが総務省統計局の「世界の統計2026」である。
同資料の第2章「人口」には、国連のDemographic Yearbook 2023・2024を出典とする「2-17 婚姻率・離婚率」が掲載されている。
この表では、各国の離婚率を人口1,000人当たりの年間離婚件数として比較できる。2026年版で確認できる上位グループは次のとおりだ。
世界の離婚率・国別ランキング上位
単位:人口1,000人当たりの離婚件数。原則として2024年。年次が異なる国は個別に記載。
出典:総務省統計局「世界の統計2026」第2章2-17。数値は小数第1位。順位は掲載値による比較であり、全世界の同一年統一ランキングではない。
この結果で注目したいのは、上位3か国がいずれも東欧・旧ソ連圏に位置していることだ。モルドバ3.9、ベラルーシ3.8、ジョージア3.7と、人口1,000人当たり3件を超えている。
一方、4位のウクライナは2021年、エジプトとイランは2022年の数値である。最新の2024年の数字と同列に順位を比較する場合、集計年の違いを考慮しなければならない。
なお、インターネット上にはロシアの離婚率を4.65として世界1位に挙げるランキングもある。しかし、この数値の参照年は2013年であり、2024年のモルドバなどと同じ時点の比較ではない。2026年の最新ランキングとして扱うのは適切ではない。
【上位国を徹底分析】モルドバ・ベラルーシ・ジョージア・ラトビアの離婚率が高い理由
世界の離婚率ランキングで目立つのは、東欧周辺の国々だ。
ただし、同じ地域に高い数値が集中しているからといって、共通の原因があると断定することはできない。婚姻制度、人口構成、社会環境、離婚手続き、統計の登録状況など、複数の条件が関係する。
ここでは検索需要の高い4か国を詳しく見ていく。
1位:モルドバの離婚率は3.93.9
2024年・人口1,000人当たり
モルドバは2024年に3.9という高い粗離婚率を記録した。
国連のDemographic Yearbook 2024に掲載された数値を見ると、推移は次のようになっている。
- 2020年:3.3
- 2021年:3.8
- 2022年:3.7
- 2023年:3.8
- 2024年:3.9
2020年以降、3.3から3.9へ上昇しており、直近5年間で高い水準が続いている。
モルドバ国家統計局の2024年人口動態統計では、婚姻件数は約1万4,800組、離婚件数は約9,500組と報告されている。離婚の平均婚姻期間は11.9年だった。
この数字から分かるのは、離婚が短期間の結婚だけに限定された現象ではないということだ。婚姻期間20年以上で成立した離婚も全体の21.8%を占めている。
2位:ベラルーシの離婚率は3.83.8
2024年・人口1,000人当たり
ベラルーシは人口1,000人当たり3.8件で、世界の上位グループに入る。
注目すべきなのは、モルドバと異なり、2024年までの数値が大きく変動せず、比較的高い水準を維持している点だ。
総務省統計局の国別データでは、2024年の婚姻率は5.1、離婚率は3.8となっている。
ただし、離婚率だけから夫婦関係の満足度や結婚生活の安定性を判断することはできない。離婚を届け出る制度や統計上の捕捉率も比較に影響する。
3位:ジョージアの離婚率は3.73.7
2024年・人口1,000人当たり
ジョージアも3.7と高い数値を示している。
総務省統計局の2026年版資料では、2024年の婚姻率は5.9、離婚率は3.7だった。
婚姻と離婚の双方が比較的多いことから、離婚件数だけでなく、婚姻の発生状況も合わせて見る必要がある。
4位:ラトビアの離婚率は2.82.8
2024年・人口1,000人当たり
ラトビアは東欧の中でも、長期的に高い離婚率が確認されている国の一つだ。
国連のDemographic Yearbook 2024によると、2020~2024年の粗離婚率は次のように推移した。
- 2020年:2.7
- 2021年:2.5
- 2022年:2.9
- 2023年:2.8
- 2024年:2.8
2022年に上昇した後、2.8前後で推移している。
EU統計局Eurostatの「Demography of Europe 2026」でも、2024年のEU加盟国で最も高い離婚率はラトビアの2.8だった。東欧諸国の高い数値が、単年度だけの偶然ではないことを裏付けるデータといえる。
【日本の離婚率は世界何位?】2026年最新の数値と国際比較
日本の離婚率は、世界的に見てどの位置にあるのだろうか。
