2026年3月23日、京都府南丹市で、市立園部小学校に通う小学5年生の安達結希(あだち・ゆき)さん(当時11歳)が行方不明になりました。卒業式当日の朝、父親の車で学校付近まで送り届けられたと説明されていたものの、校内での登校が確認されず、家族から警察に通報。捜索が続くなか、通学用リュックや黒色のスニーカーが相次いで発見されました。
その後、4月13日に南丹市内の山林で遺体が発見され、翌14日に安達結希さんと確認されました。京都府警は養父の安達優季被告を逮捕し、京都地検は5月28日に殺人罪と死体遺棄罪で起訴。さらに2026年8月31日には京都地裁で第1回公判前整理手続きが行われています。11月5日現在、事件の経緯、起訴状に記された内容、司法解剖で判明したこと、裁判の進行状況を整理します。
【事件の全体像】京都府南丹市で何が起きたのか?安達結希さんの行方不明から事件発覚まで

今回の事件は、当初、小学生の行方不明事案として捜索が始まりました。しかし、所持品の発見状況や警察による捜査が進むにつれて、単なる所在不明ではなく、殺人と死体遺棄の事件として捜査されることになりました。
被害者は、南丹市立園部小学校に通っていた安達結希さん。行方が分からなくなった当時は小学5年生で、11歳でした。2026年度には6年生になる予定だった児童です。
事件の大きな転換点は、4月13日の遺体発見と、4月16日の養父逮捕です。その後、殺人容疑での再逮捕、京都地検による起訴へと進みました。
京都府教育委員会が4月14日時点でまとめた報告資料にも、3月23日に園部小学校付近で行方不明事案が発生したこと、4月13日に子どもとみられる遺体が発見されたことが記録されています。学校では児童や教職員へのスクールカウンセラーによる支援も実施されました。
事件を理解するうえで重要なのは、次の3つを区別することです。
- 捜索段階の情報: 父親が学校付近まで送ったという当初の説明、リュックや靴の発見状況。
- 捜査段階の情報: 京都府警が発表した遺体の身元や司法解剖結果、逮捕・再逮捕の経緯。
- 刑事裁判に関する情報: 京都地検の起訴内容と、京都地裁で進められている公判前整理手続き。
特に、起訴状に記載された殺害方法や遺体の移動経緯は検察側の主張です。起訴されたことと、裁判で有罪が確定したことは同じではありません。
事件の経過を日付順に追うと、行方不明の発覚から遺体発見まで約3週間、逮捕・起訴までにはさらに時間を要したことが分かります。
2026年3月23日:卒業式当日の朝に行方不明3月23日は南丹市立園部小学校の卒業式でした。この日は卒業する6年生と在校生の5年生が登校する日で、安達結希さんも出席する予定でした。
報道によると、父親は午前8時ごろ、車で結希さんを学校付近まで送り届けたと説明していました。しかし、学校側の防犯カメラには結希さんの姿が映っておらず、実際に登校したことは確認されませんでした。
その後、担任教員が午前11時45分から50分ごろに母親へ欠席確認の連絡を入れ、結希さんが登校していないことが判明。家族は正午ごろに110番通報しました。
2026年3月29日:黄色い通学リュックを発見行方不明から6日後の3月29日午前、南丹市園部町内の山中で、親族が黄色い通学用リュックを発見しました。
警察による確認の結果、リュックは結希さんのものと判明。発見場所は園部小学校から北西に約3キロ離れた山中と報じられています。
通学路上で見つかったものではなく、通常の登下校経路とは異なる場所だったことから、警察は周辺を重点的に調べました。
2026年4月12日:黒色のスニーカーを発見4月12日には、南丹市内の山中で黒色のスニーカーが見つかりました。
靴は結希さんが行方不明になった際に履いていたものと特徴が似ており、警察が確認を進めました。発見場所は学校と自宅の間に位置する山中で、自宅から約4キロ離れた地点と報じられています。
リュックと靴が異なる場所で発見されたことは、その後の捜査でも重要な意味を持つことになります。
2026年4月13日:山林で子どもとみられる遺体を発見4月13日午後4時45分ごろ、南丹市園部町の山林で子どもとみられる遺体が発見されました。
