2026年11月現在、函館市長を務めているのが大泉潤(おおいずみ・じゅん)氏です。早稲田大学法学部を卒業後、函館市役所に入庁し、観光部長や保健福祉部長などを歴任。2023年4月の函館市長選挙で当選し、市政のトップに就任しました。
大泉市長が掲げる政策の柱は、子育て・教育、医療・福祉、経済・観光、文化・スポーツの4分野です。2026年度は、年間3,000人を超える人口減少への対応、地元企業の成長、観光振興、若者の定着などが大きなテーマになっています。函館市が公表した令和8年度市政執行方針や市長公約の進捗資料をもとに、経歴から現在の取り組み、今後の課題まで整理します。【】
【プロフィール】函館市長・大泉潤の年齢、学歴、経歴を紹介

Primary Entity:大泉潤(函館市長)
大泉潤の基本プロフィール大泉潤氏は、北海道函館市の市長です。函館市の公式プロフィールでは、生年月日や学歴、主な職歴、座右の銘が公開されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 大泉 潤(おおいずみ じゅん) |
| 生年月日 | 1966年3月20日 |
| 出身 | 北海道 |
| 学歴 | 早稲田大学法学部 |
| 主な職歴 | 函館市役所 |
| 主な役職 | 函館市観光部長・保健福祉部長 |
| 市長就任 | 2023年4月 |
| 座右の銘 | 一期一会 |
2026年11月時点で60歳です。学歴について函館市が公表しているのは早稲田大学法学部で、公式プロフィールには高校などの詳細な学歴は掲載されていません。【】
早稲田大学法学部卒業後、函館市役所へ大泉氏は1990年に早稲田大学法学部を卒業。その後、1995年に函館市役所に入り、行政職員としてのキャリアを積みました。
注目したいのは、観光と福祉という性質の異なる行政分野で管理職を経験していることです。
2017年には函館市観光部長に就任。観光都市としての函館の魅力を発信する行政分野に携わりました。
2019年には保健福祉部長に就任し、市民生活に直結する福祉行政も担当しています。
観光による地域経済の活性化と、市民の生活を支える福祉行政。その両方を経験していることは、現在の市政を理解するうえでも要点です。【】
【経歴・市長就任】2023年の函館市長選挙で何が起きた?
大泉潤氏が市長になったのは2023年4月です。
それまで函館市役所の幹部職員として行政に携わっていた大泉氏は、2022年7月に市役所を退職。その後、市長選挙に立候補しました。
大泉潤の経歴と主な転換点| 時期 | 出来事 | 内容・意味 |
|---|---|---|
| 1966年3月 | 誕生 | 北海道出身 |
| 1990年 | 大学卒業 | 早稲田大学法学部 |
| 1995年 | 函館市役所に入庁 | 行政職員として勤務 |
| 2011年 | 秘書課長 | 市役所の行政実務を経験 |
| 2017年4月 | 観光部長 | 観光行政を担当 |
| 2019年5月 | 保健福祉部長 | 福祉行政を担当 |
| 2022年7月 | 市役所を退職 | 市長選挙への転身 |
| 2023年4月23日 | 市長選挙で当選 | 98,174票を獲得 |
| 2023年4月27日 | 函館市長に就任 | 1期目がスタート |
※経歴は函館市公式プロフィールおよび市の公表資料、選挙結果に基づく。【】
2023年4月の市長選挙で圧勝2023年4月23日に実施された函館市長選挙では、大泉潤氏と現職の工藤としき氏が争いました。
函館市選挙管理委員会が公表した開票結果は次のとおりです。
- 大泉じゅん氏:98,174票(80.70%)
- 工藤としき氏:23,483票(19.30%)
- 投票率:58.15%
大泉氏は約8割の得票率で当選しました。
4月27日には市長就任後初の記者会見を開き、選挙で支持を寄せた市民への感謝を述べています。【】
函館市長の歴代と大泉潤氏の位置づけ函館市の市長交代を考えるうえで、直前の市政を担った工藤壽樹氏の存在は欠かせません。
工藤氏は2011年から市長を務めた人物で、2023年の選挙では現職として大泉氏と対決しました。
この選挙によって、長期にわたって続いた工藤市政から大泉市政へと市政の担い手が交代しました。
大泉氏の特徴は、民間企業経営者や国会議員出身の首長とは異なり、函館市役所の内部で行政経験を積んできた点です。
行政組織の仕組みや地域の課題を把握したうえで、市長として政策を進める立場にあります。
ただし、行政経験が豊富であることと、人口減少や地域経済の課題を解決できることは別問題です。市長としての評価は、具体的な政策成果によって判断する必要があります。
【市長公約138項目】大泉潤が掲げる政策の4本柱とは?