最初に、国際比較に使用できる2024年の数値を確認したい。
総務省統計局「世界の統計2026」によると、日本の離婚率は人口1,000人当たり1.6件。同年の婚姻率は4.0件だった。
モルドバの3.9、ベラルーシの3.8、ジョージアの3.7と比較すると、日本の離婚率はかなり低い。
ただし、国連や総務省統計局が、全世界の国を同一年・同一条件で並べた公式の確定順位を発表しているわけではない。
そのため、「日本は世界何位」と一つの順位で断定するよりも、比較対象と集計年を示して評価する方が正確だ。
日本の2025年最新離婚率は1.502026年9月30日、厚生労働省は2025年の人口動態統計(確定数)を公表した。
最新の国内統計では、次の結果となっている。
- 2025年の婚姻件数:489,158組
- 2025年の離婚件数:179,073組
- 2025年の婚姻率:人口1,000人当たり4.1
- 2025年の離婚率:人口1,000人当たり1.50
前年の2024年は離婚件数185,904組、離婚率1.55だった。
つまり、2025年は離婚件数が6,831組減少し、粗離婚率も1.55から1.50へ低下している。
世界ランキングで日本の位置を考える際には、2024年の国際比較値1.6と、2025年の国内最新値1.50を区別する必要がある。
婚姻件数に対する離婚件数の割合は36.6%もう一つ、検索されることが多いのが「日本では結婚した夫婦の何割が離婚するのか」という疑問だ。
2025年の婚姻件数と離婚件数から単純計算すると、次のようになる。
\[
\frac{179,073}{489,158}\times100
=36.6\%
\]
したがって、2025年の婚姻件数に対する離婚件数の割合は約36.6%となる。
ただし、この数字には重大な注意点がある。
36.6%は、2025年に結婚した夫婦の36.6%が将来離婚するという意味ではない。
2025年に成立した離婚には、何年も前に結婚した夫婦も含まれる。分子と分母が同じ年の数字であっても、同じ夫婦を追跡した統計ではないのだ。
この割合を結婚生活の生涯離婚確率として紹介するのは誤りである。
【離婚率が低い国ランキング】日本より低い国はある?
離婚率の高い国だけでなく、低い国にも目を向けてみよう。
EU統計局の2026年版資料によると、2024年のEU加盟国では、離婚率が最も低かったのはマルタとアイルランドで、いずれも人口1,000人当たり0.9件だった。
続いてスロベニアが1.0、ルーマニアが1.1となっている。
EU全体の平均は1.6であり、日本の2024年の数値とほぼ同水準だ。
離婚率が低い国の特徴低い数値を示す国の例として、総務省統計局の「世界の統計2026」には次の国々が掲載されている。
- ベネズエラ:0.2(2019年)
- ベトナム:0.3(2024年)
- ペルー:0.5(2023年)
- グアテマラ:0.6(2023年)
- アイルランド:0.6(2020年)
ここでも集計年の違いには注意が必要だ。
特に、離婚率が低いからといって、必ずしも結婚生活が安定しているとは限らない。
例えば、法律上の離婚手続きが複雑な国や、宗教・慣習による制約が強い国では、夫婦が別居していても法律上の離婚が成立しない場合がある。
また、婚姻届や離婚届の登録制度が十分に整備されていなければ、実際の状況が統計に反映されにくい。
したがって、低い離婚率をそのまま「夫婦円満な国ランキング」と読み替えることはできない。
【世界の離婚率の推移】国連統計とOECDのデータから分かること
世界の離婚率は、毎年同じ方向に変化しているわけではない。
国によって上昇する時期もあれば、低下する時期もある。長期的な傾向を見るには、単年のランキングよりも時系列データが役立つ。
国連Demographic Yearbookの役割国連統計部が公表するDemographic Yearbookは、国際比較に使われる主要な人口統計資料の一つだ。
2024年版は2025年に刊行され、離婚に関するTable 24では2020~2024年の離婚件数と粗離婚率を掲載している。
この資料では、離婚を法律上の婚姻関係の最終的な解消として扱う。原則として、再婚を認めない単なる別居などは離婚件数に含めない。
また、粗離婚率は年間離婚件数を年央人口で割り、1,000人当たりの件数に換算する方式だ。
国によっては、対象人口が国民のみなのか、国内居住者全体なのかという違いもある。
