栃木県のいじめは、実際にどの程度発生しているのか。栃木県教育委員会が公表した令和6年度の公立学校調査によると、県内のいじめ認知件数は6,865件、児童生徒1,000人当たりでは39.7件に達した。前年度の6,183件から682件増加しており、小学校と中学校を中心に認知件数が増えている。
2026年11月現在、注目すべきなのは統計上の増加だけではない。いじめの重大事態が27件報告されていること、2026年1月には県立学校で緊急確認が実施されたこと、さらにSNS相談@とちぎやホットほっと電話相談の利用体制が更新されたことも重要だ。この記事では、栃木県のいじめ認知件数、学校種別の実態、前年度との比較、不登校との関係、学校の対応、2026年最新の相談窓口を整理する。
【最新統計】栃木県のいじめ認知件数6,865件と39.7件の意味
栃木県のいじめ問題を把握するうえで基準となるのが、栃木県教育委員会が2025年10月29日に公表した「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」だ。
この調査は、県内の公立小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を対象としている。義務教育学校の前期課程は小学校、後期課程は中学校に含まれる。
集計された令和6年度のいじめ認知件数は6,865件。児童生徒1,000人当たりの認知件数は39.7件だった。
6,865件は何を意味するのかここで注意したいのは、認知件数がそのまま被害児童生徒の実人数を表しているわけではないという点だ。
認知件数は、学校がいじめに該当すると把握した事案を集計した数字である。同じ児童生徒に複数の事案が発生する可能性もあり、認知件数と被害を受けた子どもの人数は必ずしも一致しない。
また、いじめ防止対策推進法では、いじめを身体的な暴力に限定していない。心理的な影響を与える行為や、インターネットを通じた行為も対象になる。
例えば、次のような行為もいじめとして認知される可能性がある。
- 悪口やからかい、脅し文句を繰り返される。
- 仲間外れにされたり、集団で無視されたりする。
- 嫌がっていることを無理にさせられる。
- SNSやグループチャットで悪口を書かれる。
- 写真や動画を本人の意思に反して拡散される。
- 遊びを装って叩かれたり、身体的な接触を受けたりする。
重要なのは、行為をした側が冗談や遊びのつもりだったかどうかだけで判断されないことだ。対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているかどうかが、法律上の定義に関わる。
1,000人当たり39.7件は多いのか39.7件という数字は、児童生徒1,000人に対して認知された事案が39.7件あったことを意味する。単純に39.7%の子どもがいじめを受けているという意味ではない。
この数字を読むときには、児童生徒数に対する認知件数の割合だけでなく、学校がどの程度積極的にいじめを発見しているかも考える必要がある。
認知件数が増えた場合、実際のいじめが増えている可能性だけでなく、アンケートや教職員の観察、相談体制の改善によって、これまで見つからなかった問題が把握されるようになった可能性もある。
したがって、6,865件という数字は単純な学校評価ではなく、県内の教育現場がどれほど多くの問題を把握し、解決に向けて対応しているかを考えるための基礎資料として見る必要がある。
【前年度比較】小学校・中学校・県立学校のいじめ実態
令和6年度の特徴は、いじめ認知件数が前年度から682件増加したことだ。増加率は約11%で、1,000人当たりの認知件数も35.0件から39.7件へ上昇している。
栃木県教育委員会の調査結果を学校種別に見ると、増加の中心は小学校と中学校だった。
令和5年度と令和6年度の比較一覧| 学校区分・項目 | 令和5年度 | 令和6年度 | 増減・特徴 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 4,265件 | 4,858件 | 593件増加 |
| 中学校 | 1,563件 | 1,661件 | 98件増加 |
| 高校・特別支援学校 | 355件 | 346件 | 9件減少 |
| 公立学校合計 | 6,183件 | 6,865件 | 682件増加 |
| 1,000人当たりの認知件数 | 35.0件 | 39.7件 | 4.7件上昇 |
| いじめの解消率 | 79.5% | 75.4% | 4.1ポイント低下 |
| 重大事態 | 31件 | 27件 | 4件減少 |
※栃木県教育委員会「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より。高校・特別支援学校は合算値。