発見場所は園部小学校から南西に約2キロ離れた山林でした。遺体は靴を履いておらず、警察は身元の確認と司法解剖を進めました。
翌14日、京都府警は遺体が安達結希さんであると発表しました。死亡時期は3月下旬ごろと推定されています。
2026年4月16日:養父の安達優季容疑者を逮捕京都府警は4月16日、安達結希さんの遺体を遺棄した疑いで、養父の安達優季容疑者(37)を逮捕しました。
警察の調べに対して容疑を認める供述をしたと報じられ、捜査関係者への取材では殺害についても認める趣旨の説明をしていたことが伝えられました。
府警は同日、南丹警察署に捜査本部を設置。事件の全容解明に向けて捜査を進めました。
2026年5月6日〜28日:殺人容疑で再逮捕、京都地検が起訴5月6日、安達容疑者は殺人容疑で再逮捕されました。
そして5月28日、京都地検は安達優季容疑者を殺人罪と死体遺棄罪で起訴しました。これにより、事件は刑事裁判に向けた段階に移りました。
起訴状には、3月23日に南丹市内の多目的トイレで結希さんを殺害し、その後、市内の複数の場所に遺体を移動させたという検察側の主張が記載されています。
【証拠と捜査状況】通学リュック・黒色スニーカー・スマートフォンの行動履歴
この事件では、結希さんの所持品が別々の場所で見つかったことに加え、容疑者の行動履歴なども捜査の重要な手がかりになったと報じられています。
通学リュックが発見された場所3月29日に発見された黄色いリュックは、結希さんが普段使用していた通学用のものでした。
園部小学校から約3キロ離れた山中で発見され、通常の登下校経路とは異なる地点だったことが特徴です。
当初は、リュックの発見場所周辺を中心に捜索が続けられましたが、結希さんの所在を確認することはできませんでした。
黒色スニーカーが発見された場所4月12日に見つかった黒色のスニーカーは、結希さんが行方不明になった当時に履いていた靴と特徴が似ているものでした。
リュックの発見場所とは異なる山中で見つかったことから、所持品がどのような経緯でそれぞれの場所に存在していたのかが捜査上の焦点になりました。
5月8日の報道では、安達容疑者が遺体を移動させた後、通学リュックとスニーカーをそれぞれの発見場所から回収し、別々の場所に捨てたと説明していたことも明らかになっています。
スマートフォンの行動履歴も捜査に活用4月16日の産経新聞の報道によると、京都府警は安達容疑者のスマートフォンなどに残された行動履歴を分析し、捜索範囲を絞り込んだとされています。
その捜査の過程で、4月12日に靴が発見され、翌13日に遺体が発見されました。
防犯カメラの映像や関係者への聞き取りだけでなく、デジタル機器に残された記録も捜査の手がかりとなった点は、この事件の特徴の一つです。
【事件関係者と起訴内容】安達優季被告・京都府警・京都地検の役割
事件の報道では複数の人物や機関が登場します。それぞれの立場を整理すると、捜査と裁判の進行状況を理解しやすくなります。
2026年5月28日、京都地検は安達優季容疑者を殺人罪と死体遺棄罪で起訴しました。
朝日新聞などの報道によると、起訴状で主張されている事件の概要は次のとおりです。
- 殺害について: 2026年3月23日、南丹市内の駐車場近くにある多目的トイレで、結希さんの首を両手で絞め、窒息させて殺害したとされる。
- 遺体の移動について: その後、遺体を車で市内の山林や雑木林など複数の場所に移動させたとされる。
- 死体遺棄について: 3月29日、最終的に遺体を市内の山林に遺棄したとされる。
京都地検は起訴時、被告の認否について公判を考慮して回答を控えると説明しました。したがって、警察段階での供述と、裁判での正式な認否は分けて考える必要があります。
【死因と事件の動機】司法解剖の結果と安達優季被告の供述を検証
事件をめぐって特に関心が集まっているのが、安達結希さんの死因と、安達優季被告が供述したと報じられている動機です。
司法解剖で判明した死因は「不詳」京都府警は2026年4月14日、発見された遺体について司法解剖の結果、安達結希さん本人と確認したと発表しました。