OECD Family Database SF3.1は何を示している?OECD Family DatabaseのSF3.1「Marriage and divorce rates」も、婚姻率・離婚率を理解するための重要な資料だ。
同指標では、粗婚姻率と粗離婚率を人口1,000人当たりの件数として定義している。
ただし、公開されているSF3.1の資料は2022年6月更新で、掲載される国際比較データの中心は2020年またはそれ以前の数値だ。
そのため、2026年の最新国別ランキングを作る際には、2024年のデータを含む国連や各国統計局の資料を優先する必要がある。OECDの資料は、長期的な傾向や指標の定義を理解するために活用するのが適切だ。
2026年の国際比較で注意したい3つのポイント世界の離婚率を調べる際には、次の3点を確認したい。
1. 集計年が一致しているか
2026年版の資料でも、国によって2024年、2023年、2022年、さらにそれ以前のデータが掲載されている。年次の違う数字を同じ時点のランキングとして扱うと、比較の精度が落ちる。
2. 離婚の登録状況が十分か
国連は各国に離婚登録の完全性について報告を求めている。離婚の届け出が十分に捕捉されていない国では、実際の離婚状況と統計上の数値に差が生じる可能性がある。
3. 粗離婚率と婚姻件数の割合を混同していないか
人口1,000人当たりの離婚件数と、年間婚姻件数に対する年間離婚件数の割合は、まったく異なる指標だ。
この3点を確認するだけでも、インターネット上の世界離婚率ランキングを読み解く精度は大きく変わる。
【世界離婚率ランキングのプロの結論】数字だけでは分からない国際比較の本質
世界の離婚率ランキングを検証すると、上位にはモルドバ、ベラルーシ、ジョージアなどが並び、日本はそれらの国より低い水準にある。
一方、離婚率が低い国にも、制度や文化、登録状況といった異なる背景が存在する。
ここで押さえておきたいのは、離婚率は結婚生活の幸福度を直接測る数字ではないという点だ。
粗離婚率は人口全体を分母にするため、人口の年齢構成や婚姻の普及状況にも左右される。婚姻件数に対する離婚件数の割合も、同じ年に成立した婚姻と離婚を比較しているだけで、夫婦の生涯を追跡したものではない。
世界の離婚率を正しく理解するには、次のような判断基準が欠かせない。
- 国際比較では人口1,000人当たりの粗離婚率を使う。
- 結婚と離婚の発生状況を調べる場合は婚姻率も確認する。
- 夫婦関係の長期的な安定性を考える場合は、婚姻期間別の離婚データも見る。
- 数値の高低だけでなく、法制度や統計登録の違いを考慮する。
このように複数の指標を組み合わせることで、単なるランキングでは見えない各国の家族形成の特徴が浮かび上がる。
【世界離婚率ランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年時点で世界一離婚率が高い国はどこですか?
2024年の公的な国際比較データでは、モルドバが人口1,000人当たり3.9件で最も高いグループに位置する。ベラルーシ3.8、ジョージア3.7が続く。ただし、全世界の全国家を同一年で比較した確定ランキングではない。
Q2:日本の離婚率は世界で何位ですか?
日本の2024年の粗離婚率は人口1,000人当たり約1.6件。2025年の国内最新確定値は1.50件となっている。国際比較では集計年や対象国が統一されていないため、公式の世界順位を一つに断定することはできない。
Q3:離婚率が高い国は結婚生活が不安定なのですか?
必ずしもそうではない。離婚率は人口構成、婚姻率、離婚制度、統計登録の状況などに影響される。夫婦関係の安定性を判断するには、離婚率だけでなく、婚姻期間や再婚状況なども確認する必要がある。
2026年時点の公的統計から見ると、世界の離婚率上位にはモルドバ、ベラルーシ、ジョージアが並ぶ。日本の粗離婚率は2024年の国際比較で約1.6、2025年の国内最新値では1.50となっている。
また、婚姻件数に対する離婚件数の割合は、2025年の日本では約36.6%だが、これは同年に結婚した夫婦の将来の離婚確率を意味するものではない。
総務省統計局の「世界の統計2026」、国連Demographic Yearbook、OECD Family Database SF3.1を使い分け、数値の定義と集計年を確認することが、世界の離婚率を正しく理解する近道となる。
ランキングの数字だけで国の結婚事情を判断せず、婚姻率や長期推移、制度的な背景まで含めて比較することが大切だ。