小学校のいじめ認知件数は4,858件最も多かったのは小学校で、令和6年度の認知件数は4,858件だった。前年度の4,265件と比較すると593件増加している。
1,000人当たりの認知件数も46.6件から54.3件に上昇した。認知した学校の割合は92.6%で、調査対象の小学校336校のうち311校がいじめを認知している。
小学校では、友人関係の変化や仲間外れ、からかいなど、日常の学校生活の中で起きる問題を早期に発見することが重要になる。
特に、子ども自身がいじめという言葉を使って相談できない場合もある。学校生活への不安、登校前の体調不良、友達の話を避けるといった変化を、家庭と学校の双方が把握する必要がある。
中学校では1,661件を認知中学校の認知件数は1,661件で、前年度の1,563件から98件増加した。1,000人当たりでは35.1件となっている。
中学校では、友人関係に加え、部活動、学年内の人間関係、SNSを通じた交流など、子どもを取り巻く環境が複雑になりやすい。
学校内では問題が表面化していなくても、放課後や休日、オンライン上でのやり取りがトラブルの原因になるケースも考えられる。
そのため、教職員が学校内の様子だけを見て判断せず、本人や保護者からの相談を継続的に受け付ける仕組みが必要だ。
県立学校の状況と2026年の緊急確認県立学校については、県教育委員会の公表資料で、令和5年度355件、令和6年度346件のいじめ認知件数が示されている。
さらに2026年2月13日、栃木県は県立高校、特別支援学校、県立中学校など全87校を対象とした「児童生徒の安全・安心を確保するための取組」の実施結果を発表した。
この取り組みは、文部科学省から2026年1月14日に出された緊急要請を受け、1月16日から30日まで実施されたものだ。
学校がそれまで把握できていなかった事案を確認するため、アンケート調査などを改めて実施した結果、新たにいじめが疑われる事案17件が把握された。
この17件は、緊急確認で新たに把握された疑いのある事案であり、年間の確定した認知件数346件に単純加算する数字ではない。
また、県は令和7年度の県立学校の年間集計について、2026年10月下旬ごろの公表予定を案内していた。令和6年度の統計と、2026年の緊急確認結果は、それぞれ異なる調査として区別して見ることが大切だ。
【重大事態27件】栃木県のいじめ問題で見逃せない学校の対応
認知件数と並んで注目したいのが、いじめ防止対策推進法第28条に基づく重大事態の発生状況だ。
栃木県教育委員会の令和6年度調査では、重大事態は27件だった。前年度の31件から4件減少しているものの、依然として重大な対応を必要とする事案が発生している。
いじめ重大事態には2つの類型があるいじめ防止対策推進法第28条第1項では、重大事態を大きく2つの類型に分けている。
第1号:生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある場合
いじめによって生命、身体、精神、財産などに重大な被害が発生した疑いがあるケースだ。自傷行為や重大な身体的被害、深刻な精神的苦痛、金品への重大な被害などが該当する可能性がある。
第2号:相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合
いじめによって登校できない状態が続いていると認められるケースだ。年間30日程度の欠席が目安として示されているが、30日に達していない場合でも、状況によって重大事態として扱われることがある。
令和6年度の重大事態27件の内訳県教育委員会の公表資料によると、27件の内訳は次のとおりだ。
- 第1号に該当する事案:12件
- 第2号に該当する事案:9件
- 第1号と第2号の両方に該当する事案:6件
学校種別では、小学校9件、中学校7件、高等学校11件、特別支援学校0件となっている。
特に注目したいのは、高等学校の重大事態が11件確認されている点だ。認知件数だけでは見えにくい問題の深刻さを、重大事態の統計が示している。
重大事態は「疑い」の段階で対応する重大事態への対応では、学校や設置者が重大な被害の疑いを把握した時点で、調査に向けて動き出すことが重要になる。
栃木県内の教育事務所が公開している児童生徒指導に関する資料でも、疑いが生じた段階で調査を開始し、学校は設置者である教育委員会などに報告して、迅速かつ適切に判断する必要性が示されている。
本人や保護者から正式な申し立てがなければ調査できないという仕組みではない。学校や設置者が重大事態と判断して調査することもある。
調査では、関係する児童生徒への聞き取り、学校側の対応記録、被害児童生徒と保護者への支援、再発防止策などが検討される。