一方、死因については不詳とされました。死亡時期は3月下旬ごろと推定され、遺体に目立った外傷や明らかな刺し傷などは確認されなかったと報じられています。
この結果は、司法解剖によって死因を特定できなかったことを意味します。どのような経緯で死亡したのかについては、解剖結果だけでなく、捜査で集められた証拠や供述などを総合して検討する必要があります。
起訴状では首を絞めたことによる窒息死を主張一方、5月28日の起訴状では、安達優季被告が結希さんの首を両手で絞め、窒息させて殺害したとされています。
ここで注意したいのは、司法解剖で死因が不詳とされたことと、検察が殺害方法を特定して起訴したことは、異なる段階の情報だという点です。
司法解剖の結果だけで検察の主張が証明されたわけではありません。今後の裁判では、供述の信用性や客観的証拠との整合性などが重要な検討対象になります。
事件の動機として報じられた親子関係をめぐるトラブル動機については、2026年5月7日、毎日新聞が捜査関係者への取材をもとに、安達容疑者が任意聴取で結希さんから実の父親ではないという趣旨の言葉を向けられ、腹を立てて殺害したという趣旨の供述をしていたと報じました。
同報道によれば、安達容疑者は2025年に結希さんの母親と結婚し、結希さんと養子縁組をして養父となっていました。
また、捜査関係者の説明として、結希さんと安達容疑者が車内で口論になった可能性や、親子関係をめぐる問題が動機の一つとなった可能性も伝えられています。
ただし、これは警察の捜査段階で報じられた供述や関係者の説明です。動機の全容や供述の信用性については、今後の裁判で検証される必要があります。
【2026年11月最新】8月31日の公判前整理手続きと京都地裁の初公判・裁判の行方
2026年11月5日現在、裁判の進行を考えるうえで重要なのが、8月31日に京都地裁で行われた第1回公判前整理手続きです。
8月31日に第1回公判前整理手続きを実施共同通信の2026年8月31日付報道によると、京都地裁はこの日、安達優季被告の事件について第1回公判前整理手続きを実施しました。
手続きには裁判官、検察側、弁護側が参加し、安達被告本人も出席したとされています。
公判前整理手続きとは、刑事裁判を始める前に、検察側と弁護側の主張や争点、公判で取り調べる証拠などを整理するための手続きです。
今回の手続きは非公開で実施されました。京都地裁によると、争点や証拠の整理に向けた協議が行われたとされています。
初公判の日程は決まっているのか?8月31日の共同通信報道では、初公判の期日は未定とされていました。
11月5日時点で確認できる公表報道からは、初公判の日程が確定したという情報は確認できません。
そのため、現段階で具体的な初公判日や判決日を断定することはできません。公判前整理手続きの進行状況によって、今後の裁判日程が明らかになっていくと考えられます。
今後の裁判で注目される4つの争点1.殺害に至った経緯
検察側は3月23日に多目的トイレで殺害したと主張しています。事件当日の行動や、学校付近からその後に至る経緯がどのように立証されるかが焦点です。
2.警察段階の供述と客観的証拠の整合性
捜査段階で報じられた供述が、スマートフォンの行動履歴や防犯カメラ、その他の証拠とどの程度一致するかが重要になります。
3.殺害の動機と事件に至る背景
親子関係をめぐるトラブルが動機の一つだったという報道がありますが、具体的な経緯や責任の所在は、裁判での主張や証拠に基づいて判断されることになります。
4.死体遺棄の経緯と計画性
起訴状では、遺体を複数の場所に移動させたとされています。遺体や所持品が移動した経緯について、どのような証拠が提出されるかも注目点です。
裁判の結果を左右するのは、報道された供述の印象だけではありません。検察側が提出する証拠と弁護側の主張を踏まえ、裁判所がどの事実を認定するかが重要になります。
【京都府小学生行方不明事件】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:安達結希さんはいつ行方不明になった?
