大相撲の土俵で軍配を握り、力士の勝負を裁く行司。華やかな本場所の舞台を支える存在ですが、「行司はいくら給料をもらっているのか」「最高位の木村庄之助になると年収1,000万円を超えるのか」と疑問に感じる人も多いのと考えられます。
2026年11月現在、行司の給与は階級によって異なり、基本となる本俸のほか、装束補助費や手当が関係します。ただし、日本相撲協会が一般向けに公開している資料から、2026年現在の階級別給与の確定額や個人別年収を確認することはできません。広く紹介されている金額には過去の資料に基づく参考値も含まれています。
【2026年最新】行司の給料は公開されている?日本相撲協会の公表状況

最初に押さえておきたいのは、行司の給料には階級ごとの基準がある一方、2026年現在の具体的な給与額は、日本相撲協会の公式サイトで一般向けに一覧公開されていないという点です。
日本相撲協会の業務・財務情報では、定款や「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」などが公開されています。しかし、公開されている役員報酬規程は理事・監事・評議員を対象とするもので、行司個人の給与額を定めた公開資料ではありません。
一方、協会が公表した2025年度事業報告書には、行司全員に月給制による給与を支給し、本場所ごとに装束補助費も支給していることが記載されています。つまり、行司が毎月の給与を受け取る協会員であること、装束に関する補助制度があることは公式資料から確認できます。
なぜ行司の給料は分かりにくいのか理由は、給与制度の存在と個々の支給額の公開が別の問題だからです。
インターネット上では、日本相撲協会の旧規程や過去の紹介記事をもとに、階級別の本俸や装束補助費が掲載されています。特に2016年11月8日公開のSPAIAの記事には、階級別の本俸と衣装代の目安が紹介されています。ただし、同記事は金額の出典としてファンブログを挙げており、2026年の現行給与額を保証するものではありません。
したがって、行司の給料を調べる際は、次の3種類の情報を区別する必要があります。
- 日本相撲協会の事業報告書に記載された給与制度の事実
- 過去の規程や二次資料に掲載された階級別の参考金額
- 個人の年収についてネット上で紹介されている推定値
この区別をしないと、過去の参考金額が2026年の確定給与であるかのように受け取られてしまいます。
【階級別一覧】序ノ口から立行司までの本俸・装束補助費はいくら?
行司には8段階の階級があり、上位になるほど本俸の基準額も高くなります。序ノ口から始まり、序二段、三段目、幕下、十枚目、幕内、三役を経て、最高位の立行司へと進む仕組みです。
以下は、2015年の日本の人事部の記事や2016年のSPAIAの記事などで紹介された過去の給与基準を整理したものです。2026年の日本相撲協会による確定公表額ではなく、階級別の待遇を把握するための参考値としてご覧ください。
| 行司の階級 | 本俸(月額目安) | 装束補助費(一場所の参考額) |
|---|---|---|
| 序ノ口格 | 1万4,000円〜2万円未満 | 2万円 |
| 序二段格 | 2万円〜2万9,000円未満 | 2万円 |
| 三段目格 | 2万9,000円〜4万2,000円未満 | 2万円 |
| 幕下格 | 4万2,000円〜10万円未満 | 2万円 |
| 十枚目格 | 10万円〜20万円未満 | 2万5,000円 |
| 幕内格 | 20万円〜36万円未満 | 3万円 |
| 三役格 | 36万円〜40万円未満 | 4万円 |
| 立行司 | 40万円〜50万円未満 | 5万円 |
注意:本俸は過去の二次資料に掲載された月額の参考帯です。装束補助費も過去に紹介された金額であり、2026年の現行支給額として確定したものではありません。手当は別途扱われます。
序ノ口・序二段・三段目の給料入門して間もない若手行司が所属するのが、序ノ口格や序二段格、三段目格です。
過去の参考基準では、序ノ口格の本俸は月額1万4,000円から2万円未満。序二段格は2万円から2万9,000円未満、三段目格は2万9,000円から4万2,000円未満とされています。
一般企業の給与と単純に比較すると、かなり低い金額に見えるでしょう。しかし、行司は若い段階から相撲部屋に所属し、共同生活を送りながら技術を身につけていく職業です。住居や食事などの生活環境も一般的な会社員とは異なるため、本俸だけで生活水準を判断することはできません。