大泉市長の政策を理解するうえで欠かせないのが、市長政策138項目です。
函館市の公式市長室では、138項目を4つの分野に分類して推進すると説明しています。
ここで注意したいのは、138項目すべてが新規事業というわけではないことです。市が説明しているとおり、既存の取り組みも含まれています。【】
1.子どもたちの未来を守る最初の柱は、子育て支援と教育環境の充実です。
具体的には、次のような政策が掲げられています。
- 第2子以降の保育料無償化
- 小学校入学時の祝金支給
- 子ども総合支援センターの整備
- 放課後の無料学習支援
- 教育DXの推進
- スクールカウンセラーや特別支援員の増員
子育て世帯にとって、保育料や教育費は家計に大きく影響する問題です。
経済的な負担を軽減し、子どもが安心して学べる環境を整えることは、子育て世帯の転出を抑え、将来の地域を担う人材を育てることにもつながります。
2.医療・福祉・暮らしを支える2つ目は、市民の日常生活を守る政策です。
地域医療の充実、高齢者支援、障害者福祉、防災対策などが含まれています。
特に人口減少が進む地域では、医療・介護の担い手不足や公共交通の維持が深刻な課題になります。
高齢者が安心して暮らせる環境を整えることは、若い世代にとっても住み続けやすいまちづくりの条件です。
3.経済・観光を再生する3つ目の柱は、函館の産業基盤を強くすることです。
函館は観光地として全国的に知られていますが、観光だけに依存した経済構造では、安定した雇用や若者の定着を実現することが難しくなります。
そのため、政策には次のような項目が含まれています。
- 漁業・農業・林業の振興
- 地元企業の活性化
- スタートアップ支援
- 企業誘致
- 地場産品のブランド化
- 移住・定住支援
- 観光振興
- 総合交通体系の整備
ふるさと納税を活用した産業振興については、年間寄付額100億円という目標も公約に掲げられています。【】
4.文化・スポーツ振興で未来を育む4つ目は、函館の歴史や文化、スポーツ資源を活用する政策です。
歴史的建造物の保存、文化芸術の振興、スポーツ大会や合宿の誘致などが含まれています。
函館には五稜郭や歴史的な街並み、港町としての文化など、ほかの都市にはない地域資源があります。
これらを観光や地域交流、教育、スポーツと結び付けることで、地域の魅力を高める狙いがあります。【】
138項目はすべて4年間で達成する計画なのか?ここは誤解されやすい部分です。
2025年2月7日の市長記者会見では、138項目の公約について質問がありました。
その際、大泉市長は、すべてを4年間で実現することを前提に公約を作ったわけではないと説明しています。
「こうしたまちを実現していきたい,それに向けてこれはやらなければならないというものを列記したものが138項目の公約であります。」
また、予算を付けずに達成できるものや、市役所だけでなく地域全体で取り組むものも含まれると説明しました。【】
函館市は公約推進会議を設置し、各項目の進捗や効果を確認しています。EBPM(合理的根拠に基づく政策立案)を取り入れ、毎年度の検証結果を次の施策に反映する仕組みです。
つまり、138という数字だけで達成度を判断するのではなく、個別政策がどこまで実施され、どのような効果を生んだかを見ることが重要です。【】
【2026年度の市政方針】大泉市長は函館の未来をどう変える?