2026年3月23日です。南丹市立園部小学校の卒業式当日、午前8時ごろに父親の車で学校付近まで送られたと説明されていましたが、登校は確認されませんでした。午前中に欠席が判明し、家族が警察に通報しました。
Q2:安達結希さんの遺体はどこで発見された?
2026年4月13日午後4時45分ごろ、京都府南丹市園部町の山林です。翌14日に京都府警が身元を安達結希さんと発表しました。
Q3:通学リュックと黒色スニーカーはいつ見つかった?
黄色い通学リュックは3月29日、黒色のスニーカーは4月12日に、それぞれ南丹市内の山中で発見されました。発見場所は異なっていました。
Q4:安達優季被告は何の罪で起訴された?
2026年5月28日、京都地検によって殺人罪と死体遺棄罪で起訴されました。起訴状では、3月23日に結希さんを殺害し、その後、遺体を市内の複数の場所に移動させたとされています。
Q5:安達結希さんの死因は何だった?
京都府警が公表した司法解剖の結果は「不詳」です。死亡時期は2026年3月下旬ごろと推定されています。一方、起訴状では首を絞めて窒息させたとする検察側の主張が記載されています。
Q6:2026年8月の公判前整理手続きでは何が行われた?
8月31日に京都地裁で第1回公判前整理手続きが行われました。裁判官、検察側、弁護側が争点や証拠の整理に向けた手続きを行い、安達被告本人も出席しました。手続きは非公開でした。
Q7:安達優季被告の初公判はいつ?
2026年11月5日時点で、確認できる公表報道では初公判の日程は明らかになっていません。8月31日の第1回公判前整理手続きの報道でも、初公判期日は未定とされていました。
【プロの結論】京都府南丹市の事件から見える事実と今後の注目点
京都府南丹市の小学生行方不明事件は、3月23日の失踪から始まり、4月13日の遺体発見、養父の逮捕、殺人罪・死体遺棄罪での起訴、そして8月31日の公判前整理手続きへと進みました。
今回の事件を理解するために、特に押さえておきたい要点は3つあります。
第一に、司法解剖の結果と起訴状の内容を混同しないこと。
死因は不詳と発表されていますが、検察側は首を絞めて窒息死させたと主張しています。両者は情報の性質が異なり、最終的な事実認定は裁判所の判断に委ねられます。
第二に、警察段階の供述と裁判で認定される事実を区別すること。
報道された動機や供述は事件の背景を理解する手がかりですが、それだけで有罪や動機の全容が確定するわけではありません。証拠に基づく検証が必要です。
第三に、公判前整理手続きと初公判を区別すること。
8月31日の手続きは、裁判で扱う争点や証拠を整理するためのものです。判決や有罪認定が行われたわけではなく、刑事裁判は別の段階にあります。
今後は、京都地裁での争点整理の進展、初公判の日程、検察側と弁護側の主張、そして証拠に基づく事実認定が注目されます。
安達結希さんが亡くなった事件の全容解明と、司法による適正な判断が求められています。何よりも、被害に遭った子どもの尊厳と、残された家族や学校関係者、地域の子どもたちへの配慮を忘れてはなりません。
記事基準日:2026年11月5日。主な参照資料:京都府教育委員会の報告資料、京都府警の発表を伝えた報道、毎日新聞、朝日新聞、産経新聞、共同通信。