大切なのは、加害・被害という関係だけを確認して終わらせないことだ。何が起きたのか、学校がいつ把握したのか、どのような対応を行ったのか、被害を受けた子どもが安心して生活できる状態になったのかまで確認する必要がある。
【不登校との関係】いじめ認知件数と長期欠席の統計をどう読むか
栃木県のいじめ問題を考えるうえでは、不登校の状況も無視できない。
令和6年度の県内公立小中学校では、不登校児童生徒数が合計5,983人に達した。前年度の5,805人から178人増加し、不登校児童生徒の割合は4.14%から4.37%に上昇している。
小学校と中学校で異なる不登校の動向小学校の不登校児童数は2,187人で、前年度の1,945人から242人増加した。不登校児童の割合も2.12%から2.44%に上昇している。
一方、中学校の不登校生徒数は3,796人で、前年度の3,860人から64人減少した。ただし、不登校生徒の割合は7.96%から8.02%に上昇している。
つまり、小学校では人数と割合がともに増加し、中学校では人数が減少した一方、割合は上昇したという違いがある。
いじめが不登校の原因とは限らないいじめと不登校には関連が生じる場合がある。友人関係のトラブルや学校での心理的負担が、登校を難しくする要因になることは考えられる。
しかし、栃木県のいじめ認知件数と不登校児童生徒数を単純に比較して、5,983人全員がいじめによって不登校になったと判断することはできない。
不登校には、友人関係、教職員との関係、学習面の悩み、生活リズム、家庭環境、心理的な不安など、さまざまな要因が関係する。
県教育委員会の調査でも、いじめの統計と不登校の統計は別々に集計されている。両者の因果関係を明らかにするには、個々の児童生徒の状況や学校側の把握内容を確認する必要がある。
見逃したくない子どもの変化保護者が注意したいのは、欠席日数だけではない。次のような変化が続いている場合、学校生活に何らかの問題が生じている可能性がある。
- 朝になると腹痛や頭痛を訴える。
- 学校や特定の友人の話を避ける。
- スマートフォンの通知を極端に気にする。
- 以前は楽しんでいた部活動や習い事に行きたがらない。
- 食欲や睡眠など生活リズムに変化が見られる。
- 登校日や特定の授業の日だけ強い不安を示す。
こうした変化だけで、いじめが原因だと断定することはできない。しかし、本人が説明できない場合でも、家庭と学校が情報を共有するきっかけになる。
学校に行けるかどうかだけを目標にするのではなく、まずは本人の安全と心身の安定を優先することが大切だ。
【2026年最新】栃木県のいじめ相談窓口とSNS相談@とちぎ
いじめに直面したとき、相談先を知らないことが対応の遅れにつながる場合がある。
栃木県では、2026年にSNS相談の実施体制や電話相談の受付時間が更新されている。子ども本人だけでなく、保護者が利用できる窓口も整備されている。
1. SNS相談@とちぎ|LINEで相談・いじめ通報栃木県教育委員会は、SNSを活用した相談事業として「SNS相談@とちぎ」を実施している。
2026年度の通年相談期間は、2026年4月25日から2027年3月31日まで。原則として毎週水曜日・日曜日の19時から21時に相談を受け付けている。
また、集中相談期間も設けられている。
- 第1期:2026年4月25日~5月13日
- 第2期:2026年8月23日~9月9日
- 第3期:2027年1月3日~1月13日
集中期間は19時から21時まで毎日相談できる日程となっている。
対象は、市町立中学校、義務教育学校の後期課程、県立学校、私立中学校・高等学校などに在籍する生徒。対象生徒に配布されたQRコード付きの周知カードをスマートフォンなどで読み込み、LINEに登録して利用する仕組みだ。
相談だけでなく、いじめの通報窓口としても利用できる。
ただし、小学生はこのSNS相談事業の対象に含まれていないため、小学生本人や保護者はホットほっと電話相談などの窓口を利用するとよい。
2. ホットほっと電話相談|毎日24時間対応子どもや保護者が幅広く利用できるのが、栃木県教育委員会の「ホットほっと電話相談」だ。
電話番号:028-665-9999
受付時間:毎日24時間
いじめだけでなく、友人関係、学校生活、進路、学習、不登校、家庭教育など、子どもや保護者の悩みに相談員が対応する。
2026年3月1日から電話番号の統合が行われ、保護者も毎日24時間相談できる体制になった。
全国共通の無料相談ダイヤルとして、0120-0-78310(24時間子供SOSダイヤル)も案内されている。
3. ホットほっとメール相談|匿名でも利用可能電話で話すことに抵抗がある場合は、ホットほっとメール相談も選択肢になる。
専用サイトからメールを送る方式で、匿名で相談でき、利用者登録も必要ない。