幕下・十枚目・幕内になると待遇が変わる幕下格から十枚目格、幕内格へと昇進すると、本俸の基準額は大きく上がります。
特に十枚目格は、行司として一人前の仕事を任される段階として知られています。担当する取組の重要性も高まり、土俵上で求められる技量や責任も増していきます。
幕内格になると、テレビ中継で目にする機会も多くなります。力士の立ち合いを整え、勝負を裁き、勝ち名乗りを与える一連の所作にも熟練した技術が大切です。
三役格から立行司は別格の待遇三役格は、立行司に次ぐ上位階級です。さらに昇進すると、行司の最高位である立行司になります。
立行司は、木村庄之助と式守伊之助という2つの名跡で知られています。過去の給与参考値では、本俸は月40万〜50万円未満。一般的な会社員と比較しても高い水準ですが、長い修業期間や昇進の難しさ、最高位として背負う責任も考慮する必要があります。
なお、本俸の上限付近に達した場合でも、装束補助費や手当を含めた実際の収入は別計算です。表の金額だけから最終的な月収を確定することはできません。
【年収を検証】木村庄之助の年収は1,000万円?式守伊之助との違い
行司の収入について検索すると、木村庄之助の年収は1,000万円以上、あるいは1,200万円程度という数字を見かけることがあります。
しかし、日本相撲協会の公式資料には、木村庄之助や式守伊之助の個人別年収は掲載されていません。立行司の本俸参考額から計算できるのは、あくまで基本給の年間換算額です。
立行司の本俸を年収に換算すると?仮に過去の参考基準である月額40万〜50万円未満を12か月受け取るとすると、年間の本俸は480万〜600万円未満になります。
これは、あくまで本俸だけを単純に12倍した金額です。手当や装束補助費などは含まれていません。また、現行の2026年給与額を確認した計算ではないため、実際の年収として扱うことはできません。
ネット上で紹介される年収1,000万〜1,200万円という数字は、手当などを独自に推定したものが中心です。協会の支給明細や公式な個人別報酬資料による裏付けがないため、確定した年収として紹介するのは適切ではありません。
2026年11月から40代木村庄之助が誕生2026年の大きな動きとして注目されたのが、立行司の交代です。
日本相撲協会は2026年10月1日の理事会で、立行司の昇進を承認しました。39代木村庄之助が10月30日に定年を迎えることを受け、43代式守伊之助だった森田善光氏が40代木村庄之助に昇進。三役格の木村晃之助だった小島俊明氏が44代式守伊之助に昇進しました。
この人事は、通常の裏方の昇進時期より1場所前倒しされたものです。2026年11月場所から新しい立行司体制となり、最高位の2人が途切れることなく土俵に立つことになりました。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、40代木村庄之助の森田善光氏は1979年9月採用。44代式守伊之助の小島俊明氏は1981年4月採用です。いずれも40年以上にわたって行司として経験を積んできた人物です。
木村庄之助と式守伊之助の給料は同じ?木村庄之助と式守伊之助は、どちらも立行司に属します。過去の階級別本俸の参考資料では、両者とも月額40万〜50万円未満という同じ基準帯で紹介されています。
ただし、同じ階級だからといって個人の給与まで同額であるとは限りません。手当の個別支給額が公開されていないため、木村庄之助と式守伊之助の収入差を具体的に比較することはできません。
両者の違いは、主に土俵上で担当する役割にあります。木村庄之助は結びの一番を裁く最高位の行司であり、式守伊之助も立行司として重要な取組を担当します。給与の差を名前や役割だけから判断するのは避けたいところです。
【給料の仕組み】本俸・装束補助費・手当・初任給を解説
行司の給与は、本俸だけで決まるわけではありません。毎月の給与に加え、装束に関する補助費や各種手当が収入に関係します。
本俸は階級に応じて決まる基本給本俸は、行司の階級に応じて設定される給与の基本部分です。
昇進によって階級が上がれば、基本となる給与水準も上がる仕組みです。力士の番付と同じように、行司にも階級が存在し、キャリアの進展が待遇に反映されます。
ただし、力士のように勝ち越しや優勝によって直接給与が決まるわけではありません。行司の場合は、日頃の実務や土俵上の技量などが昇進評価に関係します。
