2026年11月現在、神戸山口組は、六代目山口組から分裂して誕生した指定暴力団として、引き続き警察当局の監視・規制の対象となっている。組織の実態を知るうえで重要なのは、一般に出回っている組織図と、警察庁や兵庫県公安委員会が公表する公式情報を区別することだ。
警察庁が2026年4月に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」によると、神戸山口組の2025年末時点の構成員数は約110人。準構成員等は約170人で、分裂後の勢力は大幅に縮小している。また、指定暴力団としての指定と、六代目山口組との関係に基づく特定抗争指定は、それぞれ別の制度として継続状況を確認する必要がある。
【2026年最新】神戸山口組の組織図はどこまで公表されている?

神戸山口組の組織図を調べる際、最初に押さえておきたいのが、警察庁の公表資料に掲載される組織情報と、インターネット上で流通する幹部一覧は同じものではないという点だ。
警察庁の2026年版資料では、神戸山口組について、団体名、主たる事務所の所在する都道府県、代表する者、勢力範囲、構成員数などが公表されている。一方、全ての傘下団体や役職者を網羅した最新の公式組織図は掲載されていない。
公表資料で確認できる基本構造- 団体名:神戸山口組
- 代表する者:井上邦雄
- 主たる事務所:兵庫県
- 組織上の性格:代表者の統制下に階層を持つ組織
- 構成員数:約110人(2025年末現在)
- 準構成員等:約170人(同)
ここで注目したいのが、国家公安委員会の2025年3月の説明資料だ。同資料は、神戸山口組について、暴力団対策法第3条に定める指定要件を満たすと確認した理由を説明している。
その中では、代表者の統制の下に、組織運営を支配する地位、他の構成員に指示・命令できる地位、その他の地位が存在する階層的な組織であることが認定されている。
つまり、神戸山口組は単なる構成員の集合ではなく、代表者を中心とする階層的な組織として法的に認識されている。ただし、この認定は個々の幹部の氏名や現在の役職を公表したものではない。
組織図を見るときに区別したい3つの情報組織の実態を理解するには、次の3種類の情報を混同しないことが大切だ。
- 公式な団体情報:警察庁や公安委員会が公表する代表者、指定状況、構成員数。
- 法的な組織構造:暴力団対策法の指定要件に関係する階層性や統制関係。
- 報道・民間サイトの情報:過去の人事や関係者情報などを編集した独自の一覧。
過去の役職者を現在の幹部として掲載した組織図や、離脱した団体を現在も傘下として扱う図には注意が必要だ。
【警察庁の公式資料】神戸山口組の組織構成と現在の勢力
神戸山口組の現状を判断するうえで、最も重要な資料の一つが警察庁の「令和7年における組織犯罪の情勢」だ。2026年4月に公表された確定値版であり、2025年末時点の全国的な暴力団情勢を把握できる。
2025年末時点の構成員数警察庁の統計による神戸山口組の勢力は次のとおりだ。
- 構成員:約110人
- 準構成員等:約170人
- 勢力の合計:約270人
これらは警察庁による概数であり、個々の人数を単純に足した数値と合計欄が一致しない場合がある。構成員と準構成員等は統計上の区分も異なるため、同じ意味で扱うことはできない。
2025年における組織の動向警察庁の2026年4月の公表資料では、2025年の神戸山口組について、六代目山口組との特定抗争指定の期限延長を受け、警戒区域外で会合を開催したことが記録されている。
この記述から読み取れるのは、組織としての活動が継続している一方、特定抗争指定に伴う行動規制が組織運営にも影響しているということだ。
また、指定暴力団としての再指定は、組織の規模が小さくなったからといって自動的に終了する制度ではない。指定の判断は構成員数だけではなく、暴力団対策法に定められた複数の要件に基づいて行われる。
【分裂の経緯】六代目山口組から神戸山口組が誕生した理由とその後
神戸山口組の成立は、2015年8月末に起きた六代目山口組の分裂にさかのぼる。
この分裂を起点に、神戸山口組から任侠山口組、後の絆會が生まれ、さらに池田組も独立した。現在の関係を理解するには、各組織の成立と離脱を時系列で整理する必要がある。