2026年2月25日、函館市は「令和8年度市政執行方針」を公表しました。
大泉市長が示した主要施策は、次の4つです。
1. 未来をひらくひとを支えるまち
2. 地域経済の活性化
3. 健康で充実した暮らし
4. 多くの人を惹きつける魅力あるまち
138項目の市長公約を基礎としながら、2026年度の社会情勢や地域課題に対応する内容となっています。【】
人口減少を見据えた子育て・教育支援2026年度の方針で特に重視されているのが、若い世代の定着です。
函館市では、若年層の減少が人口減少の大きな要因になっています。
そのため、妊娠・出産から子どもの大学進学まで、切れ目のない支援を進める方針です。
具体的には、次のような取り組みがあります。
- 不妊治療への支援
- 第2子以降の保育料無償化
- 小学校入学時の祝金
- 子ども家庭センターでの相談支援
- こども誰でも通園制度の本格実施
- 放課後児童クラブの安定運営
- 子どもの居場所づくり
2026年4月からは、試行的に実施されていた「こども誰でも通園制度」が本格実施される方針も示されました。【】
地域経済の活性化と若者の地元定着人口を増やすには、子育て支援だけでは不十分です。
若者が函館で暮らし続けるためには、希望する仕事に就ける環境が必要になります。
令和8年度市政執行方針では、地元企業の成長と雇用創出が大きなテーマになっています。
具体的な取り組みは以下のとおりです。
- スタートアップフォーラムの開催
- 学生向け起業セミナー
- 企業立地促進制度の活用
- 函館しごとフェスタの出展企業拡充
- 函館しごとネットのリニューアル
- UIJターンによる地元就職の促進
- 女性や高齢者の就業支援
- 職場におけるジェンダーギャップの解消
また、2026年4月には、2026年度から2030年度までの5年間を対象とする「函館市経済振興プラン2026~2030」もスタートしました。
同プランでは、地域の稼ぐ力の強化、新たな産業の創出、魅力的なまちづくり、幅広い人材の活躍、持続的な経営基盤の確立という5つの基本目標を設定しています。【】
漁業・水産業にも力を入れる函館の地域経済を考えるうえで、漁業は欠かせない産業です。
2026年度の方針では、スルメイカ漁業への支援やキングサーモンの完全養殖研究、コンブの養殖技術研究などが挙げられています。
特に、海洋環境の変化や漁獲量の変動に対応するためには、従来の漁業を維持するだけでなく、養殖技術や研究開発によって新たな収益源を確保が必要です。
これは函館の一次産業を将来にわたって維持するための取り組みでもあります。【】
【観光振興】函館市の観光政策と地域経済活性化の現状
函館といえば、函館山の夜景、五稜郭、赤レンガ倉庫、湯の川温泉、新鮮な海産物などを思い浮かべる人が多いでしょう。
観光は函館の大きな強みですが、大泉市政では単純な観光客数の増加だけでなく、宿泊や地域消費につながる観光への転換も重視しています。
2025年度の観光客数は約606万人函館市が2026年5月29日に公表した2025年度の観光入込客数推計によると、函館を訪れた観光客は約605万8,000人でした。
前年度から約3万6,000人増加し、0.6%の伸びとなっています。
外国人宿泊客数は約57万9,000人で、前年度比1.9%増でした。【】
観光客が600万人を超える規模で訪れていることは、函館の観光ブランドの強さを示す数字です。
一方、観光客が多いことと、市民生活や地元企業が十分に潤うことは同じではありません。
宿泊施設、飲食店、小売店、交通事業者などに観光消費が行き渡り、地元で働く人の所得向上につながるかが重要です。
2026年度の観光政策で注目したい5つの施策1.道南全体で宿泊者数1,000万人を目指す
函館市は道南の各市町と連携し、延べ宿泊者数1,000万人を目指す方針を示しています。
函館単独で観光客を集めるのではなく、道南地域全体を周遊してもらう観光戦略です。
2.宿泊税を観光振興に活用する
2026年4月から新たな財源として宿泊税を導入し、函館観光の価値を高める施策に活用する方針です。
観光客の受け入れ環境や観光資源の整備などに、観光によって得られた財源を還元する仕組みが注目されます。
3.海外からの観光客を増やす
オーストラリアや台湾、韓国などを重点市場とし、現地旅行会社との商談会や多角的なプロモーションを進めます。
インバウンド需要を函館の地域経済に取り込む狙いです。
4.夜間・早朝観光と東部地域の魅力を発信する
函館山の夜景だけに頼らず、時間帯や地域を分散させた観光コンテンツを開発します。
函館山周辺の混雑予測や交通情報の配信も進め、観光客の満足度向上を目指しています。
5.冬季観光とスポーツ観光を強化する
冬季イベントのリニューアルや教育旅行の誘致、道南周遊プロモーションなどに取り組みます。
また、スポーツ合宿や国際大会の誘致も進め、観光シーズン以外の地域経済を支える考えです。【】
観光客数の増加だけでは人口減少を解決できないここには大泉市政の重要な課題があります。
観光客が増えても、その人たちが函館で働き、住み続けるとは限りません。