装束補助費は衣装を維持するための制度行司の特徴的な待遇が装束補助費です。
行司が着用する装束は、一般的な仕事着とは異なります。直垂や烏帽子など、伝統的な様式に基づく衣装を身につけ、軍配を持って土俵に上がります。階級によって装束の意匠や格式も異なります。
そのため、装束を用意し、維持するための補助費が設けられています。
日本相撲協会の2025年度事業報告書でも、行司全員に本場所ごとの装束補助費を支給していることが確認できます。これは単なる臨時ボーナスではなく、行司という職務に必要な装束を支える制度として理解するのが適切です。
なお、装束補助費は毎月の本俸とは支給単位が異なります。過去の参考資料に掲載された金額を、そのまま毎月の給与に加算する計算はできません。
手当はどのように決まる?行司の手当については、過去の給与解説資料で、能力や成績、勤務状況、物価や社会情勢などを考慮して決定される仕組みが紹介されています。
一方、2026年現在の公式公開資料では、階級別の手当額や個人別の支給額を確認できません。
そのため、立行司の手当が月に何万円なのか、木村庄之助に特別な金額が加算されているのかといった点は、公開情報からは判断できない部分です。
行司の初任給は14万円という情報の実態行司の初任給については、月額14万円という数字が二次情報で紹介されています。
また、友綱部屋の公式募集案内では、裏方職種の初任給について、手取り12万〜13万円程度に加えて場所ごとの各種手当があると説明されています。
ただし、手取り額と支給総額は別の数字です。加えて、部屋の募集案内に掲載された待遇を、日本相撲協会全体の2026年統一初任給とみなすこともできません。
行司は義務教育を修了した若年者を中心に採用され、見習い期間を経て技術を身につけていく仕事です。初任給だけでなく、住環境や養成制度を含めた待遇全体を見る必要があります。
【仕事内容と昇進条件】行司は何を評価されて立行司になる?
行司の仕事は、取組の勝敗を判定するだけではありません。大相撲の進行や伝統的な儀式にも関わり、土俵を成立させる重要な役割を担っています。
勝負の判定だけではない幅広い仕事内容日本相撲協会の定款第50条では、行司について、力士が土俵に上がってから競技を終えて土俵を下りるまで、その一切を主導する役割が定められています。
「行司は、力士が土俵に上がってから競技を終えて土俵を下りるまで、その一切を主導する」
具体的な仕事内容には、次のようなものがあります。
- 取組前に力士の仕切りを進行させる
- 掛け声によって立ち合いを促す
- 勝負を見極めて軍配を上げる
- 勝ち力士に勝ち名乗りを与える
- 土俵祭の祭主を務める
- 土俵入りなどで力士を誘導する
- 番付表の作成など、相撲に関わる実務を担う
とりわけ勝負の判定には、瞬間的な観察力と判断力が大切です。力士の身体の動きや足の位置を見極めながら、適切なタイミングで軍配を上げなければなりません。
テレビで見えるのは土俵上の姿が中心ですが、その裏側には長い修業と幅広い実務があります。
昇進は年功序列だけで決まらない行司の昇進は、単純な勤続年数だけで決まるものではありません。
過去に紹介された行司番付編成の基準では、主に次のような評価項目が挙げられています。
- 土俵上の勝負判定が適切か
- 土俵上での姿勢や態度が良好か
- 掛け声や声量が適切か
- 後輩などへの指導力があるか
- 日常の勤務状況や行動に問題がないか
- その他の行司実務に優れているか
これらの要素を踏まえ、行司の階級順位が検討されます。
日本相撲協会の2025年度事業報告書でも、行司の番付編成は原則として毎年9月場所後の理事会で翌年度の階級順位を決めると記載されています。
つまり、日々の仕事ぶりや技量を積み重ね、評価を得ることが昇進への道になります。
行司になるための採用条件と養成期間行司は一般的な会社員のように、大学卒業後に自由に応募して就職する職種とは異なります。
過去の日本相撲協会の採用規定では、義務教育を修了した19歳未満の男子を新規採用の対象としていました。また、新規採用者には原則3年間の見習い養成期間が設けられていました。
見習い期間には、相撲の歴史や勝負の見極め方、発声、相撲文字など、行司に必要な知識や技能を習得していきます。
採用枠にも限りがあり、入門すればすぐに一人前の行司として活躍できるわけではありません。若いうちから相撲部屋に所属し、長期間にわたって経験を積むことが大切です。
【行司と呼出しを比較】給料・手当・仕事内容はどう違う?