主要な出来事と組織間の関係| 時期 | 出来事 | 組織間の関係・意味 |
|---|---|---|
| 2015年8月末 | 六代目山口組が分裂し、神戸山口組が結成される | 神戸山口組の成立 |
| 2016年4月 | 兵庫県公安委員会が神戸山口組を指定暴力団に指定 | 法的な規制対象となる |
| 2017年4月 | 神戸山口組の傘下組織の一部が任侠山口組の結成を表明 | 神戸山口組からの分派 |
| 2018年3月 | 任侠山口組が指定暴力団に指定される | 独立した指定暴力団となる |
| 2020年1月 | 六代目山口組と神戸山口組が特定抗争指定を受ける | 抗争に関する規制が強化される |
| 2020年2月 | 任侠山口組が絆會に改称 | 名称変更 |
| 2020年7月 | 池田組が神戸山口組傘下からの離脱を表明 | 池田組が独立する動き |
| 2021年11月 | 岡山県公安委員会が池田組を指定暴力団に指定 | 池田組が独立した指定暴力団となる |
この経緯は、警察庁の暴力団情勢に関する公表資料でも整理されている。特に重要なのは、神戸山口組から生まれた組織が、その後、それぞれ独立した指定暴力団として扱われるようになった点だ。
池田組の離脱と絆會への改称池田組は2020年7月、神戸山口組傘下からの離脱を表明した。その後、2021年11月に岡山県公安委員会から指定暴力団として指定されている。
一方、2017年に結成を表明した任侠山口組は、2020年2月に絆會へ名称を変更した。現在の絆會は、かつての任侠山口組と同じ団体の名称変更後の姿であり、別々の組織として数えるのは正確ではない。
こうした分裂・離脱の積み重ねが、現在の山口組関連組織の関係を複雑にしている。
【六代目山口組との対立関係】2026年の特定抗争指定と指定期限
神戸山口組の現在を語るうえで欠かせないのが、六代目山口組との対立関係だ。
両組織の対立は2019年以降、拳銃を使用した事件などが相次いだことで深刻化した。これを受け、2020年1月7日、関係する公安委員会は両団体を特定抗争指定暴力団等に指定した。
2026年11月現在の指定状況ここで注意したいのは、「指定暴力団」と「特定抗争指定暴力団等」は異なる制度だということだ。
指定暴力団としての指定は、暴力団対策法に基づく団体の指定である。一方、特定抗争指定は、指定暴力団等の間で深刻な対立抗争が起きた場合に、期間と警戒区域を定めて追加的な規制を行う制度だ。
- 指定暴力団としての指定:2025年4月、兵庫県公安委員会が4回目の指定を実施。期間は2028年4月までの3年間。
- 特定抗争指定:2026年9月17日、兵庫県公安委員会が六代目山口組と神戸山口組への指定期限を3カ月延長。2027年1月6日までとなった。
神戸新聞の2026年9月17日付報道によれば、今回の延長は27回目となる。両組織の対立抗争が終結したとは認められないとの判断が示されている。
池田組・絆會との特定抗争指定はどうなった?2026年には、山口組関連の特定抗争指定をめぐって別の動きもあった。
2026年8月20日、六代目山口組と池田組に対する特定抗争指定は、9月7日の期限を延長しないことが決まった。さらに9月3日には、六代目山口組と絆會についても、9月20日の期限を延長しないことが決定された。
つまり、2026年11月現在、神戸山口組との特定抗争指定は継続している一方、池田組および絆會との特定抗争指定は、それぞれ期限到来によって終了している。
ただし、これは池田組や絆會が指定暴力団ではなくなったという意味ではない。あくまで六代目山口組との間で適用されていた特定抗争指定の扱いが変わったということだ。
特定抗争指定によって何が規制されるのか特定抗争指定を受けた団体には、警戒区域内での事務所の新設・使用や、多数での集合、対立する構成員へのつきまといなど、法律で定められた行為への規制が適用される。
兵庫県警察が説明する制度の目的は、対立抗争による市民への被害を防ぎ、地域社会の安全を確保することにある。単なる団体間の名称や立場の問題ではなく、周辺住民の生活に直接関係する制度だ。
【構成員数の推移】2016年から2025年までに神戸山口組はどう変化した?