観光産業の発展を人口減少対策につなげるには、観光関連企業の賃金や雇用条件の改善、地元企業への発注、若者の採用、地域内でのお金の循環が必要です。
つまり、観光振興を単なる集客政策で終わらせず、地域経済全体の成長に結び付けられるかが問われています。
【人口減少対策】函館市が直面する深刻な課題と大泉市政の今後
函館市政における最大の課題の一つが人口減少です。
2026年度市政執行方針では、函館市の人口は毎年3,000人を超えるペースで減少しており、2070年には8万人を下回る可能性があると説明されています。【】
函館市の人口減少はなぜ深刻なのか函館市の人口は1980年をピークに減少を続けています。
2020年の国勢調査では約25万1,000人でした。
人口減少には、大きく分けて2つの要因があります。
- 自然減: 出生数より死亡数が多くなること
- 社会減: 転入者より転出者が多くなること
函館市の2025年版統計書では、2024年の出生数は901人、死亡数は4,410人でした。
自然増減はマイナス3,509人です。
出生数の減少と高齢化による死亡数の増加が、人口減少を押し進めていることが分かります。【】
2026年に進める人口減少対策函館市は2026年8月に人口減少対策本部に関する情報を更新しています。
人口減少対策を一つの部署だけに任せるのではなく、複数の部局が連携して進める体制です。
主な重点方針は次の3つです。
1. 移住・定住の促進
2. 子ども・教育への支援
3. しごとの創出
加えて、人材躍動、海洋産業再生、宿泊倍増、都市再起動、「知の都」という5つのプロジェクトチームを設置しています。
移住や子育て支援に加えて、産業や教育の面からも人口減少に対応しようとする構成です。【】
大泉市政が乗り越えるべき3つの課題課題1:若者が函館で働き続けられる環境づくり
地元に大学や教育機関があっても、希望する仕事や十分な待遇がなければ、卒業後に札幌や首都圏へ移る可能性があります。
企業誘致だけでなく、既存の地元企業の成長と賃金向上が重要です。
課題2:子育て支援を実際の定住につなげること
保育料の無償化や祝金は子育て世帯の負担を軽減します。
しかし、住み続けるためには教育環境、医療、交通、住宅、雇用などを総合的に整える必要があります。
課題3:限られた財源の中で政策の優先順位を決めること
人口減少が進むと、税収や地域の担い手の確保が難しくなる一方、高齢者福祉や公共施設の維持などに必要な支出は続きます。
すべての政策を同時に拡大することは容易ではありません。
だからこそ、138項目の公約について、実施状況だけでなく、どの程度市民生活の改善につながったかを検証が必要です。
【よくある質問】函館市長・大泉潤に関するFAQ
Q1:函館市長の大泉潤氏はどこの大学を卒業していますか?
A1:早稲田大学法学部を卒業しています。1990年に大学を卒業し、1995年に函館市役所に入庁しました。
Q2:大泉潤氏が函館市長に就任したのはいつですか?
A2:2023年4月27日です。4月23日の市長選挙で98,174票を獲得し、当選しました。
Q3:大泉潤氏の市長公約138項目とは何ですか?
A3:子育て・教育、医療・福祉・暮らし、経済・観光、文化・スポーツの4分野に分類された政策です。既存の取り組みも含まれており、すべてが新規事業というわけではありません。
Q4:2026年度の大泉市長の重点政策は何ですか?
A4:人口減少対策、若者の地元定着、地域経済の活性化、観光振興、子育て・教育支援などです。特に地元企業の成長と魅力ある雇用の創出が重視されています。
Q5:函館市の人口減少はどの程度深刻ですか?
A5:市の2026年度市政執行方針では、年間3,000人を超える人口減少が続いており、2070年には人口が8万人を下回る可能性が示されています。
2026年11月現在、函館市長を務める大泉潤氏は、早稲田大学法学部を卒業後、函館市役所で行政経験を積み、観光部長や保健福祉部長を経て市長に就任した人物です。
2023年の市長選挙では約8割の得票率で当選し、138項目の市長公約を掲げて市政を進めてきました。
2026年度の市政運営では、特に次の3点が重要になります。
- 子育て・教育支援による若い世代の定着
- 観光振興と地元企業の成長による地域経済の活性化
- 雇用創出と移住・定住促進による人口減少への対応
函館には、観光、食、水産業、歴史、文化、教育機関など、多くの地域資源があります。
一方で、観光客数が増えても人口減少が止まらなければ、地域経済の持続的な発展は難しくなります。
大泉市政の本当の評価基準は、観光客数や公約の項目数だけではありません。若者が函館で働き、子どもを育て、市民が安心して暮らし続けられる環境をどこまで実現できるかです。
2026年度以降は、138項目の公約の進捗、経済振興プランの実績、人口動態、雇用環境の変化を継続的に確認することが、函館市の将来を見極めるうえで重要になるでしょう。
主な参考資料:函館市「市長プロフィール」「市長公約」「市長公約の推進について」「令和8年度市政執行方針」「函館市経済振興プラン2026~2030」「函館市人口減少対策本部」「函館市統計書」「来函観光入込客数推計」。