大相撲を支える裏方には、行司のほかに呼出しや床山がいます。特に行司と呼出しは、土俵上で目にする機会が多く、給与体系にも共通点があります。
行司と呼出しはどちらも月給制日本相撲協会の2025年度事業報告書によると、行司全員に月給制の給与が支給され、場所ごとに装束補助費も支給されています。
呼出しについても月給制の給与が支給されています。ただし、装束補助費の支給については、同報告書では東京場所ごとと記載されています。
両者とも階級制度を持ち、技術を磨きながら上位の役職を目指す職種ですが、仕事の内容は大きく異なります。
仕事内容の違い行司は、取組の進行と勝負の判定を担う職種です。軍配を上げ、勝ち名乗りを与えるほか、土俵祭などの伝統的な役割も担います。
呼出しは、力士の呼び上げや土俵の管理を担う職種です。力士の名前を呼び上げるだけでなく、土俵づくりや太鼓の打ち分けなど、興行全体を支える幅広い仕事があります。
どちらも大相撲に不可欠な専門職であり、単純にどちらの仕事が楽か、どちらが高収入かという比較はできません。
給与額の比較はできる?行司と呼出しの給与について、2026年の階級別の確定額を比較できる公式資料は一般公開されていません。
そのため、行司のほうが必ず高収入、あるいは呼出しのほうが待遇が良いといった断定はできません。
比較する際には、本俸だけでなく、装束補助費の支給条件、仕事内容、昇進制度、養成期間などを合わせて考える必要があります。
大相撲の興行は、行司だけでも呼出しだけでも成立しません。それぞれが専門性を持ち、異なる立場から土俵を支えている点に注目したいところです。
行司の給料に関するよくある質問(FAQ)
Q1:行司の給料は月にいくらですか?
A1:過去の資料に掲載された本俸の参考値では、序ノ口格が月1万4,000円〜2万円未満、立行司が月40万〜50万円未満です。これに装束補助費や手当が関係しますが、2026年の確定支給額は公表されていません。
Q2:木村庄之助の年収はいくらですか?
A2:個人別年収は非公表です。過去の本俸参考額を12か月換算すると480万〜600万円未満ですが、これは手当などを含まない基本給の試算です。年収1,000万円以上という情報も確定した公式数字ではありません。
Q3:式守伊之助の給料は木村庄之助より低いですか?
A3:両者は同じ立行司です。過去の参考資料では同じ本俸の金額帯が掲載されています。個人別の手当や実際の給与は公開されていないため、収入差は確認できません。
Q4:行司の装束補助費はいくらですか?
A4:過去の参考資料では、幕下以下が一場所2万円、十枚目格が2万5,000円、幕内格が3万円、三役格が4万円、立行司が5万円とされています。2026年の現行支給額として確定した数字ではありません。
Q5:行司の初任給は14万円ですか?
A5:月14万円という数字は二次情報で紹介されています。友綱部屋の募集案内には手取り12万〜13万円程度との記載もありますが、手取りと総支給額は異なり、2026年の協会一律の初任給として確認された数字ではありません。
Q6:行司は年功序列で昇進しますか?
A6:年齢や勤続年数だけでは決まりません。勝負判定の正確さ、姿勢や態度、掛け声、指導力、日常の勤務状況などが評価され、理事会で階級順位が決められます。
Q7:行司と呼出しではどちらの給料が高いですか?
A7:2026年の確定した給与額が公開されていないため、単純な比較はできません。両者とも月給制ですが、仕事内容や装束補助費の支給条件には違いがあります。
2026年の行司の給料を理解するうえで重要なのは、階級別の本俸、装束補助費、手当という複数の要素を分けて考えることです。
過去の参考資料では、序ノ口格の月額1万4,000円台から、最高位の立行司の40万〜50万円未満まで、大きな給与差が示されています。ただし、これらは2026年の日本相撲協会による確定公表額ではありません。
木村庄之助についても、2026年11月場所から40代森田善光氏が襲名し、新しい立行司体制が始まりました。しかし、個人の年収は公表されておらず、1,000万円以上という数字を確定情報として扱うことはできません。
【プロの結論】
行司の収入を正しく理解するには、単純な月給ランキングではなく、長期的なキャリア形成と職務の専門性を見る必要があります。
10代から修業を始め、勝負の判定、発声、伝統儀式、相撲文字などを身につけ、厳しい評価を経て立行司を目指す。その長い過程が、階級に応じた待遇の背景にあります。
また、行司の給与と呼出しの給与を比較する場合も、単純な金額だけではなく、それぞれの役割と支給制度を確認することが大切です。
今後、給与規程や階級別の支給額が日本相撲協会から一般公開されれば、行司の年収や装束補助費について、さらに具体的な比較が可能になるでしょう。2026年の実態を知るうえでは、公式の事業報告書と個人別プロフィール、そして過去の参考金額を区別して読み解くことが、最も確かな判断につながります。