相談内容を文章にまとめることで、電話では伝えにくい悩みを整理できる場合もある。ただし、メールへの回答は後日となるため、緊急性の高い問題は電話相談などを利用したい。
4. いじめ・不登校等対策チーム|地域の教育事務所に相談学校とのやり取りだけでは解決が難しい場合、栃木県教育委員会の各教育事務所に設置されている「いじめ・不登校等対策チーム」に相談する方法もある。
児童生徒、保護者、教員などを対象に、いじめや不登校などの問題について相談を受け付け、学校への支援も行っている。
- 河内教育事務所:028-626-3184
- 上都賀教育事務所:0289-62-0162
- 芳賀教育事務所:0285-82-5274
- 下都賀教育事務所:0282-23-3782
- 塩谷南那須教育事務所:0287-43-0609
- 那須教育事務所:0287-23-2194
- 安足教育事務所:0283-23-5479
各地域の教育事務所では、電話相談のほか、来所による相談にも対応している。受付時間などは各窓口の最新案内を確認したい。
【実践ガイド】いじめを発見したときに保護者と学校が取るべき行動
いじめの問題では、初期対応がその後の状況を大きく左右する。子どもが被害を訴えた場合、まず必要なのは、事実関係を一方的に決めつけることではなく、本人の安全を確保しながら情報を整理することだ。
保護者が最初に行うべき4つの対応1. 子どもの話を遮らずに聞く
最初から詳しい説明を求めたり、なぜ早く言わなかったのかと責めたりしないことが大切だ。本人が話せる範囲で、いつ、どこで、誰から、どのような行為を受けたのかを確認する。
無理に何度も説明させると、本人の精神的負担が大きくなる場合がある。話を聞くことそのものを、安心できる時間にする必要がある。
2. 証拠や記録を残す
LINEやSNSのメッセージ、投稿、写真、日時、欠席状況など、確認できる情報を保存する。
記録する際は、保護者の推測と本人が実際に話した内容を区別しておくと、学校や相談機関に説明しやすくなる。
また、問題のある画像や動画をSNSなどで再拡散することは避けたい。
3. 学校に具体的な対応を求める
担任だけで解決しようとせず、必要に応じて学年主任や校長にも相談する。相談日時、担当者、学校側の説明、今後の対応予定を記録しておくとよい。
特に確認したいのは、被害を受けた子どもの安全確保、加害行為を行った児童生徒との接触防止、学校内での見守り体制、継続的な状況確認だ。
4. 学校以外の窓口にも相談する
学校の対応に不安がある場合、県教育事務所の対策チームやホットほっと電話相談など、第三者的な相談先を利用することもできる。
学校への相談と外部窓口への相談は、どちらか一方しか選べないものではない。問題が長引いている場合は、複数の窓口を活用して支援につなげたい。
学校側に求められる対応学校には、いじめの早期発見と組織的な対応が求められる。特定の教職員だけが情報を抱え込むのではなく、学校内のいじめ対策組織などで情報を共有し、対応方針を検討する必要がある。
具体的には、次のような対応が重要になる。
- 被害を受けた児童生徒の安全確保。
- 関係する児童生徒への個別の聞き取り。
- 保護者への適切な説明と情報共有。
- 教職員間での情報共有と対応記録の保存。
- スクールカウンセラーなど専門職との連携。
- 再発防止に向けた継続的な見守り。
特に、いじめが一時的に止まったことだけで対応を終了してはいけない。被害を受けた子どもが再び不安を感じていないか、時間をかけて確認することが必要だ。
【プロの結論】2026年の栃木県いじめ防止対策で注目すべき判断基準
栃木県の統計から見えてくるのは、いじめの認知件数が増えていることだけではない。発見の仕組み、重大事態への対応、不登校への支援、相談窓口の利用しやすさを一体的に考える必要があるということだ。
認知件数の増加を、そのまま対策の失敗と判断しない令和6年度は6,865件と前年度から682件増加した。一方、調査ではアンケート調査などがいじめ発見の最も多いきっかけとなっている。
つまり、学校が積極的に実態を把握することで、認知件数が増加することもある。
認知件数の多さだけで学校を評価するのではなく、発見した後にどれだけ迅速に対応し、被害を受けた児童生徒を守れているかを見ることが重要だ。
解消率75.4%をどう評価するか令和6年度のいじめ解消率は75.4%で、前年度の79.5%から4.1ポイント低下した。
ここでいう「解消」は、単に学校が問題を把握しなくなったという意味ではない。国の基本方針では、少なくとも次の2つの要件が求められている。
- いじめに係る行為が止んでいる状態が、少なくとも3か月を目安として継続していること。
- 被害を受けた児童生徒が心身の苦痛を感じていないことを、本人や保護者との面談などで確認すること。