神戸山口組の勢力縮小を理解するうえでは、構成員数の推移が重要な指標になる。
警察庁が2026年4月に公表した統計では、2016年末から2025年末までの構成員数は次のように推移している。
2016年:約2,600人 → 2017年:約2,500人 → 2018年:約1,700人 → 2019年:約1,500人 → 2020年:約1,200人 → 2021年:約510人 → 2022年:約330人 → 2023年:約140人 → 2024年:約120人 → 2025年:約110人
2016年末と2025年末を比較すると、約2,490人の減少となる。減少率は約96%に達する計算だ。
なぜここまで勢力が縮小したのか背景として考えられるのは、複数の要因が重なったことだ。
第一に、2017年以降の分裂や傘下組織の離脱によって、神戸山口組の組織的な基盤が変化したこと。任侠山口組の結成や池田組の離脱は、その代表的な出来事だ。
第二に、暴力団排除活動や警察による取締りの継続である。警察庁は全国の暴力団構成員等が減少している背景として、暴力団排除活動の進展や資金獲得活動の困難化などを挙げている。
第三に、特定抗争指定による活動上の制約がある。事務所の使用や集合などに対する規制は、組織の活動に影響する要素となっている。
構成員110人という数字だけで実態は判断できないここで注意したいのが、警察庁の「構成員」と「準構成員等」の区別だ。
構成員は暴力団に所属する者を指す一方、準構成員等には、暴力団と関係を持ち、その維持や運営に協力・関与する者などが含まれる。
2025年末の神戸山口組は、構成員が約110人、準構成員等が約170人とされている。構成員だけを取り上げて、組織に関係する人員の全体像だと判断するのは適切ではない。
また、人数の減少は組織の勢力が縮小していることを示す一つの客観的指標だが、それだけで組織の活動実態や抗争の終結を判断することはできない。
【誤解を整理】神戸山口組の組織図や現在の情報で注意すべき点
神戸山口組に関する情報は、過去の報道、現在の公表資料、民間サイトによる独自編集が混在している。特に組織図を調べる際には、情報の更新時期が重要になる。
誤解1:ネット上の組織図がすべて公式情報であるインターネット上には、役職者や傘下団体を一覧にした組織図が掲載されていることがある。しかし、警察庁の公表資料が確認しているのは、代表者や団体の基本情報、組織の階層性などであり、ネット上の一覧すべてを公式に認定したわけではない。
特に過去の人事情報を現在のものとして掲載した資料は、最新情報との混同を招く可能性がある。
誤解2:池田組と絆會は現在も神戸山口組の傘下であるこれは成立経緯と現在の組織関係を混同したものだ。
池田組は2020年に神戸山口組傘下からの離脱を表明し、2021年には独立した指定暴力団となった。絆會も、神戸山口組から分派した任侠山口組が名称変更した団体である。
いずれも現在の神戸山口組の傘下組織として扱うのは正確ではない。
誤解3:特定抗争指定が終了すれば指定暴力団ではなくなる特定抗争指定の終了と、指定暴力団としての指定解除は別の問題だ。
2026年に池田組や絆會との特定抗争指定が終了したことは、各団体の指定暴力団としての地位がなくなったことを意味しない。神戸山口組についても、2027年1月6日までの特定抗争指定と、2028年4月までの指定暴力団としての指定は、それぞれ別に確認する必要がある。
ニュースやネット記事を読む際は、指定の種類、対象となる団体、期限の3点を照らし合わせると、情報を正確に理解しやすい。
【神戸山口組の組織図】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:神戸山口組の現在の代表者は誰ですか?
A1:警察庁が2026年に公表した指定暴力団一覧では、代表する者は井上邦雄と記載されている。公表資料上の団体情報と、個別の役職人事は区別して確認する必要がある。
Q2:神戸山口組は2026年現在も指定暴力団ですか?
A2:指定暴力団としての指定は継続している。2025年4月に4回目の指定を受けており、その期間は2028年4月までの3年間となっている。
Q3:神戸山口組の構成員数は何人ですか?
A3:警察庁の最新公表統計である2025年末時点の確定値では、構成員は約110人。準構成員等は約170人とされている。
Q4:神戸山口組と六代目山口組の特定抗争指定はいつまでですか?
A4:2026年9月17日に指定期限の延長が決まり、2027年1月6日までとなっている。延長は27回目と報じられている。
Q5:池田組や絆會は神戸山口組の傘下ですか?
A5:現在の傘下組織として扱うことはできない。池田組は2020年に離脱を表明し、絆會は任侠山口組から名称を変更した独立した指定暴力団である。
2026年11月現在の神戸山口組は、六代目山口組から分裂して成立した指定暴力団であり、警察庁の公表資料では代表する者を井上邦雄、2025年末の構成員数を約110人としている。
分裂後には、任侠山口組の結成と絆會への改称、池田組の離脱など、複数の組織再編が起きた。こうした経緯を整理すると、現在の神戸山口組と、そこから独立した各団体を混同せずに理解できる。
指定状況については、指定暴力団としての指定が2028年4月まで継続し、六代目山口組との特定抗争指定は2027年1月6日まで延長されている。2026年に池田組・絆會との特定抗争指定が終了したこととは、明確に区別しなければならない。
神戸山口組の組織図を調べる際に重視したいのは、過去の幹部一覧や民間サイトの独自情報よりも、警察庁の統計、兵庫県公安委員会の指定情報、官報に掲載された公示内容である。
今後も組織の勢力や指定状況は変化する可能性がある。最新の実態を把握するには、構成員数の基準日と指定期限を確認し、歴史的な分裂経緯と現在の組織関係を分けて捉えることが重要だ。
主な参照資料:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月)、国家公安委員会「神戸山口組の指定の確認について」(2025年3月)、兵庫県公安委員会の指定関連資料、神戸新聞の2026年8月・9月の指定期限に関する報道。
主な根拠資料・照合先
- 警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月公表)
- 国家公安委員会「神戸山口組の指定の確認について」
- 兵庫県公安委員会の指定関連情報
- 神戸新聞の2026年8月20日、9月3日、9月17日付報道