この基準を踏まえると、解消率が低下したことは、対応が必要な事案が残っていることを示す一つの材料になる。
認知件数と解消率をセットで見ることで、学校が問題を発見する力だけでなく、解決まで支援を続ける力も評価できる。
2026年のいじめ防止対策で重要になる3つの視点第一に、オンライン上のいじめへの対応だ。
いじめ防止対策推進法の定義にはインターネットを通じた行為も含まれている。学校内での指導だけでなく、SNSやグループチャットで発生するトラブルについても、相談・通報・記録の仕組みを整える必要がある。
第二に、重大事態の初動対応だ。
重大な被害や長期欠席の疑いが生じた場合、学校は事実関係を確認し、設置者と連携して対応しなければならない。問題を小さく見せることより、子どもの安全を優先することが求められる。
第三に、相談窓口を実際に利用できる環境づくりだ。
SNS相談@とちぎ、ホットほっと電話相談、教育事務所の対策チームなど、複数の窓口があっても、子どもや保護者が存在を知らなければ支援につながらない。
学校での周知だけでなく、家庭でも相談先を共有し、困ったときに利用できる状態にしておくことが大切だ。
【FAQ】栃木県のいじめに関するよくある質問
Q1:栃木県のいじめ認知件数は何件ですか? A1:令和6年度の栃木県公立学校のいじめ認知件数は6,865件です。児童生徒1,000人当たりでは39.7件で、前年度の6,183件から682件増加しました。
Q2:栃木県では小学校と中学校のどちらでいじめが多いですか? A2:令和6年度は小学校が4,858件、中学校が1,661件で、小学校の認知件数が多くなっています。小学校では前年度から593件増加しました。
Q3:栃木県のいじめ相談窓口はどこですか? A3:子どもと保護者が利用できる「ホットほっと電話相談」があります。電話番号は028-665-9999で、毎日24時間対応です。中学生や高校生などはLINEを利用するSNS相談@とちぎも利用できます。
Q4:SNS相談@とちぎはいつ利用できますか? A4:2026年度は原則として毎週水曜日と日曜日の19時から21時まで利用できます。集中相談期間には毎日受け付ける日程も設定されています。対象は中学生や高校生など、県が定める対象校の在籍生徒です。
Q5:いじめ重大事態とは何ですか? A5:いじめによって生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、またはいじめによって相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合を指します。いじめ防止対策推進法第28条に規定されています。
Q6:いじめが原因で不登校になった場合、どこに相談すればよいですか? A6:まずは学校の管理職や教育委員会に相談し、本人の安全確保と学校生活への支援を求める方法があります。学校への相談が難しい場合は、栃木県のいじめ・不登校等対策チームやホットほっと電話相談を利用できます。
Q7:いじめ認知件数が増えたのは、いじめそのものが増えたということですか? A7:認知件数の増加だけでは判断できません。実際の発生状況に加え、アンケートや相談体制の充実によって、これまで把握できなかった事案が新たに認知された可能性もあります。認知件数と解消率、重大事態の件数を合わせて見ることが重要です。
栃木県教育委員会の令和6年度公立学校調査では、いじめ認知件数6,865件、児童生徒1,000人当たり39.7件という結果が公表された。前年度より682件増加し、特に小学校と中学校で増加が目立っている。
また、重大事態は27件、不登校児童生徒数は小中学校合計5,983人となった。これらの数字は、それぞれ異なる問題を示す統計だが、子どもが安心して学校生活を送れる環境を整える必要性を浮き彫りにしている。
2026年には、県立学校87校を対象とした緊急確認で新たにいじめが疑われる事案17件が把握された。SNS相談@とちぎの実施や、ホットほっと電話相談の24時間対応など、相談体制にも更新が加えられている。
いじめは、重大な被害が発生してから対応するのでは遅い場合がある。子どもの小さな変化を見逃さず、学校、家庭、教育委員会、相談機関が連携することが必要だ。
保護者や児童生徒が覚えておきたいのは、相談することは問題を大きくする行為ではなく、子どもの安全を守るための第一歩だということ。学校に話しにくい場合でも、県の相談窓口を利用できる。
栃木県のいじめ防止対策を評価する際には、認知件数の増減だけでなく、重大事態への対応、いじめの解消状況、相談体制の実効性まで継続して確認していくことが重要だ。
主な公的根拠資料: 栃木県教育委員会の令和6年度調査、2026年県立学校緊急確認結果、2026年度SNS相談案内、ホットほっと電話相談案内、いじめ重大事態対応資料。